弔辞の役目を果たすと決まったら、押さえておくべきポイントがいくつかあります。何を書こうかと思い巡らしていても、うまく内容をまとめられずに困っている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、弔辞の書き方について解説します。文章構成や例文も載せてあるので、弔辞を考えるときに役立つでしょう。読み上げるときのポイントやマナーも大切です。厳かな場を崩さないためにも、注意点も意識して弔辞を務めましょう。
こんな人におすすめ
弔辞を依頼された方
弔辞の例文を知りたい方
弔辞の作法を動画で見たい方
大まかな構成を意識して内容を考えていくと比較的うまくまとめられます。悼む気持ちや故人との関係性・エピソードを述べ、お別れやお悔やみの言葉を添えます。文章の構成が多少前後しても問題ありませんが、構成を意識するとしっかり伝わる弔辞になるでしょう。弔辞で必要な要素をそれぞれ解説します。
哀悼の気持ちを表し、友人や同僚・上司として故人の死をひどく悲しんでいる点を伝えます。故人がどれだけ自分にとって大きな存在であったかや、かけがえのない存在をなくして感じている大きな苦しみについて表現しましょう。
故人が突然亡くなったとしたら、急な死に驚き戸惑っている点を伝えます。少し前まではとても元気だったので、突然の訃報を受け入れづらく感じていることなど率直な心境を表現すると良いでしょう。遺族の方たちを含め、哀悼の言葉から参列者は大きな慰めを得られます。
自分と故人がどのような関係だったのかを紹介します。学生時代からずっと親交を深めてきた点や、同僚としてともに仕事を行ってきた親密さを伝えられるでしょう。故人を単なる友人や同僚として述べずに、誠実な友人や信頼できる仲間として述べます。自分がいかに故人を大事に思い、頼りにしていたかを伝えましょう。
家族ぐるみの付き合いや複数の友人や同僚で関係を築いてきたのであれば、家族や友人・同僚についても簡単に触れると故人のエピソードにも繋がります。
関係性について触れる際は、具体的なエピソードを述べるのがおすすめです。一緒に楽しい時間を過ごしたエピソードなら、参列者も故人をイメージしやすくなります。自分が苦しいときに親身になって助けてくれた人の良さも伝えられるでしょう。
エピソードは具体的かつ簡潔にまとめられますが、故人の印象を悪くする内容は避けるのがマナーです。遺族を含めて聞いている方が不快にならない内容にまとめましょう。
故人へのお別れや遺族へのお悔やみの言葉を忘れずに含めます。「どうぞ安らかに眠ってください」や「ご冥福を心から祈っています」などがお別れの言葉です。宗派にもよりますが、また会いたいと願っている点を伝えましょう。
お別れの言葉は弔辞の最後に述べるのが一般的です。訃報がもたらした大きな悲しみがあっても、死後も安らかでいることを願う言葉で締めます。
文章を考える際の参考にできるように、例文を2つご紹介します。友人と上司の2つのケースです。友人と上司ではそれぞれ立場が異なるので、含めるエピソードなどの内容が変わります。例文を参考にして、それぞれの関係性や哀悼の意が伝わる内容を考えましょう。
下記が友人の場合の例文です。近い存在であるからこその言葉遣いも気になるポイントでしょう。友人としての親しみが伝わる内容に仕上げられています。
○○にお別れの言葉を捧げます ○○の突然の訃報を聞いて 私はとても驚き言い表せない悲しみを覚えました ○○と私が出会ったのは大学時代のテニスサークルでした ともに汗を流し 大学卒業後もよく一緒にテニスをしました ときには仕事や家族の悩みを聞いてもらい ○○はいつも私を支える存在でした
○○ 数えきれないすばらしい時間をどうもありがとう ご冥福をお祈りします さようなら
故人が上司だった場合の例文です。出会ったときの思い出や、部署やチームとして達成したことなど職場のエピソードを伝えましょう。家庭やプライベートでは見えない姿を伝えることができます。
○○のご霊前に哀悼の辞を捧げます ○○の訃報を聞き 深い悲しみを感じています ○○の部署に配属になってから ○○は私を大いに助けてくれました 部下を気遣えるよい特質もあり 職場ではかけがえのない存在でした ○○の叱咤激励のおかげで 何度もピンチを乗り越えられました
