亡くなった方を棺に納めることを「納棺の儀」といいます。納棺の儀とは、故人と遺族とのお別れの瞬間をつなぐ大切な役割のある儀式です。この重要な儀式を執り行うのが「納棺師」です。
今回は、納棺師の仕事内容や、納棺の儀を執り行う方法を紹介します。納棺師に依頼する場合の費用の目安や、依頼が適しているケースについてもあわせて解説します。
<この記事の要点>
・納棺師の主な仕事内容は、故人の体をきれいにする「湯灌」である
・湯灌には2種類あり、費用は3万円~10万円程度が相場
・納棺の儀を行いたい場合、葬儀社から納棺師を紹介してもらう方法がある
こんな人におすすめ
納棺師の仕事内容が気になる方
納棺の儀の方法について知りたい方
納棺師に依頼する場合の費用の目安を知りたい方
納棺師という言葉は聞いたことがあるものの、「具体的にどのような仕事をする人なのかイメージがわかない」という方も多いのではないでしょうか。ここではまず、納棺師の役割や、どのような人が納棺師になるのかといった基礎知識について紹介します。
納棺師とは、故人を棺に納める人のことをいいます。棺に納める前に、遺体を入浴によってお清めして化粧を施すなど身繕いをします。遺体の状態を整えることで、遺族が故人と穏やかな別れのときを迎えられるようにするのが、納棺師の主な役割です。
また、納棺師には特別な資格や学歴は必要とされておらず、葬儀社のスタッフが納棺の儀を執り行うことも少なくありません。ただし、その場の状況に合わせた処置を求められるケースも多いため、専門学校に入学したり納棺の専門業者に入社したりしながら専門性を高めている人もいます。
納棺師は、遺族が故人と過ごす最後の時間を安らかなものにできるよう、その気持ちに寄り添いながら故人の身支度を整えることが最大の役目です。そのため、納棺師になる人には以下のような性質や特徴があります。
・思いやりの気持ちが大きい
・どのような状況でも冷静に判断できる
・故人を移動させるための体力がある
・手先が器用で繊細な作業が得意
納棺師は、納棺の儀に際して具体的にどのようなことを執り行うのでしょうか。納棺の儀には厳密なルールはありませんが、執り行う内容は決まっている場合がほとんどです。ここでは納棺師の仕事内容を詳しく紹介します。
納棺師の主な業務内容は「湯灌(ゆかん)」です。湯灌では、亡くなった方を棺に納める前に、体をきれいにします。入浴させたり、アルコールを含ませた脱脂綿で体を拭いたりと、その方法はさまざまです。
湯灌には、体をきれいにして衛生状態を保つだけでなく、「痛みや悲しみを洗い流し、安らかに旅立てるようにする」というお清めの意味も込められています。
身繕いは、死後硬直している故人の表情を生前の状態に近付けるための作業です。頬に綿を詰めたり、化粧を施して血色を整えたりします。
また、遺体の腐敗を防ぐのも重要な仕事のひとつです。時間の経過とともに腐敗が進むため、衣装にドライアイスを仕込んだり体内に防腐液を注入したりして、できるだけ変化が少なく済むように処置します。
納棺は遺体を棺に納める作業です。遺体を傷つけることがないよう、2人以上で慎重に執り行います。また、納棺時には遺族が手を添えるケースも少なくありません。
遺体が納棺された後は、胸元で手を組ませたり布団をかけたりして、状態を整えます。最後に、故人が生前に愛用していたものや思い出の品などを遺族が棺に納め、ふたを閉めたら納棺の儀は完了です。
<関連記事>
納棺とは?流れや時間・棺に入れていいものなどを詳しく解説
小さなお葬式で葬儀場をさがす
納棺の主な部分を閉める「湯灌」には、「古式湯灌」と「普通湯灌」の2種類があります。湯灌の種類によって費用が異なるため注意しましょう。ここでは、湯灌の種類と内容、費用の目安について詳しく解説します。
古式湯灌とは、遺体を入浴させずに、濡れたタオルで体を拭いてお清めをする方法です。古式湯灌は簡易的な方法であるため、葬儀プランの内容として事前に含まれているケースもあります。
ただし、葬儀社によってはオプションでの選択になっていることもあり、その場合は古式湯灌の費用として3万~5万円程度かかります。
普通湯灌とは、専用の浴槽やシャワーを用いて遺体をきれいに洗い流す方法です。費用目安は10万円程度といわれています。
