相続分割を決める際の寄与分とは?寄与分が認められるためには?

相続分割を決める際の寄与分とは?寄与分が認められるためには?

相続を決める際には「寄与分」という制度が使えることがあります。寄与分という言葉を聞いて意味が思い浮かぶ方は少ないでしょう。寄与分について知っておくことで、相続を決める際に後悔のないように進めることができるかもしれません。

この記事では寄与分とはどんな制度なのかとその注意点、相続の分割を決める際にいざこざが起きないようにするポイントについてご紹介します。家族信託のサービスについても紹介しているので、参考にしてみてください。

こんな人におすすめ

寄与分とは何かを知りたい方

寄与分に関する注意点を知りたい方

遺産分割の話合いを穏便に済ませるポイントを知りたい方

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寄与分とは

寄与分という言葉をご存知でしょうか。寄与分は相続が絡んだシーンでのみ登場する言葉なので馴染みがない方も多いでしょう。

寄与分とは、故人の財産の維持の手伝いや介護、仕事などで、生前に故人の力になったとみなされる相続人に与えられた遺産のことです。遺産は、相続人で平等に分配されることが一般的でしょう。しかし、故人に対して尽力してきた人であれば、寄与分を利用すると遺産分配の割合が大きくなることがあります。

寄与分が認可される可能性がある一例

具体的にどのようなケースであれば、寄与分を活用できるか一例をあげてご紹介します。

例えば、4人兄弟の三男が、父の面倒を15年以上見続けてきたとしましょう。他の3人はお盆や正月に顔を出すだけであまり寄り付かない状況だったと仮定します。

この場合でも、父が亡くなった際に遺言が見つからなかったのであれば、遺産は兄弟間で平等な額で分割されます。しかし、何年も同居し身の回りの世話に尽力した三男と、たまにしか顔を出さなかった長男が同じ金額というのは三男から不満が出てくることでしょう。「身の回りの世話をしてくれた三男に遺産を多く渡す」という旨の遺言があればその内容が反映されますが、見つからなければ寄与分を利用する準備を始めましょう。

例のような場合であれば寄与分が認可される可能性があります。寄与分は自分で動かなければ何も進みません。そのため、寄与分は利用できる条件を満たす行動があったうえで、それを自己主張する必要があります。寄与分に相当する行為があったかどうかを重視されるので、どんなことをして故人に対して尽くしたのか詳細を記録したうえで遺産分割の話合いに挑みましょう。

どのくらい故人に尽力したかが重要

寄与分が認定されるか否かは、故人へどれだけ尽力したかという点が重視されます。故人に対して力になった、もしくは財産を増やすために尽力したという証拠があれば寄与分は認められる可能性があります。

しかし、一般的に親や兄弟に対して行う行為であれば妥当と考えられるものであれば寄与分の認定理由から除外されるでしょう。寄与分の認定の判断基準はあくまでも家族に対して行う行為以上というのが目安です。

そのため、親の仕事の手伝いや介護などの記録はしっかり残しておきましょう。具体的な記録や日記などが有効になるため、不安があれば用意しておくのがおすすめです。

寄与分に関する注意点

寄与分に関する注意点をいくつか紹介します。寄与分の認可がおりることは難しく、なかなかうまく進まないというケースが多いです。寄与分を受け取るためのポイントを押さえたうえで、話し合いや手続きを行いましょう。

寄与分はあまり認可されない

一般的には寄与分の認可がおりることは難関とされています。寄与分が認可されにくい理由は相続人同士でのいざこざに繋がることが多々あるためです。

故人に対してどれだけ力になったのかということは、証拠がわかりづらく、その場に誰もいなかった場合に証明は難しいでしょう。また、周りからは少しでも多く受け取ろうとしているずるい人と捉えられてしまい、いざこざに発展することも珍しくありません。

また、寄与分の認可の条件として掲げられている内容が難しいという点も大きな障害となっています。寄与分の認可の条件は以下の2点です。

・生前に故人から報酬を受け取っていない
・身分関係以上の奉公

1点目の条件は、生前に故人から行動の対価としてお金や不動産などを受け取っていないということです。この条件は該当しない方も多いのですが、争点となるのは2点目の条件です。

寄与分は、親子や兄弟という関係で一般的な範囲の行為を超えるものでなければ認定はされません。認可されるためには親子であれば当然だという範囲を超えたものである必要があり、これを証明することはかなり難しいといえるでしょう。

仮に裁判を起こして証明をしようとしても、主張の内容によっては親子であれば当然の範囲の行動だと一蹴される可能性もあります。

また、遺言に遺産の分配について書かれていなかった、もしくは故人が痴呆症などを患っていて正常な判断ができる状態ではなかった場合には自己主張のみが証拠なります。この状況で寄与分が認可されたという事例は多くはありません。

いざこざに発展しやすい

寄与分の主張は、遺産分割の際にいざこざのきっかけになりやすいものだといえるでしょう。誰がどの程度故人の生活の力になったのかということは具体的な数値では示せないため混乱を招きかねません。

また、自分は介護などで生活の補助を、他の兄弟は知らないところで金銭的に支えていたということも考えられます。そうなると、どちらがより故人の力になったのかの判断は非常に困難です。

