遺産に関する争いは、どこの家庭でも発生しうる問題です。親族との関係が悪化するため、なるべく争いは避けたいと思う方が多いでしょう。
遺産争いの不安を解消するには、発生する原因や対処法について知る必要があります。では、どのように対処すればよいのでしょうか。この記事では遺産争いが起こる原因と有効な対策や対処法を紹介します。
<この記事の要点>
・遺言書がなかったり内容が不公平だったりする場合、遺産争いの原因となることがある
・遺産争いを防ぐには、生命保険の活用、生前贈与、相続譲渡、代償分割、弁護士への相談が有効
・遺言書や財産目録を用意したり、財産を現金化しておいたりすると遺産争いを未然に防げる
こんな人におすすめ
相続争いの原因を知りたい人
相続争いの際の対処法を知りたい人
遺産争いを防ぐ方法を知りたい人
遺産相続に関するトラブルは、富裕層の家庭で起こるイメージが強いかもしれません。しかし、実際は一般家庭でもトラブルは発生しており、年々増加傾向にあります。どのような原因で争いが起こるのでしょうか。遺産争いに発展する可能性がある10個の原因を紹介します。
故人が遺言書を作成していない、または見つからないことが原因で揉める場合があります。遺言書の内容に沿って遺産相続をすすめるため、遺言書が無い場合は親族間での話し合いをすることになり、親族同士で話がまとまらなければトラブルに発展する可能性があります。
内容に誤りがある、または偏りがある遺言書の場合、トラブルに発展する可能性があります。遺言書の内容に公平さが欠けていると、人によっては承諾できないかもしれません。基本的に相続は遺言書に記載された内容通り行いますが、相続人の了承を得られれば再分配も可能です。
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相続人同士が不仲の場合や疎遠になっている場合も争いが起こりやすくなります。どちらの場合も自分が損をしたくない気持ちが強かったり、意思疎通が難しかったりすると分配方法で揉めやすくなります。
介護の有無により争いが生まれる場合もあります。故人の介護を行っていた人物には、介護のお礼として、多くの遺産が分配される可能性が高いといえるでしょう。
しかし、この分配方法を快く思わない相続人も一定数います。また、介護をしていたにも関わらず、平等な分配になると不満を抱く相続人も現れるでしょう。
生前贈与による不公平感から争いに発展することがあります。生前贈与を「特別受益」として計算し、それを加算したうえで遺産分配すれば公平に分配できますが、そうしたくない相続人もいるかもしれません。
不動産など分割が難しい遺産は、トラブルに発展しやすいでしょう。現金や預貯金などと違い、不動産は相続人同士で平等に分けられません。また、故人と同居していた場合や個人的な思い入れから、手放しにくいこともあります。
配偶者など法定相続人の家族が、分配に関して意見することでトラブルが起こってしまう場合もあります。家庭の事情などを理由に配偶者が相続の話し合いに加わると、相続人同士の意見が合わなくなり、話し合いがまとまらないこともあります。原則、故人の遺産を相続するのは親族だということを覚えておきましょう。
内縁関係の配偶者や愛人の存在は、遺産争いにつながりやすいでしょう。戸籍上の配偶者と違って、内縁関係の配偶者や愛人には相続権がないので、法定相続人にはなれません。ただし、遺言書の作成や生前贈与、死因贈与契約などにより、分配することもできるため、戸籍上の配偶者との争いになる可能性もあります。
夫婦の間に子供がいないことで、トラブルになってしまう場合もあります。配偶者に子がいない場合は、親や兄弟姉妹と遺産を分割しなければなりません。不動産など分割できないものを相続した場合は、財産の評価金額を代償金として分配しますが、話し合いがまとまらなかったり、評価方法をどうするかで揉めたり問題が起こりやすくなります。
故人の財産を生前に管理していた人がいた場合、トラブルの原因になることがあります。預金口座の履歴に怪しい動きがあるなど、管理者が勝手に財産を使った疑いがあるとトラブルに発展することがあります。親族以外が管理している場合は、日ごろから確認しておきましょう。
遺産相続に関する争いの原因を把握していても、必ずしもトラブルを防げるわけではありません。万が一トラブルが発生してしまった場合は、何をすればよいのでしょうか。遺産争いが起こった場合にできる対処法について解説します。
生命保険への加入は遺産争いの対処法として有効です。生命保険は受取人を指定できるため、誰に相続するかを決めておくことが可能です。ただし、原則として生命保険金は、相続財産に含まれないため、保険金受取人に指定された方が受け取ることになります。
ただし、相続する財産と同程度の多額の生命保険金を受け取る場合は、ほかの相続人との間に不公平感が生まれてしまいます。このような場合は、特別受益制度を利用して公平に遺産を分配できるように計算することもあります。
生前贈与は、遺産争いの対処法として有効です。本人の意思で自由に財産を分配できるため、遺産争いが起こらないように調整できます。節税効果もあり、メリットが多い方法といえるでしょう。
ただし、贈与額が110万円を超えた場合、贈与税が課せられるので注意が必要です。生前贈与の分配比率によっては、遺産相続時にトラブルの原因にもなりますので、慎重に行いましょう。
