身内の誰かが危篤・臨終になった場合には、やらなければならないことがたくさんあります。しかし、喪主の経験がない方にとっては「知らないことばかり」ではないでしょうか。
そこでこの記事では、危篤から臨終後までの流れやマナーと、やるべきことを詳しく紹介します。記事を読むことで、万が一の場合に備えることができるでしょう。
危篤と判断されたら、周囲とのコミュニケーションを欠かさず、先を見越した行動を取ることも大切です。
こんな人におすすめ
身内の体調がすぐれない人
危篤・臨終時に取るべき対応が知りたい人
もしものときのために知識を身につけたい人
危篤・臨終とはどのような状態を指すのでしょうか。また、危篤の連絡を受けた場合には何をすればよいのでしょう。
ここでは、危篤・臨終の意味や、危篤の連絡を受けた際にやるべきことを解説します。知っておくことで、いざというときも慌てず対応できるでしょう。
危篤とは、病状やけがの状況が悪化し、命の危険が間近に迫っていることです。明確な定義はなく、病状や容体などを見て、医師が総合的に判断します。
危篤と判断されても、すぐに亡くなると決まったわけではありません。なかには意識を取り戻す方もいます。ただし、基本的には回復は見込めず、そのまま臨終を迎えるケースが多いでしょう。
臨終とは、仏教用語の「臨命終時(りんみょうじゅうじ)」を略した言葉です。人が亡くなることや、亡くなる間際を意味します。
「臨」という漢字は単体で「臨む(のぞむ)」「そのときに直面する」という意味です。そのことから「臨終」は「死に直面する」という使われ方もされます。
なお、臨終期とは、臨終を迎えそうな時期のことです。臨終のその瞬間・間際よりももっと前のことを指します。
危篤と同じ程度に危険な場合を表す言葉に、重体や重篤があります。ただし、重体や重篤は、危険ではあるものの死が間近に迫っている状態ではありません。このままいけば死に至る可能性があるだけで、回復の見込みはある状態です。
重篤は、医学用語としての性質が強く、一般的にはあまり使いません。分かりやすく言えば「危篤ほどではないが、死に至る危険がある状態」となるでしょう。つまり、重体・重篤よりも危篤のほうが、より危険な状態と言えます。
危篤になったときには、家族や親戚などに連絡を入れて、病室に集まります。連絡をする際は、焦らず、相手にも分かりやすく伝えましょう。また、家族や親戚以外でも、親しい人がいる場合は連絡します。
危篤時には、親しい人が患者の最後を看取れるよう配慮しましょう。危篤状態はいつまで続くか分かりません。迅速な連絡・対応が重要です。
危篤とは、死が差し迫っている状態です。患者の状態によっては、大きな決断を迫られる可能性もあります。
危篤の連絡を受けると、混乱するあまり、パニックになってしまう人も少なくありません。だからこそ、落ち着いて行動すること、心の準備をしておくことが大切です。病室へ向かうまでの道中に、事故などを起こさないよう気を付けましょう。
危篤の連絡を受けたら、まずは患者にとって近しい人から順に連絡します。3親等以内の親戚には連絡を入れるのが一般的です。ただし、疎遠になっている場合やほぼ関わりのない親戚に、無理に連絡する必要はありません。
反対に、血のつながりはなくても患者と親しい人がいる場合は連絡します。普段の交友関係などを踏まえた上で、考慮しましょう。
危篤の連絡を入れる際は、連絡する時間帯などはあまり気にしなくても構いません。よい時間を待っていては、面会が間に合わなくなる可能性があります。早急に連絡することを優先しましょう。
家族・親戚が危篤になったら、その時点で葬儀社を決めておくと安心です。「まだ亡くなってもいないのに」と思うかもしれませんが、危篤とは死が間近に迫っている状態のことです。いつ臨終を迎えるか分かりません。
いざ臨終を迎えると冷静な判断ができなくなる可能性もあります。葬儀社と手続きや打ち合わせなどを行うのが、精神的に酷な場合もあるでしょう。
先にどこの葬儀社に依頼するか、見当をつけておくだけでも後々の負担が軽くなります。まだ気持ちに余裕があるうちに、調べておきましょう。
危篤のときには、まず患者の家族に連絡します。同居の家族をはじめ、親や子、兄弟など近しい家族に伝えましょう。それから付き合いのある親戚や友人、患者が会社勤めしている場合は、上司や同僚などにも連絡します。
ただし、全員にひとりで連絡するのは大変です。友人・知人なら、仲のよいグループのひとりに連絡し、その人からほかの人へと伝えてもらいましょう。同僚の場合も、同様にするとスムーズです。
家族や親戚など元々知っている間柄なら問題ありませんが、友人・知人や会社の同僚に対しては、危篤時に初めて連絡するケースもあるでしょう。相手からすると「誰だろう」と不思議に思われるかもしれません。
連絡をしたら、まずは自分が誰なのか伝えます。患者の家族だと認識してもらいましょう。それから、本人が危篤状態であること、急を要する状況であることを伝えます。
病院の場所や自分の連絡先などの情報を伝え、どれくらいで病室に来られるかを確認しましょう。ほかの人にも連絡を回してほしい場合は、合わせてその旨を伝えましょう。
危篤状態になってそのまま亡くなった場合、まずは医師による死亡確認が行われます。確認後、死亡を医学的・法律的に証明する書類「死亡診断書」が提出されるでしょう。
その後、お通夜・葬式の準備を行うため、葬儀社へ見積もり依頼をします。見積もりを取るためにも、葬儀の規模・参列者の人数・香典返しの予算といった条件を決める必要があるでしょう。
見積もり後、お通夜や葬儀・火葬場の手配が整ったら、日時や規模などの詳細を決定します。
危篤時の面会について「家族や親戚以外が会いに行くのはどうなのか」と悩まれる方もいるのではないでしょうか。
基本的には家族や親戚が優先ですが、患者と親しかった場合や、「看取ってほしい」と連絡を受けた場合は、会いに行っても構いません。速やかに駆けつけましょう。