その判断を裁判所に委ねるのであれば、時間と費用をかなり費やすことになるでしょう。相続人同士でいざこざが起こってしまうと、その後の関係に影響することも考えられます。穏便に話し合いが進むに越したことはないでしょう。

手続きが多いため間違いが起きやすい

一般的な相続の手続きでさえ、複雑で大変という方が多いにもかかわらず、寄与分はさらに申請が必要になります。必要書類も一般的な相続の手続きに比べて多くなるため、一人で進めるとなると、書類の不備や金額の計算間違いなどのミスが起こり、かなり厳しい状況になりかねません。

ミスがある書類に関しては不備があるとみなされるので、受理されずに突き返されます。何度も税務署から突き返されているうちにかなりの時間が経過していたという事例もあるため書類の準備には注意が必要です。

手続きが多く複雑なので、自分一人で行う場合は確認しながら慎重に進めましょう。

遺産分割の話合いの際にいざこざを起こさないためのポイント

故人が遺してくれた遺産だからこそ、遺産分割の話合いはできるだけ穏便に行いたいところです。相続人同士でだれが故人の力になったのかを争ったとしても泥仕合になる可能性が高いでしょう。

ここでは穏便に遺産分割を進めるためのポイントをいくつかご紹介します。相続人同士が今後もよい関係を続けていくためにもいざこざを起こさないようにすることが重要です。

話し合いには専門家を

遺産分割などを相談する際には、相続人全員からサインをもらったり了承を得たりする必要があります。その工程をクリアしないと、手続きの段取りを進めることは難しいでしょう。まずは相続人全員を招集するところから始めなければなりません。該当人数にもよりますがスケジュールの調整や場所の確保、書類の準備など骨が折れる作業は多く存在します。

そんなときは、専門家に相談してみるのも一つの手段です。専門家は相続に関する詳しい知識を持ち合わせているうえ、細かい書類の処理から該当者への連絡、遺産の計算まで力を貸してくれることもあるでしょう。

専門家に依頼するのには費用がかかりますが、自分一人で作業をする手間や時間を考えれば依頼するメリットは十分にあります。

また、親族同士の話合いになった場合、どうしても感情的になることがあり得ます。法律の知識を持つ第三者が間にいることで、客観的な視点からも状況をまとめることができるため、話合いをスムーズに進めることができるでしょう。

故人に遺言を遺しておくよう頼む

遺言は必ず遺してもらうようにしましょう。故人の立場からすると、一番自分に尽力してくれた人に遺産を遺したいと思うことがほとんどでしょう。故人が認知症などを患ってしまう前に、自分の意思を書き記してもらいましょう。

寄与分の請求は確かに難しいですが、遺言に記載されていた内容であるのならば遺言の指示通りに動くことができます。故人に尽力した人へ自分の財産を多めに渡したいという旨を記載し、遺してもらいましょう。

遺言を正式な書類とするには自筆で作成するのが最もよいとされています。パソコンで作成しても問題はありませんが、筆跡などの判断が難しくなるため、おすすめはできません。本人が書いたものだと断定するためにも自筆での作成を検討しましょう。

また、遺言には日付を必ず記載する必要があります。遺言がいつ作成されたものかによって効力が変わります。2通以上遺言が出てきた場合は日付が新しいものを優先すると決まっているため、忘れずに記載しましょう。

自分が故人にしたことの記録を残す

どれだけ故人の力になったかを記録しておくことも、寄与分を主張する際の根拠になります。財産の維持の手伝いや介護、仕事に使用したものの領収書や写真、日記などをまとめておくのもよいでしょう。その時に行っていた内容を細かくメモしておくことも効果的です。

寄与分の認可の判断は、故人に対して力になった事や、財産の保持にどれだけ尽力したかが重要です。故人にしたことを記録し、寄与を認めてもらえるよう工夫しましょう。

家族信託という選択肢もある

相続の寄与分について詳しく知りたい際に、認知症による口座の凍結などについても気になるという方は多いのではないでしょうか。認知症になると、法的に意思能力がないものとされる可能性があり、本人名義の不動産の売却や、銀行口座からの出金が凍結によってできなくなることがあります。唯一の対処法である「成年後見制度」も、費用や財政管理の面で戸惑う方が多いようです。

そこで今注目されているのが、大切な財産を信頼できるご家族に託す「家族信託」です。認知症などにより判断能力が低下した後でも、ご本人の希望やご家族のニーズに沿った、柔軟な財産の管理や運用を実現することができます。

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まとめ

寄与分は故人の生前にどれだけ力を貸したかによって判断されます。判断の材料が自分で用意した証拠や主張のみとなり、どれだけ力になったかという程度から判断されるものなので、どうしても認可が難しいとされています。

遺産分割の話合いが少しでも穏便に進むように、専門家の力を借りたりあらかじめ故人に遺言を残すよう頼んだりといった工夫が重要になるでしょう。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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よくある質問

よくある質問
  • 寄与分とは?

  • 寄与分が認定されるか否かの基準は?

  • 寄与分に関して注意しておくべきポイントは?

  • 相続のいざこざを起こさないためのポイントは?

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