時代の流れや家族の形の変化に伴い、「お墓」の在り方や考え方も徐々に変わっています。1985年に始まったといわれている永代供養を選択する家族も年々増加する中、「自分の家の宗教・宗派は永代供養ができるのか」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
この記事では、仏教の多くの宗派の中から真言宗に注目し、永代供養について解説します。真言宗であっても永代供養は可能ですが、種類やメリット・デメリット、費用などを知り最善の場所で供養をするための参考にしてみてください。
<この記事の要点>
・永代供養は宗教・宗派を問わず選択できる
・永代供養には、遺骨を取り出すことができないというデメリットがある
・真言宗の総本山である高野山でも永代供養ができる
こんな人におすすめ
真言宗を信仰している人
永代供養を考えている人
お墓は代々継承者が守っていくものという思想が強い日本ですが、現代では核家族化や生まれ育った土地を離れて暮らす方の増加、少子化の問題から、永代供養を選択する場合も増えています。
ここでは、希望すれば宗派を問わず管理をお願いできる永代供養について種類などを解説します。
定期的なお墓参りや掃除などの管理が難しい方に変わり、寺院や霊園などが管理や供養を行うのが「永代供養」です。お墓の管理が難しい理由には遠方でなかなか訪れられない、管理者が高齢になってしまったなどが挙げられます。
永代供養をすることで、お墓が長年手入れされない、継承者がいないまま放置されるのを避けることが可能です。
核家族化や高齢化などの影響で、永代供養を選択される方は増加傾向にあります。遠方にお墓がある場合「子どもに負担をかけたくない」と、先代が墓じまいを検討することも多いようです。お墓に対する考え方が変化する中、「自分たちのお墓は永代供養で」と生前から決めている方も少なくないでしょう。
永代供養の方法は5種類あり、それぞれ費用もお墓の形も異なります。どういったものがあるのか、以下の表にまとめました。
種類 | 費用目安 | 特徴 |
個別墓 | 40万円~150万円 | 一般的なお墓と同じように専用の区画に納骨する永代供養方法。個別安置される期間が決まっており、その後は合祀される。 |
合祀墓 | 5万円~30万円 | 複数の遺骨を1ヶ所に埋葬する永代供養方法。個別の納骨スペースが必要なく管理の手間もかからない。他者の遺骨とともに納骨する。納骨した遺骨は取り出せない。 |
集合墓 | 20万円~60万円 | 礼拝の対象となるシンボルは共有するが、遺骨は区画を分けて埋葬する。希望すれば遺骨を取り出すことが可能。個別安置される期間が決まっており、その後は合祀される。 |
納骨堂 | 20万円~150万円 | 専用スペースに遺骨を納める。ロッカー型・仏壇型などがあり費用が異なる。年間管理費が必要な場合もある。 |
樹木葬 | 10万円~80万円 | シンボルとなる木や花の周囲に埋葬するスタイル。個別に遺骨を取り出すのは難しい。 |
永代供養は、宗教・宗派を問わず故人の供養を受け入れ可能です。仏教の宗派として知られる真言宗の方もさまざまな方法での永代供養を選択することができます。
ただし寺院や霊園によっては宗教・宗派を限定する場合もあるため注意が必要です。
真言宗は、仏教の代表的な宗派の1つです。平安時代に始まり、空海によって開宗された真言宗は一般に広く布教するのではなく、信者にだけ教えを広める「密教」となりました。日本では唯一、真言宗だけが実施しています。
「十住心思想(じゅうじゅうしんろん)」という思想も真言宗の特徴の1つです。これは価値観や気持ちを10段階で考えるという思想で、大日如来の域に達することを最終目標に修行をします。
<関連記事>
密教とは?概念や用語、葬儀方法を詳しく解説
真言宗の方が永代供養を希望する場合も他の宗派の方と同様に自由に永代供養の方法や場所を選ぶことが可能です。ただし宗派によって供養の方法が異なるので、真言宗の供養である「真言(マントラ)」を唱えて供養してくれる寺院や霊園を選択する必要があります。
永代供養を検討する理由はさまざまです。しかし、お墓の今後について決める前に永代供養のメリットとデメリットを理解しておきましょう。
