浄土真宗の葬儀には、教えに基づいたさまざまな特徴があります。葬儀の内容や流れを知っていれば、葬儀に参列する際にも安心です。
この記事では、浄土真宗の歴史や教え、葬儀の特徴や流れ、焼香の作法について詳しく解説します。
<この記事の要点>
・浄土真宗の葬儀では、供養のための読経は行わないのが基本
・浄土真宗の葬儀は故人の成仏のためではなく、阿弥陀如来に感謝を捧げる勤行として行われる
・浄土真宗の焼香の回数は本願寺派は1回、真宗大谷派は2回するのがマナー
こんな人におすすめ
浄土真宗の葬儀について知りたい人
浄土真宗の葬儀に参列する可能性がある人
浄土真宗の焼香作法を知りたい人
浄土真宗は日本の伝統仏教の中では、最も信者数の多い宗派です。代表的な2つの宗派に分かれており、それには歴史的経緯が関係しています。浄土真宗本願寺派と真宗大谷派を紹介し、歴史について解説します。
浄土真宗には2つの主な宗派があります。1つは龍谷山本願寺(西本願寺)を本山とする浄土真宗本願寺派で、もう1つは東本願寺を本山とする真宗大谷派です。もともと本願寺は1つのお寺であり、浄土真宗は両派に分かれてはいませんでした。
浄土真宗は、浄土宗の教えを発展させて、鎌倉時代に親鸞が開きました。室町時代になると民衆の間に広まっていきます。
16世紀末になると、織田信長との争いが起こり、石山本願寺は意見が2派に分かれてしまいます。その後、徳川家康の時代に浄土真宗の継承問題により、対立が深まり、本願寺は西本願寺(龍谷山本願寺)と東本願寺に分裂しました。
浄土真宗の葬儀について理解するためには、どのような教えがあるのかを把握しておかなければなりません。教えの根幹となる他力本願と念仏、往生即成仏について解説します。
浄土宗では「南無阿弥陀仏」という念仏を唱えることによって、誰でも極楽浄土に往生できると説いていますが、浄土真宗では阿弥陀如来の救いに委ねれば往生できるという「他力本願」の考えを説いています。念仏を唱えるのは往生するためではなく、阿弥陀如来に感謝するためです。
亡くなった人は、阿弥陀如来の救いによってすぐに成仏して、極楽浄土に往生するという考え方が「往生即成仏」です。
亡くなったらすぐに往生すると考えられているため、浄土真宗では、魂の拠り所となる位牌を必要としません。
浄土真宗の教えを基礎としているため、他宗派とは異なった葬儀の特徴があります。故人の冥福を祈らない、阿弥陀如来に感謝を捧げる勤行、御文章(御文)を読むという3点について解説します。
浄土真宗の教えによると、阿弥陀如来の救いに委ねれば、亡くなったらすぐに成仏して極楽浄土に往生できます。そのため、供養のために読経を行うことは基本的にはありません。
葬儀において、死者の成仏を願う「引導」や、極楽浄土に行けるように仏弟子としての戒を授ける「授戒」などの儀式も行われないのが特徴です。
葬儀は故人への供養ではなく、阿弥陀如来に感謝を捧げる勤行として行われます。つまり、故人の成仏を目指して行われる儀式はなく、死装束なども必要ありません。葬儀の流れも、阿弥陀如来に感謝を捧げることに沿って組み立てられています。
浄土真宗の葬儀において読まれるお経に、蓮如によって書かれた手紙「御文章(ごぶんしょう)」があります。蓮如は、本願寺を再興した「中興の祖」と言われる僧侶であり、浄土真宗の教義を手紙形式でわかりやすく表現しました。浄土真宗本願寺派では「御文章」といい、真宗大谷派では「御文(おふみ)」といいます。
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浄土真宗の特徴の1つは、往生即成仏の考え方により、他の宗派とは異なった葬儀の形式があることです。浄土真宗本願寺派と真宗大谷派それぞれについて、葬儀の流れを解説します。
・開式
・三奉請(さんぶしょう) 阿弥陀如来などの仏様をお招きします。
・表白(ひょうびゃく) 葬儀の趣旨を述べます。
・正信偈(しょうしんげ) 親鸞の著した「教行信証」の偈文を読経します。
・焼香
・和讃(わさん)仏様の教えを賛美して見送ります。
・回向(えこう)読経の功徳をすべての人に回し向けます。
・閉式
・喪主の挨拶
・出棺
斎場で行われる葬儀の形式は「葬儀式第二」です。「総礼(そうらい)」という参列者全員で念仏を唱えることから始まり、読経、正信偈、焼香などが続き、出棺となります。
自宅で葬儀が執り行われる場合には、「葬儀式第一」となり、まずは葬儀式第一・棺前勤行として念仏などが行われます。次に、葬儀式第一・葬場勤行として、鈴を鳴らす「三匝鈴(さんそうりん・さそうれい)」や焼香などが行われるという流れです。
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浄土真宗の焼香の作法は、他の宗派と異なる部分があるので注意が必要です。あらかじめ知識を身に付けておけば、葬儀に参列する際にも安心でしょう。
浄土真宗の葬儀における焼香の流れを紹介します。
・香炉の手前で一礼をして、香炉の前まで進む。
・右手でお香をつまんで、そのまま香炉にくべる。この際、額に押しいただくことはしません。
・合掌して念仏を「南無阿弥陀仏」と唱える。
・香炉から少し下がって一礼する。
焼香の流れについては、浄土真宗本願寺派も真宗大谷派も同様です。ただし、焼香の回数が異なりますので注意しましょう。浄土真宗本願寺派は1回、真宗大谷派は2回香炉にくべるのが作法です。
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浄土真宗の葬儀は、他力本願や往生即成仏などの教えに基づいて執り行われるため、故人の冥福を祈らない、故人への供養ではなく阿弥陀如来に感謝を捧げる勤行として行われるなどの特徴があります。焼香の作法についても、額に押しいただかないなどのポイントがありますので押さえておきましょう。
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