最近増えている「家族葬」は、費用を抑えられるというイメージを持っている方が多いようですが、実際はどうなのでしょうか。家族葬を行うときには、何にお金が必要になるのか、気になりますよね。
この記事では、少しでも費用を抑えて家族葬を行いたいという方のために、必要なものとそうでないもの、費用を抑えるために知っておきたいポイントについてまとめました。
こんな人におすすめ
家族葬を検討している方
家族葬の費用が気になっている方
家族葬のメリット・デメリットを知りたい方
家族葬は、家族や親族を中心に行う小規模のお葬式です。都市化や少子高齢化が進む現代において、「家族に迷惑をかけたくない」という送られる側の意思や、「家族だけでゆっくりと送りたい」という遺される側の想いによって、家族葬を行う方が増えています。「費用が抑えられる」という理由で家族葬を選ぶ方も少なくありません。
通常の葬儀と家族葬の一番の違いは、参列をお願いする範囲と人数です。
一般的な葬儀の場合、友人・知人や会社関係者、近所の方々など、一般に幅広く声をかけるため、参列者が50人を超えることも珍しくありません。親しい方だけでなく、遺族にとっては面識がない方が弔問するケースもあるため、特に参列者への配慮やしきたりをおさえた運営を行う必要があります。
一方家族葬では、家族や親族、ごく親しい友人など身近な方たちで送ります。どの範囲にまで声をかけるかによりますが、参列者は10人前後、多くても30人程度になるのが一般的です。親しい方たちだけで行うため、参列者へのおもてなしよりも家族がゆっくりお別れする時間を設けることを大切にする傾向があります。家族葬の場合は供花や香典を辞退し、返礼品を用意しないことも多いです。
家族葬でも、費用の決まり方は一般的な葬儀と比べても、大きな違いはありません。基本的には参列者の人数と、用意するものの数、オプションのランクで料金が変わってきます。また、同じ内容でも葬儀社によって料金が大きく異なることがあります。
■メリット
家族葬には、下記の3つのメリットがあります。
1.お義理で参列する人たちに貴重な時間を使うことなく、気のおける人たちだけでゆったりと故人を見送れる。
2.故人や喪主らしく、お葬式を行う側の要望に沿ったお葬式を行える
3.香典を持ってくる人も自然と減るので、香典返しの発送の手間とお金が省ける。
やはり、料金の面と故人とゆっくりすごせることが大きなメリットです。
■デメリット
家族葬のデメリットとして、下記の3つが挙げられます。
1.香典の入りが少ないので、持ち出しの金額が多くなる。
2.新しい葬儀の形式なので、参列者や周囲の理解が得られない場合がある
3.新しい葬儀の形式なので、葬儀社によって費用やサービスに格差がある
引用元:家族葬のメリット・デメリットを葬儀のプロが徹底解説!