危篤時の面会に際して、服装にこだわる必要はありません。服装よりも急いで会いに行くことを優先しましょう。同様に、お見舞いの品などを準備する必要もありません。
危篤とは、容体が悪化し、いつ亡くなってもおかしくない危険な状態のことです。では危篤と言われてからどのくらいで臨終を迎えるのでしょうか。ここでは、危篤から臨終までの期間やその間の過ごし方について解説します。
平常心でいるのが難しい時期ですが、冷静でいることが大切です。大切な方との最後の時間、穏やかな気持ちで付き添いましょう。
危篤から臨終までの期間は人それぞれ異なります。一般的には、危篤状態になってから数分から数時間で臨終に至るケースが多いでしょう。危篤状態と判断されれば本人や家族は死を覚悟するものです。
ただし、なかには数週間や数ヵ月あいたケースもあります。また、危篤になったからと言って必ずしも臨終に至るとは限りません。稀なケースではありますが、危篤状態から回復し、普段と変わらない生活に戻ることもあります。
危篤から臨終までの期間は、患者本人も周囲の人もデリケートになっています。「数分後にこの世からいなくなってしまう」と思えば、とても平常心ではいられないでしょう。
さらに、その状態がいつまで続くか分かりません。些細なことでイライラしたり、落ち込んだり、取り乱してしまう方もいるでしょう。
だからこそ、患者や家族などを気遣った対応が求められます。本人の意思や情報などを正確に伝えることも大切です。
患者やその家族・親戚・知人などに声をかける場合は、言葉選びに注意しましょう。デリケートな状況です。くれぐれも誤解を生じさせる発言は避けましょう。
患者に対しては、別れを惜しむ言葉や感謝の言葉、思い出を伝えてはいかがでしょうか。本人からの反応がなくても、聴覚は残っている可能性があります。
家族や親戚・知人に対してはねぎらいの言葉をかけましょう。「あまり気を落さないでね」「何か力になれることがあったら言ってくださいね」などが適切です。必要以上に心配する言葉はかけないようにしましょう。
危篤の連絡を受けて病院に駆け付けた人のなかには、パニックになって大騒ぎしてしまう人もいます。大切な人があと数分でこの世からいなくなってしまうと思えば、なかなか冷静ではいられないでしょう。
しかし、病院で誰かの死と向き合っているのは、自分だけではありません。取り乱すことのないよう、冷静な行動を心がけましょう。
危篤から臨終までは、患者と自分との間に残された貴重な時間です。穏やかな気持ちで付き添いましょう。
家族・親戚などに危篤の連絡をする際には、正確な情報を伝えましょう。誤った情報を伝えることや、誤解を生むような表現は避けます。伝える情報は以下の5つです。
1.自分の名前
2.危篤状態になっている患者の名前
3.患者の容体
4.病院の場所
5.自分の連絡先
危篤の連絡を受けてパニックになる人もいるかもしれません。ですが、慌てず冷静になることが大切です。必要な情報だけを簡潔に伝えましょう。
危篤の期間が長い場合、患者に付き添っている人は、周りの人との報連相を徹底します。付き添いができない親戚への連絡や、職場への連絡、医師や看護師などとも容体を共有しましょう。
本人の容体や医師の言葉を周囲に伝えることで、それがコミュニケーションにもなります。特に、付き添いのために仕事を休む場合は、コミュニケーションを取っておくことが復帰しやすさにもつながるでしょう。
危篤から臨終までの期間の長さは、人によってさまざまです。数時間しかない場合があれば、数週間・数ヵ月と続く場合もあるでしょう。そして、臨終までにやるべきことは色々あります。特に、身内や会社との連絡は重要です。
親しい方との最後を大切にするあまり、周囲との関係を悪化させないためにも、こまめな連絡を心がけましょう。
危篤の連絡を受けたら、まずは家族や親戚など近しい方へ連絡を入れます。同居している家族がいる場合はその家族や、親・子・兄弟・孫などへ連絡しましょう。3親等以内の親交の深い親戚に連絡するのが一般的です。
親戚以外にも普段親しくしている方がいる場合は、連絡を入れます。プライベートでの親交がある場合以外は、仕事関係の人に連絡をする必要はありません。危篤から臨終までの時間は、身内や親しい人たちで、患者を看取る時間だと考えましょう。
危篤の連絡を受けたら、大至急病院へ行って本人と面会しましょう。患者は、いつ亡くなってもおかしくない状態です。のんびりしていては、間に合わなくなる可能性もあるので、急ぎましょう。
面会したら、本人に言葉をかけます。今までの感謝の気持ちや思い出話などを話しましょう。本人からの反応がなくても、声は聞こえている可能性があります。「死ぬ」「助からない」といったネガティブな言葉や、亡くなった後の話をするのは避けましょう。
危篤の連絡を受けたら、職場への連絡も忘れずに行いましょう。危篤状態は、数時間の場合もあれば数日間続くこともあります。自分が休むことで業務に支障が出ることもあるでしょう。立ち合いの泊まり込みなども考えられるため、早い段階で連絡しておきます。
職場への連絡は、直属の上司に口頭で伝えることが基本です。直接口頭で伝えるのが難しい場合は電話で伝えましょう。危篤状態がしばらく続く場合にも、こまめに連絡を入れながら状況を伝えます。
宗教によっては、神父・牧師にも連絡します。例えば、キリスト教では危篤になった時点で臨終の儀が執り行われます。
儀式には神父が立ち会うため、家族や親戚に連絡するのと同時に、神父にも危篤の連絡を入れましょう。ちなみに、カトリックでは神父、プロテスタントでは牧師が立ち会います。間違えないようにしましょう。
仏教の場合も、危篤になった時点で僧侶に連絡を入れておくと、葬儀の段取りなどがスムーズにいく場合があります。
身内が危篤になったとき、会社を休んでもよいか悩む方もいるのではないでしょうか。そこでここでは、危篤になった際に使う休暇や、職場への連絡の仕方について解説します。
読むことで、危篤になった際に職場への対応が分かるのではないでしょうか。社会人のマナーとしても知っておきましょう。
