密教と聞いて、危険なイメージや怪しい雰囲気を感じたことがあるかもしれません。宗教の実態がわからない方もいれば、興味はあるけれど詳しく知らないという方もいるでしょう。
この記事では密教が危険と考えられている理由を解説します。密教の歴史や修行に関心がある方にも役立つ内容をまとめました。
<この記事の要点>
・密教はインドで6世紀頃に誕生し、日本には空海が伝えて真言宗と天台宗の基礎となった
・密教が危険とされる理由として、護摩の儀式や「理趣経」の内容が仏教ではタブーとされるため
・密教の修行には「身密」「口密」「意密」の三密加持があり、身体・言葉・心に向き合う修行である
こんな人におすすめ
密教について理解を深めたい人
まずは密教がどのような宗教なのか、全体像を知っておく必要があります。密教の歴史を知れば、これまでマイナスイメージを持っていた方も印象が変わるかもしれません。
ここでは、密教の歴史について詳しく解説します。
密教の発展は初期・中期・後期に分かれており、6世紀ごろにインドで誕生した仏教の一派です。初期には口頭で伝えられていた教えが、やがて文字で残されるようになり、次第に儀礼や呪法といったお経へ発展しました。
中期に差しかかる頃には「大日経(だいにちきょう)」と呼ばれる経典が誕生し、現代の仏教にも通じる成仏を目指す思想を説きます。空海が日本に伝えた密教は「純密」と呼ばれ、この考え方を強く意識しているのが特徴です。
密教は、真言宗と天台宗のはじまりともいえる宗教です。のちに真言宗と天台宗の開祖となる空海と最澄は、中国にいた間に密教の教えを学びました。
そして日本に帰国後は空海が真言密教の布教に努め、最澄は天台宗を開宗し、密教や禅を基礎とする教えを広めました。仏教とも密接なつながりを持っているのが特徴ともいえるでしょう。
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「密教にはマイナスイメージがある」「危険だと聞いたことがある」と不安に感じる方もいるでしょう。密教が危険だと恐れられる理由は「護摩(ごま)」と「理趣経(りしゅきょう)」の2つに原因あると考えられています。
ここからは、密教が危険と考えられる理由を詳しくみていきましょう。
密教には、護摩と呼ばれる祈禱の儀式があります。壇上でさまざまな供物を焚き上げ、祈りを捧げる行為です。しかしこの祈禱は仏教以外の宗教でも取り組まれている儀式であるため、本来の信仰から外れてしまうのではないかといった疑念が、人々の間で浮かぶようになりました。信仰心を惑わせる行為を含むため、危険だと判断されています。
真言宗には「理趣経」と呼ばれるお経があります。主に男女の肉体関係に関する内容が記載されているのが特徴です。即身成仏のうえに快楽や欲望があるという、仏教の世界ではタブーとされている内容で秘法とされているため、人々からは危険なものだと解釈される傾向にあります。仏の教えを正しく知り、修行を積むことが重要だと理解しておきましょう。
「密教は仏教から独立したひとつの宗教」だと認識している方がいるかもしれません。しかし密教は、大きく2つに大別できます。ここでは密教の種類を紹介します。
真言密教は他の仏教とは異なり、欲望も含め現世における人間の在り方を肯定する宗派です。中でも即身成仏は今生のうちに仏になれる可能性があると説くものです。
天台密教は、万人が仏になれるという教えを説く宗派です。人も物もすべてが融合し、調和していくという考え方が天台宗にあるのも、そのためだと考えられています。
そのほかにも、顕教といわれる4つの教えと密教を融合させた「顕密一致(けんみついっち)」を標榜しているのも特徴です。仏教的な思想を等しく扱っているともいえるでしょう。
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密教でも仏教と同じく、修行が存在します。しかし密教の修行と聞いても具体的なイメージが湧かないかもしれません。
ここでは、密教で取り組んでいる三密加持とよばれる修行を紹介します。
自分の身体と日々の行動に向き合う「身密」の修行があります。身近な行動でたとえると、手を洗い身を清めたり、できる範囲で運動することです。
また自分の行動を見直し、命を守る行動につながっているのかを見極めるといったことが挙げられます。
自分の言葉と向き合う「口密」の修行があります。友人との会話を楽しめているか、感謝の気持ちを毎日伝えられているかなどを考えるのが特徴です。
近年ではSNSによる誹謗中傷など、言葉の使い方が注目されています。適切なコミュニケーションを取るためにも、毎日の意識を変えていくことが重要だといえるでしょう。
自分自身の在り方や心と向き合う「意密」の修行があります。自分の心の動きを見つめる中で、ありのままの自分に気づくという修行です。
また、自分だけでなく他者に気配りをしたり、心が豊かになることをやってみたりすることで、自分の心と向き合いながら真心を込めた発言や行動ができるように心がけることが重要です。
密教を深く知るうえで、知っておきたい用語があります。いずれも密教の世界に欠かせない用語です。
ここでは、密教において押さえておきたい用語を3つ紹介します。
阿闍梨とは、密教において弟子の模範となるような最高位の僧侶を指す言葉です。開祖である空海は阿闍梨にあたります。あらかじめ決められた修行の後に「伝法灌頂(でんぽうかんじょう」と呼ばれる最高儀式を受けた僧侶を意味します。
阿字観とは、密教独特の瞑想法のことです。即身成仏になるための儀式は難易度が高すぎるという側面があるため、誰でも挑戦しやすい瞑想という形で、仏の心を感じることを目的としています。
声明とは、密教における声楽全般のことです。僧侶が流すメロディや節とともに、仏の教えを学ぶ喜びを体感します。インド発祥の文化で、中国を経て日本へと伝わってきました。
独特の技法が豊富に使われており、いつでも再現できるように楽譜に落とし込まれているのが特徴です。仏教音楽としての声明は仏教儀式に欠かせないものとなっています。
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密教とはインド発祥で、真言宗や天台宗のはじまりにもなった宗教です。危険だと考えられている理由には「護摩」や「理趣経」などがあげられます。正しい教えを理解しておくのが重要です。
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