葬儀に数珠は必要ない?喪服に合わせてOKなコートとは?大人の参列マナーその②

葬儀に数珠は必要ない?喪服に合わせてOKなコートとは?大人の参列マナーその②

お葬式は急に声がかかり参列することになるので、普段からその様式を解っていなければ戸惑うことも多いでしょう。

今回は「数珠」と「コート」に関して、実際にお葬式で必要になるマナーについて紹介します。葬儀全体の流れについても、あわせて理解を深めておきましょう。

こんな人におすすめ

葬儀の服装マナーを知りたい方

喪服に合わせるコートについて知りたい方

葬儀に和服で参列する場合の対応方法を知りたい方

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数珠は必須なのか

お葬式といえば数珠を持参するというイメージがある方も多いのではないでしょうか。実際にお葬式中に周りを見渡せば、ほとんどの人が手に数珠を持っていると思います。

ところがこの数珠、実は必須ではないことをご存知でしょうか。日本において数珠は仏教徒の必須アイテムとされていますが、本来数珠とは念仏の回数を数える「数取り(かずとり)」に用いられるものであることから、自分で読経するならばともかくとして、普通に参列するだけであれば必須ではありません

しかし、日本人の常識としてお葬式には「数珠」という認識があるのも事実です。仏教徒でないならばその限りではありませんが、マナーとしては数珠を持っておくと安心でしょう。

喪服に合わせるコートのマナー

暖かい時期にお葬式を行うならば特に気にすることはありませんが、寒い時期であれば喪服の上からコートを羽織る機会が必ずやってくることでしょう。服装は喪服で問題ありませんが、その上に着るコートにも着用ルールとも言うべきマナーが存在します

コートの素材に関して言えば、毛皮や革のコートはタブーとされています。これは殺生をイメージさせるということに起因するもので、たとえ黒や濃いグレーなど、地味な色であってもマナー違反となります。

カジュアルなデザインのジャンパーやダウンジャケットも禁止というわけではありませんが、避けるほうが無難でしょう。また、留め具にゴールドが使われているものはNGとされていますが、それ以外のもので細かいルールというものはあまり存在しないようです。そもそもコート自体がフォーマルの一部というものでもないため、派手すぎず、カジュアルすぎない範囲のものを着ていくほうがよいでしょう。

葬儀用として常識的なコートの具体的な仕様

葬儀に参列する用のコートを選ぶ際には、いくつか気を付けなければいけないことがあります。色や形状、使用している素材など判断基準は多くあるので最初は戸惑ってしまうかもしれません。どのようなコートが葬儀の場に適しているのか、また、逆に葬儀の場に着て行ってはいけないコートはどのようなものなのかを詳しく解説します。

黒は葬儀用としてベストな色

喪服と同様に、コートも葬儀に適した色は第一に黒であるとされています。黒は悲しみを象徴する色といわれており、葬祭時の定番色となっています。次いで、黒に近い暗色系の色が相応しいとされており、華やかな印象を与える色は避けるのがマナーです。

ただ、現在でも稀に一部地方では遺族が白装束を着る名残が残っているところもあります。そういった場合は、一般的なマナーよりも地域の風習に合わせるようにしてください。

黒がない場合には紺色や濃いグレー

もし黒のコートを持っていない場合は、紺色や濃いグレーのものでも大丈夫です。黒に近い色であること、派手さがなく落ち着いた印象を与える色であるというのが理由です。ただし、紺色に関してはあまり青みが強いものは避けた方が無難です。

また、コート選びで目が行きにくいのがボタンです。コート生地が黒や紺などの暗色系でも、ボタンが金やシルバーの光り物であるものも多いです。ボタンも落ち着いた色合いのものがベストですが、暗い色のボタンカバーで隠せば問題ありません。

落ち着いた印象であればベージュやカーキもOK

ベージュやカーキは普段着用のコートとして人気の色なので、持っている方も多いのではないでしょうか。これらの色のコートも、明るすぎなければ葬儀の場へ着て行っても問題ありません。

ただし、コートによっては光の当たり方次第で派手な印象を与える場合もあります。屋内ではどのように見えるのかを事前に確認したほうが良いでしょう。カジュアルな装いになりすぎないように配慮が必要です。

葬儀用として適さない色

葬儀は厳粛な場ですので、華美な色や明るい印象を与える色は避けるべきです。青・黄色といった派手な色は、普段使いする分には映えますが弔事の場にはふさわしくありません。また、赤や白は祝い事を連想させる色なので基本的にNGです。

明るい色だけでなく、模様が入っているコートも葬儀には適しません。ストライプやドット柄のコートもありますが、こういったものは避けた方が無難です。地域や宗派によって習慣は異なりますが、TPOを考えて場にあった色を選ぶように心がけましょう。

コートの形は「ビジネスで着用できるかどうか」を基準に選定

着て行くコートの形で迷う場合は、「ビジネスの場で着用できるか」を基準に考えるとわかりやすいでしょう。

例えば、大事な取引先との会合の場にベルトやボタンが大量についたコートや動物柄のコートを着て行くか。このように考えると、葬儀の場にふさわしい装いが想像しやすくなります。

トレンチコートやダッフルコートは特に問題ありません。もし礼装ではないことが気になるようであれば、葬儀会場に入る前に脱いでおけば問題ないでしょう。

男性にはダブルボタンのチェスターコートもおすすめ

着用するコートが決められない場合は、男性であればダブルボタンのチェスターコートもおすすめです。装飾が少なくカジュアルに寄り過ぎないものであればビジネスの場でも使えるので、普段着るものとの兼用として1つ持っていると便利です。