「小さなお葬式」にお問い合わせくださったお客様からも、ゆったりとお見送りをしたい、料金面にメリットを感じた、というご意見を多く頂戴しています。
一方で、家族葬と一口に言っても、内容をしっかり精査しないと費用が高額になってしまうケースもあるため、家族葬を執り行うために必要なものなどはしっかりと確認しましょう。
小さなお葬式では、過去1年以内に喪主を経験した方を対象に、家族葬の費用について調査を行いました。その結果、家族葬にかかった費用の全国平均は約110万円※であることがわかりました。(※対象期間:2021年2月~2022年5月 2022年5月 自社調べ)また、都道府県別の結果は下記の通りです。
エリア | 家族葬の平均費用 | 調査対象期間 |
全国 | 約110万円 | 2021年2月~2022年5月 2022年5月 自社調べ |
北海道・東北 | 約113万円 | 2021年5月~2022年5月 2022年5月 自社調べ |
関東 | 約121万円 | 2021年2月~2022年3月 2022年4月 自社調べ |
中部 | 約116万円 | 2021年3月~2022年3月 2022年4月 自社調べ |
近畿 | 約102万円 | 2021年3月~2022年3月 2022年4月 自社調べ |
中国・四国 | 約107万円 | 2021年3月~2022年3月 2022年4月 自社調べ |
九州・沖縄 | 約91万円 | 2021年3月~2022年3月 2022年4月 自社調べ |
ただ、これはあくまで平均的な数字であり、用意するものの数や種類、儀式の内容などによって、全体の費用は変動します。家族葬の平均費用についてより詳しく知りたい方は、ぜひ小さなお葬式の調査記事をご覧ください。
家族葬では一般的な葬儀に比べ、故人や遺族の想いを尊重して、オリジナルの演出を行ったり、思い出の品を用意したりと、内容にこだわるケースも増えています。そうしたものにより料金は異なりますので、ここでは必ず必要なものと、そうではないものを整理しておきましょう。
「葬儀一式」にかかる費用の内訳を見てみると、細かく分かれています。
お通夜が終わった後の通夜ぶるまいとして、1人あたり1,500円ほどの費用がかかります。参列者の少ない家族葬でも、「通夜ぶるまい」を行います。告別式が終わった後の精進落としではさらに単価が上がり、1人あたり4,000円~5,000円ほどの費用がかかります。
一般葬と比較して参列者は少ない家族葬ですが、上記のような飲食費は参列者数によって上下するため、予定通りにはいきにくいでしょう。
飲食代の他に、祭壇にかかる費用も挙げられます。祭壇はその大きさによって予算に最も幅が出るものです。おおよそ15万円~80万円ほどの幅が出ますが、白木の祭壇であれば低価格帯、生花を用いた祭壇であれば高価格帯になると考えてよいでしょう。
その他にも、棺が3万円~17万円、葬祭会館の利用料金が10万円~15万円(首都圏では20万円クラスも)、香典返しが1人あたり3,000円ほどかかります。これらをすべて含めて、平均して150万円ほどの費用がかかると考えるとよいでしょう。
他にも寺院へ支払う費用が発生します。葬儀一式の費用に、寺院への費用が含まれている場合もありますが、一部別途支払うケースもあります。読経にかかる費用として10万円~30万円ほど、戒名にかかる費用が10万円ほどかかります。
寺院にかかる費用については、葬儀一式に含んでいるケースと、含まずに通夜や告別式の後に直接寺院へ支払うケースもあるため、葬祭会館や寺院に確認しておきましょう。
「お葬式」にフォーカスして考えると見落とされがちですが、葬儀の形に関わらず、病院で亡くなった場合は遺体を安置場所(自宅・葬儀式場の安置施設など)まで搬送する寝台車の手配が必要になります。また、ご遺体を安置するのに必要なドライアイス、棺、棺用の布団なども必要です。
家族葬を一般的な仏式で行う場合は、祭壇、供花、遺影写真、位牌なども用意します。さらに、葬儀の後は火葬を行いますので、火葬場までの寝台車の手配、火葬料金、骨つぼなども必要です。
寝台車を利用する距離や使用する祭壇の種類などによって、金額の大きさは異なりますが、これらのものは最低限必要なものとして考えておきましょう。
