故人のお位牌をお祀りする仏壇には、ごはんやお水をお供えしますが、正しいお供えのタイミングがわからない方も少なくありません。また、仏壇に供えたごはんを下げたときの対処方法についても疑問を持つことがあるでしょう。
実は、仏壇にごはんを供えることにはきちんとした意味があり、供え方にも決まりがあります。この記事では、仏壇にごはんをお供えするときの供え方や注意点、お供えする意味についてご紹介します。
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こんな人におすすめ
仏壇にごはんをお供えするときの供え方を知りたい方
仏壇にごはんをお供えするときの注意点を知りたい方
仏壇にごはんをお供えする意味を知りたい方
仏壇は、日本の地方にある家庭や古くからある家にとっては馴染み深いものでしょう。仏壇は仏様を祀る台のことです。お寺にあるような大きな仏壇を小型にしたものと考えられます。そのため、仏壇は「家の中にあるお寺」とも考えられています。
仏壇には、ごはんに加えてお水や花などさまざまなお供え物が必要となります。それらは「五供(ごくう)」と呼ばれ、5種類のお供え物をするのが通例です。
五供にはそれぞれに意味があり、先祖を供養する上では欠かすことのできないお供え物でもあります。五供の意味を知ることで、お供え物の扱い方も見えてくるでしょう。
仏壇に必ずあるお線香は、心や体が清められるものとして大切にされています。部屋の隅々にお線香の香りが行き渡ることから、仏様が持つ慈悲の心を表現するともいわれています。また、高く立ち上るお線香の煙が、あの世と現世をつなぐという考え方もあります。
お線香はできるだけ毎朝焚きましょう。焚くタイミングは、ごはんやお水をお供えしたあとです。
仏壇には両脇に一対の花瓶を置くのが一般的です。そこに、菊をはじめとする季節のお花を生けるとよいでしょう。また、故人が好きだったお花を飾るのもおすすめです。しかし、棘や毒がある花はタブーといわれているので、花選びには注意が必要です。
お花は、できれば頻繁に変えたいところですが、毎日新しいお花を準備するのはなかなか難しいでしょう。そんな時は、毎朝お水を変えることを心がけるようにしましょう。
仏壇に供えるろうそくは「お灯明」の役割を持ちます。お灯明とは、世の中を明るく照らしてくれる光という意味です。仏教においては、お灯明の導きによって迷いが消えるとされています。ろうそくは、水やごはんのあとにお供えします。
ただし、点けたままにしておくと火事の恐れがあるため、お祈りが終わったら消しても問題ありません。その際は口で吹き消さずに、手であおいで消すように心がけましょう。
仏壇に供えるごはんを「仏飯(ぶっぱん)」や「飲食(おんじき)」と称します。宗派や地域によっては違う呼び方をするところもあるでしょう。
ごはんを仏壇にお供えする理由は、生きている私たちが日頃の感謝を表すためだといわれています。そのため、普段食べている主食をお供えするようになりました。
仏飯に使うごはんは炊き立てのものがよいとされています。ごはんから出る湯気が仏様のご馳走となるといわれています。
お供えの中でも、水は非常に大切だといわれています。透き通った浄水は、穢れなき浄土を意味します。そのため、仏壇には絶えず水をお供えするように心がけましょう。
毎朝のお水の供えはもちろんのこと、お客様からいただいたお品を仏壇にあげるときにも水を変えるのが通例です。
仏様へごはんの湯気を届けるために、仏壇にごはんをお供えしたあとは、湯気が立たなくなるまで置いておきましょう。季節や部屋の状態にもよりますが、30分ほどで湯気は出なくなります。ごはんからの湯気がおさまったあとは仏壇から下ろしても問題ありません。
湯気が出なくなったタイミングを見計らって下ろす必要はありません。朝は何かと忙しいので自分の手があいた際にでも下ろせば大丈夫です。
お供えしたごはんを仏壇から下ろしたあとは、冷えてかたくなってしまう前に家族でいただくのが理想です。
しかし、すぐに下ろせなかったときや衛生面が気になる場合は食べるのを控えてもかまいません。ただし、衛生面が気になるからといってごはんにラップをかけるのは、湯気を仏さまに届けられないため避けましょう。
もし食べなかった時はごはんを土に還すとよいでしょう。土に還すほかには、庭に撒いて鳥や虫に食べてもらうという方法もあります。
