新しく仏壇を購入した場合には、置き場所を決めなければなりません。仏間がある家であれば悩むことはありませんが、最近では和室のない家も増えてきています。
この記事では、仏壇の置き場所としてふさわしいところと、ふさわしくないところについて解説します。置く向きや宗派ごとのポイントも紹介しますので、参考にしてみてください。
<この記事の要点>
・仏壇を置くのに適した場所は、和室の床の間・リビング・寝室
・仏壇は、床の間の向かい側や直射日光や湿度が高い場所には置かない
・仏壇の向きは宗派によって、南向き、東向き、総本山の方角、どの向きでもよいという考え方がある
こんな人におすすめ
仏壇を新しく購入した人
仏壇をどこに置くべきか悩んでいる人
仏壇を買い替えた場合には、これまで置いてあった場所に置きますが、新しく購入した場合にはどこに置けばよいのでしょうか。ふさわしい置き場所について解説します。
かつては、仏壇を置くための専用のスペースがあり、家族が集まる場所にするなどの習慣がありました。
現代では、特別な決まりはありません。ただし感謝の気持ちを持って、毎日のお参りや手入れをしやすい場所が適しているといえるでしょう。
仏間や床の間がある和室は、仏壇を置くのにふさわしい場所といえます。
床の間に仏壇を置いてもよいか迷う方もいるかもしれませんが、床の間は家の中において上座とされており、床が高くなっている格式のある場所でもあります。かつては本尊が祀られているところでもあったため、仏壇を置いても問題はありません。
家の中で家族が最も集まる場所であるリビングも、仏壇を置くのに適しています。最近では、洋室のインテリアにも合うようにデザインされたモダン仏壇も作られています。
一方、本尊やご先祖様と静かに向き合える寝室も、置き場所としては問題ありません。ただし仏壇に足を向けて寝ることは、仏様に対して失礼にあたりますので避けましょう。
仏壇の置き場所にふさわしいところを紹介しましたが、ふさわしくないところもあるため注意が必要です。仏様に失礼のないよう、事前にしっかりと確認しておきましょう。
床の間に仏壇を置いてもマナー違反にはなりませんが、床の間の向かい側に置くのは避けましょう。一般的に床の間は上座とされていますが、その向かい側は下座となるためです。本尊やご先祖様をお祀りしている仏壇を、下座に置かないように気をつけましょう。
仏壇は木材で作られているものが多く、直射日光、湿気、乾燥などは変色や破損の原因になるため、注意が必要です。
また、エアコンなどの冷暖房の風が当たる場所や加湿器の近くなども、設置場所として避けた方がよいでしょう。
仏壇を置くのにふさわしい向きについては、宗派によって異なりますので、確認しておきましょう。
ここでは、代表的な4つの説を紹介します。
南面北座説は仏壇を南向きに置く考え方です。この説は、お釈迦様が南に向いて説法をしていたためや、中国では王様が南向きに座っていたためともいわれています。
曹洞宗や臨済宗は禅宗の一派であり、お釈迦様を信仰しているため、南向きを推奨しています。
東面西座説は仏壇を東向きに置く考え方です。西方浄土説とも呼ばれ、阿弥陀如来がいる極楽浄土がある西方を向いて祈るため、仏壇を東向きに置くという考えです。
浄土真宗・浄土宗・天台宗は、本尊として阿弥陀如来をお祀りしているため、東向きに置くことを推奨しています。
宗派の総本山がある方角に向かってお参りできるように仏壇を置く考え方が、本山中心説です。本山のある場所に向けて仏壇を置くため、自分が住んでいる場所によって、向きは変わります。
真言宗では、総本山である和歌山県の高野山金剛峰寺の方角に向かって仏壇を置くことをすすめています。
仏壇をどの向きに置いてもよいとする考え方が、春夏秋冬説です。四季の全てから平等な恵みがもたらされるのと同じように、東西南北のどの方角にも区別はないという考えに基づいています。
日蓮宗においては、春夏秋冬説を採用しているわけではないものの、自由に置く向きに特別の決まりはなく、自由に置いてかまわないとされています。
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仏壇を置く場所を考える際には、他にも気をつけなければならないことがあります。置く際の注意点を3点説明しますので、参考にしてみてください。
同じ部屋の中に仏壇と神棚を置いてもかまいませんが、2つの位置関係には注意が必要です。仏壇と神棚を向かい合わせに置くのは避けましょう。どちらかに向かってお参りした際に、もう一方にお尻を向けることになり、失礼にあたるためです。
また、仏壇と神棚を上下になるような配置にしないように注意しましょう。神様が仏壇を踏む形になったり、仏様が神様を下に置くことになったりするために、避けた方がよいとされています。
見落としがちなのが、安置場所と仏壇のサイズです。置く予定の場所のサイズを正確に測っておきましょう。
仏壇は本体そのものだけではなく、両側の扉を開けたときのスペースも必要です。十分に扉を開けられない場合には、お供物などを置けないこともあります。
高さも重要なポイントです。仏壇に向かって手を合わせる際に、本尊が自分よりも上になるように配置しなければなりません。
座ってお参りする場合には、自分の目線よりもやや上、立って拝む場合には自分の胸の高さよりも上の位置に本尊がくるように高さを調整しましょう。
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仏壇を置くのにふさわしい場所として、和室やリビングや寝室などがあります。一方、床の間の向かい側、直射日光・多湿・乾燥にさらされる場所などは仏壇を置く場所としてふさわしくありませんので注意が必要です。
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