密葬にも数珠は必要なの?使用するときの持ち方や種類もご紹介

密葬にも数珠は必要なの?使用するときの持ち方や種類もご紹介

数珠は、葬儀のマストアイテムであると考えられることが多い品物です。これは一般葬など通常の形式の葬儀で使うものという印象が強く、密葬でも必要なのかと疑問に感じる方は少なくないでしょう。結論としては、いずれの形式の葬儀にも持参したほうがスマートです。

本記事では、数珠はどのように使用するものなのかを解説しながら、数珠選びや種類、持ち方などを徹底解説します。密葬時の扱い方として注意すべきことも述べておりますので、参列前のご確認しておくことをおすすめします。

<この記事の要点>
密葬では数珠は必ずしも用意すべきものではない
数珠には本式数珠と略式数珠の2種類がある
焼香前は数珠の房を下にした状態で左手に持ち、焼香後は数珠を両手にかけた状態で合掌する

こんな人におすすめ

密葬に参列予定の人

数珠の使用方法や選び方の知識をつけたい人

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そもそも数珠とは?

数珠というものは長い歴史の中でどのような役割を果たしてきたのでしょうか。仏具の一種として当然のように存在するアイテムですが、その使い道を正しく知らないという方は少なくありません。

用途を理解することで、自ずと必要性も見えてきますので、そもそも数珠は何のために用意すべきなのかをこの項目でチェックします。

数珠は仏具のひとつ

たくさんの球が糸に通されて作られた数珠は、仏具の定番といえるアイテムです。その歴史は古く、日本への伝来は8世紀ごろといわれています。

数珠の原型には、人間の煩悩の数とされる108個の珠が付いていますが、使い勝手を重視して半数以下に減らしたものも存在します。

僧侶はもちろんのこと、多くの参列者も持参するマストアイテムのように見えます。しかし、数珠は必ずしも持参すべきものではありません。「これがなければ締まらない」という人もいれば、「必要性を感じない」という人もおり、持参の有無は各々に任されています

数を数えるために使われていた

数珠が誕生した当時、お経を何回唱えたのかを正確に計算するための道具として使われていました。読経を終えるごとに球をずらして計算していたため、さながら算盤のようなものだといえます。

また、人間がもっている煩悩の数を打破するために108個の球が取り付けられたともいわれています。ひとつお経を読むごとに煩悩がひとつ消え、それを繰り返すことによって徳を積むという考えをもとに作られたものだと考えると、お経を読む大切をより感じることができるようになるでしょう。

密葬の場合の数珠の必要性について

数珠は仏教において重要なものですが、密葬を選ぶ方の場合、宗教を重んじることが少ない傾向も見られます。そこで疑問になるのが、密葬でも数珠を持参する決まりはあるのかという点でしょう。特に細かい決まりはないというのが答えにはなりますが、マナー違反を犯さないか不安だという方に向けて、さらに詳しく解説を行います。

決まりはない

結論として、数珠は必ずしも用意すべきものとはいえません。特別な決まりはなく、仏教を信仰している人だとしても必須とはいえません。特に密葬の場合、仏教ではない場合もありますので、特段の配慮は無用です。

重要なのは形ではなく、故人を想う気持ちです。数珠を揃えたとしても、心が伴っていなければ故人を送ることはできないでしょう。反対に数珠が欠けていたとしても、故人の極楽浄土を真剣に願う気持ちがあれば、それが故人にとって最大の供養になります。

数珠の種類違いはマナー違反にはならない

数珠には非常に多くの種類があります。仏具店や百貨店に足を運ぶとわかりますが、細かい部分に違いのある数珠を多く見かけることになり、どれを選ぶべきか悩んでしまうこともあるでしょう。宗派に応じてタイプが異なり、数珠の多様化が進んでいます。

原則として、自分自身が信仰する宗派に合わせた数珠を用意します。故人の宗派と異なる場合でも、改めて購入し直す必要はありません。所持しているものをそのまま用いても、お葬式のマナー違反にはあたりません。

数珠選びのポイント

これから仏具店で数珠を購入しようと考えたとき、どんなポイントを意識して選ぶとよいのでしょうか。前述したように、数珠の種類は多様化しており、何も考えずに売り場に向かうと、何を選ぶべきか悩まずに時間を無駄にすることになりかねません。この項目で数珠選びのポイントをお伝えしますので、事前にチェックしましょう。

