贈与にかかる税金は?贈与税がかかる範囲や相続税との違い
雑学

作成日:2022年07月26日  更新日:2022年08月12日

贈与にかかる税金は?贈与税がかかる範囲や相続税との違い

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財産を贈与する場合、金額や条件によっては「贈与税」が発生します。「110万円の基礎控除額」や「住宅取得の資金を非課税にできる制度」などもあるため、詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか。同じく「財産を渡す」という意味を持つ相続との違いも理解することが大切です。

この記事では、贈与税がかかる範囲や贈与税の特例、相続税との違いなどについて紹介します。贈与税について知識を深めることで、円滑に手続きを進められるでしょう。

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【もくじ】
贈与にかかる税金の条件
贈与税がかかるケースとかからないケース
条件次第で贈与税がかからない特例がある
贈与にかかる税金の計算式や計算例
贈与と相続なら税金面でどちらが有利?
まとめ

贈与にかかる税金の条件

贈与税の基礎控除額内で生前贈与をすることを「暦年贈与」と呼びます。「1月1日~12月31日までの1年間(暦年)の贈与額が110万円以下であれば、贈与税がかからない贈与方法」です。そのため、贈与にかかる税金としては、110万円を超えた部分にのみ贈与税の税率を掛けて、最終的な金額を算出します。

贈与税が発生する人は、受贈者(もらう側)です。贈与された年の翌年の2月1日~3月15日までの間に、受贈者の居住地を管轄する税務署に申告・納税をします。

贈与税がかかるケースとかからないケース

贈与税の対象となるのは、贈与者(与える側)が受贈者(もらう側)に財産を渡したときです。ほかにも、無条件で借金を免除してもらった場合なども贈与税の対象となります。

ここからは、贈与税が発生するケースと発生しないケースについて紹介します。

贈与税がかかるみなし贈与

贈与者と受贈者両方の合意がなくても、実質的に財産が渡される状態を「みなし贈与」といいます。みなし贈与には贈与税が発生します。具体的には、以下のようなケースです。

・無条件で借金を免除してもらった
・極端に低い金額で財産を譲渡してもらった
・受贈者が保険料を支払っていない生命保険や損害保険契約にて、保険金を受け取った
・不動産の購入で負担割合以上の持分登記をした など

税務調査が入って初めて、みなし贈与だったことを知るケースも多くあります。みなし贈与かどうか判断できない場合は、税理士に相談して贈与税を計算してもらいましょう。

贈与税がかからない贈与

日常生活や社会生活を送る上で必要不可欠な費用の受け渡しは、原則として贈与にはあたりません。

贈与税が発生しないケースは、以下の通りです。

・扶養義務者相互間による生活費や教育費の受け渡し
・見舞金や香典
・心身障害者共済制度による給付金を受ける権利
・法人からの贈与 など
※法人から財産を贈与された場合には、所得税が課せられます。

条件次第で贈与税がかからない特例がある

贈与税には、住宅購入資金や教育資金、結婚・子育て資金などを贈与する際に使える非課税枠があります。細かな条件があるため、内容を理解することが大切です。

ここからは、特例を受けるための条件や非課税枠について説明します。

住宅取得等資金の贈与の特例

「住宅取得等資金の贈与の特例」とは、父母や祖父母などの直系尊属から子や孫に住宅の購入資金や増改築に関わる費用を贈与する際に適用される特例です。

非課税枠は、耐震・省エネなどの基準を満たす住宅で1,000万円、それ以外の住宅で500万円となっています。主な要件は以下の通りです。

  主な要件
受贈者 ・贈与を受けた年の1月1日において、18歳以上であること
 ※令和4年3月31日以前の贈与については20歳となります。
・贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下(住宅が40平方メートル以上50平方メートル未満であれば、1,000万円以下)であること
・贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与された資金を住宅取得等資金に充てて、同年12月31日までに居住すること
・贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに贈与税の申告をすること
住宅 ・床面積が40平方メートル以上240平方メートル以下であること
・床面積の1/2以上を居住用に使うこと

※この制度は令和4年1月1日~令和5年12月31日までの適用となります。

参考:国税庁『直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税』

教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置

「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」とは、30歳未満の子や孫に父母や祖父母が教育資金を一括贈与する場合に適用される制度です。受贈者1人につき最大1,500万円までが非課税となり、このうち500万円までは習い事や留学にかかる費用に充てることができます。

なお、子や孫が30歳になった時点で教育資金に残額がある場合は、その残額に対して贈与税が課税され申告が必要です。

子や孫一人あたりの非課税枠は、以下のように用途別で異なります。

非課税枠 主な教育資金
1,000万円 ・入学金や授業料
・保育料
・修学旅行費
・学用品の購入費
500万円 ・習い事
・留学費用
・定期券代

※教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置制度の適用期限は2023年3月末まで

参考:国税庁『直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税』

結婚・子育て資金の一括贈与の非課税特例与

「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税特例」とは、父母や祖父母が18歳以上50歳未満の子や孫のために結婚や子育てに必要な資金を一括で贈与した場合に、最大で1,000万円まで贈与税が非課税になる特例です。

この特例を利用するためには、金融機関で贈与を受ける子や孫名義の資金専用口座を開設する必要があります。また、子や孫が50歳になった時点で結婚・子育て資金に残額がある場合は、その残額に対して贈与税が課税されます。

特例の対象となる費用項目は以下の通りです。

結婚資金 妊娠・出産・育児資金
・挙式や結婚披露宴、衣装に要する費用
(入籍日の1年前以後に支払われたものに限る)
・結婚を機に転居した物件の家賃、敷金などの新居費用、転居費用(入籍日の1年前後に締結した契約に限る)
※結婚資金として支払われるものは300万円を限度とする
※贈与を受けた年の前年の受贈者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、本制度の適用外とする
・不妊治療費
・妊婦検診に要する費用
・分娩費用や産後ケアに要する費用
・子の医療費
・保育園、幼稚園、ベビーシッターに支払う保育料