スペースがあれば自宅を会場にし、自宅葬を行うこともできます。葬儀場などを使用しなければ、施設利用料はかかりません。また、ごく内輪のお葬式であれば、受付を用意したり司会者をお願いしたりする必要もないかもしれません。
家族葬では香典を辞退することも珍しくないので、その場合は会葬礼状や香典返しを省略でき、費用も抑えられます。
また、通夜ぶるまいや精進落としの料理も、葬儀場近くの食事処などに移動して会食をすることで温かい食事をとれますし、その費用は高額にならずに済むでしょう。
このように、家族葬では一般の葬儀に比べ省略できる部分もあります。参列される方が故人と十分なお別れができるかを重視して決めましょう。
家族葬は身内だけで行うものではありますが、実際に行われる際の葬儀の流れは、普通の葬儀と変わりません。亡くなった翌日にはお通夜、その翌日に葬儀が行われることが一般的です。
規模の小さい家族葬であれば、費用を抑えることができますが、必要なお金は準備する必要があります。家族葬にかかる費用としては、どのようなものがあるのでしょうか。
葬儀費用は地域によって差がありますが、家族葬も同じく地域によって費用が左右されます。都心部は核家族化が進んでいるため、小規模での葬儀が選ばれることが多くなっていますが、費用は地方と比べると割高です。
公営の火葬場が少なく民間の火葬場を利用しなければならないことが割高な費用の原因です。また物価が高いため、葬儀場の利用費やサービス料といった部分も高くなる傾向にあります。
ひとことで家族葬と言っても、葬儀社が用意している基本プランで行うか、オプションを付けていくかによって費用は異なります。基本プランはご遺体の搬送や葬儀に必要なもの、葬儀場の使用料などを合わせた金額となっています。それに加えて通夜ぶるまいや精進落としといった飲食費が必要かどうかによっても変わってきます。
以前は、亡くなった日の翌日にお通夜、その翌日に葬儀という流れが一般的でした。しかし都心部を中心に、火葬場の空きがないといった理由から、亡くなられてからお通夜までに数日を要する場合が増えてきています。最短でも3日はかかりますが、現在では葬儀にかかる平均日数は4日~5日といわれています。
火葬まで4日間かかる場合は、ご遺体を1日~2日間安置し、その間に葬儀社との打ち合わせをします。3日目にお通夜、4日目に葬儀という流れになります。火葬までの日数がかかればかかるほど、ご遺体の保存に費用がかかってしまうことに注意が必要です。
小規模で行うのが家族葬の特徴ですが、参列者の人数によっても費用が異なります。お通夜のあとの通夜ぶるまいや、火葬場での精進落としなど、参列者の飲食費も葬儀代には含まれます。人数が多ければ多いほど、飲食費がかかってしまいます。
いただいた香典から飲食費や返礼品の費用を支払うことになるため、結果的に赤字になってしまうことも少なくありません。
葬儀の基本プランには、ご遺体の安置や枕飾り、保存、葬儀場の使用料や遺影、焼香具、葬儀後の搬送、火葬、骨壺といった内容が含まれています。基本プランに加えて飲食費や寺院費用なども支払うことになります。
「これは何の費用だろう」と気になるところがあれば、葬儀社の人に確認してみると良いでしょう。飾りや生花、食事などのランクを下げることで費用を抑えることもできます。費用とサービス内容とのバランスをとってランクを決めると良いでしょう。
家族葬は一般葬と比較すれば総額費用は比較的安くなりますが、一括で支払うとなると費用が掛かります。しかし、葬儀にかかる料金を分割支払いできる業者もあることをご存じでしょうか。ここでは、家族葬にかかる費用を分割で支払う方法について紹介します。
家族葬の費用を現金で支払うことが難しい場合には、クレジットカードで分割払いすることができます。クレジットカードで支払えば、24時間365日いつでも支払ができるというメリットがあり、カード利用によるポイントやマイルが貯まります。
クレジットカードの支払いは、基本的に申し込み前にその旨を業者に伝える必要があり、葬儀後では使えない場合もあるため、注意しましょう。
