仏教にはさまざまな宗派が存在し、教えや葬儀の作法などが異なります。自身が曹洞宗である場合、どのような教えがあり、葬儀の流れやマナーを知っておくことが大切です。
この記事では、曹洞宗の教えをわかりやすく解説します。葬儀の作法やマナーについても紹介していますので、参考にしてみてください。
<この記事の要点>
・曹洞宗は坐禅を重んじる教えが特徴的で、鎌倉時代に道元によって日本に伝来した
・曹洞宗の葬儀では、授戒や挙龕念誦、鼓鈸三通など特有の儀式がある
・2度目の焼香は押しいただかず、1度目のお香のそばに香をくべる
こんな人におすすめ
曹洞宗とはどのような宗派なのかを知りたい人
曹洞宗の教えについて知りたい人
曹洞宗の葬儀の流れ・作法を知りたい人
仏教にはさまざまな宗派が存在し、それぞれ教理や信仰対象などさまざまな違いがあります。曹洞宗とはどのような宗派なのでしょうか。ここでは曹洞宗の特徴について解説します。
曹洞宗は中国の禅宗五家のひとつです。五家には曹洞のほかに臨済(りんざい)・潙仰(いぎょう)・雲門(うんもん)・法眼(ほうげん)が存在します。日本では鎌倉時代に曹洞宗が広まりました。
道元により日本に曹洞宗が伝えられました。臨済宗の建仁寺で修業した道元は宋に渡り、天童山で中国の禅僧である「天童如浄」により印可を受けます。
そして日本で寺を開きます。その後、第四祖である瑩山が多くの優秀な弟子を養成し、曹洞宗は日本全国に広まりました。りこうして曹洞宗の基礎が出来上がったのです。
曹洞宗は坐禅を重んじるのが特徴です。道元は中国から帰国後、坐禅における作法や心構えを説き、その教えに共感して多くの弟子が集まりました。ひたすらその場に坐り続け、坐禅によって身と心のやすらぎを得ることが仏の姿であるとしています。
曹洞宗と他宗派との大きな違いは、分派がなく、単一の組織で運営が行われていることです。また、根本となる大本山に永平寺と總持寺の2つがあることも特徴的です。そして曹洞宗の管長は永平寺の住職と総持寺の住職が2年を任期として交代で務めることになっています。
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お釈迦さまの説法をまとめたものを経典といいます。曹洞宗の基本経典は『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』『伝光録(でんこうろく)』の2つです。正法眼蔵は道元が23年間にわたって記したもので、お釈迦様から受け継いだ教えが記されています。
伝光録は瑩山が師匠の義介に代わり、修行僧たちに説き示した説法の記録です。日用経典には『修証義(しゅしょうぎ)』『般若心経(はんにゃしんきょう)』があります。
宗派の違いによって教えはさまざまです。自身の宗派が曹洞宗である場合は、どのような教えなのかを知っておくとよいでしょう。ここでは、曹洞宗の教えをわかりやすく解説します。
只管打座(しかんたざ)の只管とは、「ただひたすら」という意味で、「打座」とは坐禅することを指します。すなわち、ただひたすら何も考えず坐禅するということです。さまざまな欲や雑音に惑わされず、ひたすら念仏を唱えて坐ることで道は開けるという教えです。
行住坐臥(ぎょうじゅうざが)とは、「日常生活で行う動作」を指す四字熟語です。「行」は歩くこと、「住」はとどまること、「坐」は座ること、「臥」は寝ることを指しています。
「修行は座禅だけでなく、日常生活の全ての行動に規律や作法を忘れないようにすることが修行である」という教えです。
臨済宗も坐禅を重んじる宗派ですが、臨済宗は「看話禅(かんなぜん)」と呼ばれる坐禅を大切に考えています。
看話禅とは、師匠が弟子に公案と呼ばれる課題を出し、座禅を行うことによって答えを導き出すことです。一方、雑念を捨ててひたすら坐禅をし、悟りを開く曹洞宗は「黙照禅(もくしょうぜん)」と呼ばれます。
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宗派によって葬儀の流れや作法は異なります。曹洞宗における葬儀の流れや作法を押えておきましょう。
曹洞宗の葬儀は一般的に以下の流れで進行します。
1.剃髪の儀式:導師(葬儀を取り仕切る僧侶)が剃髪を行う
2.授戒:故人が仏さまの弟子になるための5つの儀式を行う
3.読経・焼香
4.挙龕念誦(こがんねんじゅ):邪気を払うための読経
5.鼓鈸三通(くはつさんつう):「鐃祓」「引鏧」「太鼓」と呼ばれる3つの仏具を鳴らし、邪気を払う
6.引導法語(いんとうほうご):導師が故人の生涯を漢詩で表し、仏の世界へ導く
7.山頭念誦(さんとうねんじゅ):故人が成仏できるように祈り、火葬・埋葬場へ向かう儀式
8.出棺:再び鼓鈸三通を行い、出棺する
本来は授戒の後に入棺諷経(にゅうかんふぎん)という入棺の儀式と、龕前念誦(がんぜんねんじゅ)という棺を閉じる儀式を行いますが、現代の告別式では入棺は済んでいるため行わないことが多い傾向です。
授戒で行う儀式は以下の5つです。
・懺悔文(さんげもん):生前に犯した罪を反省する
・酒水(しゃすい):清き水を手向ける
・三帰戒文(さんきかいもん):お釈迦さまの教えに従い、修行者に帰依することを誓う
・三聚浄戒(さんじゅうじょうかい)/十重禁戒(じゅうじゅうきんかい):法性水を故人の頭や位牌に注ぐ
・血脈授与(けちみゃくじゅよ):仏弟子となった証である血脈を授かり霊前に供える
焼香の作法も宗派によって異なるため、どのようにすべきか迷うかもしれません。曹洞宗では以下の手順で焼香を行います。
1.焼香台に進む
2.焼香台の2、3歩手前で立ち止まり、ご本尊・遺影・位牌に軽く一礼する
3.焼香台まで進み、右手でお香をつまむ
4.左手を添えて額に持っていき、焼香をする
5.2度目の焼香は額にもっていかず、1度目にお焼香したお香のそばに焼香する
6.数珠を両手にかけ、合唱・礼拝
焼香は2度おこなうのが特徴ですが、会葬者が多い場合は、お焼香を1度と指定される場合もあります。
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曹洞宗では、「只管打座」という座禅が重視されています。ひたすらその場に坐り続け、坐禅によって身と心のやすらぎを得ることで悟りが開けるとされています。曹洞宗は葬儀の流れやお焼香の作法も特徴的であるため、葬儀の際は注意しましょう。
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