墓じまいを考えるとき、気になるのがその費用についてです。自治体から補助金が出る場合もありますが、墓じまいは家族や親族に関わることなので、よく話し合ってきめることが大切です。
この記事では、墓じまいにかかる費用を詳しく解説します。費用を抑える手段や離檀する際の注意点などについても紹介するので、墓じまいを検討中の方はぜひ参考にしてください。
<この記事の要点>
・墓じまいをする際に補助金が出る自治体はあるが、数はとても少ない
・散骨や手元供養、納骨堂、合祀墓などを選ぶことで墓じまいの費用を抑えることができる
・墓じまいの費用を用意できない場合は、親族に負担をお願いできないか相談してみる
こんな人におすすめ
墓じまいを検討中の方
墓じまい後の供養の種類を知りたい方
離檀の手順を知りたい方
墓じまいとは、お墓を管理することができなくなった際に、お墓を解体して墓のあった土地を更地にして元の管理者に返還することです。近年墓じまいをする人が増えており、お墓の管理方法も時代とともに変化しています。
これは、核家族化や生涯未婚率の上昇、遠方の墓の管理が難しいことに加え、お墓に対する考え方が昔と比較すると変わってきていることが背景にあります。
墓じまいにはまとまった費用がかかるため、家族の負担になることもあります。条件を満たせば補助金が出る自治体もあるため、ホームページなどを確認してみるとよいでしょう。補助金としてではなく、何らかの支援や還付がある自治体もあります。
墓じまいをする際に墓石撤去にかかる費用の一部∼全額に補助金が出る自治体はあるものの、その数はとても少ないのが現状です。そのため、多くの場合は墓じまいの費用を自費で支払う必要があります。
補助金以外の方法で墓じまいの支援をしている自治体もあります。囲障の撤去が免除されたり、使用料不要で園内の合葬埋蔵施設に納骨できたりするケースもあります。一部の負担が軽くなることで、墓じまいを検討しやすくなるでしょう。
補助金が出る自治体は多くありませんが、一部支援や還付制度を設けている自治体は多いようです。お墓がある自治体の制度を調べて、不明な点は相談してみるとよいでしょう。
墓じまいには大きく分けて4つの費用がかかります。ここからは、それぞれの費用の目安を紹介します。ただし、金額はあくまでも目安であることに注意してください。
一般的な墓じまいにかかる費用の目安は、以下の表のとおりです。墓じまいをしたあとの供養方法によっても予算が変わるでしょう。
墓石の撤去費用 | 10万円∼40万円 |
お布施・離檀料 | 5万円∼20万円 |
行政手続き費用 | 数百円程度∼2,000円程度 |
改葬費用 | 数万円∼300万円 |
墓を解体して墓所を更地にする費用の目安は10万円∼40万円程度です。遺骨の取り出しも同時に依頼する場合は、別途3万円∼5万円ほど必要になります。民間霊園などでは、墓石を撤去する際の石材業者を指定されることもあります。
一般的に、墓じまいのお布施は普段の法要と同額でよいと考えられています。離檀料は檀家によって異なりますが、多くの檀家ではお布施の2倍∼3倍程度が目安のようです。これまでお世話になった感謝を込めて渡しましょう。
墓じまいをする際は行政手続きが必要です。書類の取得にかかる費用は、数百円から数千円程度です。必要な書類は以下のとおりです。
埋蔵証明書:現在のお墓を管理する施設で発行してもらう
受入証明書:新たな納骨先から取得する
改葬許可証:埋蔵証明書・受け入れ証明書を自治体に提出した際に取得する
一度お墓に収めた遺骨をほかの場所に移すことを「改葬」と呼び、墓じまいの際には必ず改葬を行います。改葬にかかる費用は以下のとおりです。
改葬先 | 改葬費用 |
墓地(墓から墓に引っ越しする) | 80万円∼300万円 |
永代供養墓(寺院や霊園が管理供養する) | 5万円∼180万円 |
樹木葬(墓石の代わりに樹木をシンボルにする) | 5万円∼80万円 |
納骨堂(収蔵スペースに遺骨を保管する施設) | 10万円~150万円 |
散骨(粉状に加工した遺骨を海や山に撒いて埋葬する) | 3万円~80万円 |