永代供養によるメリットは多くありますが、不便な点や困ることが出てくる可能性もゼロではないため、全てを把握した上でどうするかを親族で話し合うことをおすすめします。
永代供養をするメリットは、以下の通りです。
・費用負担が少ない
・供養、管理の負担が減る
・供養のプロに任せられる
・安心感が得られる
・継承者の問題で悩む必要がない
永代供養は、従来のタイプのお墓を建てたり管理したりするよりも費用負担を軽減できることが多い傾向です。また寺院や霊園など供養のプロに任せることで、管理のために費やす時間や精神的な負担も少なくなるでしょう。お墓を守っていくための継承者の問題に悩まされることもなく、子どもや孫に負担や心配をかけずに済むのもメリットだといえます。
メリットもある一方、デメリットがあることも忘れてはいけません。以下のようなデメリットがあることも理解し、永代供養をするかどうかよく考えましょう。
・合同墓では遺骨を取り出すことができない
・弔い上げまでの供養となることが多い
・親族の説得に時間がかかる場合がある
・お墓を継承できない
・費用負担は場所や方法により大きく異なる
合祀墓など、多くの方の遺骨と一緒に埋葬する方法は「故人の遺骨を取り出したい」と思っても取り出すことができません。また、個別に遺骨を埋葬する方法でも三十三回忌を終えると合祀されることが多い傾向にあります。
永代供養は従来のお墓よりも費用が安くなる場合もあります。しかし、選択する方法や永代供養先によっては、お墓を建てるのと費用が変わらないこともあります。安価な永代供養は立地や埋葬方法、管理などに納得できない場合もあるため注意しましょう。
永代供養は宗教・宗派を問わず受け入れ可能です。ただし真言宗の方の中には「できれば真言宗に縁のある場所で永代供養したい」と考える方もいるでしょう。
真言宗の総本山である高野山にも永代供養が可能な霊園もあります。費用や供養の方法を知り、高野山での永代供養を検討してみるのもよいのではないでしょうか。
高野山は和歌山県の伊都郡にある山で、真言宗の総本山・金剛峯寺という寺院があることで知られています。金剛峯寺は真言宗の開祖である空海が唐から帰国し、816年に建立されました。
空海の修禅道場であると同時に真言宗の聖地として、現代も真言宗の方はもちろん多くの方が足を運ぶ場所となっています。
高野山金剛峯寺では、永代供養を受け入れていません。しかし、高野山には金剛峯寺以外にも100以上の寺院や霊園があります。高野山での永代供養を希望する方は永代供養をおこなっている寺院や霊園を選びましょう。
高野山での永代供養も寺院や霊園、供養の方法によって費用は大きく異なります。永代供養にかかる費用は「真言宗だから」「高野山だから」という理由で高額になることはありません。しかし、選択肢によって費用は大幅に変わることを理解しておきましょう。
「小さなお葬式」では、無料の資料をご請求いただいた方全員に「喪主が必ず読む本」をプレゼントいたします。
喪主を務めるのが初めてという方に役立つ情報が満載です。いざというときの事前準備にぜひご活用ください。
\こんな内容が丸わかり/
・病院から危篤の連絡がきたときの対応方法
・親族が亡くなったときにやるべきこと
・葬儀でのあいさつ文例など
「小さなお葬式」では、お電話・WEBから資料請求をいただくことで、葬儀を割引価格で行うことができます。お客様に、安価ながらも満足できるお葬式を心を込めてお届けいたします。
小さなお葬式は全国4,000ヶ所以上※の葬儀場と提携しており、葬儀の規模や施設の設備などお近くの地域でご希望に応じた葬儀場をお選びいただけます。(※2024年4月 自社調べ)
日本の密教として知られる真言宗も永代供養が可能です。永代供養は方法や依頼する寺院・霊園により費用が大きく異なります。メリットだけでなくデメリットも理解し、納得した上でお墓の将来について考えましょう。
永代供養についてわからないことがあっても周りに聞けないという方も多いのではないでしょうか。「小さなお葬式」では、葬儀に精通したコールスタッフが24時間365日、通話料無料でご連絡をお待ちしております。 永代供養について知りたい方や葬儀についての疑問をお持ちの方は、ぜひ小さなお葬式へご相談ください。
お亡くなり後の手続き・直近の葬儀にお悩みの方は 0120-215-618 へお電話ください。
葬儀費用は相続税から控除することが可能です。ホゥ。