仏壇の中には位牌やさまざま仏具が置かれていますが、初めて自宅に仏壇をお迎えした場合「どこに何を置いたらよいのか」と迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。また、仏壇の中を掃除したあとに「これはどこに置くものなのか」とわからなくなってしまう場合も少なくないでしょう。
この記事では、仏壇の基本のレイアウトを紹介します。仏壇そのものの配置に関する注意点についても解説していますで、仏壇を自宅に設置する前にぜひ参考にしてください。
<この記事の要点>
・仏壇には「金仏壇」「唐木仏壇」「モダン仏壇」「ミニ仏壇」があり、特徴や飾り方が異なる
・仏壇の上段に脇仏とご本尊、中段に仏器膳と位牌、下段に花立・高杯・見台・香炉などを置く
・仏壇の置き場所はリビングや和室が適しているが、北向きになるような配置は避ける
こんな人におすすめ
仏壇の設置に悩んでいる人
各仏具の置き方に悩んでいる人
仏壇そのものはデザインによって大きく4種類に分けられます。それぞれの特徴を確認しましょう。
仏壇の種類 | 特徴 |
金仏壇 | 金箔を施した仏壇。縁取りなどの黒がアクセントになり豪華な仕上がり。 |
唐木仏壇 | 素材の木目を生かした仏壇。伝統的なデザインが特徴。 |
モダン仏壇 | 家具のような自然なデザインの仏壇。さまざまな部屋に馴染みやすい。 |
ミニ仏壇 | コンパクトで置き場所を選ばない仏壇。現代的なデザインのものも多い。 |
金仏壇、唐木仏壇は伝統的なデザインで、仏壇としての存在感のあるものです。一方のモダン仏壇やミニ仏壇は、仏間を設けていない、スペースが限られているなど、現代の家庭にも合ったスタイルで昨今多くの方に選ばれています。
仏壇のレイアウトは種類を問わず基本的には同じです。基本に忠実に飾ることで、ご先祖様への供養の気持ちがより伝わります。どういったレイアウトで飾るのかを仏具の種類とともに確認していきましょう。
仏壇にはさまざまな仏具を並べます。まずは大きなものから細かいものまで、以下のような仏具があることを覚えておきましょう。
仏具の名称 | 役割 |
ご本尊様 | 信仰する宗派の仏様。像や掛け軸など種類が異なる。 |
脇仏 | ご本尊様の左右に飾る掛け軸。開祖や影響ある僧侶が描かれている。 |
位牌 | 故人の戒名などを刻んだ札。故人の魂が宿っている。 |
仏飯器(仏器) | ごはんを供えるための食器。 |
湯茶器 | 水やお茶を供えるための湯飲み。 |
高杯 | 果物やお菓子を供えるための器。高い脚がついている。 |
仏器膳 | 仏飯器や湯茶器をのせるお膳。横長の形をしている。 |
常花 | 金色の蓮の造花。枯れない花として飾られる。 |
花立 | 花を生ける花瓶。常花や生花を飾るために使う。 |
線香差 | 使う前の新しい線香を立てておくもの。 |
マッチ消し | ろうそくに火をつけたあとのマッチを入れるもの。 |
過去帳 | 故人の戒名を記載しておく帳面。 |
見台 | 過去帳を立てておく台。 |
リン | 読経の際に音を鳴らすもの。ばちとセットで使用する。 |
灯立 | ろうそくを立てるためのもの。 |
香炉 | 線香を立てる器。なかに灰を入れて線香を立てる。 |
仏壇に置く仏具にはほかにも種類がありますが、サイズがやや小さめの仏壇も上記のものが揃っていればよいといえるでしょう。
仏具が揃ったら、仏壇の中に配置していきます。基本のレイアウトを仏壇の上段(奥側)から順に確認していきましょう。
上段:左から脇仏・ご本尊様・脇仏
中段:中央に仏器膳(その上に左から湯茶器・仏飯器を並べる)・位牌
下段奥:左から花立(常花を差す)・高杯(中央に2つ並べる)・見台(過去帳を置く)
下段手前:線香差・マッチ消し・香炉(中央)・灯立・リン
以上を参考にしながら、レイアウトを完成させるときれいに並べられます。
スペースを取らずリビングなどにも置きやすいミニ仏壇は一般的な仏壇のように多くの仏具を置けない造りのため、どういった仏具が必要か飾り方の基本のレイアウトはどのようになっているのかを確認してみることをおすすめします。
