葬儀費用で相続税から控除できる費用とできない費用とは?

葬儀費用で相続税から控除できる費用とできない費用とは?

相続税への対処に頭を抱えている遺族の方もいるのではないでしょうか。あまりにも高額な場合、相続そのものを断念しないといけない事態も考えられます。

相続税を少しでも抑えるために、控除の対象である葬儀費用を活用することができます。そこでこの記事では、葬儀費用で相続税から控除できるものとできないものについてご紹介します。いくつかの注意点もあるため、ペナルティを受けることがないように参考にしてください。

こんな人におすすめ

葬儀の基礎知識を知りたい方

葬儀費用の相続税控除について知りたい方

葬儀費用の控除対申請での注意点を知りたい方

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葬儀の基礎知識

葬儀の種類は、一般葬、家族葬自然葬など多岐にわたります。葬儀費用で頭を悩ませる相続税から控除できるものがわかれば、相続税問題をクリアできます。まずは、葬儀費用や相続税控除についての知識を深めていきましょう。

葬式とは

葬式は故人を偲び、成仏を祈願する儀式です。神舎やお寺などにおいて故人の魂を送る「葬儀」、一晩線香を絶やすことなく故人に寄り添って慎む「お通夜」、故人に別れを告げる「告別式」などを合わせて葬式と呼びます。

なお、近年では葬式とは別に告別式やお別れ会を行う場合も少なくありません。

葬儀費用の相場と主な内訳

小さなお葬式が行った調査では、葬儀にかかる費用の全国平均は約127万円※という結果になりました。(※対象期間:2021年2月~2022年5月 2022年5月 自社調べ)葬儀の規模や形式によって、葬式にかかる費用は変わります。

内訳の詳細で見ると、葬式には「式場使用料」「火葬費」「スタッフ人件費」「墓石や墓地の購入費用」「遺体の安置や運送費用」といった費用がかかります。宗教関係者へ枕経や読経のお礼、お車代なども葬式にかかる費用です。これらの費用をどのように支払うかによって、控除が適用されるかどうかが決まります。

これらの葬儀費用を香典ですべて払える場合には特に頭を悩ませることにはならないものの、葬儀の後の香典返しについても視野に入れておく必要があります。葬式にかかる費用をすべて支払えるように、葬儀費用は余裕を持って用意しておくことが大切です。

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葬儀を手配する経験はめったにありません。そのため、葬儀費用の目安が分からないという方もいるのではないでしょうか。一般的に、葬儀は規模が大きくなるほど費用がかかります。葬儀を適正な費用で行うためには、自身が希望する葬儀の内容と規模を把握するとともに、一般的な葬儀費用の目安を知っておくことが大切です。そこでこの記事では、葬儀の形式や規模に応じた葬儀費用の目安について解説します。費用を抑える方法も紹介するため、適正な価格で希望通りの葬儀を行えるようになるでしょう。葬儀全体の流れについてあわせてご確認することもおすすめです。<この記事の要点>・葬儀の平均費用は127万円・家族葬や直葬などの小規模な葬儀は、一般的な葬儀よりも費用が安くなる・複数の葬儀社を比較検討したり、費用の安いオプションを選んだりすることで葬儀費用を節約できる→読者がよく読む見出しはこちら【各エリアごとの費用相場】全国(家族葬/直葬/一般葬)北海道・東北(家族葬/直葬/一般葬)関東地方(家族葬/直葬/一般葬)中部地方(家族葬/直葬/一般葬)近畿地方(家族葬/直葬/一般葬)中国・四国地方(家族葬/直葬/一般葬)九州地方(家族葬/直葬/一般葬)

葬儀費用を支払う人は法律の定めがない

一般的に喪主が葬儀費用を支払うものの、支払う人に法律の定めはありません。喪主が葬儀費用を支払うのが難しい場合には、友人や知人でも問題ありません。

葬儀費用の相続税控除について

葬儀費用として認められるものは相続税控除の対象となります。故人の財産を相続する際に高額な相続税がかかることが予想できるならば、葬儀費用を上手に活用することを考えましょう。

葬儀費用は相続税の控除対象となる

葬儀費用は、相続税の控除対象となります。大まかな認識としては通常の葬儀を執り行うにあたり、必ず発生する費用が相続税の控除対象となります。控除されることによって、相続税負担が軽減されます。

