ゆとりある老後を送るためにはいくら程度老後の資金を準備すれば良いでしょうか。「老後資金2,000万円」という言葉は聞いたことがある人は少なくないと思います。「安心したいなら5,000万円必要だ」という人もなかにはいるくらいです。
自身がどういった老後生活をしたいかによっても大きく変わってきますが、老後にかかる費用を知っておかないと資金がいくら必要かわからないと思います。今回はそんな老後の資金がいくら必要かについて解説していきます。
こんな人におすすめ
老後にかかる費用を知りたい方
老後のお金に不安がある方
将来のライフプランを考えている方
老後とは具体的にいつからなのでしょうか。これは人によって様々な考え方があると思います。仕事を定年退職してから、老後に向けた資金として貯めていたお金を生活費として使用し始めてから、公的年金を受け取るようになってから…など判断する時期はいくつかあるでしょう。
様々な考え方はありますが一般的に60歳~65歳で老後生活がスタートすると言われています。さらに日本人の平均寿命は男性で約81歳、女性で約87歳と言われており、このことから計算すると老後の期間は約20年~30年程ということがわかります。
老後における資金とは、その期間に労働を行わず生活するために必要なお金、資金のことを言います。そこには日常に必要な生活費の他に娯楽の費用や住宅の修繕費、子供への援助など多種多様な費用が含まれています。これらは全て余裕のある、様々なことを楽しめる老後を送るために必要不可欠になるお金です。
生命保険文化センターが行った意識調査では、老後に必要な最低の生活費は月額平均で22.1万円と報告が上がっています。これはあくまで最低の生活費だけでの計算となりますのでこれだけでは友人との旅行に行くことも孫にお小遣いをあげるといったこともできません。
それでは老後の生活を充実して過ごすために生活費はいくらくらい必要なのでしょうか?以下で具体的な生活費について必要な額を見ていきましょう。
最低限の生活以外に、実際に生活を充実させるためにはさらに平均で14万円必要と言われています。つまり充実した老後を送ろうと考えているならば生活費は毎月36.1万円必要となります。
なお、この費用は旅行やレジャー、趣味などで使用することを目的とされています。そのため、お金がかからない趣味を持っている人や最低限の生活以外の娯楽を必要としていない人であればそこまで必要ない場合もあります。
前述した金額はあくまで理想の生活を送る場合の算出となっています。それでは実際のところはいくらくらいの生活費で生活しているのでしょうか。
前述したものと同じ調査の結果では、高齢無職世帯の消費支出の平均は約24万円と言われています。そして実収入の平均も約24万円であることから、なるべく貯蓄を切り崩さないように生活をしていることがわかります。
公的年金は日本では2種類あり「国民年金」と「厚生年金」に分かれます。公的年金はよく2階建ての建物に例えられることが多く、1階部分は国民年金のことを指しています。国民年金は日本に住んでいる20歳~60歳未満の人は全て加入しています。
さらにそこから会社員や公務員が加入しているのが厚生年金になります。これは国民年金に上乗せして支払われることから、厚生年金は2階建ての2階に例えられています。
2021年現在では、年金は65歳から受け取ることができます。しかし、年金制度には受け取る時期を変更することができるという仕組みがあるので、前後5年の間で自分が希望した時期で受け取ることが可能となっています。
ただし、受け取る時期を調整してしまうと受け取れる年金の金額が変わってしまいますのであらかじめ確認をしてから申請をしましょう。
国民年金の平均支給月額は約55,000円で納付期間40年間、満額で支払ったとすれば月額支給は約65,000円となっています。そして厚生年金の月額平均受給額は約147,000円となっています。
しかし厚生年金は男女で平均受給額に開きがあり男性は約166,000円、女性は約103,000円で男女差があることがわかります。
前述した通り、ゆとりある老後を送るためにはかなりまとまった資金が必要となります。また金額自体もそうですが、老後を迎えるまでは現在の生活を送りながら老後の生活費を貯めるかたちとなります。そのため、計画を立てて貯めていかないと非常に厳しいでしょう。
もちろんコツコツと貯金していくことも大事ですが、それだけでは目標の金額を貯めることは難しいかもしれません。そこで今回は働いたお金を純粋に貯める意外で老後の資金を準備する方法を紹介します。興味がある方法がありましたら是非試してみてはいかがでしょうか。
