身近な方の死後、故人の愛用品を親族や親しくしていた知人と形見分けする場合もあるでしょう。その際に「形見分けする物がない」「現金で形見分けしたい」といったケースも出てくるのではないでしょうか。
この記事では、形見分けを現金でする際のマナーや相場、注意点についてまとめました。相続税や贈与税、受け取り手の気持ちにも配慮する必要もあるため、ぜひ参考にしてみてください。
こんな人におすすめ
形見分けをする機会がある人
形見分けする物がなく困っている人
形見分けとは日本に残る風習の1つで、故人のアクセサリーや衣類、趣味で集めていた物を親族や特に親しかった知人で分け合うことをいいます。形見を持つことで、故人を思いだして感謝したり祈ったりできると考えられているため、故人を偲んでくれる方に対して、形見分けをする風習が残っています。
形見分けをする時期は、下記のとおりです。
仏式 | 四十九日法要の後 |
神式 | 三十日祭、五十日祭の後 |
故人の愛用品を形見分けするのが一般的ですが、人に渡せる物が残っていない場合もあるでしょう。また遺品を贈っても「持ち続けるのが難しい」「取扱いに困る」といった方もいる場合は、故人の愛用品ではなく「現金」を贈るケースもあるでしょう。
現金で形見分けをする場合、どのようなマナーに気を付けないといけないのでしょうか。ここからは贈る側と受け取る側、それぞれのマナーについて紹介します。渡すときや受け取るときに、失礼のないよう確認しておくとよいでしょう。
形見分けで現金を贈るときには、特別なきまりはありません。しかし現金を紙などにも包まずに渡すのは、品がないと感じることもあるでしょう。そのため無地の封筒に入れて、表書きをするのがおすすめです。表書きには、仏式では「遺品」、神式では「偲び草」と記します。
また渡す際に「形見分けできる品がないので、こちらを受け取っていただけますと幸いです」と一言添えるのも大切です。
供養の一環である形見分けは、お祝いごとではないためお礼は不要です。しかし遺族からの配慮に対して、一報入れるとよいでしょう。「無事に形見分けが届きました」と伝えるのが好ましい対応です。
形見分けは遺族からの「気持ち」です。「故人を偲ぶ気持ちを共有したい」「親しかった方に形見分けしたい」という思いがあるため、特別な理由がない限りは受け取りましょう。
ただし現金で受け取るのに抵抗がある方は、丁寧にお断りをしても問題ありません。「お申し出はありがたいのですが、お気持ちだけいただきます。今はまだ故人を思うと辛いので、お断りさせてください」といった、穏やかな言葉で伝えましょう。
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形見分けの相場がわからず「いくら贈るべきだろう」と考える方もいるのではないでしょうか。形見分けの金額に相場はないため、遺族同士で話し合って決めましょう。また受け取り手が負担に感じない金額にするのが大切です。
現金の形見分けは「使い道がわからない」と困ってしまう場合もあるでしょう。こうするべきというきまりはなく、使い道は人それぞれ異なります。使い道の一例は以下のとおりです。
【使い道の一例】
・仏具を購入
・葬儀でつけるネックレスを購入
・長期間使える万年筆を購入
・故人の好きだった物を購入
・花や木を購入して植える
・形見分け専用の口座に入金しておく
形見分けを現金でするとき、課税対象にならないか注意する必要があります。また受け取り手の気持ちに考慮して、押し付けないことも重要です。ここでは注意点について、解説します。
故人の遺産は、相続人で相続すると民法により定められています。形見分けを現金でする際には、相続人で遺産分割したあとにするのが望ましいでしょう。また相続人に合意を得てから、現金を贈るとトラブルを未然に防げます。
年間110万円超えの現金や品物を受け取る側は「贈与税」を払う必要があります。もし複数回に分けて受け取った場合や、2つ以上形見分けしてもらった場合でも、年間の合計が110万円を超えると課税対象になります。
また相続人が価値のある財産を受け取ると「相続税」がかかると覚えておきましょう。ただし基礎控除額以下であれば、課税されません。
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本来、形見分けは愛用品を分け合います。そのため人によっては、現金を受け取るのに抵抗があるかもしれません。親しくしていた知人や友人であっても、先方から受け取りを断られた場合には、無理に贈らずに相手の意志を尊重しましょう。
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故人と親しかった方にとって、形見分けは故人を偲ぶことができる大切な手段です。しかし受け取り手によっては「現金は貰えない」「使い道がわからない」と困ってしまうため、配慮する必要があります。
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東京や一部の地域では7月、ほかの地域では8月にお盆を迎えることが多いようです。ホゥ。