墓じまいを行うときは住職や僧侶に依頼して魂抜きを執り行うため、神聖な儀式にあたります。数多く執り行われる儀式ではないので、いざ参加するときにどのような服装をしたらよいのか疑問を抱く方もいるでしょう。
墓じまいに適した服装がわかると、墓じまい当日に迷わずに済むとともに、マナー違反にならずに済むでしょう。
この記事では、墓じまいに参加するときの服装について解説します。今現在、服装について疑問がある方はぜひ参考にしてください。
<この記事の要点>
・墓じまいとはお墓を取り外して、その土地を管理者に返還することを指す
・墓じまいの服装で平服を指定された場合は略喪服を着用する
・墓じまいには喪服を着用してもよい
こんな人におすすめ
墓じまいについて知りたい方
墓じまいの服装について知りたい方
墓じまいの流れや持ち物について知りたい方
墓じまいとは、建立しているお墓を取り外して、その土地を使用権とともに管理者に返還することを指します。
墓じまいを行う理由としては、「管理していく後継者がいなくなった」「管理費を払う手段がなくなった」などがあるようです。
お墓を取り外すという行為は、一見罰当たりに感じるかもしれません。しかし、管理の行き届かなくなったお墓を放置しているほうがご先祖様に対して失礼に当たります。お墓の管理が難しい状況に陥ってしまった方は、積極的に墓じまいを行いましょう。
なお、納めてある遺骨は墓じまい後に永代供養墓に移動されて、寺院の僧侶や住職が供養してくれるので安心してください。
墓じまいには、持っていくべき物や、持っていったほうがよいものが存在します。必要なものを持っていかないと、誰かに借りたりどこかで購入したりしないといけないため、非常に困ります。
ここからは、墓じまいに持っていくべきものを1つずつ解説します。
僧侶や住職の方にお布施を渡す場合は忘れずに準備しましょう。墓じまいのときのお布施は、水引が「白黒」「白銀」「白黄」の封筒を使いましょう。また、表書きには「御布施」や「読経料」と書きます。
包む額は地域や寺院によってさまざまですが、目安としては1万円~3万円程度です。この額に加えて、お車代として1万円程度包むこともあるようです。
墓じまいを行うということは、お墓を撤去するということです。つまり、参拝をする機会はこのとき限りで最後になります。
お別れのときは、お墓をきれいにしてあげたいと思う方々がほとんどでしょう。そこで、掃除道具は「ほうき」「バケツ」「雑巾」「たわし」などを持っていくとよいでしょう。
掃除をするとどうしても衣服が汚れてしまうため、エプロン等を着用するか、あらかじめ汚れてもよい服に着替えることをおすすめします。
その日限りでお墓は取り外してしまいますが、魂抜きの儀式を行うにあたってお供え物が必要になります。
儀式を行うときには線香も必要です。それに伴い、ロウソクとマッチ、ライターも必要になるので忘れないようにしましょう。
以上が墓じまいのときに持っていくものです。掃除道具以外は特に必要なものなので、チェックリストなどを作成し、準備のし忘れを防ぎましょう。
墓じまいの流れは以下の通りです。
1. 親族と管理者に決行の旨を伝える
2. 遺骨の新しい移動先を決める
3. 必須書類を作成し提出する
4. 魂抜きを行い、遺骨を取り出す
5. 実際に工事する
6. 新しい納骨先に移す
以上が墓じまいの流れです。ここからは1つずつ解説します。
墓じまいを行おうとしている旨を、親族と墓地の管理者に伝えます。墓じまいを行おうとしている方の中には、面倒だと感じている方やそもそも話し合いが頭になかった方もいるでしょう。そのような方は、話し合いを行うことの必要性に疑問を持っているのではないでしょうか。
話し合いを行う理由は、墓じまいによい意見を持たない方もいるためです。よい意見を持たない方のことを無視して墓じまいを行ってしまうと、トラブルに発展する可能性があります。そこで、まずは墓じまいを行うことを理由とともに伝えて理解してもらいましょう。
次に遺骨の新しい移動先を決めましょう。早い段階で移動先を決めるのには理由があります。それは、移動先は探し始めた日に決定することがほとんどないからです。
先延ばしにしたことで移動先の受け入れが間に合わなかった、ということが起こらないように、この段階で移動先を決めます。
続いては必須書類を作成しましょう。この段階で作成する書類は「改葬許可申請書」です。この書類は市町村役場の窓口で手に入れられます。
ここでの注意点は、自分の住んでいるところを管轄している市町村役場ではなく、お墓が建立しているところを管轄している市町村役場で手続きをするということです。
必要書類を提出して遺骨を移動する許可が降りたら、僧侶や住職に魂抜きの依頼をしましょう。魂抜きとは、別名「閉眼供養」ともいい、墓石から眠っている方の魂を抜き出して、ただの石に戻す儀式を指します。
