融通念仏宗とはどのような宗派か?歴史・教え・葬儀の特徴や作法を詳しく解説

融通念仏宗とはどのような宗派か?歴史・教え・葬儀の特徴や作法を詳しく解説

融通念仏宗とは、平安末期に良忍が開いた、長い歴史を持つ仏教宗派です。宗派の特徴についての知識を身に付けておけば、安心して葬儀に参列できるでしょう。そこでこの記事では、融通念仏宗の経典や寺院、歴史、教え、葬儀などについて詳しく解説します。

こんな人におすすめ

融通念仏宗について知りたい人

融通念仏宗の葬儀の特徴を知りたい人

融通念仏宗の焼香マナーを知りたい人

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融通念仏宗とは

融通念仏宗は平安末期から現在にまで続く、長い歴史のある仏教宗派です。どのような経典を用いているのか、総本山はどこにあるのかなどについて解説します。

融通念仏宗は日本初の国産仏教宗派

融通念仏宗が開かれる以前の仏教の宗派は、中国から伝えられたものを日本に広めるというものでした。日本で天台宗を学んで修行した僧侶である良忍が、平安時代の末期に開いた融通念仏宗は、初めて日本で誕生した宗派です。

日本仏教の13宗派のうち、浄土系としては最も古い時期に開かれました。

融通念仏宗の経典

最も重要であるとされる経典は、華厳経法華経です。浄土系の宗派では、一般的には「浄土三部経」と呼ばれる経典がよりどころの中心とされますが、融通念仏宗においては華厳経と法華経の次に位置付けられます。

融通念仏宗の総本山

大阪市の大念佛寺(だいねんぶつじ)が融通念仏宗の総本山です。開祖である良忍が鳥羽上皇の勅願を受けて建立しました。日本で最初の念仏道場であると言われています。始めは大念仏宗という名称でしたが、江戸時代に融通念仏宗と改められた際に、総本山になりました。

融通念仏宗の歴史

融通念仏宗はどのように成り立ち、発展してきたのでしょうか。開祖である良忍の歩み、中興の祖と言われる法明の活動などの歴史を紹介します。

開祖良忍が比叡山で修行

良忍は12歳のときに比叡山に入って修行を始めます。天台宗について学び、修行僧を指導する立場になったものの、学問ではなく仏の道を極めたいと考え、23歳で比叡山を下りてさらに修行に励みました。当時は武家の力が大きくなってきた頃であり、社会は動乱期に入っていきます。

融通念仏宗を開く

平安時代の末期、良忍は念仏を唱えるなどの修行に没頭していました。念仏を唱えている最中に、阿弥陀如来が現れて「1人が唱える念仏は全ての人の功徳となる」というお告げを受けます。

お告げを受けて良忍は融通念仏宗を開き、布教を始めました。戦乱の世にあって、念仏の教えは広まっていき、鳥羽上皇にも信奉されるようになったのです。

中興の祖は法明

良忍に続く人材に恵まれず、大念佛寺第6世良鎮が亡くなると、鎌倉時代の末期まで139年間後継者がいませんでした。そこに登場したのが、中興の祖と呼ばれる法明です。法明は良忍の教えを復興させて、発展の基礎を築きました。

融通念仏宗の教え

融通念仏宗における「融通念仏」とは何を意味しているのか知るためには、教えについて理解しなければなりません。教えの根幹である念仏信仰や他力往生・速疾往生について説明します。

融通念仏と念仏信仰

融通念仏とは、自分の唱える念仏と他人が唱える念仏が溶け合って融合することによって大きな功徳となり、この世を極楽浄土にできるものです。

浄土のために「南無阿弥陀仏」と口に出して念仏を唱えるのだとするのが「念仏信仰」であり、融通念仏宗は念仏信仰の始まりであるとされています。

他力往生・速疾往生

自分1人が唱える念仏の力は小さくても、他の全ての人に功徳を与えることになります。また逆に、全ての人の念仏の力は、1人に功徳を与えてくれます。

他人が唱えた念仏が自分の功徳になるとするのは「他力往生」の考え方です。また、念仏により亡くなった後ではなく、生きているうちにすぐに浄土に行けることは「速疾往生(そくしつおうじょう)」と言われます。

融通念仏宗の日課は念仏

融通念仏宗の日課は、毎朝、念仏を唱えることです。浄土があると考えられている西の方角に向かい、融通念仏を10回繰り返して唱える勤行を行います。

この勤行は、念仏を唱えた人自身のためだけに行われるのではなく、他の全ての人が浄土に往生するためにも行われるものです。

融通念仏宗の葬儀とは

融通念仏宗の葬儀は、教えに基づいて行われるため、独自の特徴を持っています。どのような葬儀が執り行われるのかという知識を身に付けておけば、参列する際にも安心です。また、焼香の作法についても理解しておきましょう。

融通念仏宗の葬儀の特徴

葬儀では、僧侶と参列者が「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えることによって、功徳を故人に注ぎ、極楽浄土に往生できるように願います。念仏を唱えることが重要なので、葬儀の形式にはこだわらないのが特徴です。

また、銅鑼や太鼓などが多く用いられ、極楽浄土を連想させる音と色彩で華やかに、にぎやかに執り行われます。

焼香の作法

形式にとらわれない宗派であるため、焼香の作法についても定められたものはありません。一般的な手順と同じように、まず遺族に一礼してから、焼香台の前でもう一度一礼しましょう。次に、お香をつまみ、額に押しいただいてから香炉にくべます。

これを3回繰り返しますが、特別に3回と決まっているわけではありません。参列者が多いケースなどでは、1回だけにすることもあります。焼香後は合掌し、遺族に一礼してから自分の席に戻りましょう。

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まとめ

融通念仏宗は、平安時代末期に良忍が開いた、初めて日本で誕生した宗派です。自分の唱える念仏と、他人が唱える念仏が溶け合って融合することによって、大きな功徳となり、この世を極楽浄土にできる「融通念仏」を重要視し、後に発展する念仏信仰の基礎を築きました。

小さなお葬式では、葬儀に精通したコールスタッフが、24時間365日、通話無料でご連絡をお待ちしております。融通念仏宗について知りたい方や、葬儀についての疑問をお持ちの方は、ぜひ小さなお葬式へご相談ください。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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