少子高齢化によって、年金の手取りは減少傾向にあると耳にすることも多いでしょう。20代や30代の働く世代からは、「自分が高齢者になったら年金がもらえないのでは」という不安の声が聞かれるほどです。
実際に、将来自分がどれほどの年金が受け取れるのか知りたいという方もいるのではないでしょうか。いまの年金制度の仕組みを理解することで、将来の受給額を把握することができます。
そこでこの記事では、年金制度について詳しくご紹介するとともに、豊かな老後を過ごすためにはいま何をすべきなのかについても考えます。
<この記事の要点>
・社会保険料の引き上げなどにより、年金の手取り額は減少傾向にある
・国民年金と厚生年金の合計額の平均は月額15万6,000円
・年金からも社会保険料や税金が差し引かれる
こんな人におすすめ
年金制度について知りたい方
年金の手取り額が気になる方
老後資金を貯めたい方
年金の手取り額は年を追うごとに減少している現実をご存じでしょうか。20歳以上60歳未満のすべての人が加入する国民年金、いわゆる公的年金の給付額自体は増額されています。それにもかかわらず、手取り額は減少傾向です。
直接的な原因は、社会保険料などの引き上げです。2000年にスタートした公的介護保険では、介護保険料が年金からも天引きされるようになりました。それだけではありません。2008年には後期高齢者制度が導入され、新たな保険料が年金からも徴収されるようになりました。
年金受給世代からも保険料を徴収する背景には、少子高齢化があります。高齢者を支える若者の減少で、高齢者自身からも保険料を徴収しなければ制度が維持できないためです。
公的年金の平均手取り額を見ていきましょう。日本の公的年金は2階建てです。国民全員が加入する国民年金と、会社勤めの人などが加入する厚生年金があります。
この2つを足した額が公的年金の手取り額となります。年金は、国民全員が同じ額を受け取れるわけではありません。さまざまな条件によって異なります。国民年金と厚生年金をそれぞれ見てみましょう。
国民年金の受給額は、令和2年度の時点で月額6万5,141円となっています。20歳から60歳までの40年間しっかり保険料を納めていると、年間約78万1,000円もらえる計算です。国民年金は20歳から60歳未満のすべての国民が加入している年金です。老齢基礎年金とも呼ばれています。
年金の給付は原則65歳からとなっています。60歳から65歳になるまでの間に繰り上げて受給することも可能です。この場合、受給額は減額されます。年金の受け取り開始を遅らせる繰り下げ受給は上限が70歳に定められていますが、令和2年度の通常国会に提出されている法案が成立すれば、上限年齢が引き上げられ75歳となる見通しです。
参考:『令和2年4月分からの年金額等について 日本年金機構』
『年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案の概要』
厚生年金の受給額は人によって異なるため、一概にはいえません。
厚生年金は会社員や公務員などが加入する公的保険です。保険料は勤め先と本人が折半して納めています。先ほどの日本年金機構が公表している受給額は、現役世代のときの平均月収が43万9,000円で、厚生年金に40年間加入していた場合です。現役のときの給料と加入期間によって給付額が変わってきます。
厚生年金の受給額は国民年金(老齢基礎年金)との合計額です。受給額15万6,000円のなかには、9万円の老齢厚生年金と月額およそ6万5,000円の老齢基礎年金が含まれています。
参考:『日本の公的年金は「2階建て」 厚生労働省』
年金の手取り額がわかる簡単な計算式をご紹介します。2階建ての公的年金の1階部分、老齢基礎年金の計算方法は、78万1,000円×納付月数÷480月です。
計算式の78万1,000円は、老齢基礎年金を満額もらえたときの数字です。480月は20歳から60歳までの40年間の月数を表します。人によって変動があるのは納付月数です。納付した月数が変われば、受け取る金額も変わります。
たとえば40年間、480か月保険料を納めた人は、この計算に従うと78万1,000円です。満額の78万1,000円を受け取ることができます。納付月数がなんらかの理由で400か月だった場合は、上記の計算式にあてはめると65万円です。年間に受け取れる年金は65万円になります。自分の納付期間がわかれば、受け取る金額は計算式でわかる仕組みです。
年金の支給額がすべて自分のお金になるわけではありません。サラリーマンが給料から社会保険料や税金が差し引かれるのと同じように、年金からも徴収されます。
これらの徴収額を頭に入れておくことは大切です。限られた年金をもとに将来のライフプランを考える上で、年金の受給額イコール生活費にはならないからです。ここでは、年金からどのような税金が差し引かれるのか詳しくご紹介します。
年金から徴収されるものに社会保険料があります。社会保険料とは病気やけが、老齢などに対して給付する公的な保険料です。年金受給者も、こうした社会保険料の一部を負担することになっています。
年金から差し引かれるのは、介護保険料や国民健康保険料、後期高齢者医療制度の保険料です。徴収額の計算は会社員とは異なりとても複雑なため、各市区町村が公表している計算プログラムを参照するのがよいでしょう。