※結婚・子育て資金の一括贈与の非課税特例の適用期限は2023年3月31日まで

参考:内閣府『結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置』 あわせて読みたい 相続税対策としての生前贈与にメリットはあるのか?注意すべきポイントなど詳しく解説 相続税の節税対策の1つとして、生前贈与があります。しかしながら、贈与金額によっては贈与税が… 続きを見る

相続時精算課税制度

「相続時精算課税制度」とは、60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子や孫への生前贈与が2,500万円まで非課税になる制度です。非課税枠の2,500万円を超える場合は、一律で20%の贈与税が課せられます。

注意点は、一度相続時精算課税制度を選択すると永続的にこの制度が適用されます。そのため、暦年贈与の非課税枠を二度と利用できなくなります

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贈与にかかる税金の計算式や計算例

贈与税は贈与された金額をもとに算出するため、相続税よりも比較的簡単に計算できます。ただし、受贈者の年齢によって適用される税率が変わるため注意が必要です。

ここからは、贈与税の計算式と税率について紹介します。

贈与税の計算式と税率

贈与税は、1月1日~12月31日までの1年間で贈与された金額を元に計算します。計算式は以下の通りです。

課税価格(贈与財産-基礎控除額110万円)×税率-控除額

税率には「一般税率」と「特例税率」があります。受贈者が18歳未満である場合は一般税率、受贈者が18歳以上である場合は特例税率が適用されます。

一般税率 特例税率
基礎控除後の課税価格 税率 控除額 基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% 200万円以下 10
300万円以下 15% 10万円 400万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円 600万円以下 20% 30万円
600万円以下 30% 65万円 1,000万円以下 30% 90万円
1,000万円以下 40% 125万円 1,500万円以下 40% 190万円
1,500万円以下 45% 175万円 3,000万円以下 45% 265万円
3,000万円以下 50% 250万円 4,500万円以下 50% 415万円
3,000万円超 55% 400万円 4,500万円超 55% 640万円
参考:国税庁『贈与税の計算と税率(暦年課税)』

相続税と贈与税の税率の違い

「財産を渡す」という点で、相続と贈与は似た意味を持ちます。贈与(生前贈与)は、贈与者が生きている間に財産を贈ります。一方で、相続は贈与者が亡くなったあとに財産を引き継ぎます。

税率は、贈与税のほうが相続税よりも高くなります。1,000万円の財産で比べると、贈与税の税率は40%(一般税率)ですが、相続税では10%です。3,000万円で比べると、贈与税の税率は50%(一般税率)で、相続税は15%です。

相続税の税率は、10%~55%の8段階です。相続税の計算では、法定相続人ごとに取得した金額に以下の税率を掛けて、一定額を控除します。

法定相続人ごとの取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円
参考:国税庁『相続税の税率』

贈与税(暦年課税)の計算例

親から20歳以上の子に、1年で500万円贈与されたケースと5,000万円贈与されたケースの、贈与税額を計算してみましょう。

1. 500万円を贈与された場合の計算式は、以下の通りです。

課税価格(500万円-基礎控除額110万円)×特例税率15%-控除額10万円=48万5,000円

2. 5,000万円を贈与された場合の計算式は以下の通りです。

課税価格(5,000万円-基礎控除額110万円)×特例税率55%-控除額640万円=2,049万5,000円

金額によっては贈与税額が大きくなるため、多額の財産を贈与する際は事前に試算してから贈与することをおすすめします。

贈与と相続なら税金面でどちらが有利?

財産を受け継ぐ際に、できるだけ節税をしたいと考えている方もいるのではないでしょうか。贈与と相続を比較する際には、税率や控除額などを総合的に見ることが大切です。

ここからは、贈与税と相続税の税金面について紹介します。

税率だけで見れば贈与税が高い

贈与税と相続税を税率のみで比較した場合は、贈与税のほうが税率が高いため、税金面では相続のほうが有利に見えるでしょう。ただし「財産を生前に全て渡す」ということは考えにくいため、税率のみで比較しないほうがよいでしょう。

渡された財産から控除できる金額に着目すると、別の視点から有利かどうかを判断できます。控除できる金額は以下の通りです。

税の種類 控除できる金額
贈与税(暦年贈与) 年間110万円
相続税 3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

非課税枠での贈与なら相続税対策になる

暦年贈与の場合、基礎控除額である110万円以内であれば、贈与税は発生しません。この範囲内で数年をかけて子供や孫に財産の贈与(暦年贈与)を続ければ、相続税のかかる財産を減らせます。

この暦年贈与は相続税対策としても効果的ですが、税務署に暦年贈与と認めてもらうためには、以下の点に注意する必要があります。

【贈与者の注意点】
・「定期贈与」とみなされないように、贈与する金額を変える
・「連年贈与」とみなされないように、贈与する時期を変えたり贈与しない年をつくったりする

【受贈者の注意点】
・受贈者本人が通帳や印鑑などの口座を管理、保管していること

【贈与者・受贈者共通の注意点】
・贈与者と受贈者の両方が贈与を認知、了承していること

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まとめ

贈与税は、1月1日~12月31日の1年間に贈与された財産を元に算出します。暦年贈与の場合、基礎控除額である110万円以内であれば、贈与税は発生しません。この機会に、自分の所有財産から贈与税と相続税がどれだけかかるのかを試算してみてはいかがでしょうか。

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