【2022年版】相続税や贈与税、税制改正で何が変わるのか?
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作成日:2022年06月02日  更新日:2022年06月29日

【2022年版】相続税や贈与税、税制改正で何が変わるのか?

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2022年度の税制改正大綱(ぜいせいかいせいたいこう)が、2021年12月に発表されました。税制改正大綱とは、簡単にいうと「税制に関する法律改正の原案」です。この税制改正において「相続税と贈与税の一体化」が打ち出されるのではないかといわれていました。相続贈与が一体化することで、相続税対策としての暦年贈与ができなくなってしまうことが懸念されていたのです。

では、実際の税制改正はどのような内容だったのでしょうか。相続税を節税するためには、最新の知識を持っておく必要があります。そこでこの記事では、2022年度の税制改正が相続税や贈与税に与える影響について詳しく解説します。

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【もくじ】
【2022年】相続税・贈与税の改正ポイントを分かりやすく整理!
注目される「相続税と贈与税の一体化」とは?
相続税と贈与税の一体化により何が変わるのか
相続税・贈与税の今後の見通し
まとめ

【2022年】相続税・贈与税の改正ポイントを分かりやすく整理!

2022年度の税制改正大綱において、相続税・贈与税の改正内容はどのようなものだったのでしょうか。

実際に改正された「住宅取得等資金における贈与税の非課税措置の延長と縮小」と「財産債務調書制度の見直し」の2点について解説します。

住宅取得等資金の贈与税の非課税措置

「住宅取得等資金の贈与税の非課税措置」とは、父母や祖父母から子や孫に住宅の購入資金や増改築にかかる費用を贈与する際に適用される制度です。耐震等級や省エネ、バリアフリーなどの基準を満たす住宅であれば、1人あたり最大1,000万円が非課税になります。

改正前の非課税枠は最大1,500万円でしたが、改正後は最大1,000万円に縮小されました。
一方で、改正前は中古住宅を購入する際に築年数などの適用要件が設けられていましたが、今回の改正で要件は廃止されました。また、非課税措置の期間は2年延長されることがきまり、2023年12月31日までの適用となりました。

改正前後の内容は、以下の比較表をご参照ください。

改正内容 改正前 改正後

非課税枠の縮小

最大1,500万円

最大1,000万円
住宅取得等資金の贈与税の非課税措置 中古住宅を購入する際は、築年数が 20 年以内(耐火建築物は 25 年)であることが制度の適用条件
要件廃止
非課税措置の期間 2021年12月31日まで 2023年12月31日まで
参考:内閣府『直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税』

財産債務調書制度の見直し

「財産債務調書制度」とは、一定以上の所得や資産を持つ人にその保有財産と債務を記載した書類の提出を義務付けている制度です。

従来の制度では「所得合計金額が2,000万円以上且つ、総資産が3億円以上または1億円以上の有価証券を保有している」方にのみ提出義務がありました。

今回の改正では富裕層の資産への課税が強まり、令和5年以降に「所得にかかわらず12月31日時点で総資産が10億円以上ある」方にも財産債務調書の提出が義務づけられました。所得に関する基準が設けられていないため、所得が0円でも総資産が10億円以上あれば提出する必要があります

この制度の導入前は、高所得者の財産や債務状況を把握するために所得合計金額が2,000万円を超える場合のみ「財産及び債務の明細書」を確定申告書に添付する義務がありました。しかしながら、提出率が低かったり記入漏れが多かったりと制度の効力がないのが実情でした。そのため、平成27年の税制改正で明細書の添付制度が廃止され、代わりに財産債務調書制度が施行されました。

現行の財産債務調書制度では、書類を提出しなかったり記載に漏れがあったりした場合は罰則が課されるので注意しましょう。

改正前後の内容は、以下の比較表をご確認ください。

改正前 改正後


調書提出対象者

①所得合計金額2,000万円以上

②総資産3億円以上または1億円以上の有価証券を保有している
①所得合計金額2,000万円以上

②総資産3億円以上または1億円以上の有価証券を保有している

③所得にかかわらず総資産が10億円以上ある
罰則規定 なし あり

注目される「相続税と贈与税の一体化」とは?

2022年の税制改正では「相続税と贈与税の一体化」が注目されていました。そもそも「一体化」とはどのようなことを意味しており、なぜ今検討されているのでしょうか。

ここからは、相続税と贈与税の一体化が検討される背景と2022年度の税制改正の結果にについて解説します。

相続税と贈与税の一体化が検討される背景

相続税と贈与税の一体化とは、相続で財産を移行させても、贈与で財産を移行させても、かかる税金の金額を同じにする税制改正のことです。2020年12月に発表された「2021年度税制改正大綱」において、一体化への検討を進めることが発表されました。

一体化が検討される背景には、相続税の節税対策として利用されている「暦年贈与」や「生前贈与の非課税枠」の存在があります。富裕層がこれらの制度を利用すると、贈与税がかからない範囲で遺産を分配することも可能です。その場合、両親の経済水準が永続的に子どもや孫に引き継がれることになるため、富裕層とその他の層の格差が固定されてしまうという意見があります。