家族が危篤状態になっても「周りに迷惑をかけてしまう」と仕事を休むことに躊躇する方がいます。
ただし、家族の危篤を理由に仕事を休むことは、マナー違反ではありません。自分だけでなく、誰にでも起こり得る状況です。必要以上に気を遣わず、正直に上司に相談しましょう。
ただし、仕事を休むことで周りに迷惑をかける場合には、こまめなコミュニケーションが大切です。上司にその都度、現状を報告するとともに、復帰後には感謝の意を伝えましょう。
親や子・兄弟などが危篤になった場合には、仕事を休む方が多いでしょう。しかし、親戚が危篤になったからと仕事を休んでもよいのか悩む方もいるのではないでしょうか。
基本的には、親戚が危篤の場合にも仕事は休んで構いません。関係の深さや、緊急性などを考慮して自分で判断しましょう。
ただし、あまりにも遠い親戚の場合、後々その必要性を疑われる可能性もあります。仕事を休む場合は、理由などを含めてきちんと報告しておきましょう。
家族の危篤を理由に仕事を休む場合、有給休暇を取るのが一般的です。有給休暇を取ることは、労働者の権利として法律で定められています。申請があれば、会社側がそれを却下することは認められません。
危篤状態は数時間の場合があれば、何日間も続く場合もあります。公休など日数が限られるものよりも、有給休暇を使ったほうがよいでしょう。会社によっては、家族の危篤の場合、後日申請しても有給休暇が取得できることもあります。
入社して間もない人の場合は有給休暇がありません。有給休暇は、入社して6ヵ月以降から発生する休暇だからです。また、有給休暇の日数は年間で決められています。すでに使い果たしてしまっている場合も、有給休暇は使えません。
その場合は、通常の欠勤扱いになります。家族の危篤を理由に休んでも、その日数分の給料は支払われません。注意しておきましょう。
「危篤の場合、忌引休暇が使えるのでは」と勘違いされがちですが、実際は使えません。忌引休暇は、葬儀の準備などに充てるための休暇です。明確な定義はないものの、一般的には家族が亡くなった後が対象となります。危篤状態では、家族はまだ存命中です。よって、忌引休暇の対象外となります。
忌引休暇は法律などで定められた休暇ではなく、いわば慣習から生まれた休暇です。日数などは会社によっても異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
危篤の連絡を受けたら、なるべく早く上司に連絡します。早く伝えることで、業務の引継ぎや担当者変更などがスムーズにできるでしょう。
社内にいるときに危篤の連絡を受けた場合は、直接口頭で報告します。社外にいる場合には、電話ですぐにその旨を伝えましょう。
直接口頭・電話が難しい場合は、一旦メールなどで連絡しておき、後で改めて電話します。いずれの場合も、すぐに連絡することが大切です。
家族が危篤になったことを上司へ伝える際、一番よいのは直接口頭で伝える方法です。ただし、常に上司が近くにいるとは限りません。
どちらかが社外にいる場合や、業務時間外の場合は、電話で連絡しましょう。その際には、自分がいない間の対応や、誰に仕事を引き継ぐかといった相談もします。
「会議中で電話がつながらない」という場合には、同僚に上司への伝言を頼みましょう。上司には、時間を置いて改めて事情を説明します。
危篤の連絡はいつ入るか分かりません。深夜や早朝など電話しづらい時間帯の場合もあるでしょう。その場合には、まずメールで一報入れておき、時間を置いてから改めて電話します。基本的に朝は7時以降であれば、電話しても差し支えありません。
また、状況が二転三転しているうちは、電話してもきちんとした説明ができず、情報が誤って伝わる可能性もあります。一旦メールで連絡を入れた後、状況が落ち着いてから改めて電話するほうがよいでしょう。
上司に伝えるのは「家族が危篤になり、付き添いのために休暇を取る」ということです。聞かれない限り、病名や病気に至った経緯など、プライベートな情報まで伝える必要はありません。
仕方がないこととは言え、仕事を休むことで少なからず周りに迷惑をかけるでしょう。「急なことで申し訳ございません」といった一言を添えることは、社会人としてのマナーです。また、休暇中の仕事の引き継ぎや対応についても相談しましょう。
不慮の事故など、突然危篤になった場合は仕方ありませんが、闘病中の家族がいる場合は前もって会社に伝えておきましょう。事前に伝えておくことで、会社側からのフォローが受けやすくなるかもしれません。
自分も会社側も心の準備ができているほうが、いざ危篤になった場合にも、慌てず対応できるでしょう。一から説明する手間も省けます。ただし、病名などの詳細まで伝える必要はありません。
危篤を理由に仕事を休んだ場合、職場復帰後には、感謝の言葉を忘れずに伝えましょう。いくら仕方がないこととは言え、自分が休むことによって多少なりとも人に迷惑がかかります。
急に休んだことに対する謝罪と、フォローに対する感謝を伝えることで、復帰後の業務も進めやすいでしょう。休暇が長期に渡った場合には、菓子折りなどを持っていくと、より好印象です。
危篤は先の予測がつきにくく、人によっては数ヵ月という長い期間になる場合もあります。あまり長引くと、体力的にも精神的にも辛くなるでしょう。また、長期の休暇に職場が対応できなくなる可能性もあります。
長引く場合には、その都度職場へ連絡し、状況を説明しましょう。仕事が滞らないよう、上司や先輩、同僚などに相談しながら協力を仰ぐことも大切です。
家族が危篤になった場合、付き添いで休む期間に決まりはありません。ただし、長期で休む場合には、その都度申請などが必要です。職場や上司に連絡を取りながら、休暇の申請などについて相談しましょう。
いくら休む期間に決まりがないからと言って、勝手に長期間休むのはいけません。職場や取引先などにも迷惑をかけることになるため、連絡は怠らないようにしましょう。
