多くの人に囲まれ賑やかな毎日を過ごしていた母
私の母はよく食べ、よく飲み、人と関わることが大好きな人でした。長らく飲食店をしていたこともあり交友関係が広く、絶えず誰かがあそびに来ている賑やかな家でした。母は膝が悪くなるまでずっと飲食店を続けていて、とてもエネルギッシュな人でしたよ。
母の様子がおかしいと感じたのは約10年前です。あれ?と思う出来事が続き病院へ行くと、出された診断は認知症でした。私1人で看られる状態ではなくなり介護老人保健施設へ入所しました。母は人柄も良く、職員の方や他の入所者の方からとても親切にしていただいていました。4年後に特別養護老人ホーム(以下特養)へと移りましたが、その頃には私の顔と名前は忘れてしまっていました。
特養へ移ってすぐ、別の病を患ってしまい、大好きだった食事は食べることができず、ゼリー食に変わりました。コロナ禍でなかなか面会することができず、久しぶりに面会した際には70キロほどあった体重が、半分の35キロまで減っていました。そんな母の姿を見て、涙をこらえることができませんでした。
その後、肺炎を患いすぐに病院に入院しました。特養でも、本当によくしていただいたことは母の様子を見ていれば分かります。私が声をかけても反応しないのに、職員の方が声をかけると反応するんです。私はそれでも嬉しかったです。だからこそ、最期は病院ではなく特養でと決めました。病院の先生と今後の方針を決める際に私は、「母が苦しむのは辛いので、肺炎だけ治してください。延命治療はいりません」と。母は肺炎が治ってから特養に戻り、その約2週間後に亡くなりました。
母らしく旅立てたことは私にとっても幸せでした
母は結婚式が挙げられなかったから、お葬式だけは…と若い頃から言っていました。そんな思いに応えるにはどうすれば良いかすごく悩みました。低価格だとみじめな寂しいお葬式にならないかという心配も。でも実際は祭壇には花がいっぱいで、送り出す際には棺が閉まらないのではと思うほど、たくさんの花に包まれていました。
「小さなお葬式」を経て芽生えた新しい思い
実は今、終活アドバイザーの資格取得に挑戦したいと思っています。今まで考えたこともなかったのですが、小さなお葬式との出会いで、人の死に関わるお仕事へのイメージが変わりました。自分なりの形で旅立つこと、見送ることができれば、悲しい中でも幸せを感じられるのだと。私もそんなお手伝いがしたいと思うようになりました。それもこれも、小さなお葬式で納得のいく良いお葬式ができたからこそです。
※一部式場ではプラン料金以外に式場利用料等が発生します。
小さな家族葬をご利用されたお客様インタビュー
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