本式と略式について

まず、数珠は本式と略式の2パターンに分類されます。本式には、人間の煩悩と同じ108個の球が使われていることが特徴的です。一方略式の場合は、半数となる54個以下の数にまとめられているパターンが多く見られます。

また、四天珠と呼ばれる回数の目安となる球の数も異なります。本式が4個に対し略式は2個となり、この点をチェックすることで双方を見分けることが可能です。また、略式は珠の色に決まりがなく、カラフルなものを選べることも特徴といえます。

性別ごとの違いについて

数珠の形は性別により異なり、双方が明確に区別されています。仏教上のしきたりを厳格に守るのであれば、男女の垣根を越えて共有することはできません。夫と妻、父と娘など血縁者同士だとしても、別々に揃えることが求められます。

双方の違いはさまざまで、球の大きさや構成にいたるまで、あらゆる点が異なります。これはどの宗派においても共通する事項であり、見る人が見ればすぐにわかってしまうものであるため、購入時には誤らないよう注意が必要です。

密葬の数珠の持ち方

数珠を揃えたとしても、その使い方がわからないと悩む方もいることでしょう。正しい使い方をマスターしなければ、宝の持ち腐れともいえる状況に陥ってしまいます。

また、使い方を正しく認識しているつもりでも、いざ当日を迎えると上手に使えないというケースも少なくありません。この項目で持ち方の詳細を解説しますので、参列の前に実際に数珠を構えながら練習してみましょう。

本式数珠の持ち方

持ち方や運び方は宗派によって若干変化します。比較的スタンダードな持ち方の解説になりますが、まずは左手で親玉を上にし、二重の状態にしましょう。その状態で握り締めて使用するのが、着席時などで用いるスタイルです。

合掌の際は、両手の中指に数珠をかけた状態で行います。真言宗を例に取りますが、合掌したままで数珠を擦り合わせ、あえて音を立てて使うという形式を採用しています。音を立てるという行為は煩悩を砕くための象徴的な行動ですが、それほど大きな音を出す必要はありません。

略式数珠の持ち方

こちらの場合は、基本的に左手に持った状態で使うことになります。移動時は房を下にする配慮が必要ですが、その際も左手に持ったままで移動します。こういった事情から「片手数珠」という名称が用いられることも少なくありません。

合掌の際は、左手に数珠の輪を通した状態で行う方法と、両手に数珠をかけた状態で親指を押さえる方法があります。使用方法に明確な決まりはありませんので、各自の好みに応じて使い方を決めることが一般的です。

焼香のときの持ち方

焼香台に向かう際は、数珠の房を下にした状態として、左手に持って移動します。そのまま遺族と遺影に一礼をしたあと、焼香を行います。この際は一貫して数珠は左手に持ったままでよく、焼香そのものは右手だけでかまいません

焼香を終えたあとに、数珠を両手にかけた状態で合掌します。焼香台から離れる際は再び数珠を左手に持ち、そのまま元の位置に戻りましょう。着席のままで焼香を行う場合も、基本的な流れはほとんど変わりません。

本式数珠の種類

特に本式数珠の世界は奥深く、宗派に応じて造りが変化します。こちらも詳しい人が見るとどの宗派なのか簡単に見抜くことができますので、自分に合った本式数珠を選ぶことが大切です。この項目では、代表的な6つの宗派に分類し、それぞれで正式に用いられる数珠の特徴をお伝えします。どんな違いがあるのかチェックしましょう。

浄土宗の場合

イメージ写真の出典:遊禅スタイル

最大の特徴として挙げられるのは、知恵の輪のように組み合わさってできた金属製の輪が房に連なっていることです。数珠そのものも知恵の輪のような形であり、輪違いの状態になっていることも特徴といえるでしょう。

このようなデザインが用いられたのは、より多くの念仏をカウントできるようにするためだといわれています。球は27個や20個、または40個などの組み合わせで若干少なく感じるものの、2つを掛け合わせて使うため、実際にカウントできる実数が大幅に向上します。

浄土真宗の場合

イメージ写真の出典:お数珠ねっと

そのほかの宗派とは一線を画した設計に統一されています。特徴としては、蓮如結びという特殊な形で結び切られていることが挙げられます。この特殊なデザインの採用により、数珠の本来の目的である「数を数える」ということができません

このスタイルを採用している理由は、宗派による考え方の原則がそのほかの宗派と異なる点にあります。そもそも浄土真宗では煩悩は悪とされず、残したままでも救いを受けられるという教えが根本にあります。数珠を使用する必要性もそれほど高くはなく、独特の特徴をもった数珠だといえるでしょう。

