家族信託の特徴とは?メリットや注意点を徹底解説します!

家族信託の特徴とは?メリットや注意点を徹底解説します!

家族信託とは、生きている間に家族に財産の管理を任せることです。「万が一のために家族信託をしておきたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、家族信託の概要やメリットについて紹介します。また、家族信託をする際の手順や起こり得るトラブルなどもあわせて解説します。財産の管理方法を検討中の方は参考にするとよいでしょう。家族信託に関する理解を深め、自身に合った方法で財産を適切に管理しましょう。

<この記事の要点>
家族信託とは、家族に財産管理を依頼することを指す
家族信託では本人の意思確認手続きをせずに、財産管理できることがメリット
家族信託は関係性により贈与税、相続税、所得税が発生するため、節税対策には適していない

こんな人におすすめ

生きてるうちに財産の管理を任せたい人

家族信託とはどのようなものか知りたい人

家族信託の手続きの流れを知りたい人

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家族信託とはどのようなもの?

家族信託という言葉を聞いたことがあるものの、具体的なイメージが湧かない方や意味を十分に理解しきれていない方もいるかもしれません。まずは、家族信託の特徴や仕組みといった基本情報を解説します。

家族信託の特徴

家族信託とは、自身で財産を管理できなくなるときに備えて、家族に財産管理を依頼することです。不動産や預貯金、有価証券などの管理や処分、運用を任せられます。

本人の意思能力にかかわらず財産を管理できる上に、成年後見人制度ほど財産管理の手続きに複雑さがありません。家族信託を利用すれば、万が一の際に大切な財産を信頼できる家族に委託できます。

家族信託の仕組みとは?

家族信託に関与するのは、「委託者」と「受託者」「受益者」の3者です。ただし、委託者と受益者が同一であることも多くなっています。

家族信託は、財産の所有権のうち「財産権」を自身(委託者・受益者)が保有し、「財産を管理や運用、処分できる権利」を家族(受託者)に与える制度です。なお、受託者は複数人を指名することができます。

家族信託が注目される背景│どんな時に活用できる?

近年、家族信託が注目されているのはなぜでしょうか。制度の活用者が増えている背景や、具体的にどのようなときに活用できるのかを詳しく解説します。

認知症対策になる

家族信託は、認知症対策として注目されている制度です。認知症にかかり判断力が欠如すると、自身で財産を適切に管理しにくくなる上に、家族が財産を管理する際に手続きが複雑化する恐れがあります。

一方、家族信託を利用している場合は、原則財産管理の際に本人の意思を確認する必要がありません。自身が認知症になるかもしれないと不安がある方や、万が一の際に財産を管理できなくなると困るときは活用を検討するとよいでしょう。

代わりに不動産を管理できる

家族信託は、特に「大家業」を営んでいる方に適した制度です。家族信託を利用すれば、病気や怪我で不動産を管理できなくなったときにも、子どもや孫が自由に預金を下ろしたり不動産を処分したりできます。安定的に不動産経営を継続できるため、大家業の方は家族信託をしておくと安心です。

財産の承継に安心感を持てる

家族信託は、信託契約をした時点で受託者による財産管理が始まります。生きている間に財産管理を任せることになるため、管理状況や運用状況を自身の目で確認可能です。親なき後の子どもの生活を考える場合や、子や孫のお金の使い方に不安のある方の利用にも適しています。

家族信託で得られるメリット

家族信託のメリットは、細かく分けて5つあります。家族信託の恩恵を最大限に受けるためにも、どのようなメリットがあるのかを事前に確認しましょう。

財産管理が容易にできるようになる

財産管理で注意したいのは「凍結リスク」です。例えば、認知症や寝たきりの状態になった際は、相続が開始されない限り本人以外の方は財産を使用できません。このように、財産に触れられなくなる状態のことを、凍結リスクといいます。

