7月や8月になると、お盆の季節に入ります。仏壇や供物を準備したり、家族で過ごしたりと、お盆を意識している家庭も多いかもしれません。
しかしお盆の由来について詳しく知っている方は、どれくらいいるのでしょうか。毎年訪れる行事への理解を深めるために、お盆の由来や歴史について解説します。
<この記事の要点>
・お盆は先祖の霊を迎えて供養する特別な期間で、家族が集まる行事である
・お盆は仏教の行事に起源を持ち、精霊棚や迎え火、送り火などの伝統的な儀式が行われる
・ほおずきはお盆の供え物として重要で、精霊馬は霊を迎えるための象徴的な存在として知られている
こんな人におすすめ
お盆の由来が気になる人
お盆中の行事について詳しく知りたい人
お盆の由来について触れる前に、基本知識をおさらいしましょう。ここではお盆とは何か、一般的な過ごし方、期間についてまとめました。
お盆とは、夏の風習として古くから伝わる行事です。ご先祖様を自宅に迎えて供養し、家族とともに過ごします。
一般的なお盆の過ごし方としては、仏壇やお墓の掃除をして、供物や供花を盆棚に供えます。そして盆入りに迎え火でご先祖様をお迎えし、お盆の間に家族と同じ食事を用意するのが基本です。盆明けには送り火とともに、ご先祖様をお送りします。
お盆には、新盆と旧盆があります。明治時代に「歴」に変更があり、旧暦のままお盆をする地域と、そうでない地域に分かれました。基本的には、新盆は7月15日頃、旧盆は8月15日頃の日程となります。
【2024年のお盆期間】
新盆 | 7月13日~7月16日 |
旧盆 | 8月13日~8月16日 |
ここではお盆の由来や語源、民衆まで普及するようになった歴史について紹介します。現在に至るまで、どのような目的で開催していたのかチェックしてみてください。
お盆の正式名称は、「盂蘭盆(うらぼん)」や「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と呼びます。語源となるのは、サンスクリット語で「逆さに吊るされた苦しみ」を表す「ウランバーナ」だといわれています。盂蘭盆会は、お釈迦様の弟子「目連尊者(もくれんそんじゃ)」が母を救う話から生まれました。
目連尊者の母は、餓鬼道(飢えや渇きに苦しむ亡者の世界)で逆さ釣りにされていたようです。そこでお釈迦様に相談し、教えを乞います。お釈迦様の言葉に従い、目連尊者は僧侶を招き供物を捧げました。すると功徳により、母は苦しみから解放され大往生を遂げたといわれています。
日本で初めてお盆の行事をしたのは推古天皇で、606年7月15日に斎会(さいえ)を開いたのが始まりです。お盆の法要を執り行ったのは、斉明(さいめい)天皇が朝廷を率いていた657年だと伝えられています。しかし、主に上層階級で催されていた為、一般の民衆まで普及していたわけではありません。
江戸時代に入ると「ロウソク」が安価に入手できるようになってからは、一般庶民にもお盆行事が普及していきました。
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お盆独自の習わしとして、盆踊りの開催や迎え火・送り火、精霊馬、ほおずき、真菰と苧殻の準備が挙げられます。それぞれの由来について、紹介します。
盆踊りは、故人やご先祖様を供養するために踊られます。念仏を唱えて踊る「念仏踊り」が、盆踊りの由来であることを知っている方も多いかもしれません。ただし歴史を遡ると、豊作祈願や地域の交流を深める目的でも、盆踊りが開催されていたようです。現在でも盆踊りは、ご先祖様の供養や地域の人々との交流を目的としている名残があります。
迎え火は、ご先祖様が帰ってくるときに足元を照らすために灯します。「迷わず無事に家族の元へ帰ってきますように」という思いが込められています。送り火は夕方や夜に灯して、ご先祖様を送り出します。「この世から再びあの世に戻れますように」「ご冥福をお祈りします」と、ご先祖様への敬意を払って火を灯しましょう。
ナスやキュウリに足をつける精霊馬は、ご先祖様があの世とこの世を行ったり来たりするための乗り物として作られたといわれています。
キュウリは足の速い馬、ナスはゆっくり移動する牛を表現しています。「馬に乗って早く帰ってきてください」「帰りは牛に乗ってゆっくり戻ってください」といった意味があるようです。
ほおずきは、あの世から帰ってくるご先祖様をお迎えする際の目印として飾ります。迎え火や盆提灯と同じような役割です。暖色系でふっくら丸いほおずきが、提灯と似ていることから、飾るようになったといわれています。
飾る際は、玄関や仏壇近くの場所に吊るします。ご先祖様にとって、目に入りやすい場所に飾るのが最適です。
真菰(まこも)は、湿地帯に群生するイネ科の植物です。その昔、お釈迦様は真菰の敷物に病人を寝かせて治療したという言い伝えがあります。現在では、供物の下に真菰のゴザを敷くのが盆棚飾りの基本です。
苧殻(おがら)は、浅の革を剥いで残った芯の部分のことです。お盆では迎え火や送り火で燃やしたり、供物に添えて箸として使ったりします。「清らかで悪を寄せつけない植物」と考えられている麻は、場を清めるために使うようです。
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お盆の語源は、お釈迦様と弟子の目連尊者の話に由来しています。歴史的には、ご先祖様の供養や豊作起源、地域住民の交流といった目的があったようです。
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