カラオケが好きだった母。さまざまな歌にチャレンジして大会にも出場

あらためて母のことを振り返ってみると、体が丈夫でいつも朗らかな人でしたね。カラオケが好きで、近所のお店に通ってはお仲間と一緒に楽しむのはもちろん、カラオケ大会などにも積極的に参加していました。離れたところに暮らす私は数回ほどですが、近くにいた姉はよく会場まで送り迎えをしていたようです。家族の集まりなどで歌うことはありませんでしたが、大会に出るときには衣装を用意するなど、熱心に楽しんでいたようです。そんな母のレパートリーは広く、演歌はもちろん、J-POPや流行りの歌謡曲にも挑戦。なかでも、プリンセスプリンセスの「エム」はお気に入りの一曲でした。お友達と楽しく歌うのが好きだった母。向こうに行った今も、お友達とカラオケを楽しんでいるかもしれませんね。今年の夏頃でしょうか。病院の先生からのお話や入院中の母の姿に「年を越すのは、難しいかもしれない…」と感じたことから、そろそろ、母の最後の準備をしておかなくてはと思うようになりました。とはいえ、私が葬儀に関わった経験は、父のときだけ。しかも、もう15年も前のことです。私に限らず、多くの人がそうだと思うのですが、お葬式ってそんなに何度も経験することじゃないですよね。だから、情報を集めるところからのスタートでした。

サポートダイヤルがあったから、ネットならではの不安が解消できました

気になることはあったけど、結果オーライ。納得できる葬儀ができたと思います

コロナ禍であり、子どもや孫など近しい親戚で見送ることができればと、今回は「小さな家族葬」を選びました。気になったのは、故人の身体を清める湯灌がプラン内になかったことです。父のときは納棺まですべて葬儀会社の方にやっていただき、私たちは遠くから見ていただけだったので「スタッフはあくまでもお手伝い」との言葉に少し不安を感じていました。でも実際には、家族みんなで母に仏衣をかけ、旅立ちの準備をしてあげることで、とても良い最後の時間を過ごすことができました。また、父のときは付いていた通夜前夜の付き添いも別途料金がかかるとのことで、今回は付き添いを諦めたんです。母に寂しい思いをさせてしまうのが心残りでしたが、残された家族の負担や体調を考えると、これでちょうど良かったです。葬儀が終わってひと月と少し、やっと落ち着いてきた今振り返ってみると、芯が強く家族思いだった母にちょうど良い葬儀でした。祭壇もきれいに飾っていただき、きっと本人も喜んでくれる葬儀を行うことができたと思います。

自分のときは小さなお葬式にしてほしい。もう娘に伝えてあります