戒名はいらない?つけないリスクと費用を抑える方法

戒名はいらない?つけないリスクと費用を抑える方法

仏式で葬儀を執り行う際、多くの故人が戒名を授かります。戒名には数十万円単位の費用がかかることが多いため、「戒名にかかる費用を抑えたい」「戒名はいらない」と考える方もいるかもしれません。

戒名について詳しく知ると、本当にいらないのかどうかを判断するのに役立ちます。具体的には戒名をつける理由や、つけなかった場合のリスクを知る必要があるでしょう。戒名料や費用を抑える方法も紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

こんな人におすすめ

葬儀の準備をしている方

戒名のつけ方や費用について知りたい方

戒名をつけないと決めた方

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戒名とは?なぜつける

ここでは戒名の基本知識を紹介します。戒名をつけるかつけないか検討する前に目を通しておくとよいでしょう。

戒名とは

戒名(かいみょう)とは、あの世における故人の名前です。仏弟子になった証として戒名を授かり、戒律を学び守るという意味があります。また、生前の名前は「俗名(ぞくみょう)」と呼ばれ、仏門に入る前の呼び名だと覚えておきましょう。

戒名をつける理由

本来は、生前に出家(世俗の生活を捨て、僧となり仏道に進むこと)した者に戒名が与えられます。故人に戒名をつける理由は、出家した者ではなくても極楽浄土へ行けるようにするためです。

いらない場合はつけなくてもよいのか

戒名は絶対に必要というわけではありません。そのため、「戒名は不要」と考える場合はつけない選択もできます。ただし、戒名をつけないと仏弟子にはなれないため、仏式の葬儀は難しくなるでしょう。その点について、以下の項目で詳しく説明します。

戒名がいらない場合の弔い方

戒名をつけない場合、仏式で葬儀ができなくなる可能性が高くなるだけでなく、お墓や位牌にも影響があります。ここからは「戒名はいらない」という方向けの弔い方を紹介します。

自分で戒名をつける

寺院に頼まず、自分で戒名をつけるという選択肢もあります。特に、戒名料の支払いが経済的に難しい場合は、自分で戒名をつけるのが有効な手段です。しかし、菩提寺がある場合は、自分で戒名をつけてしまうと納骨を拒否される可能性があります。戒名を自分でつけたい方は、前もって菩提寺に相談しておくとよいでしょう。

戒名のつけ方は、以下を参考にしてみてください。

【戒名のつけ方】
1. 戒名の構成を知る
戒名の構成は、「院号 + 道号 + 戒名(法名)+ 位号」の4構成が基本です。一般的に6文字~9文字で構成されます。

2. 院号をつける
院号とは、社会や菩提寺に大きく貢献した人につけられる敬称です。一般的に菩提寺がない方や、貢献していない方はつけません。

3. 道号をつける
仏の道を究めた方の別名が道号です。現在では故人の仕事や人柄、故人がどのような人か分かる文字をつけます。

4. 戒名(法名)をつける
戒名は2文字構成で、故人の名前から1文字使うのが一般的です。残りの1文字は故人の人柄や尊敬していた人からとったり、仏教の経典や御仏(みほとけ)からとったりします。浄土真宗の場合は、戒名ではなく法名(ほうみょう)をつけるので注意しましょう。法名のつけ方は戒名と同じですが、法名の前に「釋」の文字をつける必要があります。

5. 位号をつける
現在の「○○様」に近い意味があり、年齢や性別、社会的地位に応じた位号をつけます。

※宗派によって戒名のつけ方が異なるため、故人の宗派を確認しておきましょう

俗名で位牌をつくる

戒名をつけなくても、俗名の位牌をつくることができます。生前の名前(俗名)の下に「○○之霊位」と記すと、戒名と同じ意味をなすといわれています。俗名による位牌は、「お名前位牌」と呼ばれています。気になる方は覚えておきましょう。