ミニ仏壇に必要な仏具は、位牌・香炉・花立・灯立・仏飯器・湯茶器・リンの7点です。しかし、より小さな仏壇の場合はこれだけの仏具も置ききれないこともあるでしょう。ミニ仏壇は、位牌と香炉・花立・灯立のみでその他の仏具を飾らないスペースがあるので、ご本尊様を置くなど大きさに合わせて必要な仏具を厳選することも求められます。
ミニ仏壇の場合も基本的なレイアウトは通常の仏壇と同じです。中央奥にご本尊様を配置し、その他の仏具は香炉を中央にし左右に並べます。花立は左、リンは右などの配置はできるだけ通常の仏壇と同じにしますが、それぞれの仏壇のレイアウト例に沿って配置してもよいでしょう。
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本来、仏壇に必要な仏具の種類やレイアウトは宗派によって異なります。しかし、最近は仏壇のサイズやデザインが変化しつつあることから宗派や地域の風習にとらわれないレイアウトをすることが多い傾向にあります。
伝統を重んじる家庭では、昔ながらのレイアウトを好まれる場合もあります。どちらを選択しても故人や仏様を思う気持ちがあれば問題ありませんが、ご親族間でのトラブルに発展しないよう、しっかり話し合って決めましょう。
仏壇は仏具のレイアウトだけでなく、仏壇そのものの置き場所や向きなどにも注意する必要があります。家のどこに置けばよいかや方角の向きについてなどを知っておくと仏壇の置き場所を決めやすくスムーズにお迎えできるでしょう。
昔は「仏間」といって仏壇を置くための部屋が用意されている家庭が多くありましたが、最近は仏間のない家が増えています。和室があれば仏壇の置き場所として選ぶとよいのですが、洋室ばかりの住宅もあり仏壇を購入しても置き場所に困るというケースは少なくないでしょう。
仏壇は家族が日々お参りをしやすい落ち着いた場所に置くのが最適なため、家族の集まりやすいリビングや和室・床の間などの空いている部屋を仏壇の安置場所として選ぶのもよいでしょう。
仏教では方角の吉凶という概念がないので、基本的にはどちら向きに置いてもよいといえます。しかし、部屋の南側で北向きになるような配置は一般的に避けた方がよいでしょう。また、南側を避けた位置でドアから離れ、扉のある仏壇の場合は扉が十分に開くスペースを確保できる場所に置くと仏様やご先祖様も落ち着けるでしょう。
仏壇を置くときには、高さにも注意が必要です。お参りは基本的に座ってしますが、このときにご本尊様が目の高さより上になるように配置します。昔ながらの仏壇はある程度高さがあるものが多い傾向ですが、ミニ仏壇などの場合は台の上に置くなどして高さを保つことも忘れないようにしましょう。
仏壇の劣化などを防ぐためにも置き場所を選ぶ際は、以下に当てはまる場所には置かないようにしましょう。
・西日が入りやすい部屋
・日当たりが悪すぎる部屋
・湿気の多いところ
・水回りや玄関など
・冷暖房が直撃する場所
・テレビやオーディオなど、音の出るものの上
また、仏壇の上には何も置かないように注意する必要があります。仏壇と神棚の両方を置いている家庭も多くありますが、同じ部屋に配置する場合は仏壇の上に神棚がこないようにずらして置きましょう。神棚と仏壇が向かい合わせにならないようにするなど、置き場所を決める際のポイントも確認しておくことをおすすめします。
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家族形態や家の間取りなどの変化に伴い、仏壇の大きさや配置する仏具も変わってきています。宗派ごとのしきたりを重んじることももちろん重要ですが、新たなスタイルに合わせて遺族が苦労のないい形で供養することも大切です。どの宗派でも使える仏壇の基本のレイアウトを知っておくと自宅での供養に役立つので、この機会にぜひ参考にしてみてください。
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