老衰死とは?穏やかな最期を迎えるために家族がやるべきこと

老衰死とは?穏やかな最期を迎えるために家族がやるべきこと

がんや心疾患などの病気の他に、老衰が原因で亡くなる方がいます。日本では超高齢化社会が進んでおり、老衰で亡くなる方は今後も増えるでしょう。

高齢者と暮らしている家族の中には、老衰死に備えた準備をしたいという方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、老衰死の定義についてご紹介します。また、老衰死に備えて事前にやるべきこともまとめました。愛する親族の死を受け入れるためにも、この記事を参考にしてください。

こんな人におすすめ

高齢のご家族がいる方

老衰死の概要を知りたい方

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老衰死とは?

老衰死とは、事故や病気とは異なり、年齢とともに心身が衰えて、自然に死亡することです。厚生労働省は「死亡診断書記入マニュアル」において、老衰を「高齢者でほかに記載すべき死亡原因のない、いわゆる自然死」と定義づけています。

老衰死の場合、体の機能だけでなく意識レベルも低下するため、苦痛を感じにくいと言われています。それどころか、脳から「エンドルフィン」と呼ばれるモルヒネのような神経伝達物質が分泌されて、陶酔感や多幸感すら感じるのではないかと考えられています。それが分かっていれば、看取る側も気持ちが楽になるでしょう。

老衰死は日本人の死因第3位

厚生労働省が発行した「平成21年(2009)人口動態統計(確定数)の概況」によると、老衰で亡くなった方は12万1,863人です。死亡総数に占める割合は8.8%で、日本人の死因の第3位となっています。

死因の第1位は悪性新生物(がん)、第2位は心疾患です。第4位以下は脳血管疾患や肺炎となっており、老衰死で亡くなられる方が多いことが分かります。

日本で老衰死が多い理由は、高齢になるまで長生きする方が増えたからです。医学の進歩や栄養状態の改善により、重い病気にかかりにくくなっています。

老衰死は10年で3倍に増えている

以前と比較すると、特定な病気を抱えずに亡くなる老衰死が増えています。2008年の老衰死亡者の数は3万5975人でした。ところが、2017年には8万4810人、2018年になると9万2759人と、この10年で実に3倍近くも増加しています。

その原因のひとつとして、病名を探り当てて徹底的に治療を施すよりも、残された人生を穏やかに過ごしてもらえるよう努める「クオリティ・オブ・ライフ(QOL)」の向上を目指したケアが重視されるようになったことが挙げられます。

老衰死と多臓器不全の違い

老衰死は身体機能や精神機能が衰弱して死に至る状態のことです。一方で、生命を維持する上で欠かせない複数の臓器が傷害されて働かなくなることを多機能不全と言います。

老衰死と多機能不全を同一に考える方がいますが、老衰は自然に心身の機能が衰えた状態であり病気ではありません。

日本では超高齢化社会に突入したことにより老衰死に対する意識が変化しました。その結果、病気だけにとらわれない死の迎え方を考える方が増えています。

何歳から老衰死と認められる?

何歳以上の方が亡くなった場合に老衰死と呼ぶのかと疑問に思う方もいますが、日本では老衰死の年齢に関する細かい定義はありません。

医師によって意見が分かれますが、90歳以上を老衰とする回答が多い傾向にあります。

厚生労働省が発行した「簡易生命表(令和元年)」によると、2019年の日本人の平均寿命は女性が87.45歳、男性が81.41歳です。平均寿命を超えた高齢者が病気を抱えていない状況で亡くなった場合、老衰と記載する医師もいます。

老衰死の前兆とは?

老衰死の場合は徐々に体が衰えていくと考える方も多いのではないでしょうか。老衰死は病気とは異なり、体に強烈な痛みを感じることはありません。

ただし、見た目が大きく痩せ始める、体が不自由になるなどの前兆が見られるでしょう。

ここでは、老衰死の前兆について詳しく紹介します。終末期の準備をするためにも前兆を理解しておきましょう。

体重が減少する

体重が減少する主な原因は胃や腸の老化です。高齢になると胃の弾力性が低下し、食物をためるのが難しくなるでしょう。少ししか食べていない状態でも、胃が苦しくなるという症状が起こります。また、腸が老化すると消化吸収が悪くなり栄養の摂取が難しくなるでしょう。

