日本の死装束は、従来の和装に近い死装束が一般的です。近年では、終活の一貫でその方らしい見送りを考える機会が増え、ドレスタイプの死装束も選択されることが増えてきました。死装束をドレスにできるということを知らないという方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、現代版の死装束である「エンディングドレス」について詳しく解説します。
<この記事の要点>
・エンディングドレスとは死装束のひとつで、デザイン性と華やかさがあるのが特徴
・エンディングドレスの価格は約3万円~30万円が一般的
・エンディングドレスは家族やお寺などに受け入れられない場合があるため、確認が必要
こんな人におすすめ
終活を始めた人
エンディングドレスが気になっている人
エンディングドレスのメリット・デメリットを把握したい人
エンディングドレスは死装束のひとつで、本人らしく見送るための新しい選択肢として選ばれています。
終活として本人が選んだり、家族や終活仲間同士で選んだりと、死装束として採用されているようです。
エンディングドレスは従来の死装束と異なり、デザイン性と華やかさがあります。シンプルで淡い色合いのものから、ウエディングドレスやパーティードレスのようなおしゃれなものまで様々です。
洋装タイプや和装タイプのエンディングドレスもあり、一般的な死装束よりも選択肢が豊富です。
エンディングドレスは総じて、肌の露出を最小限に抑えているという特徴があります。
<一般的なエンディングドレスのデザイン例>
・首元が隠れるデザイン
・長袖や丈の長いデザイン
・首回りなどにフリルやギャザーがあしらわれている
・小物(帽子、靴下、手袋など)が付随するタイプもある など
上記のようなデザインは、亡くなった方の体が痩せ細って見えないようにしたり、点滴や治療痕・傷などを隠したりするなどに配慮した設計です。
直視したくない部分の露出が減ることで、ご遺族にとっても悲しみからの回復がしやすくなるといえるでしょう。
エンディングドレスは故人の見た目に配慮しているだけでなく、死後硬直後の着用を考慮した設計になっています。
<一般的なエンディングドレスの設計例>
・開口部を大きめにとった設計
・体のラインが出にくい設計
・マジックテープを採用
・ひもを採用
一般的な死装束と同じくご遺体を傷つけずに着用できるような細かな配慮がされていることにより、闘病生活などで弱った体だとしても傷つけることなく着用可能です。
一般的に葬儀を依頼する場合、葬儀社の方が宗教・宗派に合わせた死装束を用意してくれます。
一方、エンディングドレスの場合は、主に自身あるいは家族が取り扱いのある場所に問い合わせて購入することが多いでしょう。
まずは、エンディングドレス専門店での購入です。取り扱っているドレスは死後硬直した体でも着られるように製図されているため、安心して購入できます。
また、専門店直接の依頼であるため、家族からの急な依頼が発生した場合でも柔軟に発送などに対応してもらえるのが一般的です。
インターネット上の通信販売サイトでも購入できます。通信販売サイトは専門店直営や、代理店経由の購入などが考えられます。
通信販売サイトの場合、運営会社によっては急な依頼への対応は対応できない場合があるでしょう。
フリーマーケットサイトでも購入可能です。個人が手作りしている場合があるため、以下の項目を出品者とよく確認する必要があります。
<最優先で確認すべき事項>
・着脱しやすい製図で作成されているか
・火葬可能な素材のみを使用しているか など
取り扱い場所や希望のデザインなどによって変化しますが、エンディングドレスの値段はおおむね3万円~30万円が一般的です。
手に入りやすい値段もあることから、自身のために購入する以外にも、高齢の親へのプレゼントとして購入したり、夫の分のエンディングスーツとして購入したりする方も一定数います。
葬儀だけでなく死装束にも自分らしさを取り入れたいという方や、親を美しい姿で見送りたいという方を筆頭に選ばれているエンディングドレスですが、どんなメリットがあるのでしょうか。具体的に紹介します。
一般的な死装束と比べて、デザインだけでなく色の選択肢もあることから、故人を華やかに見送ることができます。
一般的な死装束は白色ですが、エンディングドレスには以下のような淡い色も採用されています。そのため、亡くなった姿を明るく見せる効果があるでしょう。
<エンディングドレスで採用されている色の例>
・ピンク
・ラベンダー色
・水色 など