仏式葬儀ではなく無宗教葬を選ぶ

「仏式の葬儀にこだわりがない」「戒名はいらない」と判断した方は、無宗教葬を選んでもよいでしょう。無宗教葬とは、宗教に縛られない葬儀のことです。

自由葬」とも呼ばれる無宗教葬は、故人や遺族が望む自由なスタイルで執り行える葬儀形式です。多くのケースでは仏式の葬儀に則って進行しますが、無宗教なので戒名は必要ありません。

【納骨】公営・民営・無宗教の墓地

公営や民営の墓地は、宗教・宗派にかかわらず利用できます。ただし、抽選制のことが多く、その場合は当選しないと利用できません。利用を希望する場合は、役所や自治体のホームページで応募要件や募集状況をチェックしましょう。

また、寺院墓地によっては、無宗教でも埋葬できるケースがあります。たとえば永代供養の納骨堂などは宗教不問であることが多いです。ただし、檀家にならないと利用できないケースもあるため、事前に確認しましょう。

【散骨】お墓を建てず海洋散骨・樹木葬

「戒名はいらないし、お墓も建てない」という方もいるかもしれません。その場合は、遺骨を海に撒く「海洋散骨」や、墓石ではなく樹木をシンボルとする「樹木葬」もおすすめです。

ただし、どこに遺骨を撒いてもよいわけではありません。海への散骨は可能なエリアが定められており、樹木葬も墓地内でのみ可能な埋葬方法です。

戒名はいらない?陥りがちなリスク・注意点

経済的な理由から戒名は不要と考える方もいるでしょう。戒名をつけないと判断する前に、リスクや注意点について知っておくと安心です。残された遺族が供養する際に困らないように、リスク防止の対策をしておきましょう。

注意点1 墓地に納骨できない可能性がある

戒名がない場合、寺院に墓地を所有していても納骨ができない可能性があります。戒名がない故人は、仏弟子と認められません。お墓を管理する寺院では、基本的に仏弟子の証である戒名が納骨の条件として設けられています。

寺院にあるお墓は、その寺院の檀家の家系のものだと判別できます。今後も遺族や子孫たちはお墓のある寺院と関係が続いていくでしょう。寺院とのトラブルを防ぐには、戒名をつけたほうが賢明だといえます。

注意点2 戒名なしでもお布施が必要なケースもある

戒名は不要という場合でも、寺院によってはお布施が必要なケースもあります。お布施とは、寺院の本尊や僧侶に対して渡すお礼の金銭です。

葬儀の際は、お世話になった僧侶にお礼として渡しますが、これは戒名料とは異なります。お通夜や葬儀では、仏の教えによる法要や読経によって故人を見送れたという感謝の気持ちを込めて、お布施を用意します。

注意点3 親族関係から批判される可能性がある

故人の遺言や費用面の問題から、戒名はいらないと判断する方もいます。しかし、親族から戒名をつけないことに対して批判を受ける可能性もあります。

地域によっては寺院との関係が深く、戒名はつけるものとして認識されています。戒名をつけないのは非常識だと親族から反対されることもあるでしょう。

戒名はいらない?判断する前に費用を比較!

費用面から戒名をつけない場合、金額の目安を確認してから判断しても遅くはないでしょう。戒名にはいくつかの種類があり、位号のランクによって金額も異なります。代表的な戒名の位号と金額の目安は以下のとおりです。

位号 意味 金額の目安
信士(しんし)
信女(しんにょ)
一般的な位号で、敬称の「様」という意味です。男性は「信士」、女性は「信女」が使われます。 10万円~50万円
居士(こじ)
大姉(だいし)
貴族や武士が使用していた位号です。現在では、社会貢献度や仏教信が強い方に対して用いられます。男性は「居士」、女性は「大姉」が使われます。 50万円~80万円
院信士(いんしんし)
院信女(いんしんにょ)
社会的な地位の高い方や、社会に大きく貢献した方が使用する位号です。男性は「院信士」、女性は院「信女」が使われます。 80万円~100万円
院居士(いんこじ)
院大姉(いんだいし)
最高ランクの位号です。寺院への貢献度が高い方や、社会的地位の高い方、社会貢献度が高い方に対して使用されます。男性は「院居士」、女性は「院大姉」が使われます。 100万円~

