お墓が遠いところにあるため、自宅の近くに移動したいと思う方は多いのではないでしょうか。
しかし、墓地の移動は滅多に経験しないため、やり方を知っている方はそう多くはいません。お墓の移動方法を知っていると、実際に移動する時にトラブルなく円滑に行うことが可能です。そこでこの記事では「お墓の移動方法と注意点」について解説します。
<この記事の要点>
・墓地の移動には埋葬証明書、受入証明書、改葬許可申請書が必要
・お墓を移動させる際、移動元のお墓から「魂抜き」を行う必要がある
・移動先の墓地や霊園が受け入れ可能か、十分な下調べが必要
こんな人におすすめ
墓地の移動方法を知りたい方
墓地の移動費用について知りたい方
墓地を移動する時の注意点を知りたい方
お墓を移動することを「改葬」と呼びます。さまざまな理由で多くの方が改葬を希望しますが、その方法を知る方はなかなかいないでしょう。
墓地移動の大まかな流れは以下の通りです。
1.事前準備を行う
2.必要書類の発行
3.移動元のお墓から魂抜きを行う
4.遺骨を取り出す
5.移動先のお墓を建てる
6.移動先のお墓に魂入れを行う
7.移動先のお墓に納骨する
8.移動元のお墓を取り外す
どの工程も重要で欠けてはいけないもののため、1つずつ解説します。
墓地の移動を行う前に、親戚と寺院の僧侶にその旨の相談と報告をしましょう。墓地の移動は自分一人の問題ではありません。急に「今日お墓を移動します」と言われても、唐突すぎるために、親戚や寺院の僧侶はなかなか許可ができない状態になってしまいます。
許可が出ないまま墓地の移動を強行してしまうと、その後の関係悪化につながる可能性があります。特に寺院の僧侶はいままでお墓の管理をしてくれていた方です。円満に墓地の移動を行うためにも、お墓の移動日の数ヶ月前には計画を立てている旨を報告しましょう。
改葬を行うには、役所に書類を提出する必要があります。書類を提出しなければ改葬はできないので注意しましょう。
役所に提出する書類は以下の通りです。
・埋葬証明書
・受入証明書
・改葬許可申請書
書類発行のためには役所に行ったり、新しい移動先に行ったりする必要があるため、余裕を持って行うようにしましょう。手数料は1,000円ほどかかるので、こちらの準備も忘れないように注意しましょう。
お墓を移動させるためには「魂抜き」を行わないといけません。魂抜きとは、僧侶がお経を読みお墓から魂を抜く儀式です。移動元のお墓に宿るご先祖様の魂を一旦抜いて、墓石を取り除いてもよい状態にしましょう。
この儀式をしないでお墓を取り外したり、壊したりするのはよろしくないとされている行為ですが、お布施の関係で魂抜きをしない家庭も増えているようです。お布施を包む場合は1万円~5万円を目安とするとよいでしょう。
魂抜きが終わったら納骨室に収めてある遺骨を取り出します。取り出す作業は通常、石材店が行いますが、自ら行う家庭も増えているようです。
しかし納骨室を開ける際、重い石を移動させる必要があるので、無理をするようであれば石材店にお願いしましょう。墓じまいをする場合はこの段階でお墓を撤去し、そうでない場合は納骨室を閉めます。この工程で取り出した遺骨は、一旦自宅や納骨堂で保管しておきましょう。
移動先に新しいお墓を建てる工程で、費用は80万円~300万円ほどかかります。家庭によっては、費用削減のために元のお墓を移動させて使うケースもあります。1から注文して作る場合、完成までに2ヶ月~3ヶ月かかるため、遺骨を取り出す段階で工事に取りかかった方がよいでしょう。
また、新しいお墓をなるべく早めに建てたい場合は、石材店や霊園に展示してあるサンプルを購入するという方法もあります。
新しいお墓が建て終わったら、次は魂入れを行います。魂抜きの際に抜いたご先祖様の魂を、今度は移動先のお墓に宿す儀式です。「開眼供養」や「お性根入れ」と呼ばれることもあります。
魂入れを行うタイミングは、新しいお墓を購入する時か、新しいお墓に遺骨を納骨する時のどちらかです。
自宅や納骨堂に一旦保管していた遺骨を新しいお墓の納骨室に納骨します。この工程は魂入れとセットで行われることが多いです。
納骨は自ら行うことは可能ですが、取り出す時と同様に重い石を動かす必要があるため、無理なようであれば石材店にお願いしましょう。また、納骨には「改葬許可証」の提出が必須なため、忘れずに持参してください。
移動元のお墓を取り外し、お墓が建ててあった場所を更地にして墓地の管理人に権利を返還します。古いお墓をそのまま維持する場合は、移動元のお墓を取り出す必要はありません。その場合は、2つのお墓の維持費を払うことになります。
この作業が終わると、ようやく墓地の移動は完了です。親戚の方が迷わないように、新しいお墓の所在地などを伝えることを忘れないようにしましょう。
墓地の移動にかかる費用はおおよそ200万円~300万円だと言われています。
内訳は以下の通りです。