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遺産争いを避ける方法として、相続譲渡が挙げられます。相続譲渡とは、自分の法定相続分を他人に譲り渡すことです。「有償譲渡」と「無償譲渡」があり、どちらの方法でも譲渡できます。
相続譲渡をすると、遺産争いに巻き込まれなくなり、遺産分割協議に参加する必要もありません。他の相続人と関わりたくない、遺産争いが長引いて辛いといった場合に有効です。
代償分割をおこなうことで遺産争いに対処することができます。代償分割とは、不動産などの分割しにくい遺産を平等に分割する方法です。1人の相続人が不動産などの遺産を引き継ぎ、他の相続人に代償金を支払い、平等に遺産を分配します。
不動産のような分割しにくい遺産を分配する際に有効な方法です。ただし、贈与税や所得税などの費用も発生します。
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相続人同士で遺産争いが解決しない場合は、弁護士への相談も検討しましょう。専門家による第三者目線の意見により、冷静な判断を下せる可能性があります。
弁護士は法の専門家であり、法的根拠に基づいた遺産分配が可能です。相続に関する手続きも依頼できます。
遺産相続には手続きに期限があるため、親族間での話し合いが長引くと間に合わなくなってしまいます。遺産による争いをできるだけ早く終わらせるには、どのような方法があるのでしょうか。長引かせないための対処法を紹介します。
裁判(調停・審判・訴訟)を起こすことで、遺産争いを短期間で収束できる可能性があります。妥協点を見出す調停が成立すれば一番早く解決しますが、できない場合は審判または訴訟まで発展します。
審判または訴訟に移った場合は、裁判官が相続人たちの意見や資料を参考に、判決を下します。この判決は法的効力があるため、意を唱える人がいても従わなければなりません。
前項でもお伝えした通り、弁護士への相談も有効です。相続人同士が他人だったり不仲だったりすると、分割協議もスムーズに進みません。弁護士を通して交渉を行えば、双方の意見を汲み取って遺産分割協議をすすめられます。
弁護士費用は、相談料や着手金だけでなく、報酬に応じた経費が必要です。相談する事務所ごとに差がありますので、複数の事務所を比較して費用を検討しましょう。
遺産争いから降りてしまうのもひとつの方法です。遺産争いが長期化すると、話し合いに割く時間も多くなり、心身が疲弊します。
相続放棄や相続譲渡などを行えば、遺産は受け取れませんが、遺産分割協議に参加しなくて済みます。遺産相続に執着しすぎず、自分が納得できる方法を見つけましょう。
遺産相続に関するトラブルには、メリットがほとんどないでしょう。長引くと普段の生活に影響が出てしまいます。遺産争いをなるべく起こさないために、未然に防ぐ方法を把握しておきましょう。
遺産相続では遺言書の内容が優先されますので、遺言書や財産目録を用意して、相続人が争うことのないように準備しましょう。内容によっては争いの原因となるため、平等に分配できるよう注意が必要です。
遺言書の書き方には決まりがあり、様式不備により無効になることも少なくありません。不安な場合は、専門家に相談しながら作成しましょう。
普段から親族間でコミュニケーションを取っておくことも重要です。相続人同士で顔を合わせて話し合いを進めておけば、いざという時に揉めることも少ないでしょう。
年末年始など親族が集まる機会に、被相続人の希望や考え方を聞いておくのもよいでしょう。親族間で資産運用や終活に取り組めば、遺産相続の内容や管理方法を共有できます。
不動産など分割が難しい遺産は、先に現金化しておくと相続を円滑に進められます。土地や建物といった不動産の他に、車や株式、貴金属なども現金化をしておくとよいでしょう。
現金化する物によっては、手数料や税金が発生し、元々の価値と同等に換金できない可能性があります。どのくらいの費用がかかるのか把握した後に、現金化をするか決めましょう。
相続税評価額を低くすることで、遺産相続時のトラブルを防ぐ方法があります。相続税評価額とは、故人の財産にどのくらいの金銭的価値があるか、財産ごとの評価方法に従って算出した価格です。
遺産分割で相続税評価額を参考にする場合、評価額を少なく見積もることで、遺産の奪い合いを避けられます。ただ、相続税の負担軽減につながりますが、現金は評価額に含まれないことを把握しておきましょう。
生命保険の受取人を指定することで、トラブルを未然に防ぐ方法があります。生命保険は、相続人の不平等分の調整に有効です。
相続順位の低い兄弟や姉妹と、遺産相続で争わないためには、受取人を子に指定するとよいでしょう。子が生命保険金を受け取り、代償分割として保険金相当の現金を兄弟姉妹に渡すことで、遺留分で発生する遺産争いを避けることができます。
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遺産争いの原因には、遺言書の有無や相続人同士の仲など、センシティブな内容が多いです。未然に防ぐ方法だけでなく、争いが起こった場合の対策についても理解を深め、対処できるようになりましょう。
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