注意点としては、すべての葬儀費用が控除対象とはならないことです。葬儀費用は相続税の控除対象となるものの、条件があることを覚えておいた方がよいでしょう。

控除適用者は葬儀費用を支払った人

葬儀費用の控除適用者は、葬儀費用を支払った方です。相続人同士で分割して葬儀費用を支払った場合、全員が控除適用者となります。

遺族の方以外が支払った場合でも、控除適用者です。相続人が遺族だけではなく、遺言書が残っている場合などは友人や知人も相続人になります。葬儀費用を誰が支払うかによって、相続税に大きな影響を及ぼすことを覚えておいた方がよいでしょう。

葬儀費用で控除されるもの

葬儀費用で控除されるものは、葬儀を行う際に絶対にかかる費用です。相続税の負担を減らすためには、具体的に何が葬儀費用で控除されるかを知っておきましょう。さらに、どういった注意点があるかも頭に入れておけば、対応を間違えることはありません。後のトラブルに見舞われないようにするには、適切な対応が必要となります。

葬式に直接関わる費用は控除対象

葬式に関連する費用は、控除対象となります。以下は、控除対象となるものの一例です。

・遺体の搬送費用
・お布施や戒名料などのお礼をした費用
・葬式の前後に生じた費用
・遺体や遺骨の回送費
・葬式や埋葬などの納骨をするための費用

葬儀を行うときだけではなく、葬儀前後にかかった費用も控除対象となるのが大きなポイントです。支払いをした証拠となるため、かかった費用の領収書を保管しておきましょう。

領収書がない場合など注意が必要

葬儀費用を控除するために、領収書を保管するのは基本です。しかし、領収書をなくしてしまった、あるいは領収書を発行し忘れてしまったといった場合には、支払記録として保管するのが効果的です。

お寺やお坊さんへのお心づけについては、領収書を発行してくれます。ただし、領収書を発行してくれない場合においても、支払記録としての保管が大切です。

2回の葬儀は原則控除対象

葬儀は、1回だけとは限りません。出生地と亡くなった土地で、2回の葬儀を行う場合もあります。さらに、親族間での葬儀と会社での告別式を行う場合もあるでしょう。葬儀を2回行った場合、どちらも控除対象となります。

しかし、あくまでも親族間で行った葬儀だけが対象となります。会社で行った葬儀に関しては、会社の経費として計上されます。「誰が葬儀を行ったか」が、最も大きなポイントです。

認められれば遠方親族への費用も控除対象

親族が遠方に住んでいる場合の交通費や宿泊費は、大きな経済的な負担となります。親族間で、交通費や宿泊費を負担することも少なくありません。

親族間で支払うべき理由が明確にある、さらに交通費や宿泊費を負担する習慣があるといった場合に、妥当な金額と認められて控除の対象となります。ただし、かかった交通費や宿泊費の金額、さらにはどの程度遠方に住んでいるのかといったことが審査されるため、確実に控除されるというわけではありません

【判例】偲ぶ会は控除が認められた

偲ぶ会は四十九日法会と異なる会で、葬式に参列できない方々を集めて故人を偲ぶ場です。一般的な葬式に妥当すると考えられ、平成26年1月10日の判決で偲ぶ会が控除対象と認められました。

しかし、判例があるからといっても確実に控除が認められるかどうかは別問題です。あくまでも、「認められる場合もある」という認識を持った方がよいでしょう。

葬儀費用で控除対象外なもの

葬儀費用で控除対象なものもあれば、控除対象外なものもあります。上述したとおり、控除対象になるかならないかの判断基準は、「葬儀費用として必要な費用かどうか」です。必要ないと判断されれば、控除対象外となります。

相続税に大きな影響を及ぼすため、対象になるかならないか判断できるようにしましょう。

葬式に直接関わらない費用は控除対象外

控除対象外となるものは、以下の費用などです。

・香典返し
・墓石の彫刻料
・遺体解剖費
・位牌や仏壇などの購入費用
・初七日以降の法事費用

たとえば、遺体解剖費は葬儀に直接な関係はない費用です。墓石の彫刻料や仏壇の購入費用も、葬儀の後で納骨してからの必要費用とみなされるため控除対象にはなりません。葬儀を行ううえで絶対にかかる費用のみが、控除対象になることを覚えておきましょう。

