融通念仏宗(ゆうずうねんぶつしゅう)はとても長い歴史を持っている仏教の宗派ですが、聞き馴染みのない方もいるかもしれません。そこでこの記事では、融通念仏宗の成り立ちや教え、どのような宗派なのかを解説します。また、「勤行」や葬儀の特徴についても紹介します。
<この記事の要点>
・融通念仏宗は日本の仏教を基礎とした、日本発祥の念仏を重んじる宗派
・自分と他人の念仏が融合することで、大きな功徳となる「他力往生」という教えがある
・融通念仏宗の葬儀は、銅鑼や太鼓を使用し、にぎやかに故人を送り出すのが特徴
こんな人におすすめ
融通念仏宗について知りたい方
融通念仏宗の葬儀について知りたい方
日本発祥の宗派に興味がある方
融通念仏宗は日本の仏教を基礎とした、日本発祥の宗派であるといわれています。ここからは、融通念仏宗の開祖や成り立ちについて解説します。また、総本山である寺院についても紹介します。
平安時代末期に天台宗の僧侶、良忍(りょうにん)は大原来迎院にて修行をしていました。そこに阿弥陀如来が現れて「1人の人が唱える念仏が他の人に功徳を与え、他の人が唱える念仏が1人に功徳を与え、『南無阿弥陀仏』と唱える一行は、他の全ての行に通じる」という教えを授けます。
この教えをもとに良忍が開いたのが融通念仏宗です。それまでの仏教宗派は、華厳宗など中国から伝えられたものや、天台宗や真言宗など僧侶が中国に留学して持ち帰ったいわば「輸入仏教」とでもいえるものでした。
融通念仏宗は、初めて日本で発祥した宗派であるといわれています。良忍は布教活動を始め、その教えは戦乱が続く不安定な社会情勢のもとで広がっていきました。
開祖良忍が大阪市の修楽寺で融通念仏会を開くと、多くの人々が集まってきました。1127年には鳥羽上皇の勅願によって融通念仏の根本道場として、大念仏寺が開かれました。
誕生以来、「大念仏宗」と呼ばれており、1661年に大念仏寺が大念仏宗の総本山と認められました。また、1703年に大念仏宗は「融通念仏宗」に名称が変えられました
融通念仏宗とはどのような教えを持っているのでしょうか。また、そもそも宗派の名称となっている「融通念仏」とはどのような考え方なのでしょうか。ここからは、融通念仏宗の教えと用いられる経典について紹介します。
平安時代の仏教の教えでは、極楽浄土に往生するのは難しいことだとされていました。しかし、融通念仏宗は「いついかなるときでも念仏を唱えることでこの世が浄土になり、念仏を唱えた自分も浄土に往生できる」と説きました。
この「南無阿弥陀仏」と唱える念仏信仰の教えは、やがて法然によって開かれる浄土宗や、親鸞によって開かれる浄土真宗に対して大きな影響を与えました。
「融通念仏」とは、阿弥陀如来のお告げによって良忍に伝えられた教えであり、自分の念仏と他人の念仏が溶け合って結びつき、大きな功徳になるという考え方です。
自分1人が唱える念仏の力は小さいものですが、すべての人の功徳につながります。同様に、他人が唱えた念仏も自分の功徳になります。この融通念仏についての教えは、「他力往生」と呼ばれています。
融通念仏宗がよりどころとする経典は「華厳経」と「法華経」です。法華経の一部を構成する「観世音菩薩普門品第二十五」の「観音経」は勤行の中で唱えられます。
また、禅宗の教えをわかりやすく表記した「坐禅和讃(ざぜんわさん)」や「般若心経」も、経典として多く用いられています。
「勤行(ごんぎょう)」とは、日課あるいは法要において、お経を読んだり礼拝したりすることです。融通念仏宗では、毎朝念仏を唱える勤行があります。
西方を向き、「阿弥陀経」などの念仏を10回唱えます。この勤行によって、唱えた人だけでなくすべての人が極楽浄土に往生できるようになるといわれています。
融通念仏宗の葬儀は、その教えに基づいて行われるため独自の特徴を持っています。葬儀の特徴や流れを確認しておけば、参列する際にも安心です。焼香の作法についても紹介するので参考にしてください。
融通念仏宗の葬儀では、故人が極楽浄土に往生できるように「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えます。誰もが念仏を唱えれば浄土に往生できるという教えなので、形式にきまりはありません。
また、銅鑼や太鼓を用いてにぎやかに葬儀を行うという特徴があります。
融通念仏宗の焼香の作法にきまりはありません。以下のとおり一般的な手順で焼香をすれば問題ありません。
1. 遺族に一礼した後、焼香台の前でもう1度一礼する
2. 数珠を左手にかけて、右手の親指と人差し指でお香をつまみ、額に押しいただいてから香炉にくべる(3回繰り返す)
3. 合掌して遺族に一礼して席に戻る
参列者が多い場合は、焼香は1回だけにしてもかまいません。
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この記事では、融通念仏宗の成り立ちや教え、経典、勤行、葬儀の特徴などについて解説しました。融通念仏宗についてよく理解し、葬儀に参列しましょう。
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