闘病生活や老化によって細くなっていたり、事故や手術などで傷ついたりした体をきれいに隠してくれるデザインもあります。故人の遺体の状態に配慮できる点もメリットのひとつといえます。
一般的な死装束と異なり、設計や素材にさえを付ければ自由度を上げられる点もメリットだといえます。
エンディングドレスの自由度としては、以下のようなことがあげられます。
<エンディングドレスの自由度の例>
・生前中に自分好みのデザインをオーダーメイドできる
・親子で気に入ったデザインを探し、注文できる
・自作のドレスで自分の人生を表現できる
・既製品のエンディングドレスにさらに飾り付けすることができる
・自分の体形専用に採寸できる など
時代の変化とともに死装束に関する考え方も多様化しつつあります。しかし、新しい価値観を受け入れられなかったり、自由度が高い半面でいくつかの制限があったりなど、デメリットがあることも知っておくと、検討材料になるでしょう。
ドレス型の死装束は比較的新しい価値観です。そのため、家族や遺族・檀家のお寺・宗派によっては受け入れられない場合があります。
着用希望者がエンディングドレスを死装束として望む場合は、本人からあらかじめ家族や関わる方に相談することがおすすめです。家族が着用を希望する場合は、遺族だけでなく宗教者や葬儀社にも確認しておきましょう。
特に個人作成の衣装を購入する場合に注意したいポイントとして、素材やパーツが火葬に適切でない場合が考えられます。
【素材】 | 【起こりえるトラブル】 |
・革製品、素材 | ・火葬炉では燃えにくい可能性がある ・有害物質発生の恐れがある ・火葬炉や遺骨に付着する恐れがある ・遺骨が傷む可能性がある |
・金属製品 | ・燃え残る恐れがある ・遺骨が傷む可能性がある |
・プラスチック製品、素材 (ビーズ、スパンコールなど) |
・火葬炉では燃えにくい可能性がある ・有害物質発生の恐れがある ・火葬炉や遺骨に付着する恐れがある ・遺骨が傷む可能性がある |
素材の確認を怠ると、思わぬトラブルに繋がる可能性を考慮しなければなりません。
実物のエンディングドレスを見られないことがあることも知っておくと役立つでしょう。
【実物が見られないことがデメリットになりうるケース】 | 【デメリットと感じる概要】 |
・着用希望者が危篤状態や死後の場合 | ・本人が実物を確認できない ・色やデザインなどが本人の意思で選べない |
・インターネット通信販売でドレスを購入する場合 | ・実物が届くまでわからない |
・フリーマーケットサイトを利用する場合 | ・実物が届くまでわからない ・平置きで展示されていた場合、着用感が想像しづらい |
専門店の通信販売サイトでは生地サンプルを送ってくれる場合があるため、心配な方は生地サンプルを取り寄せることも検討してみましょう。
エンディングドレスを適切するタイミングは主に3つあります。タイミング次第では自身で選択することが困難となるため、エンディングノートや遺言書などを活用して自身の希望を適切に伝えられるようにすると安心です。
着用希望者が終活を意識し始めた時や、家族が本人と終活を意識し始めた時は、エンディングドレスを用意するよいタイミングだといえます。
ドレスを購入する場合、事前に購入することで品質の劣化や耐久性が衰えてしまう可能性があるため、事前に保存期間を確認すると安心です。
着用希望者または着てほしい方が危篤になった場合も、エンディングドレスを用意するタイミングのひとつだといえます。家族が早急に衣装を手配する必要があるため、納品日なども相談ベースになるでしょう。
大切な方が亡くなったことをきっかけに、遺族がエンディングドレスを用意する場合も考えられます。
葬儀の準備もあるため、エンディングドレスを選択する際は早急に手配してくれる場所で選ぶとよいでしょう。
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エンディングドレスは死装束の新しい選択肢のひとつです。その方らしい姿で見送る葬儀ができるというメリットがある一方で、考えられるトラブルもあります。家族や檀家のお寺との相談や、自身の宗派も考慮して検討することが大切です。
死装束としてエンディングドレスを検討する場合は、希望する葬儀についても一緒に考えておけると安心です。お困りごとがある場合は、お気軽に小さなお葬式にご相談ください。
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