手元供養(自宅で遺骨を管理する) | 数百円∼50万円 |
墓じまいには1ヶ月∼2ヶ月程度かかります。一般的な流れは以下のとおりです。
1. 親族と話し合い墓じまいの合意を得る
2. 墓の管理者に連絡する
3. 次の供養先・供養方法をきめる
4. 墓石撤去業者の選定
5. 手続きに必要な書類を用意する
6. 法要(閉眼供養)と墓石の解体工事を依頼
7. 新しい納骨先に遺骨を移す
補助金が出ない自治体のほうが多いという現状を踏まえて、墓じまいにかかる費用を抑えたいという方もいるでしょう。ここからは、墓じまいの費用を抑える方法を紹介します。数万円∼数十万円の違いが出ることもあるので、ぜひ参考にしてください。
散骨や手元供養、納骨堂、合祀墓などを選ぶことで、改葬費用を抑えることができます。家族がお墓の管理をする必要がない点もメリットです。
霊園などから石材店の指定がなく墓石撤去の業者を自由にきめられる場合は、複数の業者から見積もりを取って比較検討するのがおすすめです。見積もり金額とサービスの内容が適正であるか判断できます。
墓じまいにはまとまったお金がかかるので、費用を工面できない場合もあるでしょう。費用が確保できないときはひとりで抱え込まず、親戚や自治体に相談することが大切です。ここからは、墓じまいの費用が用意できない場合の対処法を紹介します。
まずは、親族の方に少額ずつでも負担をお願いできないか相談してみましょう。お墓の後継者だけが責任を負う必要はありません。親族全員に関わることなので、協力を仰いでもらうようにしましょう。
「メモリアルローン」とは、葬儀やお墓に関わる費用に適用されるローンのことです。条件にもよりますが、墓じまいにもローンが適用される可能性が高いようです。収入が年金だけの方もローンを組めて、比較的金利も低く設定されているのが特徴です。石材店から紹介を受けられることもあります。
墓じまいをする際は、法要を行ったり離檀料を支払ったりする必要があります。経済的な事情で用意が難しいときは、お寺に相談してみるのもひとつの方法です。正直に困っている旨を話すことで相談に乗ってもらえる場合があります。
インターネットの情報だけでなく、直接自治体に問い合わせてみましょう。新しく制度ができていたり条件付きで支援が得られたりする場合があります。細かい疑問点にも相談に乗ってくれるため、連絡してみるとよいでしょう。
離檀を検討する際は、事前にお寺に相談してから手続きを進めます。これまでお世話になった感謝の気持ちを伝えて、円満に離檀できるように努めましょう。ここからは、墓じまいに関するよくあるトラブルと対処法を紹介します。
墓じまいは独断で進めず、まずはお寺に相談をしましょう。突然離檀の話をするのではなく、後継者がおらず困っている旨を寺院にお話ししておくと、スムーズに墓じまいを進められるでしょう。
離檀料の相場は一般的に5万円~20万円ほどです。万が一、法外な離檀料を請求されたときは、支払いが難しいことをはっきり伝えます。双方だけではどうにもならない場合は、石材店や法律の専門家に相談しましょう。
墓じまいをするには時間も費用もかかります。今あるお墓を維持するのか、思い切って墓じまいをするのかは家族の意向によります。
墓じまいを検討する際は、親族と今後の供養方法についてよく話し合いましょう。親族の考えが一致していることは、トラブル防止にもつながります。
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墓じまいとは、お墓を解体して墓のあった土地を更地にして元の管理者に返還することです。自治体によっては、墓じまいをする際に補助金や一部支援を受けられる場合があります。
墓じまいの費用を捻出が難しい場合は、散骨や手元供養といった供養方法を選ぶことで、費用を抑えることができます。葬儀やお墓に関する費用に適用できる「メモリアルローン」と呼ばれるローンもあります。
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