真言宗の場合

イメージ写真の出典:数珠・念珠の専門店亀屋

真言宗では、親玉から見て7個目、さらに21個目に色と大きさが異なる「四天」という珠を入れた数珠を使用します。このような特徴をもつことから、「振分数珠」という異名が使われることが多く、ほかの宗派と区別しやすいことも特徴的です。

四天を採用した理由は、真言宗の独特な修行法にあります。真言宗では、念仏を唱える際にその回数を数えますが、四天はその数を数えやすくするための目印として使われています。また、修行の内容に応じて数珠の形が変わることも、興味深い点といえるでしょう。

天台宗の場合

イメージ写真の出典:数珠・念珠の専門店亀屋

他の宗派では丸い珠を使うことが一般的ですが、天台宗に限っては平らな珠を使います。丸玉と比べて持ちやすく、そして動かしやすいことが特徴です。

ぶら下がるような形で2つの弟子玉が付き、片方が丸玉、もう片方が平玉で作られている点にも注目です。この特殊なデザインによって、数えられるお経の数は最大で3万回にまで達するといわれています。使用している数珠のことからも、天台宗の修行の厳しさが伝わってきます。

日蓮宗の場合

イメージ写真の出典:お数珠ねっと

2個の親玉に対して房が付き、これが2本と3本に分かれていることがほかの宗派との相違点です。お経を数える役割を果たすのは3本中の1本のみであり、ここに付いている10個の弟子珠を使って計算を行う点に特色が見られます。

全部で5本の房になりますが、この形を取った理由には諸説あり、一説によると人間の五体を示したものともいわれています。また、2本の親玉は釈迦如来を、3本の親玉は多宝如来を示すものであるとの説も有力視されています。

臨済宗・曹洞宗の場合

イメージ写真の出典:臨済宗の数珠│お数珠ドットコム

この2つの宗派で用いられる数珠は、一致するポイントが非常に多いことで知られています。シンプルで無駄がなく、色付けも最小限に行われている点は特に合致するポイントです。禅宗であることからお経上げの機会そのものが少ない点も似ています。

相違点として挙げられるのは、曹洞宗の数珠にのみ金属製の輪が付帯するという点です。この2つを見分けるポイントは金属の輪の有無のみであり、ベースとなる部分はほとんど一致しています。

密葬で数珠を使用するときの注意点

葬儀のスタイルにとらわれず、数珠を使うか否かは個人の裁量に委ねられています。しかし密葬において数珠を使用する場合は、本項目でご紹介する2つのポイントに注意しなければいけません。

基本的なことを守ることでマナー違反を指摘されることも少なくなるため、参列する前にきちんと内容を確認しておき、スマートに参列しましょう。

自分のものを使用する

数珠はお守り代わりとして用いられる仏具でもあるため、原則として他人のものを使うことは避けるべきです。特に密葬においては参加者も少なく、貸し借りしている場を見られやすくなりますので、自分のものを使用するよう心がけましょう。

新調して初めて数珠を使うならば、より扱いやすく持ち運びも容易な略式数珠のご購入をおすすめします。このタイプであれば宗派を問わずに使用できますので、売り場で悩む心配もなく、品物選びでミスをするようなこともなくなるでしょう。

数珠の代用はしない

稀に、ブレスレットやパワーストーンを数珠の代用として使用する方が見受けられます。これはファッションアイテムとして使用する分にはかまいませんが、密葬などの正式な供養の場においては好ましくなく、代用は避けるべきです。

普段からこのようなアイテムを使っているのならば、数珠の扱いにも慣れていることでしょう。大事な葬儀の前に、正式な数珠を購入する方は多いです。さまざまな種類がありますので、仏具店などで自分に合うものを見つけてみるのもよいでしょう。

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まとめ

密葬時において、数珠の利用の有無は自分自身の裁量に委ねられています。仮に数珠を持っていなくてもマナー違反と見られることはありません。しかし、使用する場合は、他人のものを使ったり、アクセサリーで代用したりすることは避けましょう。

小さなお葬式では、これまでの形式にとらわれないさまざまな形式の葬儀をご提案しています。密葬もその中のひとつであり、少人数で葬儀を行いたいという場合に最適です。

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監修
小さなお葬式 コラム編集部
小さなお葬式 コラム編集部

葬儀・法要に関する専門領域の記事を、5人のチーム体制で執筆しています。
メンバーは葬儀・法要関連だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
現在 「小さなお葬式のコラム」では、合計2,000記事以上を管理しています。
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