とはいえ、この儀式を行うことは絶対ではなく、中には行わない家庭もあるので、家庭や地域の風習に合わせると無難です。このときのお布施としては、3万円~5万円程度を包みます。
続いて実際に工事を行います。この工事の依頼は、お墓の建立に携わった石材店にすることがほとんどです。
お墓を建立したのがかなり昔である場合は、今はその石材店が営業していないことがあります。その際は、別の石材店に依頼するか、墓地が指定する業者に依頼するようにしましょう。
工事には立ち会いが必要なことがあるので、あらかじめ立会人を決めておきましょう。どうしても、立会人が決まらない場合は立会人なしでも工事は行えますが、何かしらのトラブルが起きたときに迅速に対応できなくなります。
お墓を取り外したら、納めていた納骨を新しい移動先に移しましょう。移動先の選択肢として、新しいお墓に納めるか永代供養墓に納めます。
厳密には、その他の選択肢もありますが、ほとんどの場合上記の2つに納めることが多いです。なお、出骨にも費用はかかりおおよそ3万円~5万円程度のようです。
墓じまいを行うにあたり、そのお墓に関わる方々には挨拶状を送りましょう。挨拶状を送る理由は、墓じまいは自身だけの問題ではないからです。
お墓には先祖代々、たくさんの方が眠っています。その方々と関わりがあった方は、墓じまいが行われたことを知らずにいると、どこか寂しい感情になるでしょう。
墓じまいを執り行ったことを知らない方が参拝に行ってしまうのを防ぐためにも、挨拶状はきちんと送りましょう。
挨拶状に書く内容は以下の通りです。
・挨拶
・お墓のあった場所
・墓じまいをした時期・理由
・新しい納骨先
挨拶状を送るタイミングは魂抜き、つまり閉眼供養が終わった後です。墓じまいに向けて動き始めると忙しくなるので、挨拶状を書いてから墓じまいに向かって準備するようにしましょう。
墓じまいのときに着ていく服にはきまりがあるのでしょうか。「墓じまいの服装」と聞くときっちりとした格好を想像するでしょう。とはいえ、実際に詳細を知る方は多くないので、ここからは服装について状況別に解説します。
状況別の服装を解説する前に、平服について押さえておきましょう。墓じまいにおいての平服とは、略喪服を指すことが一般的です。具体的な例としては以下の通りです。
【男性】 | 黒などの暗い色のスーツ |
【女性】 | 黒などの暗い色のスーツ、ワンピース |
【子供】 | 学校の制服、スーツ、地味な色の服 |
「平服でお越しください」とよく耳にすると思いますが、墓じまいの場合は「きっちりした服装でなくてもよいが、できれば正喪服に近い格好が望ましい」という意味に近いでしょう。
気温が高い日は、暑さで体調不良者が現れないように涼しい格好をすることをおすすめします。
男性は上半身だけはワイシャツを着るとよいでしょう。このワイシャツは長袖でも半袖でも問題ありません。また、下半身はスーツでもスラックスでも構いません。
女性は準喪服のワンピース等を着用します。特別気温が高い日で準喪服のワンピースでも耐えられない場合は、略喪服でも構いません。
気温が低い日の格好は男性・女性ともに、準喪服・略喪服に暗めの色のコートやダウンを羽織るようにしましょう。注意点として、動物の毛皮を使用したものは着用しないように気をつけましょう。
雨の日は傘をさす以外、特に変わったことはありません。傘の色は服装と同じく暗い色かビニール傘にするのが賢明です。なお、雨の日は通常よりも気温が低くなる可能性があるので、その点も視野に入れておくとよいでしょう。
山奥などの足を運ぶのが困難な場所にお墓がある場合は、歩きやすい靴や服装で参加することが可能です。きっちりとした格好で山道を歩くと怪我につながる可能性があるので注意しましょう。
動きやすい服装で参加したときに、他の方から服装について指摘を受けた場合は、動きやすい格好でもよいことを伝えましょう。他の方と違う格好になることに不安を覚える場合は、喪主や寺院に事前に確認することをおすすめします。
墓じまいの服装は平服の着用が一般的です。しかし、喪服しか持っていない場合はどうしたらよいのでしょうか。結論としては、墓じまいに喪服で参加してもよいことになっています。墓じまいに喪服で参加しても、他の方から指摘を受けることはないでしょう。
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墓じまいとは、お墓の管理が難しくなったときに行う、お墓を取り外して土地を返還する儀式のことを指します。墓じまいは、経済的に不安がある方や後継者に負担をかけたくない方が行うことが一般的でしょう。
また、墓じまいにどのような服装で参加したらよいのか不安を抱えている方もいます。墓じまいには平服で参加するのが一般的ですが、喪服でも参加可能です。加えて、山などの足を運ぶのが難しい場所にお墓がある場合は、動きやすい服装でもよいとされています。
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