・必要書類発行 | 約3,000円 |
・魂抜き(閉眼供養) | ~5万円 |
・離檀料 | ~20万円 |
・墓石の取り外し | ~15万円/m2 |
・遺骨の移動 | 約1,000円 |
・新しいお墓 | ~200万円 |
・魂入れ(開眼供養) | ~5万円 |
大まかな流れに対する費用のため、細かい費用は省略しています。200万円~300万円という金額は決して安い金額ではありません。なかには予算を大幅に超えている家庭もあるかと思います。その場合は費用を抑える方法もあるため、計画の段階で寺院の僧侶に相談してみましょう。
最近では改葬を希望される家庭が多くなっているのが現状です。
その理由として以下が挙げられています。
・自宅からお墓までが遠すぎる
・自分の代で継承が終わる
・宗教が変わった
・親戚から勧められた
改葬は自らの生活をよりよくするための手段です。決して悪いことではないため、積極的に活用しましょう。ここからは墓地を移動する理由を1つずつ解説します。
自宅からお墓までが遠すぎるという理由で、墓地の移動を希望する方がいるようです。よくあるケースでは、就職や結婚をする際に、実家から別の住まいに移り住むにあたってお墓が遠くなることがあります。
また、お墓が山間部にあり交通手段を持っていない方がお墓へ出向けないといったケースも多いようです。お墓参りに高頻度で行く方ほど、お墓が近くにあると便利です。
後継者がおらず、自分の代で継承が終わる場合は、親戚の暮らす地域へお墓を移す方も少なくありません。また、遺骨を永代供養墓に移すことで費用の削減にもつながります。
自身の信仰する宗派が変わって、お墓を移動しなければいけない方もいます。その場合は、寺院の僧侶や墓地の管理人さんに相談しましょう。なかには助言をくれる方もいるかもしれません。
親戚から改葬を勧められたことにより、実際に改葬を行う方もいるようです。その場合は、すでに親戚間で要否の話し合いはまとまっているため、よりスムーズに改葬を行えます。
墓地の移動時期は特によいタイミングというものはありません。強いて言えば改葬に必要性を感じたタイミングがよいでしょう。
また、時間に余裕がある時期を選ぶと、予定を詰め込むことがなくなるでしょう。改葬は手続きをしないといけないため、非常に繊細な作業を行うことになります。
予定をぎっしり詰め込んでしまうと、一つひとつの作業が大雑把になってしまい、ミスが多出する可能性があります。
墓地の移動は、必要性を感じた上で自身の予定に余裕があるタイミングで行うことをおすすめします。
墓地の移動は必要性を感じている方にとっては、とても便利な作業です。しかし、見落とすと取り返しのつかないことになる注意点も存在します。急ぎ足で改葬を済ませようとされている方は、一度以下の注意点を確認しておきましょう。
・移動先の墓地や霊園が受け入れ可能か確かめておく
・親戚等に事前に相談する
・遺骨の数を確かめる
ここからは、以上の注意点を1つずつ解説します。
墓地や霊園によっては古い墓石を受け入れないところもあります。その場合には、移動先を変更するか新しいお墓を建てないといけません。いざという時に慌てないために、移動先の下調べは十分に行いましょう。
親戚の方々や寺院の僧侶にはあらかじめ相談しておきましょう。お墓の管理は誰か一人の意志で決めるのではなく、ご先祖様の関係者全員で決めるものです。そのため、自分一人の判断で改葬を決めるようなことがあると、報告された側としては気持ちのよいものではありません。
また、寺院の僧侶はいままでお墓のお世話をしてくれた方なので、恩を仇で返さないためにも事前の相談は忘れないようにしましょう。
遺骨の数を確かめましょう。受け継がれている年数が長いお墓ほど、遺骨の数は多いでしょう。遺骨の数を考慮せずに新しいお墓を購入してしまうと、もし納骨室に入り切らなかった場合は大変なことになるので注意しましょう。
遺骨の数の確認は非常に重要なポイントですが、意外と忘れやすいことであるため新しいお墓を購入する際は必ず確認するように気を付けましょう。
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なんらかの事情により、お墓を移動したいと思っている方は多くいます。しかし、実際に移動の流れを把握している方はそう多くはありません。大まかな流れとしては、必要書類を揃えて新しい移動先を決定し、遺骨を移すといった流れです。この流れに加えて魂抜きや魂入れを行うとなおよいでしょう。
お墓を移動する際は、関係者の方々への相談、遺骨の数の確認を忘れてはいけません。それでもなおお墓の移動に関する不安がある方は、小さなお葬式にご相談ください。専門の知識を持ったスタッフが、お客様のお悩みに寄り添いアドバイスいたします。
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