葬儀やお通夜の際に、会場の正面にお供えしてある故人の顔写真のことを「遺影写真」と呼びます。この遺影写真に黒いリボンが巻き付けられているのを目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。
しかし、その黒いリボンの役割や外すタイミングを詳しく知る方は多くありません。遺影のリボンの役割や外すタイミングを知っていれば、遺影のリボンをスムーズに交換できたり、遺影本体から外すときにスムーズに行えるでしょう。
この記事では、遺影写真やリボンについて解説します。現在、遺影のリボンについて疑問がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
<この記事の要点>
・遺影写真は故人の生前の姿を収めた写真のことで、自然な表情で鮮明に写っているものを選ぶ
・遺影のリボンは、明治時代に戦死者の葬儀で故人の遺影にリボンをかけたことから慣習となった
・リボンを外す時期に決まりはないが、喪に服す期間が終了する四十九日法要後に外すのがよい
こんな人におすすめ
遺影写真とは・適した写真の選び方を知りたい方
遺影写真の黒いリボンについて知りたい方
遺影のリボンを外すタイミングを知りたい方
葬儀に使用する遺影は、服装や表情にきまりはありません。そのため、どの写真から故人の姿を切り抜いても問題ないでしょう。
とはいえ、厳粛な場の雰囲気にふさわしい姿というのもまた存在します。あまりにも雰囲気から外れていると違和感が生じてしまう可能性があります。
ここからは、遺影に適した写真の選び方を解説します。
遺影写真は、故人の特色が反映されている自然な写真を選ぶことをおすすめします。例を挙げると、よく笑う人であれば「笑顔の写真」、頼もしい人であれば「力強そうな写真」を選ぶと故人がどういった人であったかが分かりやすいでしょう。
表情豊かな写真を探すときは、リラックスしている場面での写真を探すことがおすすめです。人間はリラックスしているときには表情の変化が顕著に表れます。
また、体全体の写真で故人の特徴を伝えたい場合は、スポーツや趣味などをしているときの写真を選ぶとよいでしょう。遺影となる写真の候補が複数枚あって悩む際は、これからずっと飾っておくことを考えて、家族間で納得のいくものを相談することをおすすめします。
遺影を選ぶ際の重要なポイントの1つに「鮮明さ」というものがあります。ここでいう「鮮明さ」とは、下記の内容を指します。
・ピントがずれていなく、はっきりと写っている
・故人の目線がカメラの方に向いている
・写真の解像度が高い
ピントが合っていない状態でシャッターを切った写真は、遺影としてプリントするとぼやけた印象になる遺影となってしまいます。ひどいものだと、故人の顔がわからない状態になってしまうこともあるので注意しましょう。
また、もし遺影のために写真撮影をする機会があるならば、被写体となる方はできるだけカメラ目線を保つことをおすすめします。目線が逸れてしまうと、遺影として祭壇等に飾ったときに違和感が生じる原因になります。
遺影として飾ったときに参列者と故人の目線を合わせられるように、目線がカメラに向くようにしましょう。
加えて、写真の解像度の高さにも細心の注意を払いましょう。解像度があまりにも低いと、遺影用に故人の姿を拡大したときに画質が粗くなります。場合によっては遺影に写っている方がどなたなのかわからないという状況に陥ってしまう可能性があるため注意が必要です。
遺影に使用する写真は、できるだけ現在に近いものを選ぶようにしましょう。遺影に写っている故人と、棺桶に眠っている故人の容姿があまりにもかけ離れてしまうと、違和感を感じる方がいるかもしれません。
しかし、事故や病気などで亡くなった方はその限りではありません。故人が亡くなる直近の姿が入院中の弱々しい様子であるならば、それ以前の元気でいた頃の写真を使っても構いません。
とはいえ、享年と遺影に写っている写真の年齢があからさまに離れていると不自然であるため、できるだけ最近の写真を使用するようにしましょう。
遺影を作成してくれる業者に写真を渡しても、すぐに遺影が完成するわけではありません。遺影の作成には、早くても数時間はかかります。したがって、お通夜の開始日と時間がわかっている場合は、逆算して行動し始めるとよいでしょう。
遺影にする写真の候補が数多くある場合は、特に注意が必要です。作成するための時間の他にも、候補の中から実際に遺影にする写真を選ぶ必要があります。
遺影は故人にとって一生に一度のものなので、適当に選ぶわけにはいかないでしょう。遺影にする写真の候補がたくさんあるのであれば、その中から写真を吟味する時間を加味して行動することをおすすめします。
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小さなお葬式で葬儀場をさがす
遺影を作成するときには、「遺影のサイズはどのくらいがベストなのか」という疑問を持つこともあるでしょう。