会葬御礼の控除は香典返しの有無で変わる

葬儀を行う際には会葬者に対して、会葬返礼品を感謝の気持ちとして用意するのが一般的です。香典返しをしておらず、会葬返礼品だけを渡す場合には控除対象となります。ただし、香典返しを行ったうえで会葬返礼品を渡す場合には控除対象外となります。

香典返しを会葬返礼品で行ったかどうかが線引きとなるため、事前に適した対応が求められます。相続税の負担軽減を考える場合、香典返しを会葬返礼品で渡すという方法がよいでしょう。

【判例】葬式の日の場所を移した法要は控除が認められない

相続税負担軽減のために、法要を葬儀の日に場所を移して行うことを考える方もいるのではないでしょうか。注意点として、法要を葬儀の日に場所を移して行った場合、控除は認められないという判例があります。

「通常の葬儀とは異なり、法会に該当する」と考えられるため、控除が認められないといったものです。葬儀のために必要な費用ではないと判断されました。

葬儀費用の控除制度を使えない人もいる

すべての方に葬儀費用の控除制度は適用されるものの、葬儀費用の控除を使えない方もいます。たとえば、国内にある財産だけに相続税がかかる制限納税義務者は、葬儀費用の控除を使えない方に該当します。

ほかにも、特定の財産を遺贈された方は特定受遺者となり、葬儀費用の控除を使えません。また、相続放棄者に関しても葬儀費用の控除制度を使えません。葬儀費用の控除制度を使えない方に該当するかどうかを事前に確認しておいた方がよいでしょう。

葬儀費用の控除申請での注意点

葬儀費用の控除申請を行うにあたって、いくつかの注意点があります。確定申告や領収書の重要性、納税の期限などを事前に把握しておくことが大切です。

多くの方は葬儀費用の控除申請を初めて行うからこそ、戸惑うこともあるでしょう。認識している点と異なる点もあるかもしれませんが、注意点を理解したうえで適切な対応を行うようにしましょう。

葬儀費用は確定申告の対象外

遺産は所得ではないため、葬儀費用は確定申告では控除されません。葬儀費用が確定申告の対象となった場合、何度も葬儀を行って税負担を軽減しようと考える方も出てきます。葬儀費用においては、相続税のみが控除の対象になることを覚えておきましょう。

申請時は葬儀費用の領収書なども持参する

葬儀費用の控除申請を行う際には、いつ、どこで、何の葬儀費用を支払ったのか証明するために領収書を持っていく必要があります。そのため、葬儀にかかわる買い物をした際には、領収書を受け取ることが大切です。

領収書を受け取り忘れたのであれば、支払記録を作り、葬儀費用として使った記録を残しておきましょう。対応を間違えてしまうと、大きな損をすることになります。

相続税の申告や納税は10ヶ月以内を厳守

相続税の申告や納税は、故人が亡くなった翌日から10カ月以内に行わなければいけないと決められています。行わないと、罰則が適用されます。さらに、新たな遺産を発見した場合、修正申告書を提出しないといけません

相続税の申告や納税には期限があるため、できるだけ早めに対応した方がよいでしょう。初めての対応で予想以上に時間がかかってしまうこともあるため、税理士に依頼することもおすすめです。

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まとめ

葬儀費用で相続税から控除できるものに該当するかどうかは、「葬儀に必要なものかどうか」で決められます。たとえば、式場使用料やスタッフの人件費などは葬儀に直接の関係があるため控除対象になります。

しかし、墓石や位牌、仏壇の購入費用は葬儀の時点では必要のないものであるため、控除対象にはなりません。自分で費用が控除対象になるかどうか考える際には、葬儀に必要な費用だったかどうかを確認しましょう。

相続税を申告や納税には期限が決められているため、余裕を持って早めに取り組みましょう。場合によっては、税理士に依頼することもひとつの方法です。

葬儀にかかったお金であることを正しく申請するためにも、領収書は必ず発行してもらいましょう。もしも受け取り忘れた場合には、支払記録として残しておき、保管しておくことが大切です。

相続税は頭を悩ませる問題となるからこそ、葬儀費用の控除によって負担軽減した方がよいでしょう。故人が亡くなったことで相続が予想される場合には、葬儀費用を相続税から控除できる点を覚えておくことが重要です。

葬儀に関するご準備は事前に行うことが大切です。いざという時困らないように、葬儀全般に関する疑問は、「小さなお葬式」へお問い合わせください。24時間365日専門スタッフがお客様のサポートをさせていただきます。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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