今まとまったお金がなく、家族葬を行うことも難しいという人も、ローンを使えば家族葬を執り行うことができます。
銀行などから借り入れを行うローンで、申し込み後に審査が発生します。審査の結果は即日あるいは翌日には出るため、葬儀を急いでいる場合でも、費用が用意できなかったという心配がありません。
家族葬で、葬儀費用を少しでも抑えたいという方は、以下のことも考えてみてください。
葬儀費用は、同じ規模であっても依頼する葬儀社によって大きく異なります。また、最近は葬儀の規模によってパッケージ化して販売している葬儀社も多くありますが、表に出ている料金だけで単純に比べてはいけません。パッケージに含まれる内容は葬儀社により様々ですので、項目を見比べてみる必要があります。結局後で別途料金がかかり、トータルすると思っていたより高くなってしまったという例も少なくありません。
葬儀費用を賢く抑えたいのであれば、自分たちが望むお葬式をするためには何が必要かをまずリストアップし、事前に資料請求をしておくことをおすすめします。
「小さなお葬式」では、葬儀に必要なものをプラン内に含んでいます。無料で詳しい資料をお届けしておりますので、まずは資料請求を。
家族葬は、葬儀費用が安く抑えられることがメリットと考えている方も多いと思います。確かにそうした面もありますが、家族葬の良い面は、親しい間柄だけでゆっくり故人とお別れできるところにもあります。心のこもったその人らしいお葬式にして、故人を偲びましょう。
死は突然訪れるものです。葬儀の費用を用意できないということがないよう、日頃から準備をしておくことをおすすめします。ではどのくらいのお金を用意しておく必要があるでしょうか。葬儀にかかる費用の相場がどのように推移しているかを把握しておけば、必要な金額を把握することもできます。
最近の葬儀では参列者が減少する傾向にあり、葬儀にかかる費用の平均額も減少しています。
実際の葬儀では、葬儀を行う費用だけではなく、他にもさまざまな費用が必要になることを知っておく必要があります。訃報を聞いてから葬儀までに用意することは難しい場合もあるかもしれませんが、どのような費用がかかるかを、あらかじめ頭に入れておくだけでもスムーズに準備が進むはずです。
葬儀に参列する際は喪服を着用しなければなりません。もちろん家に喪服がない場合は、急いで購入するかレンタルする必要があります。喪服はショッピングモールやスーツ専門店、インターネットなどで購入することができます。
ショッピングモールでは20,000円~70,000円、スーツ専門店では20,000円~60,000円、インターネットでは8,000円~130,000円程度が相場となっています。
ショッピングモールでは平均的な価格の喪服を購入することができます。スーツ専門店ではさまざまな価格帯の喪服が揃っています。インターネットはショッピングモールより安い価格のものを見つけることができるでしょう。お店によって幅があるため、値段とデザイン、質などを考慮して選んでみてください。
葬儀には数珠も持参しなければなりません。数珠は宗派によっても異なるため、注意が必要です。また略式の数珠では男性用は大きな玉で黒のような色が多く、女性用はピンクなどの淡い色の小さな玉のものが多くなっています。
数珠の値段は素材によって異なりますが、高いものは10,000円~30,000円程度のものが多く、略式数珠は5,000円~10,000円で購入することもできます。また忘れてしまったという場合は100円均一にも置いてある場合があるので、探してみてください。
男性は財布や香典など必要なものだけをポケットに入れて参列するのが一般的ですが、女性は持ち物が多いためバッグを持参することになります。
女性が使う葬儀用のバッグは黒が基本であり、動物由来の素材や装飾のあるものは避けるのが無難です。腕にかけられる程度の大きさで、ハンドバッグの形が望ましいとされています。
バッグは購入する場所にもよりますが、安いものは10,000円台からあります。予算に応じて30,000円~60,000円ほどする高価なものも用意されています。
家族葬は一般的な葬儀に比べて、費用を安く抑えることができます。しかしまとまったお金を急に用意するのが難しいという場合もあるかもしれません。