危篤が長引く場合には、改めて上司に相談しましょう。1日程度だと思っていた休暇が数日間になれば、それだけ業務にも支障が出ます。必要に応じて仕事の引き継ぎもお願いしましょう。
病院で付き添っていると、仕事のことを忘れてしまうかもしれません。しかし、復帰後のことを考えても職場への配慮は大切です。上司や同僚にサポートしてもらうためにも、こまめに連絡しましょう。
危篤が長引くと、付き添うほうの心身も疲弊します。ひとりで付き添うのは大変です。親戚や親しい方など、ほかの方にも声をかけて、複数人で協力しながら付き添いましょう。
付き添える人が集まったら、スケジュールなどを調整して誰がいつ付き添うかを決めます。ひとりの負担が重くなりすぎないよう、うまく調整しましょう。付き添いがきっかけで、人間関係が険悪にならないよう、しっかり話し合うことが大切です。
ここまでは、自分が危篤の連絡を入れるシチュエーションで話を進めてきました。ですが、実際には自分が、会社の上司や同僚から危篤の連絡を受けることもあるでしょう。急な連絡に、慌て戸惑ってしまうかもしれません。
ですが、連絡してきた相手はもっと戸惑っているでしょう。相手のことを気遣い、冷静に対応することが大切です。
危篤の連絡を受けると、心配のあまり、詳しい話を聞きたくなるかもしれません。ですが、相手は心に余裕がない状態です。色々質問することで、精神的に滅入ってしまう可能性もあるでしょう。また、病状など、個人的なことは聞かないでおきましょう。
メールで連絡を受けた場合は、短い文章で返信します。長文を送ると、長文で返さなければならないというプレッシャーを与えてしまうからです。「仕事のことは心配いりません。今はご家族との時間を大切になさってください」など、シンプルな文章を心がけましょう。
身内が危篤状態にある相手に対し、励ましの言葉をかけるのはよくありません。「がんばってください」「気を強く持ってください」などの言葉は避けましょう。
よかれと思ってかけた言葉でも、相手にとっては負担になることがあります。「がんばらなければ」「気丈に振る舞わなければ」と、無理してしまうかもしれません。
言葉をかけるなら「家族との時間を大切にしてほしい」ということだけを伝えましょう。言葉よりも、仕事上のサポートなどで相手を支えてあげることが大切です。
危篤に関する連絡を、電話ではなくメールで送ったり受けたりすることもあるでしょう。そこでここでは、危篤メールの送り方と返信の仕方について解説します。危篤をメールで伝えるときの文例も紹介していますので、いざというときに役立つでしょう。
また、危篤連絡を受けた相手から、メールで報告を受けることもあります。相手を気遣いつつ、負担にならないような返信を心がけましょう。
自分が危篤の連絡を受けた場合には、その情報をほかの方にも伝えましょう。危篤を伝えるのは、患者の同居する家族、親や子・兄弟や孫などが最優先です。まだ伝わっていない方がいる場合は、真っ先に連絡しましょう。
次に、親しい親戚に連絡します。危篤を伝えるのは、一般的には3親等以内の親戚とされています。ただし、疎遠になっている場合は、敢えて伝える必要はありません。反対に、親戚以外でも親しい方がいる場合は連絡しましょう。仕事を休む場合には、会社にも連絡します。
危篤の連絡をする際には、必要な情報を正確に伝えることが大切です。誰が危篤で自分は何者なのか、病院名や住所・病室番号といった情報を伝えましょう。
また、いつでも連絡が取りあえるように、自分の連絡先も伝えておきます。「いつまでに来てほしいのか」「いつまでに来られるか」についても話し合いましょう。
危篤の連絡は基本的には電話で行います。しかし、電話が通じなかった場合などは先にメールで連絡しておきましょう。以下のような文章を送れば、問題ないでしょう。
夜分遅くに失礼致します。
私は、〇〇の息子の△△と申します。
先ほど、父の容体が急変し、危篤状態になったと病院から連絡がありました。医師の話によれば、明日が山場ということです。
つきましては、存命のうちにひと目父に会っていただけないでしょうか。
入院先の病院は□□病院(住所・電話番号)です。
病室は□□号室になります。
このメールをご覧になられましたら、一度私のほうまでご連絡いただけると幸いです。
(携帯番号)
危篤の連絡は、身内からのものが一般的ですが、ときには身内以外の方の危篤連絡を受けることもあるでしょう。ここでは、身内以外の方の危篤メールを受けた際の、返信の仕方を解説します。
危篤の連絡は、人の生死にかかわるデリケートな問題です。言葉ひとつで相手を傷つけることもあるでしょう。相手の立場に合わせた、失礼のない対応を心がけましょう。
知人の関係者が危篤となり、その連絡を受けた際には、どのように返信すればよいのでしょうか。知人は、親しい方が危篤になり、精神的にも辛い状況でしょう。そのような相手にメールを送るときには、相手の気持ちを気遣い、落ち着いて言葉を選ぶことが大切です。
返信としては「それは大変です。早く行ってあげてください」「ご回復をお祈りしています」「そばに居てあげてくださいね。何かお手伝いできることがあれば何でも言ってください」などが適切でしょう。
普通の知人よりも、より親しい関係にある知人の場合、不安を抱えている相手の気持ちにより添った言葉を返してあげましょう。
「家族が危篤になった」というメールを受けた場合には「会いに行って、顔を見せてあげてね」「今できることをしてあげてね」などの返事が適切です。
「危篤状態になった家族(親戚)に付き添っている」というメールを受けた場合には、「無理はしないで。何か私にできることがあれば言ってね」など、いたわりの言葉を送ります。慰めたり、無責任に励ましたりせず、相手を思いやったやさしい言葉を送りましょう。
ビジネス上でお付き合いのある人から、危篤の連絡が入ることもあります。危篤はいつ起こるか分かりません。約束の直前に起こることもあるでしょう。
