老後に向けて資産形成をする目的として、個人年金保険に加入しておくと安心だと考えている方もいるのではないでしょうか。人生設計を立て、個人年金保険を老後の生活費に充てようと考えている場合、個人年金保険に加入することが必ずしも正しい判断とは限りません。
個人年金保険は加入する年齢が早いほど保険料が安くなる傾向にありますが、長期的に支払うことを考慮すると個人年金保険は高額な商品です。老後の資産を増やしたいと思っている人は、個人年金保険以外につみたてNISAやiDeCoなどの方法もあるため、照らし合わせて検討することが大切です。
そこでこの記事では、個人年金保険の種類や老後の貯蓄方法などについて解説します。個人年金保険に加入するべきか判断する際の参考にしてください。
<この記事の要点>
・個人年金保険をおすすめしない理由として、保険会社が破綻する可能性が挙げられる
・個人年金保険に加入する長期的なリスクの1つとして、インフレがある
・年金以外の収入や貯蓄がある人は個人年金保険に向いていない
こんな人におすすめ
個人年金保険について知りたい方
個人年金保険のリスクを知りたい方
今から始められる老後の貯蓄方法を知りたい方
個人年金保険は、民間の保険会社の商品の1つです。そのため、加入するかどうかは個人の判断で決めることができます。保険料を納めることで、契約時に指定した時期から保険金を受け取れる仕組みです。
個人年金保険に加入する目的は、老後に足りない資金を補充することや公的年金を受け取るまでの期間に充てることなどが多いでしょう。
個人年金保険は加入する種類によって、納める保険料やもらえる金額が異なります。大きく分けると3種類の個人年金保険があるため、どのような違いがあるのか詳しく見ていきましょう。
確定年金は保険に加入するときに受取期間や金額を定めるため、加入者の生死にかかわらず保険金を受け取ることができます。もし保険の加入者が死亡したとしても遺族が残りの金額を受け取ることができ、元本割れするリスクを避けられます。
受け取れる金額が決まっていることから、将来の資産計画を立てやすい点がポイントです。
有期年金とは、保険の加入者が生存している場合に限り、定めた期間中に保険金が支給される年金です。
年金支給直後に亡くなってしまうと支給が終了してしまうため、確定年金の方がよいと思う方もいるでしょう。しかし保険料を比較すると、有期年金の方が確定年金よりも安い傾向にあります。
終身年金は、加入者が亡くなるまで一生涯保険金が支払われる年金です。保険料が割高になる傾向がありますが、長生きリスクへの備えとしてはおすすめです。
しかし、寿命は予想できるものではなく、早期の段階で亡くなると、元本割れしてしまう可能性もあります。あくまで長生きした場合に備えた年金保険と言えるでしょう。
「老後の不安に関する意識調査」によると、個人年金保険が注目されるようになった理由は、健康、資産、介護の順で不安を感じている人が多いことが挙げられます。
超高齢化社会や老後2000万円に焦点をあてて、詳しく見ていきましょう。
参考:セコム株式会社 「老後の不安に関する意識調査」
個人年金保険が注目されるようになった理由の1つとして、医療が発達したことにより超高齢化社会となり、生きるための資産がこれまで以上に必要になってきたことが挙げられます。
高度経済成長により情報社会となり、地域社会が失われている現状があります。家族構成も単身者が増加傾向にあり、老々介護が進んでいます。自分が介護を依頼することになった場合も資金が必要不可欠です。
資産を増やすためには健康が欠かせないため、心身ともに健康に過ごすためにも日常生活から改善していかなくてはなりません。日本は長寿大国であり、令和元年簡易生命表によると男性の平均寿命は81.41歳、女性の平均寿命は87.45歳です。今後も平均寿命が延び続けると予想されるため、自分の老後に必要となる生活費を知っておかないと貧困に陥る可能性があります。
老後の生活をより豊かに過ごすためにも早い年齢から計画を立てると無理なく貯蓄をスタートできるため、老後2000万円問題を軸に必要な資金を貯めていきましょう。
参考:令和元年簡易生命表の概況 – ホーム|厚生労働省
老後2000万円問題は、2019年に金融庁が公表し話題となりました。具体的な内容は、男性が65歳、女性が60歳の時点で無職であり、30年間健在の場合にかかると想定される費用が約2000万円というものです。
定年まで働いてきた人の収入源が年金に移行すると、日常生活を送る上で毎月5万円ほど不足する状況となります。よって、30年間毎月5万円分の不足の計算をすると、1800万円となり、約2000万円足りないという問題が発生します。
個人年金保険で公的年金の不足分を補おうとする人もいますが、個人年金保険は万能ではありません。個人年金保険がおすすめしないと言われる理由を知り、自分に必要かどうかを検討しましょう。
個人年金保険がおすすめしないと言われる理由の1つとして、個人年金保険に加入しても老後が安泰に生活できるという保障がないことが挙げられます。
保険金を受け取る前に契約者が亡くなってしまった場合、基本的には支払い済の額を死亡保険金として受け取れます。しかし、個人年金保険を利用していたことを遺族が知らないと保険金を受け取る手続きで手間がかかるため注意が必要です。
個人年金保険は、長期にわたり保険料を納める必要があるため、個人年金保険を受け取るまでのリスクを伴います。どのようなリスクがあるのかを見ていきましょう。
個人年金保険は、加入する年齢によっても異なりますが、若い年齢から個人年金保険に加入すると保険料控除によって所得税や住民税の節税効果があります。しかし、その分長い間保険料を納めることになるため、日常生活に支障が出ない無理のない範囲で継続しなくてはいけません。30代と40代を比較しても40代の方が個人年金保険に加入する割合が増加傾向にあり、世帯の平均支払い額は月額16,710円です。