ウール製のものなら、ほかのフォーマルな場でも着て行くことができます。

ファー付きや飾り付きは避ける

色が暗色系で落ち着いていても、デザインや装飾面で不適切となるコートもあります。

ファーや過剰な飾りが付いたものがそれにあたります。ファーは例えフェイクであったとしても、動物の殺生を想起させるためNGです。同様の理由でレザー素材のコートやバッグも葬儀ではタブーとなっています。

襟などにファーがついているコートは取り外せることも多いので、可能であれば外すようにしましょう。

地方によってはダウンコートでも可

葬儀の場ではカジュアルなダウンコートを着て行くことはマナー違反となります。しかし、寒さが厳しく氷点下も珍しくないような地方では、ダウンコートもOKです。

葬儀のマナーにこだわって体調を崩してしまっては元も子もありません。地域によっては寒さ対策としてタートルネックを着て参列することもあります。マナーよりも防寒対策の方が重要となる場面もありますので、状況を見て柔軟に判断するようにしてください。

ウールやカシミアはOK

ウールやカシミア素材のコートは葬儀に着て行っても大丈夫です。なるべくフォーマルで素朴なデザインのものを選ぶようにすればマナー違反にはなりません。

また、ウールやカシミアは保温性が高く防寒着として優れているのと、柔軟性があるので屋内に入った後に小さくまとめて持ち運びやすいのもポイントです。折りたたんでもしわになりにくい特徴もあり、一着持っていると様々な場面で重宝します。

音が鳴ったりきらきらしたりしない素材を選ぼう

服装を選ぶにあたって、色や形以外に機能面でも選別基準を考慮する必要があります。ナイロンやサテン生地などは動くと擦れて音がするので、静寂が尊ばれる葬儀の場に着て行くのは避けたほうが良いでしょう。

また、サテンは音がする以外にも非常に光沢が強く、豪華な雰囲気があるので葬儀の場に適しているとは言えません。

葬儀に着て行く衣服を選ぶときにまず念頭に置くことは、目立たず無難であることです。音や光がするものは避けて周りに合わせることを意識しましょう。

コートを着てきたらどこで脱いだら良いの?

コートは基本的に受付の前に脱ぎます。最近の斎場ではクロークが完備されていることが多く、脱いだコートはそのまま預けることができます。

ただし受付が屋外にある場合、コートは着たままでも問題ありません。室内に入ったタイミングで脱いでおけば大丈夫です。

自宅で葬儀を行う場合はコートを預けるクロークはありませんので、脱いだコートはたたんで腕にかけて持ち運ぶことになります。

寒い季節に和装で参加する場合

真冬の寒い時期に行われる葬儀に和装で参列する場合、どのような防寒着を身に着ければよいのでしょうか。洋装であれば普段使いのコートの流用も考えられますが、和装は常用するものではないので想像しにくい面があります。

こちらでは、冬に和装で参列する際の防寒対策についてご紹介します。

地味な色合いの「道行コート」を着用しよう

和装で防寒対策をするときは、女性であれば道行コートを羽織るのを推奨します。

道行コートとは和服用の女性用の外套の一種で、合羽のような形状をしているのが特徴的です。落ち着いた色合いのものであれば礼装用にも使うことができ、丈の長いものは雨や雪除けにもなるので大変便利です。

造りが薄く見えても温かく葬儀以外にも様々な場で着用できるので、和装用のコートを一着用意するのであれば道行コートがおすすめです。

下に一枚セーターを着ておくのがお勧め

環境によっては、屋内でコートを脱いだ時に寒さを感じることもあるでしょう。そのような時はインナーの枚数を増やすことで対応します。セーターは保温性が高く便利ですが、和服の上から着るものではないので薄手のものを内側に着込むのが基本です。

ただ、出かけ先で和服の下にインナーを増やすことは難しいので、その日の気温や自身の体調を考えて出発前の段階で準備を整えておきましょう。

そもそもなぜ葬儀では黒い服装をするのか

葬儀の場では黒い服装をするのがマナーであるとお伝えしてきましたが、実はこの習慣は近代に入ってから広まった文化ということはご存知でしょうか。

日本では室町時代から明治の中頃までは白が喪服の色とされていました。ですが、来日した海外の国賓が黒い喪服を着用していたことから日本でも上流階級の間で黒の喪服が定着し始めました。

この文化が庶民にも広まったのは太平洋戦争がきっかけであったと言われています。当時喪服は貸衣装屋でレンタルするのが基本でしたが、開戦により国内の死者が急増し頻繁に葬儀が開かれるようになると、需要の増加により白い喪服では汚れが目立つようになりました。

そのため、比較的手入れが容易な黒い喪服が貸し出されるようになり、以降は庶民間でも黒の喪服が主流になったとされています。

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まとめ

お葬式は必ずと言っていいほど経験するものですが、マナーは日頃学ぶ機会はなかなかありません。

その場で他の人を見て、なんとか乗り切るのもどうしても限界が来てしまいますし、年齢を重ねるにつれて、知らなければ恥をかいてしまいます。

葬儀の席で恥をかかないよう、また恥をかかせないように葬儀の場にふさわしい立ち居振る舞いを身につけておきましょう。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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