相場に満たない額しか用意できない場合でも、葬儀を行わなくてはいけません。そのような場合に、葬儀の費用を安く抑える方法はあるのでしょうか。ここからは、その対策をご紹介します。
業者が用意している割引サービスを利用することで費用が安くなる場合があります。例えば資料請求をすることで割引してもらえたり、生前にあらかじめ業者を決めて申し込んでおくことで割引が適用されたりすることもあります。
入会金を10,000円ほど支払うことによって、年会費不要で親族まで何度も使える割引サービスなどもあります。親族と同じ業者で申し込むことを前もって確認できていれば、とてもお得になる割引です。
そのほかにも業者によってさまざまな割引サービスが準備されています。費用を抑えたいときは利用してみることをおすすめします。
参考:小さなお葬式の「早割」
経済的に苦しい人に対して、葬儀の費用を自治体が負担する制度を葬祭扶助といいます。葬祭扶助によって執り行えるのは最低限の葬儀であり、僧侶の読経などはなく火葬のみの直葬が基本です。支給額の基準は自治体によって異なりますが、大人の場合は20万円前後であることが多くなっています。
葬祭扶助を申し込みたい場合は、葬儀を行う人が住んでいる自治体の役所や福祉事務所で申請することになります。委任状があれば業者に代行してもらうこともできます。葬祭扶助は葬儀の前に申請しなければならず、葬儀が終わったあとで申請しても受け付けてもらえないため注意が必要です。
まとまったお金を用意できない合は、故人の保険金を葬儀費用にあてることができます。しかし保険金は請求してから受け取りまでに時間がかかってしまいます。葬儀当日の支払いには間に合わないため、業者を決める際に支払い方法を確認しておく必要があります。
葬儀の支払いは現金となる場合が多いですが、クレジットカードでの支払いが可能な場合もあります。クレジットカードで支払えれば引き落としまで時間があるため、お金を用意するための時間を確保できることもあるかもしれません。いずれにしても、あらかじめ支払いの手段を考えておく必要があります。
大切な家族が亡くなった後、家族葬を執り行うまでには、さまざまなプロセスがあります。
死亡診断書が医師によって発行されたら、寺院へ連絡します。檀家の場合は迷うことなく連絡できますが、無宗教の場合や、懇意にしている寺院がない場合には、家族で相談して、今後お世話になる寺院を決めてから連絡しましょう。
寺院への連絡とともに、葬儀を任せる葬祭会館にも連絡します。自宅近くの葬祭会館でもいいですし、故人が指定していなければ、基本的に遺族の意志で葬祭会館を選びます。
葬祭会館へ連絡すると、すぐに自宅へ来てくれます。ご遺体の安置、枕飾りといった一連の作業は、葬祭会館がすべて行ってくれるので、遺族は心を落ち着けて家族葬に参列する可能性のある親族などに連絡します。寺院への連絡が終わったら、僧侶に枕経をあげていただきましょう。
次に、喪主は誰が務めるか、通夜と告別式の日程を決めます。死亡診断書とセットになっている死亡届を書いて最寄りの役所に提出しましょう。次に納棺となりますが、この時、故人が生前好んで来ていた服、好きだった食べ物や本なども棺に入れます。CDやDVDは火葬の規定にかかるため、入れることはできません。
後はお通夜と通夜ぶるまい、告別式と精進落としをふるまいますが、家族葬でも一般葬と同じように、喪主側が参列者に対してお酌をして回るのが一般的です。
告別式が終わったら、初七日を迎えます。あらかじめ寺院へ連絡し、自宅で御経をあげてもらいましょう。家族葬の場合、基本的に家族葬に参列した人のみを招きます。
家族葬にかかる費用だけでも、家族内で予算と合う・合わないということについて意見が食い違い、トラブルに発展しがちです。費用以外にも思わぬトラブルを招くかもしれません。
家族葬でも、忌中灯をつけていれば、近所の人や自宅を通りかかった人に不幸があったことが伝わります。不幸を知った人の中で、家族葬に呼ばれていない人がいる場合、葬儀が終わった後に自宅へ弔問に来るでしょう。
