大切な方が病気や事故で入院してしまったら、心配になってお見舞いに行こうと考える方もいるでしょう。しかし、いざお見舞いに行こうとすると、お見舞い金を渡すタイミングやその他のマナーが気になってしまうこともあるでしょう。気持ちが大切だとはわかっていても、相手に失礼にならないように最低限のマナーを理解しておくことが大切です。
この記事では、お見舞い金を渡す適切な時期や金額の目安、その他のお見舞いのマナーなどについて解説します。
<この記事の要点>
・お見舞いは、患者の体調が回復してきた時期の午後に行くとよい
・お見舞金を渡すタイミングは、病室に着いた直後
・お見舞金の目安は、親戚で5,000円~1万円、友人で3,000円~5,000円程度
こんな人におすすめ
お見舞い金を渡す適切な時期について知りたい方
お見舞い金の金額の目安を知りたい方
お見舞いのマナーを知りたい方
まず念頭に置いておきたいのが、お見舞いは相手への気持ちを表す行為だということです。本来は細かいきまりがあるわけではなく、相手が喜ぶもの、相手の役に立つものをお渡ししたいという気持ちを示すことが大切です。
とはいえ、具体的にお見舞いをする際に困らないように、一般的なマナーは理解しておきましょう。こちらの気持ちを最大限に伝えて、相手のプレッシャーや重荷にならないためのマナーを知っておくことが重要です。
お見舞いをする際にまず考えたいのが、適切な時期です。大変な状況に置かれている相手を気遣い、余計な重荷にならないようにお見舞いを行うことが重要です。そのため、ここでは最適なお見舞いの時期について解説します。
お見舞いに適した時期は、体調が回復してきた頃の午後だと考えられます。入院してから3日~5日が経った頃、または手術から数日が経った頃が適しているでしょう。逆に絶対に避けなくてはならないのが、入院や手術の直後です。
また、午前中は病院のスケジュール上検査や検診などがあることが多いため、避けることをおすすめします。少なくとも、面会時間は必ず守るようにしましょう。
具体的な時期を決める際には、本人や家族の状態や気持ちを確認することがおすすめです。勝手に時期を見て訪問してしまうのではなく、可能であれば本人や近しい人に連絡をして、面会できるかどうかを確認しましょう。
もし前もって入院することがわかっているのであれば、入院前にお見舞いを渡しても問題ありません。入院前はどうしてもさまざまなことにお金がかかるため、事前にお渡しすることでかえって喜ばれることも考えられます。
お見舞い当日、お見舞いの品・お金を渡すのは、病室に着いた直後が一般的です。お見舞いは先方の都合を考え、長居せずに行うのがマナーです。もちろん先方次第であるため、病室に到着したら家族やその場にいる付き添いの方に挨拶を行い、お見舞いの品・お金を渡しても問題ないかを確認しましょう。
問題がなければ、本人に挨拶をしたあとに渡します。もし病院が遠方でお見舞いが難しい場合には、郵送しても問題ありません。お見舞い金を郵送する際は、必ず現金書留にしましょう。いずれにせよ、先方の家族に一報を入れて確認することが大切です。
相手を心配に思う気持ちがあっても、面会が制限されている状態であればお見舞いに行くことは控えましょう。ICUに入っている、また面会謝絶になっているケースが、例として挙げられます。これらの場合は、本人にも家族にも大きなプレッシャーがかかっていることが想定されるため、お見舞いは避けたほうが賢明です。
また、入院が短期になるケースでも、面会は避けたほうがよいでしょう。短期入院では、検査をはじめとしたスケジュールが詰まっていて忙しい可能性があるためです。4日~5日程度で退院する予定であれば、事前に本人や家族に連絡を取って様子を確認してみましょう。
お見舞い金を渡す際に非常に悩ましいのが、「いくらお渡しするのか」ということです。あくまでも金額ではなく気持ちが大切であり、簡単に相場を決めることはできないでしょう。とはいえ、一般的な目安がわからないと困ることも多いため、ここではあくまでも参考として、お見舞い金の金額の目安をお伝えします。
両親や兄弟姉妹、親せきの場合では、お見舞い金の金額は5,000円~1万円程度だとされています。ただし、先方との間柄によっても金額は変動すると覚えておきましょう。また、地域によっても相場は異なります。さらに複数人で面会に行くケースでは、事前に確認をしておくこともおすすめです。
入院しているのが友人であるケースでは、お見舞い金のイメージは一般的に3,000円~5,000円だとされています。「気持ちだから」とあまり高額にしてしまうと、快気祝いの際に友人のお返しの負担が大きくなってしまうため気を付けましょう。
一緒にお見舞いに行く友人がいれば、金額を合わせることをおすすめします。また、複数人の友人で訪れるのであれば、数千円程度ずつを集めて渡しても問題ありません。
職場の人のお見舞いに行くケースでは、以下の通り、先方との関係によって異なります。
同僚 | 3,000円~5,000円 |
部下 | 5,000円~1万円 |
上司 | 現金は避ける |
取引先 | 上司に判断を仰ぐ |
いずれの場合でも、普段の関係によって金額は異なります。ただし先方が上司の場合は、目上の方に現金でお見舞いを渡すことは基本的に失礼に当たるため、特に希望された場合を除いては品物で渡すようにしましょう。なるべく1人で勝手に決めてしまわず、職場の方と一緒に確認し合って決めることが大切です。
相手が取引先の方のケースでは、絶対に個人で決めてしまわず、上司の判断を仰ぎましょう。個人間でのやり取りに収まらず、会社間でのやり取りだと考えるべきだからです。
先方が誰であっても、忌み数には注意しなくてはなりません。忌み数とは、不吉な数字のことです。具体的には、以下の数字が入る金額は避けるようにしましょう。受け取り側の気持ちを考えることが大切です。