今はまだ大きな悲しみを感じていますが ○○が残してくれた精神をもって仕事を続けていきたいと思っています どうぞ安らかにお眠りください ご冥福を祈ります
弔辞を考える際には守るべきいくつかのマナーがあります。忌み言葉を避ける点や宗派のマナーに合わせる点などは覚えておきたいポイントです。原稿の書き方や用意の仕方にもマナーがあります。遺族に失礼な印象を与えないように、ひとつひとつの注意点に気を付けて準備しましょう。
忌み言葉を使えないので、重ね言葉や不吉な言葉などを避けて書きましょう。避けるべき重ね言葉とは、「いよいよ」や「しばしば」「ときどき」などです。よくないことが繰り返す・再び起こると連想させるのでふさわしくなく、ほかの単語で言い換えて表現できます。
避けるべき不吉な言葉とは、「死ぬ」や「消える」などです。数字の4や9も縁起が悪いので避ける必要があります。
何気なく使っていても、宗派によってはそぐわないので気を付けましょう。宗派の教理に合わない内容を述べてしまうと、遺族や参列者を困惑させてしまいます。
たとえば、宗派によって「成仏」や「浄土」「昇天」など死後の扱いが異なります。「天から見守っていてください」などの文章も注意が必要です。浄土宗や浄土真宗など、成仏の考え方が違う宗派もあります。弔辞を担当することになったら、どの宗派の葬儀なのか確認し、ふさわしい内容にまとめしょう。
長さの決まりはありませんが、読む時間は長すぎても短すぎてもよくありません。弔辞を作る際は3分~5分を目安にすると良いでしょう。話したいエピソードが多くあっても、葬儀では簡潔に済ませるのが適切です。また当日になると、感極まってスムーズにスピーチできないこともあります。エピソードが多いと読み進めるのも辛くなってしまうでしょう。
故人との別れを共有する場でもありますが、葬儀場や僧侶・参列者などのスケジュールを考慮した進行にすることも大切です。
書く際に使うのは薄墨で、正式な方法では巻紙に書きます。筆ペンで書きたいのであれば薄墨タイプを用意しましょう。巻紙は開いて読みやすいように、じゃばら折りにしておきます。
巻紙を包むために上包み用の奉書紙が必要です。奉書紙を3つ折りにして中央に折り畳んだ巻紙を置き、奉書紙の右側と左側を順に畳みます。奉書紙の上下を反対側に折り、表側に「弔辞」と書いて完成です。葬儀が終わると遺族の家で保管するので、丁寧に仕上げましょう。
弔辞でスピーチする内容が固まったら文章にして読む練習をしましょう。葬儀のマナーを理解していれば、難しいことではありません。遺影や遺族に一礼したり、語りかけるようにゆっくり読んだりするのがポイントです。葬儀の前に、弔辞を読む際の注意点を意識して練習しましょう。
葬儀の際に司会者が紹介したら、立ち上がって遺族に一礼します。距離によっては遺族に近寄ってから一礼し、祭壇の前まで行っても良いでしょう。祭壇の前で遺影に一礼し、巻紙を取り出して読み始めます。巻紙を取り出したりしまったりするときに焦る必要はありません。ひとつひとつの動作を丁寧に行いましょう。
弔辞が終わり、巻紙をしまったら祭壇に供えます。席に戻るときも、遺影と僧侶・遺族に一礼するのを忘れてはいけません。礼にはじまり礼で終わるのが流儀です。
弔辞を読むときは、故人に語りかけるようにゆっくり読み上げます。淡々と文章を読み上げるのではなく、最後の対話であることを意識して遺影を見つめながら読み上げるのがポイントです。演劇のように演じる必要はありません。故人に届くように、参列者が聞きやすいように間を取りながら読み上げます。
早口だと「早く終わらせたい」と思われてしまい、遺族や参列者を不快にしてしまう可能性もあります。死を慎み、悲しみを慰める厳かな場であることを意識して弔辞を務めましょう。
参考動画:弔辞・友人代表の挨拶の作法(やり方)・マナー【小さなお葬式 公式】 動画が見られない場合はこちら
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葬儀で弔辞を読むのは友人や会社関係者などで、故人との親交が深かった方です。哀悼の気持ちを含め、故人とのエピソードなどから故人を振り返ります。弔辞の書き方や読み上げるときのポイントを押さえておくと、急な役回りでも落ち着いて対応できるでしょう。
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