仏壇にごはんをお供えする際には、仏壇専用の仏飯器に盛るのが一般的です。決まった盛り方はなく、いつもごはんを食べるように盛れば問題ありません。
ただし、浄土真宗ではごはんの盛り方に決まりがあります。さらに、本願寺派と大谷派によっても異なるため注意が必要です。それぞれの盛り方について紹介します。
本願寺派では、ごはんをハスの「蕾」の形に盛るのが通例です。ハスの蕾の形にするためには、仏飯器に小高くごはんを盛り、しゃもじの背を使って成形しましょう。
大谷派では仏飯器という呼び方はせず、仏器と呼ぶことが多いです。大谷派ではハスの「実」を模してごはんを盛り付けます。
筒のような形になるよう整えるために「盛糟(もっそう)」と呼ばれる器を使用します。盛糟にはさまざまなサイズがあり、仏器のサイズにあわせて選びます。
仏壇の大きさによっても変わってきますが、一般的に浄土真宗を除いた宗派では2つの仏飯器を使用します。
一方、浄土真宗の場合は3つ準備するのが主流です。また、地域やお寺のしきたりによっては、仏飯器の素材や色が定められていることもあるため、確認してから購入することが大切です。
仏壇にごはんをお供えするときはいくつかの注意点があります。注意点を押さえたうえでごはんをお供えしましょう。
仏飯器も生前愛用していたお茶碗を使いたくなる気持ちもあるでしょう。しかし、故人は現世から旅立ちあの世へ向かっているという観点から、現世で使っていた器を使うのは避けたほうがよいといわれています。
故人が生前最後に愛用していた茶碗は、故人が亡くなった直後にお供えする枕飯を盛る際に活用するのが一般的です。
仏様にお供えするごはんには、箸を立てるイメージを持っている方も少なくはありません。しかし、箸をごはんに立てるのは枕飯を供えるときだけです。仏壇にお供えするごはんには箸は必要ありません。
仏壇にはさまざまなお供え物をします。しかし、どんなものを選んでもよいわけではなく、お供え物にするには不適切なものもあります。よかれと思って選んだものがタブーに当たるケースも少なくはありません。せっかく選んだ物がマナー違反にならないよう、避けるべきものを確認しておきましょう。
殺生を連想させる生物は仏壇のお供えには向きません。たとえ、加工されたものであっても避けたほうが無難でしょう。肉や魚はにおいが強いものもあるため、お供え物には不向きです。
「仏様は、食べ物や飲み物の香りを食べる」という説があります。そのため、香りのきつい花やニンニクやスパイスが入った食品は避けたほうが無難でしょう。そのほか、線香の香りを妨げる可能性もあります。お花や食べ物を供えるときにはにおいも気にしながら選ぶのが大切です。
仏壇にお供えするものは、腐りにくく長持ちするものがよいとされています。そのため、お菓子や飲み物、乾物などを選ぶのが無難でしょう。続いては、仏壇のお供えとして適切なアイテムを紹介します。
仏壇にお供えした食べものは、一定期間置いたあと家族と分けて食べることが多いでしょう。そのため、あらかじめ個包装されているお菓子やゼリーなどがおすすめです。また、果物を供える際は、メロンやスイカのような大きいサイズのものや房で分けやすいブドウが適しています。
「故人は喉が渇く」という説があるため、飲み物はお供え物にふさわしいといえるでしょう。後から分けられるものという特徴も交えると、缶ジュースのセットがおすすめです。
仏壇に供えるものを、置物やぬいぐるみなどの残るものにすると縁起が悪いとされています。そのため、仏壇には食べ物、飲み物など、後に残らないものをお供えするようにしましょう。
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仏壇には「小さなお寺」という意味があり、仏壇からはあの世が広がっているといっても過言ではありません。そのため、お供えするごはんにも、あの世と現世をつなぐ大切な架け橋という意味があります。ごはんをお供えするときは適当に準備するのではなく、日頃の感謝を込めましょう。
また、ごはん以外のお供えにもそれぞれに理由があり、どれも欠かすことができません。無理をしてまでお供え物を準備する必要はありませんが、できる限りの日々の感謝の気持ちを込めて仏壇と向き合うことが大切です。
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