華厳宗(けごんしゅう)とは?特徴や教えをわかりやすく解説

華厳宗(けごんしゅう)とは?特徴や教えをわかりやすく解説

華厳宗は中国から伝えられた、奈良仏教の宗派のひとつです。仏教の歴史は長く、宗派によって異なる点もあります。

この記事では「華厳宗とは何か」「奈良の大仏との関係性はあるのか」「葬儀やお墓の決まりはあるのか」などを知りたい方に、華厳宗の歴史や特徴を紹介します。

<この記事の要点>
華厳宗は奈良時代に道璿によって日本に伝えられ、審祥によって確立された奈良仏教の一派である
教えは華厳経に基づき、「四法界」という世界観を持つ
葬儀やお墓の儀礼は他の宗派に倣うことが多く、独自の儀礼はほとんど行われない

こんな人におすすめ

華厳宗を信仰している人

華厳宗の教えについて知りたい人

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華厳宗の歴史

華厳宗は中国発祥の仏教宗派です。ここでは華厳宗の始まりと、日本でどのように確立されたのかを簡単に説明します。

中国での始まりと開祖

華厳宗は、中国の僧侶「杜順(とじゅん)」が開きました。「地論宗(じろんしゅう)」の影響を受けている華厳宗ですが、他にも天台宗や法相宗(ほっそうしゅう)の教えも参考にしつつ、独自性を確立していきました。

【天台宗】
・すべての生命や現象を、10種類に分類(十界)して法理を学ぶ
・十界の例:恐怖にさいなまれる「地獄」、平常心や疑心暗鬼の「人間」、悟りを開いた「仏」


【法相宗】
・インドの思想が中国に伝わり生まれた宗派
・この世のすべては心が作り出していると考える「唯識論(ゆいしきろん)」が代表的

日本での確立と「南都六宗」について

日本で認知されるようになったのは、奈良時代736年の頃です。唐の僧侶「道璿(どうせん)」が日本に伝えたとされています。その後、審祥(しんじょう)という僧侶が日本で華厳宗を確立させました。

日本の歴史では、奈良・平安・鎌倉の3時代に仏教が盛んでした。奈良時代に中心的だった仏教は華厳宗を含めて6つあり、「南都六宗」と呼ばれています。南都六宗は儀式や布教活動よりも、教理の研究や学びに力を入れていました。

【南都六宗】
・華厳宗
・三論宗
・成実宗
・法相宗
・倶舎宗
・律宗

華厳宗の総本山・ご本尊

華厳宗の総本山とご本尊は、以下のとおりです。

総本山 奈良県の東大寺
ご本尊 奈良の大仏「毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)」

東大寺は、奈良時代に聖武天皇が建てたお寺です。お寺にある巨大な大仏は、毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)と呼び、足元には蓮の花弁が見えるでしょう。花弁に毛彫りで描かれているのは、釈迦如来や菩提といった仏様です。

華厳宗の教え「四法界(しほっかい)」とは

華厳宗の教えは、華厳経に基づいています。教えのひとつに四法界があり、この世の現象について「縁起」や「因果関係といった観点により世界を表す教えです。

華厳宗の教えは仏語で語られており、一般的な表現での解説が難しい面もあります。本項目では、華厳宗の中心である四法界(しほっかい)の世界観を理解するために、かみ砕いて説明しています。あくまでもイメージするための情報として読んでみてください。

事法界(じほっかい)

事法界は「人間界」を示しており、天地に数限りなく存在する「もの」のとらえ方です。そして因果応報の考えをもとに、すべての現象には原因結果があると考えるようです。この教えを「因果の道理」または「縁起説」と呼びます。

理法界(りほっかい)

理法界とは、自我を捨てた世界、この世に存在するすべては空虚であるととらえます。「本質」に焦点をあてる理法界ですが、事法界とも関連性があるようです。

理事無礙法界(りじむげほっかい)

理事無礙法界の「理事」は、理法界と事法界を意味しています。無礙=障害のない自由な状態で、理法界と事法界がお互いに融合して存在しているのが「理事無礙法界」です。

事事無礙法界(じじむげほっかい)

事事無礙法界とは、空虚な現象や存在さえも消滅し、事象のみの世界を差します。すべてのものごとが相互に関連・融合しており、影響し合っているのです。四法界では、互いに影響し合っているという観点から、「自我や偏見を捨てる」「ありのままに物事をみる」といった教えについて伝えています。

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華厳宗の修行

修行の目的は、華厳宗の教えを理解し、悟りを開くことです。華厳宗の修行は難しいとされていますが、実際はどうなのでしょうか。ここではその概要を紹介します。

修行内容と修業期間

肉体的な鍛錬よりは、精神的な修行を重視していたようです。思想を体得した場合、「入法界(にゅうほっかい)」と呼ばれる境地に至ります。また空虚な事象さえもない「空」を体得すると、「煩悩即菩提」または「生死即涅槃(しょうじそくねはん)」に達すると教えられています。

修行の期間は、悟りを開くまで続きます。難しい修行を繰り返して、3回生まれ変わることで仏になれると教えられています。ただし体得できるかどうか、また修行の期間は、その人の才能や努力によって異なります。

【仏語解説】

煩悩即菩提 言葉で表現できない究極の幸せ
生死即涅槃(しょうじそくねはん) 生死(=迷い)と涅槃は対となっている
涅槃(ねはん) 修行により煩悩や執着を断ち切った境地

修行の難しさについて

華厳宗の修行は、高名な僧侶でも簡単には体得できなかったとされています。例えば有名なのは、当時、修行に励んでいた明恵という僧侶の話です。食への執着を断ち切るため、おいしい雑炊に埃を混ぜて食べたといわれています。

熱心に修行していた明恵ですが、ある日念珠を落としそうになります。地面に落ちる直前に拾い上げた時に、「あぁ、よかった」と安堵します。その途端に積み上げてきた悟りが崩れ去りました。このエピソードから、悟りを開く難しさが伝わってくるでしょう。

華厳宗|葬儀やお墓の考え方

華厳宗では、独自の宗教儀礼をほとんど行いません。そのため華厳宗の葬儀をする場合、他の宗派の作法に倣うことになるでしょう。これはお墓に埋葬する際も同様です。ただしお寺によっては、別の宗派を断るケースもあるため、事前に確認しておく必要があります。

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まとめ

華厳宗の特徴は修行の難しさや、学び・研究を重視している点です。

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