「4」:死をイメージさせてしまう
「6」:無に帰すことをイメージさせてしまう
「9」:苦しみをイメージさせてしまう
ここでは、お見舞い金を入れる袋や包み方について解説します。お見舞い金を渡す際には、ただお金を渡せばいいというわけではなく、一定のマナーがあります。知らずに誤った選択をしてしまうと、意図せず相手に対し失礼になることもあるため注意しましょう。
お見舞い金の封筒では、水引が付いた袋で結び切りの色は紅白のものを選びましょう。赤色の帯を使用したお見舞い用の封筒か、白色で無地の封筒が最適です。このとき、水引の種類は間違えないように気を付けましょう。
水引の結び方には、結び切りの他に蝶結びがあります。しかし、以下の理由から蝶結びは絶対に避けなくてはなりません。
結び切り | 1度きりのことに使用する |
蝶結び | 何度も繰り返すことに使用する |
蝶結びを使用すると、「病気を何度も繰り返す」という、とても縁起の悪いメッセージになってしまいます。この理由から、二度と病気にかからないようにと気持ちを込めて、結び切りの水引を選びましょう。また、熨斗(のし)は結婚式などで使用するものであるため、お見舞い金には使いません。
表書きには、「御見舞」「お見舞」のどちらかを書き、その下に自分の名前をフルネームで書きます。ちなみに、お見舞いの品をお渡しする際にも、同様に「御見舞」「お見舞」のいずれかとフルネームでシンプルに記述することが一般的です。もしも目上の方に対しお見舞い金を渡す場合は、「御伺」「御伺い」と記述するのが適切です。
書く際にはボールペンは使用せず、毛筆か筆ペンを使用します。色は薄墨ではなく、濃い黒が適切です。4文字になると忌み数になってしまうため、「御見舞い」「お見舞い」とはしないようにしましょう。
お見舞い金を包む際に気を付けたいのが、お札には旧札を選ぶことです。入院や葬儀など、よくない出来事に関しては新札を使いません。「相手の不幸を予期して準備していた」との意味合いになることを防ぐためです。新札しか用意できない場合は、折り目を付けてから包みます。また、お札の向きは人物の面が上になるようにそろえましょう。
その他にも、お見舞いの際に抑えておきたいマナーはいくつかあるためここで紹介します。相手に失礼にならず気持ちを充分に伝えられるよう、できるだけ事前に確認しておくようにしましょう。
お見舞いの品やお金に手紙を添えると、より気持ちを伝えられます。特に遠方で実際に病室に行けず、お見舞いの品・お金を郵送する際には手紙を添えるようにしましょう。
手紙を書く際には「前略」とし、相手との関係に関わらず通常の手紙のような時候の挨拶は不要です。相手を気遣い安否を心配する気持ちが伝わる文面になるよう心がけましょう。相手の状態があまり思わしくない場合は、本人宛でなく家族宛に手紙を書きます。その際には、家族をねぎらう一言も忘れずに添えましょう。
手紙の内容にきまりはありませんが、事故や病気を連想させるような言葉や「死」「終わる」をはじめとした縁起の悪い言葉を避けましょう。また、他の災害や病気、事故と今回の件を比較することも避けなくてはなりません。
お金でなくお見舞いの品を渡す際には、品物にも気を付けます。金額の相場は、お見舞い金を渡す際と同じくらいにしましょう。定番の品は、以下の通りです。
・花
・フルーツ
・タオル
・スリッパ
・クオカード
基本的には、病室を明るくするものや実際に役立つもの、または退屈しのぎになるものを送るのがおすすめです。花は病室が明るくなるためおすすめできますが、鉢植えは「病気が根付く」ことを連想させるため避けましょう。また、香りが強いものや花弁が首から落ちる花も避けなくてはなりません。
病院で生花が禁止されている場合は、ブリザーブドフラワーを送る選択肢もあります。フルーツを送る際には食事制限について事前確認し、日持ちがするものを選択しましょう。
服装に明確なきまりはありませんが、以下は避けることをおすすめします。
・全身黒でまとめる
・ヒールをはじめとする音が鳴りやすい靴
・派手な服装
・サンダル
黒で統一してしまうと葬儀を連想させるため、避けなければなりません。一方で、派手な服装も病院には不向きです。また、音が鳴る靴を履くと入院して耳が敏感になっている方の気持ちが休まらないため、避けましょう。病院はなにかと菌が多いため、素足にサンダルは衛生面からお勧めできません。
また、病人は耳だけでなく鼻も敏感になっています。そのため、香水は避けたほうが賢明です。また、体臭にも充分に注意し、相手に不快な思いをさせないことが大切です。
お見舞い時には、かける言葉にも一定の配慮が求められます。現金を渡す際には相手に恐縮させないよう、「お気持ちばかりですが、お役に立てれば」といった言葉を添えましょう。
また、お見舞の品やお金をもらった相手は退院後に快気祝いとしてお返しをするものですが、相手に負担を賭けたくないのであれば「お返しはいりませんので」と添えてもよいでしょう。
病気の相手に対して「頑張って」「早く元気に」などと声をかけてしまいがちですが、入院生活が長引いている方に対してはプレッシャーになるため避けたほうがよいでしょう。入院の原因を細かく聞こうとするのも避けたほうが賢明です。
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お見舞いの品やお金を渡すタイミングは、基本的には病室に入って間もない頃がおすすめです。しかし、お見舞いに行くタイミングも含めて、相手や家族の状態・都合を1番に考えることが重要でしょう。
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