生活の中で突然の出費に見舞われることもあり、個人年金保険の支払いよりも優先するべき事項が出てくるかもしれません。そのような事態に陥ったとき、個人年金保険の保険料に対応できずに解約すると、元本割れしてしまう可能性があります。元本割れの可能性を考えると個人で貯蓄した方が自由にお金を使うことができ、納めた金額を下回ることもないため安心できます。
個人年金保険は老後まで長期にわたり継続して加入する保険のため、保険会社の選択も大切です。民間運営のため破綻する可能性もあり、保険金を確実に受け取れるものではないことも知っておきましょう。
参考:個人年金保険料の平均 | 個人年金保険の選び方 | 保険の比較、相談、見直し
保険会社は民間の会社のため、破綻する可能性があります。破綻したら全てがゼロになると思っている人も多いのではないでしょうか。個人年金保険に加入している保険会社が破綻したとしても、合併などして再び設立されます。ただし、加入していた内容が全て補償される訳ではありません。
個人年金保険は、民間の保険会社の経営状態だけでなくインフレのリスクにも左右されるため、常に情勢と隣り合わせの保険でもあります。
若い年齢の人が個人年金保険に加入する長期的なリスクの1つとして、インフレがあります。インフレとは、物価が上昇することです。たとえば、現在100円で購入できていたものがインフレ後に200円持ってないと購入できなくなってしまうとします。100円の価値がインフレ後は2分の1になってしまいます。
物価と個人年金保険の関係性は一見ないように思われますが、将来受け取る年金額がインフレによって変わってくるリスクがあります。このリスクも、個人年金保険をおすすめしない理由の1つです。
個人年金保険が本当に必要かどうかは人によって異なります。どのような人が向いているのかを見ていきましょう。
・老後の資金を貯金したいが、お金があると浪費してしまう人
・投資に関する知識が乏しく、投資に挑戦する勇気がない人
上記の内容に当てはまる人は向いていると言えますが、すぐに個人年金保険に加入しようとせず、向いていない人の条件に当てはまらないかしっかりと確かめましょう。
・個人年金保険に加入しなくても老後生活をしていける人
・年金以外の収入がある人や貯蓄がある人
個人年金保険に向いている人、向いていない人のどちらにも当てはまった人は加入しなくても老後に生活していくことは可能なため、個人年金保険以外の方法でさらに貯蓄を増やせるように取り組むことをおすすめします。
今すぐに始められる貯蓄術を学ぶことで、個人年金保険に加入しなくても老後に向けて資産計画を立てることができます。
現在の収入から貯蓄をするには、生活を切り詰めなくてはならず、精神的にも厳しい状況に追い詰められる可能性もあります。無理なく貯蓄するためには収入を増やすということも視野に入れましょう。
収入を増やす方法にはどのような取り組み方があるのかを見ていきましょう。
再雇用制度は、退職した後に新たに労働契約を結ぶことです。老後に働き続けようと考えていても、現在自分の就業している会社が退職後も働き続ける環境に対応していない可能性があります。老後に安定して働き続けるためには、早いうちから定年退職した後のことを考えなくてはいけません。
また、働き方や時間も現役のときとは異なるため、前もって計画しておくことをおすすめします。
つみたてNISAとは、資金を運用する方法の1つです。少額から積み立てて運用し、利益を得ることができます。また、利益を非課税で受け取ることができますが、期間が定められており最長20年間という点に注意が必要です。投資信託を選択し、一定の金額を設定することで自動的に買い付けをおこなってくれるため、初心者に向いています。
個人年金保険と異なる点は、つみたてNISAの方がプラスやマイナスの振れ幅が大きくなる点です。個人年金保険よりも大きい利益を出したい人や、マイナスになったとしても大きな問題はないという人はつみたてNISAが向いています。
iDeCoとは、個人型確定拠出型年金と呼ばれており、公的年金に追加して受け取れる私的年金のことです。加入する際に要件があり、誰でも加入できるわけではありません。自営業や会社員によっても異なり、拠出限度額にも違いがあるため、加入を検討している人はiDeCoを扱っている金融機関に相談することをおすすめします。
個人年金保険との大きな違いとしては、原則途中解約することが出来ず、60歳までという加入期間が決まっていることです。iDeCoの方が節税効果は高く、運用しているときに得た利益は非課税になるため、金銭的にゆとりがある人に向いています。
どの運用に取り組む場合も目標金額を設定しないとモチベーションが上がりにくいため、運用前に具体的な貯蓄金額を設定することが大切です。
貯蓄をする上で決めるべきことは、目標金額を具体的に設定することです。
まずは、日頃何にお金を使っているかを書き出してみましょう。余分な出費はしていないか、節約できるところはないかなど、お金の使い方を見直すことで小さな積み重ねとなり貯蓄を増やすことに期待できます。
次に何歳までにいくら貯めるかを決めましょう。たとえば、現在40歳として60歳までと決める場合は20年間で計画をします。2000万円貯蓄したい場合は、1年で100万円、1ヶ月で10万円近く貯蓄することで達成可能となるため、年単位から月単位に落とし込むことが重要です。
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個人年金保険はおすすめしないと言われる理由を解説しました。個人年金保険以外にも収入を増やしたり、現状を見直したりすることで貯蓄する方法はあるため、自分に合った方法を見つけることが大切です。
超高齢化社会になり、寿命が延び、生活していくためにはお金が欠かせません。個人年金保険や運用に取り組む場合には、お金が急遽必要になったとしてもすぐに手元に準備できる訳ではないことを理解しておきましょう。その上で本当に個人年金保険が必要かどうかを検討することをおすすめします。
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