この場合、相手は自分の都合でビジネスが中断してしまうことに、申し訳なさを感じています。だからこそ、ビジネスのことは気にせず、まずは急いで病院に行くことを促してあげましょう。「こちらのことは大丈夫ですので、ご家族との時間を大切になさってください」といった言葉が適切です。
同僚の場合は「あとの仕事についてはこちらで調整しておきます。気にせず、ご家族のそばにいてあげてください」と送れば、相手も安心でしょう。
危篤メールへの返信は手短にまとめることが大切です。相手は大切な人との最後の時間を過ごしています。長文メールは読むのに時間がかかる上、「何か返信しなくては」というプレッシャーを与えてしまいます。
すぐに読めて、返信不要あるいは短い返信で済むような内容にすることを心がけましょう。ただし、簡潔すぎてそっけないメールになるのもよくありません。相手をいたわる言葉も忘れずに盛り込みましょう。
危篤状態にある方や、その知らせを聞いた方に対し「何と声をかければ分からない」という方もいるのではないでしょうか。思ったことをそのまま口にしてしまい、あとで後悔したという方も少なくないでしょう。
そこで記事では、危篤のときにかけるのに適した言葉と、避けたい言葉について解説します。あらかじめかける言葉を知っておくことで、落ち着いた対応ができるでしょう。
危篤状態とは、かなり危険な容体で、いつ亡くなってもおかしくない状態のことです。いざ危篤になると、混乱してしまって、なんと声をかければよいか分からなくなってしまう人もいるでしょう。
危篤状態になった本人に対しては、別れを惜しんだり、感謝の言葉を伝えたりするのが一般的です。ほかに、思い出話を語るのもよいでしょう。
ただし、危篤状態になった相手が家族なのか知人なのか、職場関係の方なのかによってもかける言葉は異なります。相手に合わせて臨機応変に対応しましょう。
一旦危篤状態になった人でも、まれに回復するケースもあります。別れを惜しむ言葉をかけることで、意識を取り戻すかもしれません。
「まだお別れしたくないよ」「もっといろんな所へ出かけようよ」「先に逝かないで。さみしいよ」など、別れを惜しむ言葉をかけましょう。
職場関係の人の場合も、ていねいな言葉を使って声をかけます。目上の方には「まだまだ教えていただきたいことがあります」など、尊敬の意を込めた言葉もよいでしょう。
危篤状態になった方との思い出を振り返りながら、感謝の言葉を伝えましょう。家族であれば、「たくさんの愛情を注いでくれてありがとう」「いつもおいしいごはんを作ってくれてありがとう」など、素直な気持ちを言葉にしましょう。
仕事関係の人の場合は、自分の名前を名乗った上で「仕事では大変お世話になりました。ありがとうございました」などと伝えます。ほかにも知人・友人など、どんな関係性の方にも伝えられるのが感謝の言葉です。
危篤状態の本人と親しい間柄である場合は、2人の思い出を伝えましょう。例えば「会社帰りによく飲みに連れて行ってくれましたよね。あそこの居酒屋、また行きましょうよ」「もうすぐ冬ですね。昨年の今ごろは、スキー旅行に行きましたよね」など、2人にしか分からない思い出話でも構いません。
思い出を伝えることで「あなたがいてくれて楽しかった。ありがとう」といった感謝の気持ちも伝えられます。本人も、楽しい記憶を思い出しながら、穏やかに臨終を迎えられるでしょう。
危篤状態の本人ではなく、その家族や恋人に声をかける状況もあるかもしれません。どんな言葉をかけるべきか迷うところですが、基本的にはねぎらいの言葉がよいでしょう。
「あまり無理しないでくださいね」「何か手伝えることがあればいつでも言ってください」など、相手を思いやる言葉が適切です。必要以上に心配しすぎたり、「がんばって」と励ましたりするのは避けましょう。
危篤の連絡を受けると、混乱するあまりネガティブな感情をそのまま言葉に出してしまうことがあります。ですが、否定的な言葉や死を連想する言葉などを使うのはタブーです。基本的に、マイナスの感情につながる表現は避けましょう。
パニックになって「言わなくてもいいことを言ってしまった」ということがないよう、万が一のときほど冷静でいるよう努めましょう。
危篤の人に対して、否定的な言葉をかけるのは避けます。「もうダメかもしれない」「あんなに元気だったのに」などは言わないようにしましょう。
過去の懺悔や、「今しかないから」と、言わなくてもいいことを言ってしまうのもよくありません。また、泣き叫ぶ、大声でわめくといったことも避けましょう。危篤状態の人が、穏やかな気持ちで臨終を迎えるようにすることが、付き添う人の努めです。
危篤状態の人の前で、死後の話をするのはタブーです。危篤とは医師による判断であって、死が確定したわけではありません。葬儀や相続など死後の手続きについて話すことは止めましょう。
葬儀などの際によく使われる言葉に「ご愁傷様です」があります。これは人が亡くなったときにかける言葉です。間違っても危篤状態の人にかける言葉ではありません。うっかり口にしてしまわないよう気をつけましょう。
臨終の手前、生命が危険な状態に陥ることを危篤状態と言います。では、実際にはどのような症状が現れるのでしょうか。ここでは、臨終の前に現れる症状や、危篤から臨終までの期間について解説します。
危篤から臨終までの状態の変化は医師であっても予測困難です。臨終を迎える前の心準備として、知っておきましょう。
病気や怪我などにより身体状態が悪化し、生命に危機が迫っている状態のことを危篤と言います。危篤状態になると、その数時間から数日間のうちに、臨終を迎えるのが一般的です。臨終の前には以下のような症状が現れやすいでしょう。
・排尿が止まる
・眠っている時間が長くなる
・せん妄状態になる
・呼吸の様子が変わる
・一時的に回復したようになる(中治り現象)
危篤は、病状やバイタルサイン、状況などから医師によって総合的に判断されます。明確な基準があるわけではないため、正確な判断が難しいでしょう。
危篤と判断されたからと言って、必ずしも臨終に至るとは限りません。人によっては、回復し、元通りの生活に戻れる場合もあります。
