年金はいつから受け取れる?もらえる金額や受給手続きの方法を解説

年金はいつから受け取れる?もらえる金額や受給手続きの方法を解説

老後の生活を財政面で支えるために年金が重要な役割を果たします。ライフプランを考えるためには、あらかじめ年金についてきちんと理解しておくことが大切です。

老後に年金を受け取れることは理解していても、具体的な受け取りタイミングや金額についてよく分からないという方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、年金を受給できるタイミングや受給するために必要な手続きの内容をご紹介します。具体的な受給金額についてもチェックしていくので、あらかじめ確認しておけば老後のライフプランを設計するのに役立つでしょう。

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年金はいつから受け取れるの?

年金と聞くと、老後に受け取る「老齢年金」をイメージする方も多いのではないでしょうか。ここでは老齢年金がいつから受給できるのかをご紹介します。年金の種類別に詳しく見ていくので、加入している年金制度に応じて参考にするのがおすすめです。

老齢基礎年金の場合

老齢基礎年金は、国民年金や厚生年金などの公的年金に加入して保険料を納付した方が受給できる年金です。2020年5月時点において、65歳からの受給を原則としています。

老齢基礎年金には繰上げ・繰下げ受給という制度があるため、あわせて覚えておくとよいでしょう。繰上げ受給を利用すると60歳~64歳11か月の間で任意のタイミングを指定して受給できます。繰上げ受給する場合は、繰上げた期間に応じて年金額が減額されるので注意が必要です。

繰下げ受給を利用した場合は、受給開始年齢を最長で70歳まで繰下げできます。繰下げ受給する場合は、繰下げた期間に応じて年金額が増額されるので覚えておきましょう。繰下げ受給の請求を行う場合は、老齢基礎年金の権利が発生したときから1年経過している必要があります。

老齢厚生年金・退職共済年金の場合

老齢厚生年金や退職共済年金の受給資格がある場合も基本的に65歳から受給可能です。一部の例外として、老齢厚生年金の受給資格がある方のうち生年月日が1961年4月1日以前の男性と1966年4月1日以前の女性は、60歳~64歳で受給できます。

退職共済年金の場合は、男女を問わず生年月日が1961年4月1日以前の方は60歳~64歳で受給可能です。基本的には65歳から受給できるものの、年齢によっては60歳~64歳でも受給できると覚えておくとよいでしょう。

共済年金は2015年10月に廃止されて厚生年金に統合されました。現役世代であれば公務員でも厚生年金に加入しているため、制度の変更がない限り受給するときは厚生年金のルールを適用します。

年金の受給金額はいくら?調べる方法は?

老後のライフプランを考えるときには、年金をいつから受給できるかだけでなくいくら受給できるかを理解することも大切です。老齢基礎年金・老齢厚生年金・退職共済年金はそれぞれ受給金額の計算方法が異なります。

これからそれぞれの年金制度における受給金額を計算する方法をご紹介するので、あらかじめ加入状況にあわせてチェックしておきましょう。より具体的な金額を知りたい場合は、ねんきんネットを利用して確認することをおすすめします。

老齢基礎年金の場合

老齢基礎年金は、なんらかの公的年金に10年以上加入していると受給できるものです。40年間加入して満額受給できる場合は、2020年時点で年額78万1,700円受け取れます。

加入期間中に未納期間がある場合は、78万1,700円×納付済み月数/480で受給額を計算しましょう。保険料の減免を受けていた期間があり、追納していない場合は78万1,700円×(全額納付済み月数+4分の3納付月数×7/8+半額納付月数×3/4+4分の1納付月数×5/8+全額免除月数×1/2)/480で計算します。

国民年金にのみ加入している方(第1号被保険者)や、会社員・公務員などの厚生年金に加入している家族に扶養されている方(第3号被保険者)が受給できるのはこの部分のみです。

