仏教にはさまざまな宗派が存在し、教えや葬儀の作法などがそれぞれ異なります。自身の宗派が真宗高田派である場合、どのような教えがあり、どのように葬儀を進めるのかなど知っておくとよいでしょう。
この記事では、真宗高田派についてわかりやすく解説します。また葬儀の流れや焼香の作法についても紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
<この記事の要点>
・真宗高田派は浄土真宗の一派で、阿弥陀様の本願を信じて念仏を唱えることで極楽浄土に行けるとする
・真宗高田派では、焼香でお香をつまむ際、額に押しいただく必要はない
・真宗高田派の仏壇には、「本尊」と「脇侍」を安置する
こんな人におすすめ
真宗高田派とはどのような宗派なのか知りたい人
真宗高田派の開祖である親鸞聖人について知りたい人
真宗高田派の葬儀の流れや作法を知りたい人
仏教にはさまざまな宗派が存在します。葬儀を行う際には自身の宗派についてマナーを知っておくことが大切になります。ここできちんと押さえておきましょう。
真宗高田派は三重県津市一身田の専修寺を総本山とする、浄土真宗の宗派のひとつです。浄土真宗の開祖である親鸞聖人が栃木県真岡市高田に専修地寺を建立し、門弟である真仏上人や顕智上人が中心となって布教し、現在まで活動が続いています。
浄土真宗の教えを簡潔に言うと「本願を信じ、念仏を申さば仏となる」です。すなわち、阿弥陀様の本願を信じて念仏を唱えれば仏になれる、信心を持って念仏を唱えれば極楽浄土にいけるとされています。
「生きる意欲を無くした人」「生きる意味を喪失した人」に、生きることの真の意味として「本願念仏の道」が見出されたのです。
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真宗高田派がどのようにして生まれたのか、その歴史を紐解いていきましょう。ここでは真宗高田派の開祖である親鸞の生涯を中心に解説します。
貴族の家に生まれた親鸞聖人は、わずか9歳にして慈円のもとで出家します。その後約20年という長い年月の間、比叡山延暦寺での厳しい修行に励みました。修行に限界を感じていた親鸞は、聖徳太子の夢告によって法然上人の門に入ります。
法然上人の念仏の教えは「南無阿弥陀仏を唱えれば誰でも平等に極楽浄土へ行ける」と説いているものでした。
親鸞はこの教えこそすべての人に開かれている仏道であると感じ、法然上人を生涯の師として仰ぎました。そして親鸞は法然上人のもとで約6年間過ごすことになります。
法然上人の念仏の教えは「念仏を唱えれば誰でも極楽浄土へ行ける」とされ、老若男女問わず多くの人が帰依していました。
当時の仏教とは大きく異なる教えであったこともあり、比叡山延暦寺や興福寺といった他宗から強い反発を受け、朝廷が弾圧に踏み切ります。4人が死罪、8人が流罪となり、親鸞聖人は越後へ流罪となりました。
その後、親鸞は法然上人の『選択本願念仏集(せんじゃくほんがんねんぶつしゅう)』の書写と真影(法然上人の肖像画を描くこと)を許されることとなります。そして、夢告を受けた親鸞は恵信尼公と結婚します。
流罪になって約5年後、親鸞聖人は罪を許されます。しかし法然上人の死を知った親鸞は京都に戻らず、家族とともに関東に赴き、それからの約20年間、念仏の教えを広く伝えました。
そして親鸞は栃木県高田に専修寺を築きます。親鸞が60歳のときに京都へ戻り、専修寺は真仏上人が継承することとなります。
宗派によって葬儀の流れや作法、マナーは異なります。葬儀の際に戸惑わないためにも、ここで紹介する真宗高田派の葬儀の流れや作法を押さえておきましょう。
故人が亡くなってから葬儀までの流れは以下のとおりです。
1.真宗高田派のお寺へ連絡
2.遺体をお寺か自宅へ安置
3.枕経を勤める
4.納棺
5.通夜の支度をし、通夜法要、通夜振舞い
6.葬儀・告別式
7.出棺・斎場へ移動
8.荼毘(火葬)
9.初七日法要
10.精進落とし
11.自宅に中陰段を設置
地域や家庭によって異なる場合もありますが、基本的にはこの流れで進行します。
真宗高田派の焼香の作法は以下のとおりです。
1.焼香台の前で、ご本尊を仰ぎ見て一礼
2.右手でお香をつまみ、額まで上げずに横一文字に3回行う
3.焼香後は念珠を両手にかけ、合掌
4.念仏を3回称えて頭を下げ、2回称える
5.ご本尊を仰ぎ、一礼して退席
お香をつまむ際は額に押しいただく必要はありません。焼香は故人と縁の深い人から順番におこないます。葬儀でご本尊と導師の間に進み出て焼香する際は、導師に一礼または合掌します。焼香の作法は地域や家庭によっても異なる場合がありますので、確認しておきましょう。
真宗高田派は数珠のことを「念珠」と呼びます。念珠には単連と二連があり、持ち方が若干異なります。単連の場合、左手に念珠をとおして親珠と呼ばれる大きな珠を上にし、総(ふさ)を左前方に垂らして念仏を唱えます。
二連も同様に、左手にとおして親珠と呼ばれる大きな珠を上にして弟子珠(でしだま)のついた総を左に、総だけのものは右に垂らします。
仏壇の飾り方や必要な仏具も宗派によって異なる場合があります。ここでは真宗高田派の仏壇の飾り方と仏具について解説します。
ご本尊のみで飾る場合、以下の3とおりがあります。
・掛け軸のみで飾る
・仏像のみで飾る
・仏像とミニ常花で飾る
ご本尊を掛け軸のみで飾る場合は仏像を飾る場合と比べて略式となりますが、ご本尊を仏像で飾り、両脇にミニ常花で飾るとよりご本尊の存在感が引き立つでしょう。
ご本尊と脇侍を飾る場合は以下の2とおりがあります。
・掛け軸(3尊)で飾る
・仏像+掛け軸(両脇)で飾る
真宗高田派の基本的な仏具は以下のとおりです。
三具足 | 花瓶・香炉・ろうそく立 |
五具足 | 香炉と花瓶・ろうそく立が各一対となっている |
須弥壇の仏具(華瓶・仏器) | 本尊を祀る場所で、華瓶は水を入れて樒(しきみ)を挿し、香水として供える。仏器はご飯を供えるもの |
供笥 | 落雁や砂糖菓子を供えるもの |
御書箱 | 親鸞聖人や歴代上人の手紙を納める箱 |
りん | お経を読む際に鳴らすもの |
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真宗高田派は三重県津市一身田の専修寺を総本山とする、浄土真宗の宗派のひとつです。親鸞聖人を開祖とし、阿弥陀様の本願を信じて念仏を唱えれば仏になれると説いています。真宗高田派の葬儀の流れやお焼香の作法は他宗派と異なるため、きちんと押さえておきましょう。
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