曹洞宗を信仰する中で、線香のあげ方に決まりがあるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。線香は、仏教において故人や参拝者のために必要な仏具として認識されています。
この記事では、曹洞宗における線香のあげ方を解説します。線香の種類や選び方など役立つ情報をまとめました。
こんな人におすすめ
曹洞宗を信仰している人
曹洞宗の線香について知識を深めたい人
線香は、故人や仏様はもちろん、お参りする人々にも火を灯して照らすという意味合いがあります。ここでは仏教で線香をあげる理由を解説します。
線香は、故人と仏様へ祈りを捧げる目的で灯します。仏教において線香の煙は「香食(こうじき)」と呼ばれ、「食べ物に困ることのないように」といった願いが込められています。
線香は、お参りする人々の身を清めるといった意味もあります。線香の煙に身を包むことで、心身ともに清らかな状態でお参りできると考えられています。
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線香は古代インドが発祥といわれています。元々は医療に必要な道具として扱われていましたが、仏教文化に取り入れられるようになってからは、仏事を中心に使われるようになりました。
線香には香りに特徴のあるものや煙が少ないものなど、さまざまな種類があります。ここでは線香の種類について紹介します。
匂い線香は、1600年代に中国から伝来した種類のひとつです。長時間に渡り、安定して火を灯せるため「長寿香」と呼ばれることもあります。線香の中でも需要が高く、煙の少ないタイプも重宝されています。
杉線香は、杉の葉や小枝を原料としている線香です。煙が多く出ることから、主にお墓参りなど屋外で使われています。素朴な香りを持ち、1864年に製造されたのがはじまりといわれており、現在まで使われています。
線香には多種多様な特徴があるため、選ぶ基準がわからない方も少なくありません。選び方を知っておくことで、自分好みの線香がわかるようになるでしょう。ここでは線香の選び方について解説します。
線香の形で選ぶ方法があります。特に仏壇で使われる線香は棒状になっているタイプが多いのが特徴です。そのほかにも三角型や渦巻型などの種類があり、お経1回につき1本の線香を使い切るように設計されています。
線香の香りはさまざまあります。下記で代表的な香りについて特徴を紹介します。
香木系 | 香木の成分比率が高いほど高額になる |
フローラル系 | 花や葉を乾燥・蒸留抽出する中で生成していく |
漢方系 | 漢方に近い独特の香りを発する |
地域や慣習によって、香りに関する独自のマナーが存在する可能性もあります。状況に応じた線香を選びましょう。
煙の量で線香を決める方法があります。近年では煙が少ない微煙タイプの線香も販売されるようになりました。マンションやアパートで暮らしている方など、近隣へ配慮が必要な方におすすめです。
一方でお墓参りする際は、煙の多い線香を選ぶ方もいます。屋内・屋外のシーン別に、線香を使い分けましょう。
線香の燃焼時間で決める方法があります。家庭用の線香で採用される短寸タイプの線香は25分~30分程度が燃焼時間の目安です。ほかにも短寸よりさらに短いタイプで15分~20分、長寸タイプで1時間弱などさまざまな種類があります。
供養の時間やお経の長さによって線香を使い分けるとよいでしょう。
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曹洞宗で線香をあげる方法は、一般的な方法で問題ありません。具体的に次のような流れで進行します。
・仏壇の前に座って一礼する
・ろうそくに火を灯して線香を焚く
・香炉に1本線香を立てる
・数珠を身につけ、鈴を鳴らして合掌
・ろうそくの火を消す
曹洞宗の場合は、線香1本を立てて火を灯すのが基本です。一方、地域によっては自由に線香をあげる場合もあるため、事前にマナーを確認しておくと安心です。
線香をあげる際のマナーについて、具体的にどのような点を意識すればよいのかわからない場合もあるでしょう。ここでは線香をあげる際の注意点を紹介します。
曹洞宗で使う線香は基本的に1本とされています。元々は修行中の時計代わりに使っていた歴史があります。
ただし、法要の時など線香の本数にこだわる必要がない場合もあります。状況を考慮しつつ、適切な対応ができるようにしましょう。
ライターで直接線香に火をつけるのは好ましくありません。原則として線香の火はろうそくを使って灯します。また線香の火を消す場合は、手であおいで消しましょう。
いずれも葬儀をはじめとする仏事の場で使うマナーとして覚えておきましょう。
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曹洞宗において、線香はお供え物のひとつとして仏壇に飾ります。仏壇には花や水、果物などを含む5つのお供えものが必要と考えられており、線香もお供え物として欠かせません。
故人や先祖に香りを届ける意図があって飾るため、忘れずに配置しましょう。
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線香は、故人や仏様に食事をお供えするために飾ります。基本的に曹洞宗では線香を1本だけ使うとされていますが、地域の慣習や状況に合わせて、マナー違反にならないよう注意しましょう。
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お彼岸の時期は年に2回で、春分の日、秋分の日の頃だと覚えておくとよいでしょう。ホゥ。