精進落としで出すべき料理や相場を徹底解説!

精進落としで出すべき料理や相場を徹底解説!

「精進落としで出すべき料理は何なのか」「料理の相場はいくらか」「気をつけるべきマナーはあるか」とお考えではありませんか。精進落としは参列者に振る舞う料理なので、価格やメニューに苦心される方もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、精進落としは基本的にお好きなものを選んでも構いません。相場は2000円~1万円程とされています。精進落としは大人数に振る舞う必要があるので、高すぎると予算を超えてしまう可能性がありますが、安すぎると失礼にあたるので悩みどころです。

そこで今回は、精進落としで出すべき料理の他、お店選びの注意点を解説していきます。気をつけるべきマナーもご紹介しますので、精進落としの不安は全て解決できるはずです。ぜひ最後までご覧ください。葬儀全体の流れについてあわせてご確認することもおすすめです。

こんな人におすすめ

「精進落とし」の意味を知りたい方

精進落としで振る舞うべき料理を知りたい方

精進落としの相場を知りたい方

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葬儀後の料理「精進落とし」の意味を解説

「精進落とし」とは、葬儀後に参列者を招いて開かれる会食のことです。基本的には喪主が店を手配し、参列のお礼を込めて全員に振る舞います。

精進落としを行うのは一つのマナーとされており、参列者側も参加するべきものとされています。そのため、よほどの事情がない限りは断らないように気をつけましょう。

また、本来の精進落としと比べ、現代では意味が変化している部分が多く存在するのも特徴です。元々は儀式的な意味がある行為なので、順に解説していきます。

1. 本来は四十九日に開かれる会食

古来より「精進」落としと言われてきた名の通り、本来は精進(喪に服している状態)を終わらせる意味があります。

以前の日本では親族が亡くなると、忌明けまで(四十九日)の間は精進料理を食べて故人の冥福を祈る風習がありました。その間は殺生を必要とする肉や魚などを使わず、野菜や穀物のみを食べて生活しています。

元々の精進落としとは、四十九日の法要の際に食べる最後の精進料理を指す言葉で、以後は通常の食事に戻る節目としての役割がありました。

しかし、現代では、精進料理を食べる風習が薄れ「一族が集まって食事をする」という形だけが残り、意味合いが全く違うものになっています

2. 現在の精進落としは当日が一般的

現代の精進落としは、そもそも四十九日に開かれるものではなく、基本的には葬儀の当日に開催されています。また、食事も精進料理ではなく一般的なものです。

四十九日までの間、喪に服して過ごすという風習は既に薄れ、現代の精進料理はお寺で食べる程度の認識の方が多いのではないでしょうか。

「精進落とし」という言葉だけが残り、落とす精進もない状態です。時代と共に精進落としの意味は変化し、現代では「故人と参列者への感謝の場」として使われています。

3. 地域によっては精進落としと呼ばないことも

「精進落とし」は古くからある言葉なので、宗派や地方によって微妙な呼び方の違いがあります。

【精進落としの呼び方】
・精進落とし
・精進上げ
・精進明け
・精進落ち

中身は殆ど同じですが、若干の違いが含まれるケースもあるので、地域や一族の風習に従って進めると良いでしょう。

初七日法要の食事を精進落としと呼ぶケースや、通夜振る舞いをなくすことでメニューを豪華にする場合もあります。

4. お斎と精進落としの違い

精進落としとよく混同されて使われる言葉に「お斎(おとき)」があります。お斎は精進落としよりも広義の意味を持つ言葉で、葬儀に関連する食事全般を指す言葉です。

以前は四十九日間の精進料理があったので、お斎という言葉が広く使われていましたが、現代では精進落としと通夜振る舞い程度しか該当する食事がありません。

そのため、お斎と精進落としは、現代ではほぼ同じ意味の言葉となっていますが、本来の成り立ちが異なるということだけ頭の片隅に留めておきましょう。

<関連記事>
葬儀で出す食事「精進落とし」の意味とマナー

精進落としで振る舞うべき料理の具体例

喪主になり、いざ精進落としを準備するとなると具体的にどのお店を選ぶべきか迷ってしまうでしょう。

現代の精進落としは参列者への感謝を伝える場なので、相手の好みや年齢層を踏まえつつ満足してもらえる席にしなければなりません。どのような料理が最適なのか、出してはいけない料理はないのか、順に解説していきます。

1. 本来は精進料理を振る舞うべき

現代の精進落としからはイメージしづらいかもしれませんが、精進落としは精進料理を振る舞うのがマナーでした。

忌明けの前なので、通常の食事が解禁されるのは精進落としの次からです。あくまで締めの儀式なので、質素な食事がされていました

精進料理とは、仏教の教えを守り殺生を避けて作られた料理のことで、多くの使ってはいけない食材があります。

【精進料理に使えない食材】
・肉
・魚
・卵
・乳製品
・五葷(ごぐん)

また、五葷とはネギ科で匂いの強い5種類の野菜のことを指します。

【五葷が指す野菜】
・ニンニク
・タマネギ
・ネギ
・ニラ
・ラッキョウ

もし古来の風習通り精進料理が求められた場合、これらの食材を使わないメニューにしましょう

<関連記事>
肉と魚を「もどき」でいただく仏教の食事、精進料理について

2. 現在の精進落としに料理の決まりはない

落とすべき精進がなくなった現代では、精進落としで出す料理に決まりはありません。参列者の好みを考慮して、喜んでもらえる料理を出すと良いでしょう。

大人数の参加が予想される場合は、全員が入れる席と料理をきちんと確保してください。また、多くの方に喜んでもらうために精進落としには以下のものがよく選ばれます。

【精進落としによく選ばれるもの】
・仕出し弁当
・オードブル
・懐石料理
・お寿司

お酒を出しても構いません。参列者の希望があれば、お出ししたほうがよいでしょう。

3. 精進落としに適さない「おめでたい料理」

現代の精進落としは自由に選べますが、一部の「おめでたい食材」の使用は避けるのがマナーとされています。精進落としは、あくまでも故人を弔う葬儀の一貫です。羽目を外すことなく、締めるところはしっかりと引き締めて臨んでください。