また、状況も人によってさまざまです。長期間、闘病生活を送っていたなかで危篤状態になる人がいれば、不慮の事故によって突然危篤状態になる人もいるでしょう。
危篤と判断され、臨終に至るまでの期間は人によってそれぞれです。生命の危機が迫っている状態でも、目に見えない部分での身体状態は、医師であっても予測困難でしょう。
数時間で臨終に至る場合があれば、数日間、数週間と続く場合もあります。稀に回復することもありますが、回復にかかる期間も予測できません。
危篤と判断されたら、わずかな希望を持つ反面、もしもの事態を予測して行動することが大切です。
なかには危篤状態と持ち直しを繰り返す場合もあります。付き添う人にとっては精神的にも身体的も苦しい期間となるでしょう。
身内の危篤を理由に仕事を休んでいる場合、持ち直した段階で一度復帰し、再度危篤によって休暇を取ることになります。
付き添い期間の予測も立てられないため、休暇の申請や引継ぎなど、随時確認が必要です。上司に相談するなどしながら、職場とのこまめなコミュニケーションを心がけましょう。
「身内が臨終に至る」それは、いつ誰の身にも起こりうることです。では、家族が臨終を迎えたらまず何をすればよいのでしょうか。
そこでここでは、臨終を迎えた際に身内がやるべきことについて解説します。事前に知っておくことで、お通夜・葬儀・告別式などがスムーズに行えるでしょう。
人は死期を悟ったとき、家族や友人、お世話になった人などに会いたくなると言います。最後の瞬間、誰かと一緒にいたいというのは、人としての本能なのかもしれません。
親しい人が臨終を迎えたら、お別れを言いに会いに行くことをおすすめします。周りの人とも連絡を取り合いながら、最後の瞬間、その人がひとり寂しい思いをしないよう配慮しましょう。
病院で臨終を迎えた場合には、医師が心臓停止を確認します。死亡が宣言された後、死因や死に至るまでの経緯をまとめた死亡診断書が作成されるでしょう。
その後、病院の方が遺体の処置を行ってくれます。お湯やアルコールで体を清め、耳や鼻に綿を詰め、着替えも済ませてくれるでしょう。女性なら、死化粧を施してくれる場合もあります。その後ご遺体は、一旦病院の霊安室などに移されるでしょう。
自宅で亡くなった場合には、真っ先に主治医に連絡します。主治医が死亡確認を行った後、死亡診断書が作成されるでしょう。
ただし、急性の病気や事故の場合、主治医がいないことも考えられます。その場合は警察に連絡しましょう。他殺・自殺などの可能性もあるため、犯罪性の有無を確認するためにも必要です。医師の死亡確認が行われるまでは、遺体を動かさないようにしましょう。
家族が亡くなった場合、まずは医師から死亡診断書を受け取ります。主治医がおらず、警察に連絡した場合には死体検案書を受け取りましょう。
次に、死亡届と埋火葬許可申請書を提出します。どちらも死亡を知った日から7日以内が提出期限です。死亡届は死亡診断書(死体検案書)と1枚の用紙になっています。書類を受け取ったら、すぐに必要事項を記入して提出しましょう。
また、埋火葬許可申請書を提出しただけでは、埋葬・火葬は行えません。書類が受理された後に交付される、火葬許可証が必要です。
葬儀とひと言で言っても、さまざまな形があります。家族や親戚、友人や職場の人などにも会葬してもらうお葬式が一般的でしょう。ほかにも、大規模な「社葬」「合同葬」や、家族だけで行う「家族葬」、ひっそりと行う「密葬」などがあります。
葬儀によって会場の選び方なども変わってくるでしょう。どのような葬儀を行うのかを考えた上で、葬儀社を選ぶことが大切です。
また、知識がない方でも安心して依頼できるセットプランなどもあります。任せられることはプロに任せて、お別れの時間を大切にするのもおすすめです。
お通夜とは、葬儀の前に親しい人たちが集まって、亡くなった方との最後の夜を過ごす儀式です。一般的には家族や親戚、親しい友人など、限られた人が弔問に訪れるでしょう。夜を徹して棺を守ることで、邪霊の侵入を防ぐとも言われています。
従来は、夜通し行われることが一般的でした。最近では、参加しやすさや防犯上の理由から、2時間ほどで終わる「半通夜」が一般的です。
葬儀とは、亡くなった方の冥福を祈る宗教儀式です。故人や遺族が信仰する宗教のルールに乗っ取って行われます。対して告別式とは、遺族をはじめ親しい人たちが、故人との最後のお別れをする社会的儀式です。
本来の告別式とは、全員で故人を墓地まで見送った後、埋葬前に最後のお別れをする儀式でした。しかし最近では、葬儀と合わせて行われることが多いでしょう。一般的にはお通夜を夕刻に行い、翌日の日中に葬儀・告別式を行います。
告別式の後、遺族は棺のなかに生花をたむけ、故人と最後のお別れをします。お別れが終わると棺にふたをして、喪主から順番にくぎを打ったら出棺です。
出棺とは、ご遺体の入った棺を、葬儀場から火葬場まで運ぶことです。故人に近しい間柄の主に男性が棺を担ぎ、霊柩車に乗せます。
現代では、火葬場まで同行しない参列者も多くいます。その場合、出棺が、事実上故人との最後のお別れの場になるでしょう。
火葬場についたら、納めの式を行った後、ご遺体が火葬炉に入るのを見送ります。納めの式は、火葬の前に行う最後のお別れの儀式です。僧侶が同行している場合は読経してもらい、焼香をします。火葬には1時間~2時間ほどかかるため、待合室で待機しましょう。
親戚以外の参列者がいる場合は、接待します。また、親戚が集まっているこの機会に、次回の法要の日程なども調整しましょう。
ご遺体の火葬が終わったら、ご遺体の骨を骨壺に納める骨上げ(こつあげ)を行います。2人1組になり、足側の骨から順番に箸で拾って、骨壺に納めましょう。喪主から順に、血縁の深い順番で行います。骨壺は喪主が持ちましょう。
骨上げが終わったら、骨壺と火葬済の証明印が押された「埋葬許可証」を受け取ります。埋葬許可証は埋葬の際に必要な書類です。なくさないように保管しましょう。