結論としては、遺影のサイズには決まった大きさはありません。作成を依頼する方が自由に設定することが可能です。とはいえ、利便性に欠ける遺影のサイズはおすすめできません。
祭壇に飾る遺影は、祭壇から遠く離れた席であればあるほど見えづらくなってしまいます。そのため、少し大きめに設計しておいた方がよいでしょう。目安としては、四つ切りサイズの254ミリメートル×305ミリメートルのものが一般的です。
一方で、仏壇に飾る遺影のサイズはキャビネサイズと呼ばれる130ミリメートル×180ミリメートルのもの、あるいはL版と呼ばれる89ミリメートル×127ミリメートルのものが頻繁に用いられています。
上記のサイズはあくまでも目安であるため、通常よりも大きな会場であるならばさらに大きなサイズを用意したり、コンパクトにまとめたい方はさらに小さなサイズにしたりしましょう。
遺影を撮影してくれる業者に依頼するときにかかるコストは、約1万円~3万円が目安です。ただし、この値段はあくまでも撮影のみにかかるコストなので、リボンといった装飾を付ける場合は別途装飾代として数千円かかる可能性があります。
なお、遺影にしたい写真がすでに手元にある場合はプリントショップで加工処理してもらうだけなので、コストは6,000円前後に抑えられるでしょう。
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遺影にリボンが付いている理由は、明治時代からの名残です。明治時代に起きた日清・日露戦争では、男性は徴兵令を受けて戦場へと赴かなければいけませんでした。徴兵令を受けた男性は、出征する前に写真を撮影し、遺影写真として家族の元へと残していくのが一般的とされていたようです。
戦争で亡くなった男性の葬式を行う際に、生き残った男性が付けていたリボンを故人の遺影にかけることで故人との別れとしていました。
上記のような風習が代々受け継がれて形を変えていき、現代のような慣習へと変化したそうです。
「遺影にかかっているリボンはいつ外せばよいのか」また「リボンは外してしまっても大丈夫なのか」と疑問を抱えている方もいるでしょう。
結論から述べると、遺影にかかっているリボンを取り外すときの明確なルールは存在しません。そのため、葬儀が終了したタイミングで外しても構いません。
また、四十九日を終えると喪に服す期間が終了するため、リボンを外す最適なタイミングだといえるでしょう。
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リボンの付け方には、明確なルールが存在するわけではありません。リボンがかかっている遺影は、リボンが左右対称になっているものをイメージすることが多いと思いますが、実際には左右非対称でも構いません。よく見かけるリボンのかけ方の例として、次のようなものが挙げられます。
・中央に花があるかけ方 |
遺影の中央上部に花があり、そこから左右斜め下にリボンが伸びているかけ方です。多くの方がイメージする遺影の形は、これに該当するでしょう。 |
・左右どちらかの上方に花があるかけ方 |
右上方あるいは左上方に花があり、その角を巻くようにリボンがかかっているかけ方です。見えているリボンの部分が少ないため、比較的砕けた印象を与えられます。 |
遺影のリボンに関しては詳しく知る機会もないため、その分疑問もたくさん生じるでしょう。ここからはリボンに関する疑問について解説します。
リボンは遺影にかかっているため、そのまま捨ててしまうとバチが当たるのではないかと不安を抱えている方もいるでしょう。
しかし、リボンには宗教的な意味は込められておらず、処分の仕方に特にきまりはないので、自身で処理しても構いません。
ゴミの分類としては燃えるゴミに該当する場合が多いですが、ごく稀に特殊な素材を使っているリボンもあるため、その際は適切な処理を行いましょう。
リボンの起源は喪章であるため「リボンは黒色」がふさわしいという考え方が一般化されてきました。しかし、上記の風習は一昔前のものにあたるため、現代においてはそこまで気にする必要はないでしょう。実際に、故人が好んでいた色を使用する家庭も増えてきています。
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葬儀の場で遺影にリボンがかかっているのを目にする方も多いのではないでしょうか。遺影のリボンには明治時代からの歴史があり、元々は戦場で亡くなった方の遺影に、生き残った方々が喪章をかけていたことが始まりとされています。
遺影のリボンは、遺影にずっとかけておくわけではなく、四十九日が終わる頃には取り外すことが一般的です。色に関しても黒が一般的だと思われていますが、実際は故人の好きな色のリボンを用いても構いません。
遺影のリボンなど葬儀にまつわる疑問は、小さなお葬式にご相談ください。専門の知識を持ったスタッフがお客様に寄り添いアドバイスいたします。
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