訳があって家族葬にしているのに、大勢の人が弔問に訪れると、本来の意図に沿わない可能性もあるでしょう。弔問客が多ければ、お茶やお茶請けを出さないわけにもいきません。通夜、葬儀と疲れているにも関わらず、時間を問わず来客対応で、さらに疲れてしまう可能性があります。
亡くなったことを知っていたら、葬儀に参列したかったという人がいた場合、家族葬にその人を呼ばなかった時にトラブルに発展するかもしれません。
たとえ故人の遺志で家族葬にしたとしても、参列できなかった人に伝わらない可能性もあります。「最後に見送りたかったのに……」と、遺族と葬儀に参列できなかった人が不仲になることもあるでしょう。
葬儀の形式を選ぶ際、親族で相談することも多いでしょう。親族間で家族葬を行うことに異議がなければ問題はありません。問題があるのは、家族葬に対する親族間の価値観に差異があった場合です。
弔問客の多さに価値を置く人は、家族葬のように弔問客の数が限られた形式の葬儀を好まない傾向にあります。親族間で家族葬を行うことに納得しない人がいる場合は、その後の付き合いに影響が出る可能性もあるでしょう。
冠婚葬祭では、一生にわたって引きずるような揉めごとに発展することがあります。故人を悼み、トラブルのない葬儀にするためには、家族葬が故人の希望であったことを説明するとよいでしょう。
故人の希望ではない場合でも、葬儀形式が決まった早い段階で、家族葬にすることを親族に伝えておくことで、後々トラブルに発展する可能性を低くすることができます。
家族葬に参列する場合、喪主側と違って参列者ならではの注意点があります。ここでは、その場合に気を付けた方がよいことをご紹介しましょう。
家族葬だからといって、香典の額まで小規模にすることはありません。故人や遺族への思いには変わりはありませんから、通常の葬儀と同等の額の香典を包むようにしましょう。
ただし家族葬の場合は香典が必要ないという場合も少なくありません。親しい間柄だからこそ、先に香典が必要かどうかを確認しておくといいでしょう。
家族葬でも通夜ぶるまいや精進落としは同じようにあります。通夜に参列し、通夜ぶるまいに誘われた場合は、特別な事情がなければ、誘いを受けることをおすすめします。家族葬の場合、食事の場に誘われる人数は少数です。そこに穴が開けば、一般葬よりも寂しい雰囲気になるかもしれません。
遺族の気持ちにこたえるためにも、できるだけ食事の誘いは断らないようにしましょう。
同じ親族でも、家族葬へ声を掛けられる人もいれば、そうではない人もいます。親戚付き合いが複雑な家もあり、家族葬に参列したことを吹聴することで、参列できなかった人から不評を買う可能性もあるでしょう。
参列できなかった人がいるかもしれないと考え、トラブルに発展させないよう、参列したことは不用意に言いふらさないことをおすすめします。
お葬式の形にこだわりがなく、費用面を重視するのであれば、「一日葬」や「直葬(ちょくそう)」を執り行うことを考えてみてはいかがでしょうか。
どちらも小規模で行う家族葬を簡略化したもので、費用や体力的・精神的負担を軽減させたいという方に向いているお葬式の形です。故人の遺志を尊重し、親族の理解が得られているのであれば、一日葬や直葬も選択肢のひとつです。
通夜式をせず、告別式と火葬を1日で行う一日葬のセットプランです。
通夜式や告別式を行わず、火葬のみを行うプランです。
家族葬にする理由はそれぞれですが、やはり費用負担が軽くなるというのは大きなポイントです。
親しい方が亡くなった矢先、悲しみに暮れる暇もなく、葬儀はすぐに行わなければいけません。葬儀は残された人のためでもありますが、亡くなった方を弔うことが一番の理由です。故人をしっかりと送り出すためにも、葬儀の形態に関しては事前に考えておくべきです。
どのようなお葬式にするのか、どれくらいの費用が必要になるのかしっかりと把握しておきましょう。
家族葬と普通の葬儀は何が違うの?
家族葬の費用相場はどのくらい?
家族葬は分割支払いできる?
葬儀を行う費用以外で必要になるお金はあるの?
相場に満たない金額しか準備できない場合はどうすればいい?
家族葬に参列する際に注意すべきことは?
葬儀費用は「葬儀一式費用・飲食接待費用・宗教者手配費用」で構成されます。ホゥ。