所有している資産には漏れなく課税をして、経済格差をなくす制度設計を目指すという観点から、相続税と贈与税の一体化の検討が進められています。

相続税と贈与税の一体化は先送り

2022年度税制改正では、相続税と贈与税の一体化は見送られました。ただし、前年度に引き続き検討を進めることとされており、一体化の方針は変わっていません。

一体化の制定は来年度以降に先送りされましたが、近い将来、段階的に現行の制度が改正されると考えられています。具体的には、死亡前3年以内の贈与は相続税の対象となる「生前贈与加算」の対象期間が5年や10年に延長されたり、暦年贈与が廃止されたりする可能性があるといわれています。

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相続税と贈与税の一体化により何が変わるのか

将来的に、税制改正により相続税と贈与税の一体化に向けて進んでいくと考えられていますが、具体的には何が変わるのでしょうか。

ここからは、贈与税の非課税措置が見直されることによって想定される制度の改定内容について解説します。

相続時精算課税制度の拡大の可能性

「相続時精算課税制度」とは、60歳以上の父母または祖父母から18歳以上の子または孫への生前贈与が2,500万円まで非課税となる制度です。生前贈与の時点では贈与税は非課税になりますが、相続時には贈与された財産を合算した金額に対して相続税が加算される点が注意点です。

また、この制度を一度選択した場合は永続的にこの制度が適用されます。そのため、暦年贈与の非課税枠が二度と利用できなくなります

現在は、死亡前3年以内の贈与は相続税の対象となる「生前贈与加算制度」がありますが、諸外国の対象期間は日本より長く制定されています。アメリカのように、対象期間が一生涯に延びて相続・贈与の一体化が導入されるということも考えられます。

「一体化する」ということは、暦年贈与も廃止され、実質的には相続時精算課税が全ての国民に適用されるようになる可能性も否定できません。

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中間層への相続税課税

今までは、富裕層以外の世帯において、財産金額が規定金額を超えそうな場合は子や孫に110万円の贈与を何回か行うことができました。110万円ずつを数年にわたって分割して贈与することで、財産金額が基準を下回り相続税がかからずにすみました。しかし、「生前贈与加算」の対象期間が5年、あるいはそれ以上延長された場合は、生前贈与によって財産を圧縮できなくなります

その結果、これまでは相続税の申告が必要なかった所得層も所有財産の申告をする必要がでてきます。経済格差の固定を防ぐために行われるはずの「相続税と贈与税の一体化」ですが、富裕層以外に対しても相続税が課税されるため、所得が低い世帯への影響が大きくなることが懸念されています。

贈与税の非課税措置の見直し

2022年度の税制改正において「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」の非課税枠が、最大1,500万円から最大1,000万円に縮小されることになりました。
今後は、他の贈与税の非課税措置の見直しも必要であると税制改正大綱に明記されています。そのため、住宅取得等資金以外の非課税枠である「結婚・子育て資金」、「教育資金の生前贈与」についてもなんらかの改正がある可能性があります。

相続税対策を検討している人は、税制改正についての最新情報を確認しておくようにしましょう。

相続税・贈与税の今後の見通し

2022年度の税制改正では、相続税と贈与税の一体化は先送りとなりました。とはいえ、一体化に向けた方針は変わらないため、来年以降に制度が改正される可能性は十分にあります。

相続を控えている人は、今後どのような変化が起こりうるのかあらかじめ把握しておきましょう。

ここからは、相続税・贈与税の今後の見通しについて解説します。

相続税の3年内加算の対象期間の延長

生前贈与加算の対象期間が、現在の3年間から延長される可能性があります。税制改正大綱に「諸外国を参考にしながら見直す」と示されている通り、欧米各国の生前贈与加算の対象期間は日本よりも長いことが一般的です。

例えば、アメリカは一生涯、フランスは15年、ドイツは10年、イギリスは7年となっています。そのため、対象期間が3年以上に延長される、もしくはアメリカのように一生涯とするアメリカ方式が導入されることも考えられます。

3年内加算の対象者の拡大

相続税と贈与税の一体化には「贈与による節税効果をなくす」という目的もあります。
現在の制度では「相続または遺贈により財産を取得した人」が3年内加算の対象者と定められています。そのため、法定相続人ではない孫やひ孫には生前贈与加算のルールが適用されません。財産を持った人が、亡くなる直前に孫やひ孫に駆け込みで贈与し、相続税を節税することが可能です。

したがって、現在の生前贈与加算の対象外である孫やひ孫も3年内加算の対象に含まれるように改正される可能性が高いと考えられています。

暦年贈与の非課税限度の撤廃

現在の暦年贈与は、1月1日から12月31日までの1年間(暦年)で、1人あたりの贈与額が110万円以下であれば贈与税が課税されないという制度です。将来的には、この110万円という非課税限度額が撤廃される可能性があります。

そうなると、贈与税が課税されなくなってしまい税務署が国民の贈与状況を確認できなくなります。したがって、その場合には3年内加算の対象期間が延長されて、贈与税ではなく相続税として課税されるようになることが予想されます。

まとめ

相続税・贈与税を活用するためには、常に最新の情報を仕入れることが大切です。現行の制度と将来改定される可能性のある内容についてよく理解した上で、節税対策を行いましょう。

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