社会保険料は少子高齢化にともなって、さらに負担が増えることが予想されています。年金受給者の負担が増えることはあっても、軽くなることは考えにくいでしょう。実際に受け取れる年金の額を正確に把握するためにも、社会保険料の徴収額は自分で確認しておくことが大切です。
年金受給者は、所得税や住民税も支払わなければなりません。老齢年金は雑所得とみなされるため、通常所得税が課されます。年金以外の収入がある方は確定申告が必要です。
徴収される所得税の計算方法は、所得税=(年金額―社会保険料や各種控除額)×5.105です。5.105という数字は、所得税率の5パーセントと復興特別所得税率1.021パーセントをかけあわせたものです。
ただし、年金受給額が一定の金額以下の場合は、所得税と住民税が非課税となります。
・65歳未満で老齢年金の受給額が108万円未満
・65歳以上で受給額が158万円未満
参考:『「令和2年分公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の送付 厚生労働省』
例外は配偶者控除をしている場合です。税金は、配偶者控除された額をもとに計算されるため、源泉徴収額は少なくなるでしょう。夫婦2人とも年金受給者なら、確定申告をしなくていいケースもあります。
65歳以上の人で、扶養親族等申告書を税務署に提出している場合、控除額は月額13万円です。扶養家族がいる方は、扶養家族等申告書の提出が欠かせません。
扶養家族がいる場合に住民税が非課税となる上限は211万円です。「211万円の壁」といわれますが、所得がこのラインを超えるか超えないかで大きな差が生じます。扶養の妻との手取りの合計が211万円を超えないよう、年金の受け取りを繰り上げて受給額をあえて減らす人もいるほどです。
将来受け取れる年金額をみると、老後への不安は尽きません。少子高齢化に歯止めがかからなければ、実質的な年金の手取りがさらに減少することも予想されます。いまのうちから老後の資金を蓄えておくことが重要です。
蓄えるといっても一朝一夕にできるものではありません。いつまでにいくら貯めるのか、計画性を持つことが大切です。
ポイントは目標額を明確にすることです。その額をはじき出すうえで参考になるのが、「高齢社会における資産形成・管理」について2019年に金融審議会がまとめた報告書です。老後に2,000万円が足りなくなるという議論を呼んだことで、記憶に新しいという方もいるでしょう。
報告書は、夫が95歳で妻が90歳まで健康で生活した場合を想定しています。毎月の家計は5万5,000円の赤字が見込まれ、これが30年間続くとおよそ2,000万円が不足するという計算です。
この報告書をひとつの手がかりに考えると、毎月5万5,000円、年間にして66万円貯める必要があります。現役で収入があるうちに、2,000万円を目標に老後の資金を蓄えるとよいでしょう。
参考:『金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」』
地道なことかもしれませんが、生活費を見直すことも必要です。衣食住、ライフラインなどの公共料金はどうしても削れない部分があります。趣味や娯楽など、自分の今の生活で削れるところはないか考えてみましょう。
生活費をカットする上でポイントとなるのは出費額の大きいものです。衣食住にしても、特に住宅は考える余地があります。賃貸にせよ、持ち家にせよ、自分の収入に対して無理はないか十分考えることが大切です。
車や旅行もまとまった出費といえます。楽しみのない生活は退屈ですが、どこにお金をかけてどこを削るのか明確にすることが肝心です。
コストをおさえる努力とともに、収入を増やすことも考えましょう。定年退職後も、何かしらの働き口を見つけて、少しでも長く働くことです。2,000万円を貯めると考えると気が遠くなりますが、月額にすると5万5,000円です。アルバイトで稼げない金額ではありません。
これまで勤めていた会社の関連企業があれば、知人を通じて門戸をたたいてみるのもよいでしょう。取引先やクライアントに相談して再就職口を探す、地元のシルバー人材センターに登録する、ネットを通じてクラウドソーシングで働くなど、現代ではさまざまな働き方が実現できます。生涯現役で働くことは、健康寿命を延ばすことにもつながるでしょう。
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人生100年時代といわれ、定年退職後の人生は第2の人生といえます。国は65歳以上に定年を延長した企業に助成金を出すなど、今後、定年は伸びていく見通しです。一方で少子高齢化にともない、年金をめぐる事情はさらに厳しくなることが予想されます。
こうした状況を考えると、豊かな老後は、どれほど健康で働き続けられるかにかかっているでしょう。定年退職後のライフプランを考える際には、資金計画に加えて、キャリアパスのイメージを持つことが重要です。年金だけに頼らずに、気持ちの面もお金の面も豊かな老後を迎えられるよう今から準備しておきましょう。
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