老齢厚生年金の場合

厚生年金に加入していた期間がある場合、老齢基礎年金の受給資格を満たすと老齢厚生年金をあわせて受給できます。

老齢厚生年金の受給額を計算する場合は定額部分と報酬比例部分に分けなければなりません。定額部分は1,630円×定額単価×被保険者期間(月数)で算出できるため比較的簡単です。定額単価は生年月日によって異なり、1.000から1.875のいずれかが適用されます。

報酬比例部分を計算する場合は、平均標準報酬月額×係数1×2003年3月までの被保険者期間(月数)+平均標準報酬額×係数2×2003年4月以降の被保険者期間(月数)の式を利用しましょう。

係数1は1000分の9.5から1000分の7.125の間で生年月日に応じて変わります。係数2も同様に生年月日に応じて変わり、1000分の7.308から1000分の5.481の間です。定額部分と報酬比例部分をあわせた金額が受給できる老齢厚生年金の金額になります。

退職共済年金の場合

退職共済年金を受給する場合は、厚生年金相当額+職域加算額+経過的加算額+加給年金額で計算可能です。

上記のうち、職域加算額は平均標準報酬月額×1.425/1,000×2003年3月以前の加入期間(月数)+平均標準報酬額×1.096/1,000×2003年4月以降の加入期間(月数)で算出できます。経過的加算額は定額の額-老齢基礎年金額で算出しましょう。加給年金は対象になっている配偶者や18歳未満の子がいる場合に受給できるものです。

この計算式はすでに退職共済年金を受給している方に適用されるもので、これから受給資格を取得する方は年金制度の統合により老齢厚生年金のルールが適用されます。

年金の受け取り時期による受給額への影響

老齢年金は繰上げ・繰下げ受給を利用することによって一定の範囲で受給開始年齢を選択できるのが特徴です。繰上げ・繰下げ受給をする場合は期間に応じて年金額に影響するので注意しましょう。

繰上げ受給と繰下げ受給の場合で受給額にどの程度影響するのかをご紹介するので、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

繰り上げ受給の場合

年金の受給開始年齢を60歳~64歳にするのが繰上げ受給です。繰上げ受給する場合は繰上げた期間に応じて受給できる年金額が減少するので注意しましょう。

具体的には1か月繰り上げるごとに0.5%減額されます。60歳に繰上げた場合は60か月繰上げることになるため、年金額が30%減額されるでしょう。老齢基礎年金の場合は2020年時点で満額が78万1,700円になっているため、60歳に繰上げた場合は年額54万7,190円を受給できます。

長生きして受給期間が長くなるほど65歳から受給した場合に比べて合計受給額が減少するのが大きなデメリットです。76歳を超えると逆転するためよく考えてから繰上げ受給するかどうかを判断しましょう。

繰り下げ受給の場合

年金の受給開始年齢を66歳~70歳にするのが繰下げ受給です。繰下げ受給すると年金額が増えるため、老後の財政面をより安定させたい方におすすめします。

具体的な増額幅は繰下げ期間1か月につき0.7%です。70歳から受給する場合は繰下げ期間が5年(60か月)になり、受給額が42%増えます。老齢基礎年金の2020年時点での支給額で比較すると、繰下げしない場合は78万1,700円で70歳まで繰下げした場合は1,110,014円です。

70歳まで繰下げた場合は、81歳を超えると受給総額が65歳から受給した場合を上回ります。平均寿命まで生きることを前提にした場合、繰下げ受給はお得といえるでしょう。

年金受給開始の年齢が引き上げられている理由

日本の年金受給開始年齢は引き上げられる傾向にあります。以前は60歳から支給されていたことを知っている方もいるのではないでしょうか。

2020年時点では65歳から支給されるのが基本ですが、受給開始年齢を68歳に引き上げるという議論も行われています。受給開始年齢がなぜ引き上げられる傾向にあるのかをチェックしていきましょう。