一方、家族信託では、本人の意思確認手続きは不要です。受託者の意思に従って財産を使用できるため、管理が容易になるというメリットがあります。

倒産隔離機能を活用できる

倒産隔離機能とは、受託者が倒産や自己破産をした際に、家族信託した財産を守ることのできる制度です。受託した財産の財産権はあくまで委託者のものであるため、差し押さえの対象からは外れます。

しかし、生前贈与で財産を譲り渡した場合は財産権も全て受贈者(受託者)のものとなるため、没収されます。倒産隔離機能は、投資家や経営者という破産リスクのある方に適した制度といえるでしょう。

遺言書よりも優先して適用できる

家族信託は遺言書のような効力を持っている上に、遺言書よりも優先的に適用されます。仮に、遺言書に「長女Aに事業所を譲る」と記載され、家族信託契約書で「孫Bに事業所を譲る」と書かれていたとしましょう。

この場合は家族信託契約が優先されるため、遺言書の記載日にかかわらず引き続き孫Bが事業所を管理できます。

成年後見制度よりも柔軟に対応できる

成年後見人制度は、親族や専門家に日々の生活に必要な判断を任せられる制度です。財産管理も任せられますが、以下のようなデメリットが発生する可能性があります。

・家庭裁判所への定期的な報告義務がある
・本人の判断力がなくなるまでは、後見人の判断で財産を管理できない
・後見人や後見監督人に対する報酬の支払いが発生する
・資産が目減りするような投資や運用はできない

成年後見人制度は複数の制約があり、家族による自由な財産管理には不向きです。その点、家族信託には特別な決まりや強い制約がないため、柔軟に財産管理ができます。

相続時の負担を減らすことができる

相続発生時の親族間のトラブルを避けられるのもメリットの1つです。通常、財産を相続する際は、法定相続人が遺産の分割方法や割合について遺産分割協議で話し合いをします。

しかし、家族信託を活用して事前に家族に財産を渡しておけば、すでに財産の管理者が決まっているため、遺産分割協議で改めて話し合う必要はありません。分割割合で揉めるリスクや、日程を合わせて家族が集まる時間をとる負担も削減できます。

家族信託を利用する際の注意点

メリットの多い家族信託ですが、注意点やデメリットも事前に確認しておきましょう。注意点となるポイントは全部で5つです。事前に確認しておくことで、自身に合った財産の委託方法を選択できるようになります。

税金の負担が大きい

家族信託で発生する可能性のある税金は「贈与税」「相続税」「所得税」の3つです。役割や関係性によって負担する税金が異なります。

税金の種類 事例 結果
贈与税 委託者と受益者が異なるとき 委託者から受益者への贈与と見なされる
相続税 受益者が亡くなったとき 新たな受益者に相続税が課される
所得税・住民税 ・受益者が信託受益権を売却したとき
・信託期間中に受益者が利益を得たとき
・売却益に対して所得税と住民税が課される
・信託財産による利益に対して所得税と住民税が課される

家族信託に節税効果はほとんどないため、節税対策には適していません。税金の負担を減らしたいときは、贈与税や相続税の非課税制度を検討するとよいでしょう。

遺留分侵害額請求をされる可能性がある

遺留分は、法定相続人に最低限の遺産取得割合を保証する制度です。家族信託を適用して財産を特定の人物に委託した場合、他の法定相続人から遺留分侵害請求をされる可能性があります。

「財産のほとんどを家族信託してしまった」「後継者問題が解決していない間に事業所を信託した」といった場合は、注意が必要です。ただし、家族信託をした財産が遺留分に該当するかどうかは事例によって異なるため、必ずしも遺留分侵害請求の対象になるとは限りません。

身上監護の契約が十分にできない可能性がある

家族信託では、身上監護の契約が十分にできないというデメリットもあります。身上監護とは、委託者の生活支援や療養時の看護などをすることです。

成年後見人制度では身上監護も契約内容に含まれますが、家族信託は財産管理に特化しているという点が異なります。身上監護をメインにするのであれば、成年後見人制度が望ましいでしょう。