上記は、一般的な戒名料です。戒名にかかる費用は、宗派や地域により異なるので依頼する寺院に確認しましょう。

戒名はいらない?判断する前に戒名料を抑える方法3つ

金銭的な負担が大きく、戒名はいらないと判断する方も少なくないでしょう。ただし、菩提寺と良好な関係を続けたい場合は、戒名をつけたほうがよいこともあります。ここからは、戒名料を抑える方法を紹介します。

生前戒名を受ける

通常、戒名は葬儀の際に授かりますが、生前につける「生前戒名」というものも存在します。生前戒名を授かると、戒名料を安く抑えられます。「戒名をつけたいけど、高額な戒名料は払えない」という方は、検討してみるとよいでしょう。

ただし菩提寺がある方は、事前に相談する必要があります。何も相談せずに、ほかの寺院に依頼した場合、納骨を断られることもあります。

戒名授与サービスを利用する

寺院に依頼するだけでなく、戒名授与サービスを利用する方法もあります。戒名授与サービスは、一般的な戒名料よりも安く設定されているのが特徴です。

お布施や戒名料は、寺院の本尊に対する感謝の気持ちを表します。そのため、金額が明確に定められていないことが多いです。一方で、戒名授与サービスでは、金額がきちんと設定されています。「信士」や「信女」は約2万円なので、一般的な戒名料に比べて費用を抑えられるでしょう。

ただし、生前戒名と同様に事前に菩提寺に相談する必要があります。トラブル防止のために、相談してから利用してみてください。

低位の戒名を選ぶ

低位の戒名を選ぶと戒名料を抑えられます。生前戒名や戒名授与サービスが受けられない場合は、菩提寺の僧侶と相談して、低位の戒名にするのも方法のひとつです。

故人の生前の社会的な立場や、寺院への貢献度により、戒名のランクが決定します。このランクは、戒名をつける僧侶が決めるのが一般的です。菩提寺がある方は、寺院に継続的にお布施を渡ししているので、戒名のランクが自然と高くなるでしょう。しかし、僧侶に相談すれば、予算に応じた戒名を提案してくれるかもしれません。

戒名はいらないと決断した方へ

戒名をつけるかつけないかは、家族や親族とよく話し合っておきましょう。戒名が不要と考える理由も事前に伝えておくと、不要なトラブルを避けられます。菩提寺がある場合は、菩提寺への相談も大切です。

戒名をつけない場合は、お墓への納骨を断られるかもしれません。その場合は、別のお墓を探すか、散骨や樹木葬などほかの方法を検討する必要があります。複数の墓を所有すると、管理する遺族の負担になる恐れもあるため、永代供養や手元供養といった方法も視野に入れるとよいでしょう。

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まとめ

戒名は仏門に入った証として授かり、仏式の葬儀で必要となる故人の名前です。しかし、故人や遺族の考え方や金銭的な理由から、いらないと判断する方もいるでしょう。

菩提寺がある場合は、生前に菩提寺や身内と話し合っておくとトラブル防止になります。戒名をつける意味を知った上で、つけるかつけないか判断するのがおすすめです。

戒名や葬儀に関するしきたりについてご不明な点がある方は、お気軽に小さなお葬式にご相談ください。些細な質問にも専門のスタッフが丁寧にお答えします。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
「小さなお葬式のコラム」では、合計2000記事以上を管理。
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よくある質問

よくある質問
  • 戒名はいつまでに必要?

  • 生前戒名のつけ方は?

  • 戒名授与サービスの戒名はお寺に認めてもらえる?

  • 夫婦で戒名が違ってもよい?

  • 自分の好きな漢字を入れることはできる?

  • 両親より位の高い戒名をつけることはできる?

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