古式湯灌と比較すると、特別な工程が増えるのが特徴です。爪切りや顔剃りを施すなど、葬儀社によっては「オプションプラン」として内容を選択できるようになっている場合もあります。
<関連記事>
納棺の費用相場は?意味や行う理由・流れについて解説
故人が安らかに旅立てるように、「納棺の儀を丁寧に執り行いたい」「納棺師に納棺をお願いしたい」と思う方もいるでしょう。納棺の儀を執り行う方法は、大きく分けて3つあります。依頼方法やメリットを確認しながら、希望に合う方法を選択しましょう。
納棺師が葬儀社を運営していることがあります。そのような葬儀社では、納棺の儀を丁寧に執り行うケースがほとんどです。納棺の儀をメインにしたい場合や、納棺師への依頼と葬儀の進行を一括で任せたいときはこの方法が適しています。
葬儀社を通して、納棺師を紹介してもらうのも1つの方法です。納棺師と提携したり葬儀社で雇ったりすることで、遺族の希望に沿えるように準備を整えている葬儀社は多数あります。
自分で納棺師を探すことに難しさを感じる方や、葬儀社が知っている納棺師のほうが安心できる場合は、一度葬儀社に相談しましょう。
一般的な納棺の儀であれば、葬儀社のプラン内容に組み込まれているケースがほとんどです。通常、納棺師ではなく葬儀社のスタッフが担当することになりますが、一連の研修を受けているため大きな心配はありません。また、納棺の経験が豊富なスタッフが在籍していることもあります。
追加費用がかからないというメリットもあるため、どうしても納棺師に執り行ってほしいという希望がなければ葬儀社にお任せするのが得策でしょう。
小さなお葬式で葬儀場をさがす
納棺の儀は、葬儀社のスタッフが執り行うことも珍しくありません。では、納棺師に依頼するのは、具体的にどういった場合なのでしょうか。ここでは、納棺師に依頼したほうがよいケースを紹介します。
湯灌は、故人の体を清める儀式です。納棺師に依頼することで、より丁寧にお清めをしてもらえます。以下に当てはまる際は、納棺師に依頼するとよいでしょう。
・故人がこれまで長い闘病生活を送っていて、入浴できる機会が少なかった
・生前入浴を好み、温泉に行くのが趣味だった
・故人がきれい好きで、汚れることを嫌う性格だった など
納棺師による繊細な施しが、遺族の精神ケアに適しているケースもあります。遺族が精神的な不安を感じやすい状況の一例は、以下の通りです。
・故人が事故に遭い損傷が激しい
・長年会えない状況の中で故人が亡くなってしまった
・故人が自死してしまった など
上記のようなケースでは、できるだけ生前の故人の姿に寄せることで、遺族の精神的負担を軽減できる可能性があります。
「小さなお葬式」では、無料の資料をご請求いただいた方全員に「喪主が必ず読む本」をプレゼントいたします。
喪主を務めるのが初めてという方に役立つ情報が満載です。いざというときの事前準備にぜひご活用ください。
\こんな内容が丸わかり/
・病院から危篤の連絡がきたときの対応方法
・親族が亡くなったときにやるべきこと
・葬儀でのあいさつ文例など
「小さなお葬式」では、お電話・WEBから資料請求をいただくことで、葬儀を割引価格で行うことができます。お客様に、安価ながらも満足できるお葬式を心を込めてお届けいたします。
小さなお葬式は全国4,000ヶ所以上※の葬儀場と提携しており、葬儀の規模や施設の設備などお近くの地域でご希望に応じた葬儀場をお選びいただけます。(※2024年4月 自社調べ)
納棺師とは、故人のご遺体を棺に納める人のことをいいます。遺体が火葬される前の最後の別れの時間が故人や遺族にとって穏やかな時間になるように、お清めや身繕いをしながら丁寧に儀式を執り行います。湯灌を希望する場合や遺族の精神的なケアが必要なときは、納棺師に依頼をするとよいでしょう。
納棺の儀に関することについて、気になることやお困りごとがある方は、小さなお葬式にご相談ください。専門知識を持つスタッフが、お客様のご希望に合わせて丁寧にアドバイスいたします。
お亡くなり後の手続き・直近の葬儀にお悩みの方は 0120-215-618 へお電話ください。
葬儀の喪主を選ぶとき、もっとも影響力を持つのは故人の遺言です。ホゥ。