還骨法要(かんこつほうよう)とは、火葬場から自宅または葬儀場へ戻ってきた遺骨を、迎えるための儀式です。僧侶による読経と焼香、あわせて30分ほどの法要が行われます。
初七日法要は、故人が亡くなってから七日目に行う法要です。ただし、七日目に改めて親戚が集まるのが難しい場合は、還骨法要と合わせて行います。
初七日の「七日」とは、故人が亡くなって三途の川にたどり着くまでの期間です。故人が三途の川を渡り切り、無事に向こう岸に着けるようお祈りします。
一般的な葬儀にかかる費用は、約200万円と言われています。内訳としては主に「葬儀一式費用」「飲食接待費用」「宗教者への支払い」の3つに分けられるでしょう。
葬儀一式費用とは、祭壇や棺、会場設備など葬儀を行う上で必要な経費です。飲食接待費には、お通夜・告別式の後で振る舞う接待料理や返礼品の費用などが含まれます。宗教者への支払いは、読経などを依頼する僧侶への支払いです。
ただし、葬儀の規模によって費用にも大きな差が出るでしょう。規模によっては20万円ほどでできる葬儀もあります。
基本的に、お通夜は亡くなった日の翌日に行います。決められない場合は、自宅や斎場などにご遺体を安置しておきましょう。
日程を決めるには、期限から逆算して考えるのものひとつの方法です。一般的に、亡くなって4日目からご遺体の腐敗が始まるとされています。遅くても4日目までには火葬を行いましょう。
すると、亡くなってから3日目にお通夜、4日目の午前に葬儀・告別式、午後に火葬という予定が組めます。亡くなってから2日目までには葬儀全体の日程を決めましょう。
時期や場所によっては、火葬場や僧侶のスケジュールが埋まっている可能性があります。先に葬儀の日程を決めてしまっていると、関係者全員に日程変更の連絡をしなければならず、大変です。まずは火葬場と僧侶のスケジュールを確認してから、葬儀日程を決めましょう。
自治体の火葬場に空きがない場合は、民間の火葬場を使うことも可能です。ただし、費用は高くなるでしょう。
お盆の時期は僧侶のスケジュールが埋まっている可能性が高くなります。ご遺体も腐敗しやすい時期なので、早めに確認しましょう。
遠方に住んでいる親族がいる場合には、その親族の行動を確認することが大切です。亡くなった方の子が海外に住んでいる場合などは、その到着時間に合わせてスケジュールを組む必要があるでしょう。
遠方に住む親族がいる場合は、危篤になった段階で呼び寄せておくなど、先を見越した行動も必要です。
ただし、必ずしも親族全員が葬儀に参加する必要はありません。故人との関係性を考えた上で、親族間でよく話し合いましょう。
昔から、葬儀は仏滅の日に行うのがよいとされてきました。仏滅は、昔の日本の曜日のひとつで、大凶日です。結婚式や祝いごとなどを行うのは、タブーとされています。
ただし、葬儀だけは別です。「悪いことは悪い日のうちに終わらせたほうが縁起がよい」という考えからとされています。
最近では、縁起を気にしない方も増えてきましたが、気にする方もいるでしょう。仏滅以外の日を選ぶ場合は、あらかじめ親戚などに相談しておくと安心です。
葬儀は、宗教・日程・規模などによって、さまざまな種類に分けられます。従来の葬儀では、故人の友人や知人、会社関係者などを広く呼ぶ形が一般的でした。しかし最近では、身内だけでひっそりと行う方も増えています。
また、お通夜を行わない葬儀や、お通夜・葬儀・告別式などを行わず火葬だけを行う葬儀があることはご存知でしょうか。儀式を簡略化することで、参列者の負担や費用を減らせるというメリットもあります。
家族葬は、一般の弔問客を招かず、身内だけでひっそりと行う葬儀のことです。近年、人気が高まっています。家族だけの数人で行う場合もあれば、親戚や親しい友人なども参列して数十人で行う場合もあるでしょう。
遺族側は、弔問客の接待に追われることなく、故人との最後のお別れにゆっくりと時間が割けます。ただし、一般の弔問客を招かないため、香典による収入は期待できません。
社葬は、会社が主催して行う大規模な葬儀です。費用は会社が負担し、一般の弔問客も多数参列します。会社の代表や会長など、重要な人物が亡くなった場合や、仕事で社員が殉職した場合などに行われるでしょう。
社葬の場合、故人への哀悼という本来の意味だけでなく、会社の一大イベントといった意味合いも大きくなります。そのため社葬の前後では、家族のみの密葬を行うのが通例です。
宗教にはさまざまな種類があり、その違いが出やすいのが葬儀です。日本では仏教を信仰している家が多いのではないでしょうか。
仏教のなかにも、浄土宗・浄土真宗・日蓮宗・真言宗など多くの宗派があり、使う経典も違います。葬儀における念仏の唱え方や焼香の仕方も、宗派によって違うため、注意しましょう。
また、葬儀の特徴は、地域によっても異なります。その地その地に根付いた風習があり、地域差が出やすいと言えるでしょう。
浄土三部経とは、浄土宗・浄土真宗・時宗のことです。いずれも阿弥陀如来を本尊とする宗派ですが、使う経典が異なります。
念仏を唱えることで極楽浄土に至れるというのが浄土宗の教えです。浄土宗の葬儀では、僧侶と参列者が一緒に念仏を唱える「念仏一会」が行われます。焼香は、押しいただいて1回から3回行うのが基本です。
浄土真宗では、念仏を心のなかで思うだけで成仏できるとされています。浄土真宗の葬儀では授戒・引導を行いません。焼香は、押しいただかず1回のみ行います。
時宗でも、浄土宗と同じく念仏を唱えれば往生できるとされています。葬儀も浄土宗と似た形で行われるでしょう。
法華経の宗派には、日蓮宗と天台宗があります。どちらも法華経を主な経典とする宗派です。日蓮宗の葬儀では、「何妙法蓮華経」と題目を唱えることが重要とされています。葬儀の最中にも、僧侶と参列者全員で題目を唱えるでしょう。
また、中心に仏や菩薩などの名前が書かれた「十界曼荼羅」を本尊に掲げます。焼香は押しいただき、3回行うでしょう。