【避けるべき食材】
・鯛
・伊勢海老

他にも地域によって祝いの席で出される料理がある場合は避けたほうが無難です。参列者をもてなそうと張り切ると、誤って選んでしまうことがあるため注意が必要です。

精進落としのマナー

精進落としは本来の意味が時代とともに薄れ、比較的自由なものになりましたが、失礼のない行動を心がけることが大切です。故人の思い出を語り合う場なので、マナーをしっかりと守って節度ある振る舞いを心がけましょう。

特に主催者側には細かなマナーが沢山あるので、全て順に解説していきます。

1. 席次は遺族が一番下につく

現代の精進落としは、参列者をもてなす場の意味が強いです。そのため遺族が下座になり、主催者である喪主が末席を務めるのがマナーです。

また、式に招いた僧侶に上座を譲り、参列者がそれに続きます。会話に不自由が無いように、主催者側で席を決めておいても良いでしょう。

近年では僧侶が精進落としへの出席を辞退するケースも多いので、欠席の場合は僧侶が帰られる前に御膳料を包んで渡すのがマナーです。タイミングが合わない場合は、事前に出欠を確認し、お布施を余分に包んでも構いません。その際は「御膳料も包んでおきました」と一言添えるのを忘れないように注意してください。

2. 参列者に挨拶まわりを欠かさない

精進落としが始まったら、主催者側は参列者全員に挨拶回りを欠かさないようにしましょう。食事の席の挨拶なのでお酌をしても構いませんが、飲ませすぎないように配慮してください。

また、喪主は食事の始まりと締めの挨拶も行います。参列者の方々へ感謝を述べつつ、故人への思いを語っても良いでしょう。精進落としの場ではあまり騒ぐことなく、落ち着いて思い出を語り合う歓談の場としてください。

<関連記事>
葬儀に適した挨拶とは?立場別に紹介!挨拶例文と注意点

3. 乾杯ではなく献杯する

精進落としではお酒を振る舞うこともありますが、乾杯は行わないので喪主となって挨拶する際は注意しましょう。

食事開始の合図は、乾杯の代わりに「献杯(けんぱい)」を用います。献杯はグラスを掲げたり打ち鳴らしたりせず、小さな声で行います。食事の場で意味するところは乾杯と違いはありませんが、合唱や黙祷を開始の挨拶としています。忘れてしまうことの多いマナーなので、注意して精進落としに臨んでください。

<関連記事>
乾杯ではない「献杯」の挨拶の仕方は?正しいマナーと注意点

4. 故人の死に触れすぎない

精進落としは葬儀の後に行われます。葬儀の時点で故人に祈りを捧げる時間は終わったので、死を悔やむような発言は控えるのがマナーです。

故人との思い出を語ったり、遺族を励ましたりするのが精進落としの場にふさわしい話題なので、相手の気を落とすような発言は控えてください。また、過度に故人の死因を探ったり、相続について触れたりするのもマナー違反となるので注意しましょう。

精進落としはお互いを思い合って絆を深める場でもあります。立場を尊重し、助け合えるようによい関係を築くように心がけてください。

弔事の一つでもあるので、飲みすぎて羽目を外すのもマナー違反となります。

精進落としの相場

精進落としは大人数が予想されるため、価格を上げすぎてしまうと予算を超えてしまうこともあるので注意しましょう。一方で、参列者をもてなす料理なので、あまり安くしすぎるのも問題です。

丁度良い価格を選びたいところであるものの、精進落としを何度も開くことは中々ないので、費用の相場を掴むのは難しいかもしれません。

おおよその全国平均をご紹介するので、地域の価格帯に合わせて調整してお店を選んでください。

1. 2,000円~1万円程度が一般的

精進落としの相場は2,000円~1万円と言われています。これはあくまでも相場なので、最終的には喪主が判断するようにしてください。

あまり安いと参列者へ失礼にあたりますし、今後の関係悪化へと繋がりかねません。火葬後に行うことが多いので、あらかじめ火葬場付近の食事処を調べておくと良いでしょう。

人数が多いので、式の日付が決まり次第お店の予約も忘れずに行ってください。

2. 精進落としは相続税控除の対象

精進落としは弔事の一つに認められているので、接待交際費として相続税控除の対象なります。

基本的には法定相続人が喪主となり、精進落としの費用も支払うことが多いので問題ありませんが、万一支払いが法定相続人以外になると控除が無駄になってしまうので注意してください。

弔事は基本的に仕事とは関係ないので、所得税の控除に含めないよう気をつけましょう。

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葬儀費用で相続税から控除できる費用とできない費用とは?

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まとめ

現代の精進落としは本来の意味を失い、参列者をもてなす料理となりました。開催日も四十九日の忌明けではなく、葬儀の当日となっています。

羽目を外してよいわけではなく、弔事の一つとしてマナーを守り、節度ある振る舞いを試される場であることを忘れてはいけません。親族の絆を深めつつ、故人の思い出を語り合うと良いでしょう。

精進落としや葬儀に関する料理について、他にも気になる所があれば「小さなお葬式」までお問い合わせください。専門のオペレーターが個別に対応させていただきます。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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