年金制度が賦課方式であるため

日本の年金制度は賦課方式が採用されており、納めた保険料は現在の受給者に支払う年金の原資として用いられます。賦課方式の年金制度を持続可能なものとして維持するためには、徴収する保険料と支給する年金のバランスを取らなければなりません。

2020年時点の日本では保険料と支給する年金のバランスが変化しています。バランスを維持するためには受給開始年齢を引き上げて受給者を減らし、就労可能な高齢者には年金制度を維持する側に回ってもらわなければなりません。これらのことを総合的に判断した結果、受給開始年齢を引き上げる方向に進んでいます。

少子高齢化が進んでいるため

保険料と支給する年金額のバランスが変化している大きな理由のひとつが少子高齢化です。2010年時点では総人口に占める割合が現役世代63.8%、高齢者世代が23%でした。この割合では現役世代約2.8人が高齢者1人を支えている計算です。

このまま少子高齢化が進むと、2060年には現役世代51.6%に対して高齢者世代が38.1%になると予想されています。この状況では現役世代約1.4人が高齢者1人を支えることになるでしょう。受給開始年齢を引き上げないと年金制度が破綻する可能性があることも影響しています。

年金の受給手続きの方法

年金の受給資格を満たした場合は、受給手続きを行わなければなりません。受給手続きを行わないと年金が支給されないため、忘れずに行いましょう。

年金の受給手続きにはこれから紹介する3つのステップがあるため、いざ手続きをする段階になって迷わないようにあらかじめ確認しておくことをおすすめします。

1.年金請求書の記入をする

年金を請求するためには「年金請求書」を記入して提出しなければなりません。老齢年金の場合、年金請求書は受給開始年齢になる3か月ほど前に日本年金機構から送付されます。必要事項を記入し、後述する必要書類を添付して提出しましょう。

なんらかの理由で年金請求書が送付されてこない場合は、日本年金機構のWebサイトからダウンロード可能です。必要な場合はダウンロードした年金請求書も活用しましょう。

参考:『日本年金機構 年金請求書』

2.必要書類を準備する

年金の請求にはいくつか必要書類があります。請求時に必要になる可能性がある書類は以下のとおりなので、あらかじめ準備してから請求しましょう。

・年金請求書
・戸籍証明書(全部事項証明書または一部事項証明書)・住民票・住民票記載事項証明書のいずれか
・受取先金融機関がわかる書類(キャッシュカードのコピーなど)
・印鑑

上記の書類のうち、日本年金機構にマイナンバーが登録されている方は戸籍証明書や住民票などの生年月日を確認できる書類が不要です。登録状況が不明な場合はねんきんネットで確認しましょう。

状況によってほかの書類が必要にあることもあるため、事前に年金事務所に問い合わせることをおすすめします。

3.書類の提出をする

すべての書類が揃ったら、年金の請求を受け付けている窓口に提出しましょう。書類の提出先は、加入期間すべてが第1号被保険者の場合は区市町村の国民年金担当窓口です。

第2号・第3号被保険者であった期間がある場合は年金事務所に提出します。郵送するときに提出先を勘違いしたり、住所を間違えたりしないように注意しましょう。郵便事故に備えるために特定記録郵便などの配送記録を確認できる手段で郵送することをおすすめします。

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まとめ

老齢年金は老後のライフプランにおいて重要な役割を果たすものです。基本は65歳から受給できますが、60歳に繰上げたり70歳まで繰下げたりできます。

老後に安定した生活を送るためには、受給額を計算しつつ適切なタイミングで受給することが大切です。時期を考えつつ受給手続きを行うことが大切になるでしょう。

老後について考えるときには、年金についてもきちんと確認しておくことが必要です。自分の加入状況をきちんと把握し、最適なライフプランを設計しましょう。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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よくある質問

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  • 年金はいつから受け取れるの?

  • 年金の受給金額を調べる方法は?

  • 繰上げ・繰下げ受給をする場合の注意点は?

  • 年金の受給手続きの方法は?

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