地道なところですが支出を見直してみましょう。貯蓄に重要なのは無駄なコストをかけないということです。しかし、何から見直せばいいかわからない人が多いと思います。そこで見直しやすいものを紹介します。
まずは携帯電話やインターネットの通信費です。今使用しているものから別のものに変えるだけで、年間数万円の節約に繋がる可能性も大いにあります。あまり携帯やインターネットに詳しくない人は一度ショップや詳しい親族に相談してみると良いでしょう。
次に保険のプランを見直してみてはいかがでしょう。保険はその時々によって新しい商品が出てくることがあります。また、子供の成長などで当時と比べて必要な保障が変わってきていることもあります。そのため、数年に一度見直してみると保険料を抑えることができる場合があります。こちらも通信費同様、場合によっては年間でかなり支出を抑えられますのでおすすめです。
他にも住宅や車のローンを見直してみるのも良いでしょう。食費や光熱費などの細かい節約も重要ですが、大きな金額の見直しをしたほうが大きな節約をすることに繋がります。
体に問題がないのであれば長く働き続けるのも良いでしょう。単純に収入が増えるというメリットがあります。前述した平均年金受給額と併せて考えても、月々7万円以上稼ぐことができれば十分です。そのため現役時代と同程度働く必要はなく、自身の健康面や精神面にプラスになる程度にのんびりと働いてみるのもいいでしょう。
通常65歳から年金を受け取りますが年金は繰り下げ受給をすることができます。このメリットは年金を繰り下げ受給することで1カ月遅らせるたびに0.7%増額することができます。繰り下げができるのは最大5年間で、その分遅らせることができれば最大42%増やすことができます。こうすることで、繰り下げ後に手元に入ってくる年金を増やすことが可能です。
最近では70歳を過ぎても元気な人も増えてきていますので、今から健康に気を遣って生活してみるのもいいかもしれません。また、先ほど紹介した長く働くことと組み合わせることで収入も増えて年金も増えます。一気に老後資金問題が解消に繋がるかもしれませんので有効な手段といえます。
ただ、70歳まで年金受給を遅らせられるかはそのときの状況や制度によって変わってくる可能性が高いため、あまりこの方法に頼り過ぎないほうがよいでしょう。
老後に向けて資産運用をする場合、手堅く運用することをおすすめします。投資は「長期」「積み立て」「分散」が基本となってきます。資産運用は長い時間をかけて運用することでリスクを減らしてコツコツ資産を増やしていけることです。基本的に老後に向けて資産運用を考える場合時間をかけることができるので、資産を増やす方法としてはおすすめです。
貯金をするのではなく貯金の代わりに投資をして老後資金を準備しようと考えているのであれば、「個人向け国債」か「積み立てNISA」などで手堅く投資していくことが良いでしょう。これらは大きく稼ぎにくいですが大きく損失を出すことはありませんので老後の資金形成には向いている方法といえます。
先ほども紹介しましたが、ゆとりある老後生活を送るための費用は36.1万円というデータが出ています。仮に老後の期間が20年間だとすると、36.1万円×12カ月×20年=8664万円という計算になります。この結果からゆとりある老後生活を20年間営むには8,000万円以上の資金がいるということになりますが、実際にこの金額を貯めるとなると非常に難しいでしょう。
ただ、この金額は自分で貯めることが必要な費用というもので公的年金などの収入は加味されていません。そのため実際のところはもっと少なくて済むでしょう。しかし、それでも多額の資金が必要となりますが実際にこの金額を皆さんは準備しているのでしょうか。
答えは「NO」です。もちろんそれくらい用意できる裕福な家庭や堅実な家庭もありますが、ほとんどの家庭は難しいでしょう。ここで重要なのは老後を豊かにすると言ってもしっかりと計画性をもって必要なところに必要な分だけお金を使用するということです。
自身の身の丈に合った生活の中でゆとりのある老後を実現できるように色々な計画を立てることが豊かな老後を迎えるための一歩なのかもしれません。
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今回は、老後の資金がいくら必要かについて解説しました。老後資金は2,000万円必要と言われてきましたが、むしろもっと必要になるかもしれないということがわかりました。
まずは自分がどういった老後を送りたくて、それにはいくら必要になるかなどをしっかりと検討してどのように資金を貯めていくかの計画を立てましょう。そして自分の身の丈に合ったゆとりある老後を送っていきましょう。
東京や一部の地域では7月、ほかの地域では8月にお盆を迎えることが多いようです。ホゥ。