葬式の会場では、部屋の壁や故人が入っている柩、祭壇付近など、さまざまな場所に幕が張られることがあります。
この記事では、垂れ幕が活用されている場面について詳しくまとめました。宗教的な違いや、色合い、デザインごとに用途が異なる理由も解説します。
<この記事の要点>
・垂れ幕には、周囲に葬式があることを知らせたり厳かな雰囲気をつくったりする役割がある
・葬儀で使われる垂れ幕には「水引幕」「朽木幕」「浅黄幕」などいくつかの種類がある
・垂れ幕にかかる費用の目安は、レンタルで2,500円、購入すると15,000円程度
こんな人におすすめ
葬式における垂れ幕の役割を知りたい方
葬式で使われる垂れ幕の種類を知りたい方
葬式の垂れ幕の費用を知りたい方
自宅で葬式を行う場合や、催事場に葬式を依頼する場合、会場には幕が張られることがあります。ここでは、葬式の会場などに張られる垂れ幕の役割について解説します。
催事場に限らず、自宅・寺院・ホールなどを借りて葬式を行う場合、さまざまな場所に垂れ幕が設置されます。白と黒を基調とした垂れ幕が張られることで、周囲の方に葬式があることを知らせる役割を持ちます。
弔事での垂れ幕は、会場の雰囲気づくりとしての役割も持ちます。黒と白で構成された垂れ幕を張ることで、厳かな空気を演出できます。自宅で葬式を行う場合も、垂れ幕を張ることで普段生活している空間から切り離されたような雰囲気づくりができるので、気を引き締めて弔事を行えるでしょう。
垂れ幕は、設置することで空間を仕切り、会場内の余っている椅子や備品などを隠す役割もあります。また、会場の周りを囲むようにして設置するため、式場の範囲を決定づけ、わかりやすいよう区別できる役割も持っています。
催事場に限らず、垂れ幕の目隠しとしての役割は、自宅で葬式を行う際にも活用できるでしょう。例えば、自宅で葬式を行う場合、普段の生活感が感じられる空間をできるだけ弔問客に見せたくない場合も多いでしょう。その場合には垂れ幕が非常に役立ちます。
垂れ幕には、結界の役割があると信じられてきました。垂れ幕を会場内に設置することは、結界を張ったということと同義だと考えられており、周囲を清める役割があります。
葬式の会場内で見かける垂れ幕は、一般的な白黒以外にもさまざまな種類が存在し、それぞれ使い道や意味が異なります。垂れ幕の種類は以下の通りです。
・水引幕
・朽木幕
・浅黄幕
そのほかに、祝い事の際に利用される紅白幕や、受付や焼香など、場所ごとに設置する幕などがあります。順を追って紹介していくので参考にしてください。
水引幕とは、白を基調とした、天井から四方に向けて張り巡らされた幕を指します。近年では、レースや染め幕など、水引幕の形に関しては多様性がありますが、色は基本的に白色です。
家紋入りのものは、葬式の会場の中央といった一番目立つ場所に設置する傾向があります。昔の葬式は現在よりも厳粛に行われており、会場のそばに仮門を立てるのがしきたりでした。その際、四方になるよう柱が設置され、仮設の屋根が完成した際に、水引幕を設置したといわれています。
水引幕には、白黒の垂れ幕と同じように催事場を清める役割があるだけでなく、神仏がいる場所と人が住む場所を隔てる役割があります。
仏式の鯨幕(白黒の垂れ幕のこと)と同じ役割の朽木幕ですが、利用するのは神式の葬式のときです。木目のような模様で構成されていることから、朽木幕と呼ばれるようになりました。
白を基調とした布に紫色の模様が施されている点が特徴です。祭壇に飾られており、神式の葬式では、しめ縄を飾ることもあります。平安時代などから用いられてきた幕で、神社には朽木幕を利用する風習が今でも残っています。
浅黄幕は神聖とされる場所に設置されます。白黒で構成されている垂れ幕よりも歴史が長いとされているため、慶事でも使われることのある由緒正しい垂れ幕の一つといえます。紺色と白の縦縞模様が特徴です。
地域ごとに利用方法が異なり、仏式の葬式のほか、神式の葬式で使用されることもあり、用途は多岐にわたります。また、皇室の行事でも用いられることがあります。
江戸時代までは、鯨幕ではなく浅黄幕を用いて葬式が行われることが多かったようです。葬式に鯨幕が使われるようになったのは、大正から昭和のはじめ頃だといわれています。
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浅黄幕や鯨幕をはじめ、弔事で取り扱われている垂れ幕には、ほかにもさまざまなものが存在します。
葬式の会場や自宅の壁を隠し、祭壇の後ろが見えないように飾る幕をドレープ幕と呼びます。カーテン状の生地が用いられることが多いです。
焼香を置く台に設置する幕を指します。焼香場であることが一目でわかるようにするための垂れ幕で、テーブルクロスのように白い生地が用いられることが一般的です。
青幕や黒幕と呼ばれる垂れ幕は、通夜・葬儀の際に作りつけられた家具を覆い隠す用途で多く使用されます。葬式の会場ごとに利用するか否かは異なりますが、垂れ幕はプランの中に組み込まれていることが一般的です。
適切な場所に垂れ幕を設置するためには、業者に依頼することでスムーズに設置できるでしょう。設置に疑問がある場合は、あらかじめ確認を取ったり、用途について尋ねておくとよいでしょう。
垂れ幕を利用する場合は、レンタルと購入の2種類から選択可能です。購入とレンタルでの費用はそれぞれどの程度が目安となるのでしょうか。また、費用相場を知っておくことで、購入・レンタル時に相場以上の費用を請求された場合の対策にもなります。垂れ幕の選び方もあわせて解説しますので、参考にしてください。
垂れ幕を葬儀会社からレンタルする場合は、葬式が終了するまでの日数をおよそ3日と過程して、2,500円程度かかると予想されます。サイズごとに費用が異なるのはもちろん、期間が延びるほど料金が増えるので注意しましょう。
返却する場合は、借りた時の状態に整えることが大切です。万が一汚れなどが発見された場合は、クリーニング費用を請求される可能性があるので注意が必要です。汚れた場合は、あらかじめクリーニングして返却しましょう。
垂れ幕を購入する場合、15,000円ほどかかることが多いようです。レンタルと同様、垂れ幕の大きさによって値段が変動するので注意しましょう。
レンタルとの大きな違いは、納品までの期間です。込み合っている際に注文した場合、利用したい日に垂れ幕が届かない可能性があるので注意しましょう。
購入・レンタルの際に垂れ幕を選ぶ場合、どのサイズを選択すればよいかわからないという方も多いでしょう。その場合は、壁のサイズを参考にしましょう。
垂れ幕のサイズは「間」という単位が用いられており、1間180㎝で構成されています。何畳の部屋で葬式を行うかに合わせて選択しましょう。購入の場合は自分たちで選択することが多いですが、レンタルであれば葬儀会社に相談するのも一つの方法です。
レンタルの場合は、葬式の会場や自宅の間取りに合わせて適切な幕を用意してもらえるでしょう。また、購入する場合よりも費用を抑えてレンタルできる傾向にあるので、見積もりを取ってもらってから家族と相談し判断することをおすすめします。
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葬式の際、葬式の会場や自宅に設置されている白黒の幕のことを垂れ幕や鯨幕と呼び、神聖な場所に区切るためのアイテムとして用いられています。
垂れ幕にはさまざまな種類があります。部屋の家具や花類を隠すためのものや、焼香等のアイテムを引き立たせるために用いられる垂れ幕など、用途に合ったものを選択しましょう。
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