新たにお墓を建てたり古いお墓を建て直したりする際には、まず墓石を選びます。墓石にはさまざまな石が使用されますが、最も多いのは御影石です。御影石といってもさまざまな種類があります。それぞれ特徴や値段が異なるため、予算や見た目など注目したいポイントを絞って最適なものを選ぶ必要があります。
この記事では、御影石の値段や人気の種類、お墓を掃除する際のポイントなどを解説します。購入後の注意点も記載していますので、墓石選びの参考にしてください。
<この記事の要点>
・御影石とは「花崗岩」と「閃緑岩」の2種類を指す
・国内産の御影石は、白御影石で1平方メートルあたり約120万円、黒御影石は220万円程度
・お墓の環境に合った産地の石を選び、吸水性の高さにも注目する
こんな人におすすめ
お墓の購入を考えている人
お墓の石の種類が知りたい人
墓石に使用される石は成分・産地などで細かく分類すると、なんと300種類以上あるといわれています。その中でも最も多くの方に選ばれるのが御影石です。
まずは御影石がどういったものなのか、なぜお墓によく使用されるのかを解説します。
御影石は「花崗岩(かこうがん)」と「閃緑岩(せんりょくがん)」の2種類を指します。兵庫県神戸市にある「御影」という地域がもともとの産地であることから、「御影石」と呼ばれるようになりました。
御影石は、地中のマグマが地殻内の深いところでゆっくりと冷えて固まった結晶質の石材です。硬くて風化に強く重さもあり、特に他の石に比べて吸水率が低いという特徴があります。また、御影石といっても産地によって種類が異なり、模様や色もさまざまです。
御影石は硬度が高く、他の石材よりも吸水率が低くなっています。耐久性に優れているため風雨や寒暑に強く、屋外で長年使用されるお墓にうってつけの石材です。
また、御影石を構成する鉱物である石英、カリ長石、斜長石などの含有量は一定ではなく、産地や採石場所によって色や模様が異なります。そのため同じ御影石でも墓石に個性が出やすくなることから、墓石に選ばれやすいといえるでしょう。
御影石は産地によって種類が異なり、大きくは国内産と外国産の2種類に分けられます。採れる場所により石の特徴はもちろん値段も大きく変わるため、好みや予算に合ったものを選ぶとよいでしょう。
国内産の御影石の主な産地は、福島県・香川県・愛媛県・佐賀県などです。その他の産地も含め、御影石の名称や特徴を紹介します。
御影石の種類 | 産地 | 特徴 |
浮金石(うきがねいし) | 福島県 | 黒い石肌に白い斑や金箔が特徴の国産として希少な黒御影石 |
庵治石(あじいし) | 香川県 | 希少性が高く耐久性に優れ、磨くほど光沢が出るといわれる最高級石材の1つ |
青木石(あおきいし) | 香川県 | 色むらが少なくやさしい色合いで、青色の美しさが特徴 |
万成石(まんなりいし) | 岡山県 | 淡い桜色が美しく「桜御影」と呼ばれており、硬度が高く吸水率が低いため、耐久性に優れている |
備中青御影石(びっちゅうあおみかげいし) | 岡山県 | きめが細かく硬く粘りがあり、美しい青緑色をしている |
真壁石(まかべいし) | 茨城県 | 耐水性と圧縮強度に優れており、丈夫で劣化しにくいことが特徴 |
内垣石(うちがきいし) | 福岡県 | 硬くきめ細かい青味を帯びたグレー系の石質が特徴 |
大島石(おおしまいし) | 愛媛県 | 青みを帯びた石目の輝きは、年月とともに深みを増していくといわれており、吸水率が低く硬質で高品質 |
天山御影石(てんざんみかげいし) | 佐賀県 | 吸水率がきわめて低く硬質で、経年劣化が起こりにくいのが特徴 |
御影石は日本国内だけでなく、海外のものも墓石として採用されています。有名な産地は中国・インド・南アフリカなどです。種類や特徴は以下の通りです。
御影石の種類 | 産地 | 特徴 |
黒龍石(こくりゅうせき) | 中国 | 黒みを帯びたグレー系の石材で、硬度が高く吸水率が低いので、耐久性に優れていることが特徴 |
G654 | 中国 | 濃いグレー系の石材で青御影石とも呼び、 品質が安定しているが、吸水率が高いことが注意点 |
クンナム | インド | 代表的な黒御影石で、硬度が高く吸水率が低いため、経年劣化が少ないことから「永遠の黒」とも呼ばれている |
アーバングレー | インド | 代表的な白御影石で、緑がかった独特のグレー系の石材と吸水率がとても低いことが特徴 |
インパラブラック | 南アフリカ | 世界的に有名な黒御影石であり、茶色を帯びた黒色が特徴的な石材 |
ベルファースト | 南アフリカ | 黒御影石で石目の中にゴールド粒子が入っているものもあり、硬質で低い吸水率を持った品質の高い石材 |
御影石でお墓を建てたい場合、気になるのは値段です。一般的に国内産のものは外国産よりも高く、種類によって値段は大幅に変わります。
ここからは、国内産・外国産の人気の御影石がどれくらいの値段なのか目安を解説します。