一方の天台宗には、特定の本尊がありません。法華経中心ではありますが、「朝題目夕念仏」という考え方があるため、夕方は阿弥陀経が中心になります。焼香の作法には、特に決まりはありません。
大日経・金剛頂経を主な経典とする宗派に、真言宗があります。真言宗は日本で唯一の密教です。密教とは、文字通り「秘密の教え」を意味します。教団のなかの限られた人の間で、教義と儀礼を伝承によって伝えていく仏教のことです。
真言宗の葬儀では、頭の頂きに水を注ぐ儀式「灌頂(かんじょう)」や、土砂を使って祈祷する「土砂加持(どしゃかじ)」などの儀式が行われます。焼香は押しいただいて、3回です。
宗派のなかには、特定の経典を持たない宗派もあります。臨済宗、曹洞宗などがその代表でしょう。
臨済宗は、禅宗のひとつで「座禅をすることで悟りに至る」とされています。特定の経典はありませんが、般若心経や金剛般若経などが読まれることが多いでしょう。葬儀の内容は、授戒・引導が中心です。焼香に作法はなく、1回だけ行います。
曹洞宗は釈迦を本尊とする宗派で、臨済宗と同じく座禅を中心とした禅宗です。正法眼蔵や法華経が読まれることが多いでしょう。曹洞宗の葬儀では、太鼓や鈸を打ち鳴らす儀式が特徴的です。焼香は2回で、1回目は押しいただき、2回目は押しいただきません。
日本で仏教以外の宗教として一般的なものに、神道とキリスト教があります。神道は、八百万の神を信仰する、日本古来の宗教です。
仏教における経典のようなものに「神典」がありますが、特定の教義を示すものではありません。神式の葬儀では、神職者による場のお清めに始まり、祝詞の奏上、焼香の代わりにあたる「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」などの儀式を行います。
キリスト教は、世界でもっとも信仰されている宗教です。一般的に、キリスト教の葬儀は教会で行われます。聖書の朗読や、神父による説教、参列者による聖歌斉唱などが行われるでしょう。
お通夜とは、ひと晩中灯りを消さずに、ご遺体を見守る儀式です。葬儀・告別式の前日夜に、故人に近しい家族・親戚・友人などが集まって、故人の冥福を祈ります。亡くなった翌日の夕刻からお通夜、その翌日に葬儀・告別式を行うのが一般的です。
お通夜では、僧侶の読経や焼香、喪主・その他一般参列者の焼香が行われます。焼香が終わり、僧侶が退出したら、喪主の挨拶です。最後に翌日の葬儀の案内を伝えます。
仮通夜は、死亡当日の夜に納棺し、親戚だけで行うお通夜のことです。親戚で故人を見守り、一緒に過ごすことが目的であり、特に儀式などは行いません。稀に、僧侶を読んで読経することもありますが、簡略化されることが多いでしょう。
服装についても、喪服である必要はありません。奇抜な色や動物柄の服を避ければ、平服でも問題ないでしょう。
お通夜では、僧侶の読経・焼香に続き、喪主から順に遺族・親近者が順番に焼香します。焼香のやり方は、まず右手の親指・人差し指・中指の3本で抹香をつかみ、目の高さまで持ち上げましょう。この動作を「押しいただく」と言います。
その後、指を擦りながら香炉のなかに抹香を戻します。押しいただくかどうかや、焼香の回数などは宗派によっても異なるでしょう。特に、喪主を務める場合は、事前に確認しておきます。
親近者の焼香が終わったら、一般弔問客の焼香です。弔問客は、焼香後、遺族に対して黙礼します。遺族側も、座ったまま黙礼して応えましょう。
一般弔問客の焼香が終わり、僧侶が退席したら、喪主が挨拶を行います。挨拶では「参列へのお礼」「死去の報告」「生前のご厚誼(こうぎ)への感謝」を手短に伝えましょう。
挨拶中「死ぬ」「死亡」などの忌み言葉や、「重ねる」「たびたび」といった重ね言葉を使うのはタブーです。
不安な場合は、メモを見ながら読んでも問題ありません。3分以内を目安に、簡潔にまとめましょう。挨拶の最後には、翌日の葬儀・告別式や、通夜振る舞いの案内をします。
亡くなった翌日夜にお通夜が行われ、その翌日には葬儀・告別式が行われます。一緒にされることも多い葬儀・告別式ですが、意味は別です。
葬儀が宗教儀式であるのに対し、告別式は社会的な式典になります。告別式の目的は、故人の死を周知し、故人と親しい関係にあった人たちが最後のお別れをすることです。
もともと葬儀と告別式はまったく別のものでした。しかし、近年では簡略化され、一緒に行われるケースも多くなっています。
一般的に、告別式はお通夜の翌日に行われます。喪主はお通夜が終わり次第、告別式の準備・打ち合わせを始めましょう。席次と焼香順・火葬後の法要・弔辞の順番・葬儀で紹介する弔電と順番・挨拶をする人と順番など、打ち合わせ内容は多岐に渡ります。
また、告別式後に火葬場に同行する人の人数や、乗り物の手配などもしておきましょう。僧侶に渡すお礼も、この段階で準備しておきます。
喪主は、告別式が滞りなく進行できるよう、色々なことに気を配らなければなりません。告別式が始まる前には席次、弔辞と弔辞の情報(氏名や肩書など)について、確認します。
告別式の直前に届いた弔花や弔電などにも目を通しておきましょう。弔電は基本的には司会者が読み上げます。読み上げる順番など、間違いがないよう打ち合わせしておきましょう。弔電が多い場合は、名前だけ読み上げるのでも問題ありません。
出棺の前には、喪主が挨拶を行います。メモを持たずに読む場合には、ある程度内容を考えておきましょう。お通夜での挨拶と内容が重複しても問題ありません。
まずは、参列してもらったことのお礼を伝えます。内容を選ぶ必要はありますが、故人との思い出話や最後の様子などを話すのもよいでしょう。
最後に、生前よくしていただいたこへの感謝と、これからの変わらぬ支援をお願いして終わりにします。挨拶は簡潔にまとめ、2分~3分程度で終わらせましょう。
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訃報は、死亡確定後、なるべく早く届けることが大切です。ホゥ。