さらに、高齢になると味覚や嗅覚が低下します。嗅覚が弱くなると、風味を感じることが難しくなるでしょう。その結果、病気にはなっていないものの、食事の量が減り体重が減少します。

身体能力の低下

身体能力が低下する主な原因として「ヘイフリックの限界」があります。ヘイフリックの限界とは細胞分裂の寿命のことです。人間の細胞は限られた回数しか分裂できないと言われており、年を重ねると徐々に細胞が減少します。

細胞が減少すると、体の器官を動かすのが難しくなるでしょう。体を動かす機会が減るので、筋肉も衰えます。その結果、平らな道でつまずいたり歩く速度が遅くなったりするでしょう。老化が進むことで歩行が難しくなる人もいます。

寝ている時間が増える

寝ている時間が増える主な原因は、脳機能の低下です。脳は神経細胞で構成しており、高齢になると徐々に神経細胞が減少します。その結果、脳が疲労をしやすくなり脳の働きが低下して眠気を催します。

寝ている時間が増える別の理由は食事の量の減少です。栄養が脳に行き渡らなくなり、意識レベルを保つのが難しくなります。その結果、常に眠い状態が続くようになるでしょう。場合によっては、一日のほとんどをベッドで過ごす方もいます。

終末期の期間

終末期とは人生の最終段階を意味しますが、定義は極めて曖昧です。厚生労働省は2007年に取りまとめた「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」の中では、老衰死の終末期を「死を迎える数ヶ月から数年前」と定義づけています。

具体的にどのような状態が終末期に該当するのかは、患者の状態を踏まえた上で現場の医療チームが慎重に判断すべき事柄としています。

医療の知識のない家族が、終末期の期間を判断するのは難しいことです。自宅で看取るのであれば、信頼できる、かかりつけ医を見つけておくことをおすすめします。

老衰死に備えて事前にやるべきこと

愛する親族に老衰の前兆が見られるときは、最期を迎えるための準備をしましょう。準備を先延ばしにすると、いざというときに適切な行動が取れません。老化の進行によって、本人との話し合いが難しくなるケースもあります。

お世話になったことへの感謝を表すためにも、早めの準備が大切です。ここでは、老衰死に備えて事前にやるべきことを3つ紹介します。

伝えたいことは早めに伝える

老衰死までの過程は人によってさまざまですが、食事を取らなくなってから一週間ほどで死を迎えるケースが多いでしょう。老衰死は突然死とは異なり、最期を迎えるための時間があります。ただし、いざ現実に直面するとあっという間に時間が過ぎるでしょう。

本人の意識レベルが低下するまでに、伝えたいことを早めに伝えるのが大切です。楽しかった思い出、感謝の気持ちなどを忘れないように早めに伝えましょう。過去にわだかまりがある場合は、最期の仲直りのチャンスとして話題にできます。

延命治療などの意思を家族で話し合う

本人の体調が悪化した場合、家族が本人に代わって判断を下さなければなりません。本人の意思を理解するためにも、延命治療などは前もって話し合っておくのが賢明です。

以前とは異なり、最近の医療は充実しています。延命治療についても、心臓を止めないだけなら長期間の延命も可能です。そのため、老衰の予兆が見られるようになったら、早い段階で延命治療の考えを尋ねておきましょう。本人の思いをくみ取るための準備が大切です。

大切なのは本人が「どのような最期を迎えたいか」

安心して最後を迎えるためには、本人の意見や要望の確認が大切です。本人がどのような最期を迎えたいのか、以下の点についての話し合いの機会を作りましょう。

・最期を過ごす場所
・意思表明が難しい場合の判断方法

本人の意思を尊重した葬儀するためにも、前もって尋ねておくのが大切です。自分自身の体調や環境の変化によって本人の希望が変わることもあります。一回だけではなく、定期的に話し合いの機会を作りましょう。本人が周囲に依頼したいことを明確にすれば、最期の時間を穏やかに過ごせます。

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まとめ

老衰死とは身体の器官が徐々に衰えて亡くなることです。医療の進歩に伴い、最近では老衰死の死因が増えています。老衰死の場合でも、延命治療や最期の過ごし方についてしっかりと話し合うことが大切です。

老衰死に備えて事前にやるべきことは多くあります。葬式についても、早い段階から準備をしておくのがよいでしょう。葬儀に関する悩みや疑問をお持ちの方は、ぜひ小さなお葬式にお問い合わせください。24時間365日で専門のスタッフがお客様のサポートをします。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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