受託者を決める上でトラブルになる可能性がある

家族間トラブルに発展する恐れがあるのもデメリットの1つです。例えば、以下のような場合は揉め事が起こる可能性があります。

・誰も受託者をやりたがらない
・受託者になりたい人が多い
・家族への相談なしに委託してしまう

家族信託をする際は家族間でしっかりと話し合いをして、「誰に委託するのか」「どのように管理するのか」を決めましょう。

信託不動産の損失を相殺はできない

不動産事業や不動産投資をしている方の中には、損益通算や繰越控除を上手に活用して節税をしている方もいます。損益通算とは赤字所得と黒字所得を相殺することで、繰越控除は赤字所得を翌年以降に繰り越す制度です。

しかし、家族信託による不動産所得の損失は、他の所得と損益通算できません。 他の黒字所得にはその分の税金が課されるため注意しましょう。

家族信託で考えられるトラブルとは?

家族信託で考えられるトラブルは主に4つあります。発生し得るリスクを事前に確認して、家族信託が自身に合っているか、今一度検討しましょう。

信託契約の無効

家族信託には、遺言と同じような効力があります。そのため、内容によっては家族信託された財産を受け取ることができない法定相続人も出てきてしまうのが現状です。

実際に、法定相続人が遺留分侵害額請求をしたことによって、信託契約が無効となる判例が過去にありました。家族信託の際は、遺留分にも注意しましょう。

受益者連続型信託による制限

「受益者連続型信託」とは、受益者が亡くなった場合の新たな受益者をあらかじめ定めておく家族信託です。

受益者連続型信託の有効期限は「30年」という制限があります。信託した時から30年経過した時の受益者が死亡し、その次の受益者が死亡した時に信託は終了します。永久的に財産の所有者を決められる制度ではないので注意しましょう。

信託する不動産の一括返済

抵当権とは、住宅ローンが支払えなくなった際に備えて、金融機関が設定する権利のことです。抵当権が付いている不動産を信託するときは、金融機関の承諾を得る必要があります。

承諾を得ずに家族信託すると、契約条項違反と見なされる恐れがあるため注意しましょう。場合によっては、ローンの一括返済を求められることもあります。

家族仲の悪化

家族信託では、財産の管理方法に厳密な規定がありません。処分したり運用したりと比較的自由にお金を動かせます。

そのため、もし受託者の財産管理がずさんだった場合、他の家族が不満や不安を感じる可能性が高いでしょう。「なぜ委託したのか」「ずさんな管理によって発生した損失はどうするのか」「失った分の財産は相続時にどうなるのか」という点で、家族間での揉め事が起こる恐れがあります。

家族信託の手続きをする流れ

家族信託の手続きは3ステップです。以下のような流れで家族信託を開始します。自身で手続きをする場合は参考にしてみてください。

ステップ1 信託契約の締結
ステップ2 信託用口座の開設
ステップ3 信託登記(名義変更)

なお、信託契約を締結する際は、信託契約書を記載し公正役場に提出するのが得策です。後にトラブルが発生した際の証明になるためです。

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まとめ

家族信託は、大切な財産の管理を信頼できる家族に任せる制度です。成年後見人制度に比べ財産管理に制限が少なく自由度が高いため、活用する方が増えています。

ただし、「家族間トラブルに発展する恐れがある」「信託不動産の損失を損益通算できない」といったデメリットがある点には注意が必要です。家族信託をした場合のメリットとデメリットをよく比較して、自身に合った財産管理をしましょう。

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監修
小さなお葬式 コラム編集部
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葬儀・法要に関する専門領域の記事を、5人のチーム体制で執筆しています。
メンバーは葬儀・法要関連だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
現在 「小さなお葬式のコラム」では、合計2,000記事以上を管理しています。
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