国内産御影石によく使用される御影石の値段は、お墓の大きさによっても異なります。
一般的なサイズのお墓を建てた場合の目安は、以下の通りです。
御影石の種類 | 値段の目安 |
庵治石 | 300万円~400万円前後 |
大島石 | 100万円~300万円前後 |
天山石 | 40万円~80万円前後 |
真壁石 | 50万円~120万円前後 |
外国産よりも国内産、白御影石よりも黒御影石のほうが価格が高い傾向です。国内産の御影石の場合、1平方メートルの墓石なら白御影石はおおよそ120万円、黒御影石は220万円ほどが値段の目安となります。
国内産よりも外国産の御影石は、値段が大幅に下がります。中には価格変動が大きいものもありますが、それでも国内産と比較すれば安価に入手できるでしょう。
人気の墓石の値段目安は、以下の通りです。
御影石の種類 | 値段の目安 |
インパラブラック | 60万円前後 |
黒龍石 | 20万円~40万円前後 |
クンナム | 50万円~70万円前後 |
ベルファースト | 60万円~100万円前後 |
国内産・外国産ともに墓石を購入するだけでなく、文字を彫ったり設置工事をしたりといった作業には別途費用がかかるため注意が必要です。
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お墓は高価な買い物になるため、やはり墓石の値段は重視したいポイントの1つです。値段以外にも、墓石選びで注目したい点は大きく3つあります。産地や墓石の吸水率、色や柄などにもこだわることで長く美しい状態を保てるでしょう。
御影石全般の特徴はあるものの、産地によって異なる特性を持っています。お墓の立地によりこだわりたい条件は変わるので、環境に合った産地の石を選びましょう。
産地にこだわるというと「国内産でなければならない」と考える方もいるのではないでしょうか。しかし、そのようなことはありません。品質の優れた国内産であっても産出量には限りがあるため、値段は高くなります。安価な外国産が粗悪だという訳ではないため、自身の予算に合ったものを選ぶことをおすすめします。
基本的にお墓は屋根や窓などの囲いがない場所に建てるため、雨や風の影響を直に受けます。御影石は他の石と比べて吸水率が低いといわれています。吸水率が低いのは密度が高い証拠です。密度が高い石は彫った文字や模様を美しく保つことができ、重厚感があります。墓石を選ぶ際は耐水性にも注目すると、よりよいお墓に仕上がるでしょう。
墓石は灰色のものが多く、それ以外の場合は高級感のある黒色という印象があります。しかし、現代では灰色や黒色以外の明るい色合いの墓石を目にすることもあるのではないでしょうか。
緑色や青色、桃色や明るめの茶色など、さまざまな色の御影石も墓石にできます。また、御影石の種類や使用する場所によって柄も変わってくるので、故人や遺族の意向で個性的な色や柄を選ぶのも1つの方法です。
お墓参りの際には墓石や周辺の掃除も行いますが、御影石はどのようにお手入れをすると長く美しい状態を保てるのでしょうか。
ここからは、お掃除の際に注意したいポイントを3つ紹介します。
雨風に日々さらされる墓石は、定期的な掃除できれいな状態にしておくことが重要です。目安は月に1回ほどで、頻繁に行う必要はないでしょう。お墓参りも月に1度するとよいといわれているので、お墓が近い場合は定期的なお墓参りと掃除を日課にすることをおすすめします。
掃除の際は、墓石に傷がつかない道具を選びましょう。鳥のフンや植物などが張りついてなかなか取れないからといって、硬めのブラシでこすると傷がついてしまいます。また、洗剤も誤ったものを選ぶと墓石のシミになるため注意が必要です。
墓石には専用の洗剤と食器洗い用などのやわらかなスポンジを使います。やわらかめの歯ブラシも細かな部分の汚れを優しく落とせるのでおすすめです。乾いた柔らかい布で、仕上げの拭き上げをすることも忘れないようにしましょう。
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定期的に正しい方法で掃除をしていても、経年による劣化は防げない部分があります。よりよい状態を保つなら、数年に1度石材店などの専門家にメンテナンスを依頼しましょう。
磨き直しやコーティング・シミ取りなど、プロにしかできないこともあります。定期的にプロに依頼することで墓石をよりよい状態で長く使用できるでしょう。
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お墓には重厚感や吸水率、丈夫さなどが特徴の御影石が多く使用されます。産地によって特徴が異なるため、値段だけでなく石の特性にも注目しながらご自身に合った御影石を選びましょう。
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