戒名はいつ誰がつけるの?必要性や宗派による違い、お布施の相場も解説

戒名はいつ誰がつけるの?必要性や宗派による違い、お布施の相場も解説

戒名は、仏門に入ったことを示す名前です。一般的に亡くなったあとに授けられます。多くは僧侶に依頼してつけてもらいます。戒名を依頼するにあたり、「位や費用について詳しく知りたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、戒名を授かるための位の種類や金額、宗派による戒名のつけ方の違いなどについて解説します。この記事を読めば、仏教に詳しくない方でも、覚えておきたい基本知識を身につけられるでしょう。

こんな人におすすめ

戒名を付ける際の費用について知りたい方

戒名のつけ方について知りたい方

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戒名とはどのようなもの?

戒名を「位牌につけるための名称」と考える方もいるかもしれませんが、決して形だけのものではありません。その宗教的な意義や歴史について正しく理解しておきましょう。ここでは、覚えておきたい基本知識を5つの項目に分けて説明していきます。

仏弟子となった証に与えられる名

日本の多くの地域では、故人に対して戒名をつける風習があります。本来は仏弟子となった印に付与される名です。戒律を守り、修行に専念することを誓う証とされています。

現世の氏名では仏様のいる世界へ行けないとされているため、現代でも亡くなった方に戒名を付与することが多くあるでしょう。ちなみに、宗派によって考えや呼び方は変わり、浄土真宗では「法名」、日蓮宗では「法号」と呼ばれます。

本来は生前に与えられるもの

一般的に戒名は死後につけられる名称と考えられていますが、元来は生きているうちに授けられるものでした。出家して仏弟子になる際、戒律を守って精進する心を示す証です。しかし、現在では多くのケースで亡くなった後につけられています。ほとんどの寺院では、希望すれば生前に授けてもらうことが可能です。

戒名をつける理由

戒名をつけるのは、出家していない人でも戒名で葬儀を執り行うことによって、極楽浄土に行けるようになると考えられているからです。

戒名を持っていることによって仏弟子と認められ、仏教徒として往生するようにとの願いが込められています。

戒名はいつ誰がつけるのか

戒名が付与されるタイミングについては、厳密なルールはありませんが、生きているうちに授かっていなかった場合、一般的にはお通夜の前に僧侶との相談で細かく決めていきます。電話で相談することも多く、遺族から伝えられた故人の人柄などを考慮して決定していくようです。

戒名が広まった歴史

戒名はどのように広まってきたのでしょうか。歴史をたどってみましょう。戒名の起源は中国にあり、非常に長い歴史があります。日本ではじめに戒名を得た人物といわれているのは、国分寺や大仏の建立に注力した「聖武天皇」です。

現在では、死後に授かる名と考えている方も多くいます。しかし、元来は生前に出家したとき、仏教に帰依した人が授かるものでした。過去には多くの戦国武将も、いつ戦場で死んでもよいようにと俗名を捨てて戒名を名乗っていました。

現代日本にある戒名は、日本独特のものです。死後に授けるようになったのは江戸時代からといわれています。江戸幕府によって檀家制度が確立され、世の人々はいずれかの寺院に属す必要が出てきたためです。当時から、高額なお金を支払った人は高位の戒名を授けてもらっていました。この制度の名残で、現在でも死後に戒名が与えられるようになっています。

戒名を構成する4つの号

戒名には位があり、それを理解するためには戒名を構成する号についての知識が必要です。それぞれの号がどのような意味を持っているのか、子どもの戒名についてはどのようなルールがあるのかについて解説します。

1. 身分が高い人の敬称「院号・院殿号」

院号は、元来は存命中にお寺を建てるほど寺院に貢献した人や、相応の地位や身分がある人にだけ授けられていた格式高い戒名です。

院殿号は、元来は天皇や貴族、位の高い武士など限られた人にしかつけられていませんでした。戒名の中では、最高位のものです。

2. 悟りを開いた者に与えられる称号「道号」

道号は本来、悟りを開いた者に与えられるものとされていますが、現代では故人の人柄を表す部分であると考えられています。道号は水子や幼児や未成年者には付けません

道号によく使われる文字は次の表のとおりです。

道号によく使われる文字 文字が表しているもの
海・山・峯 場所
光・老・翁 人や性格
殿・宅・斎 住居

道号に使うべきではない文字は次の表のとおりです。

道号に使うべきではない文字 文字が表しているもの
死・病・狂 縁起が悪いもの
祝・鶴・笑 縁起が良いもの

3. 仏の世界における呼び名「戒名」

本来の戒名とは、道号の次に置かれる2文字を指します。現世における名と仏様や経典から1文字ずつ取ってつけて、仏の世界における呼び名とされるのが一般的です。

生前の職業に通じる文字、師匠につながる文字、先祖から受け継いでいる文字なども使われます。天皇家や不吉なことを連想させる文字や、響きの悪い文字は戒名にふさわしくありません。

4. 性別や年齢などによって変わる「位号」

位号とは戒名の最後に置かれるものであり、成人は性別や年齢などによって変わります。また子どもの戒名は、成人とは異なったルールによってつけられます。

位号の順位ついて以下のとおりです。

位号の高さ 高い 低い
成人男性 大居士 居士 信士
成人女性 清大姉 大姉 信女

子どもの位号について以下のようになります。

子どもの性別 年齢 位号
男児 15歳ぐらいまで 童子・大童子
男児 4~5歳以下 幼児・嬰児・孩児
女児 15歳ぐらいまで 童女・大童女
女児 4~5歳以下 童女・大童女
水子・乳児 水子

宗派による戒名のつけ方の違い

宗派 戒名の構成 戒名の特徴
真言宗 梵字→院号→道号→戒名→位号 戒名の1文字目に「アの梵字」
浄土宗 院号→道号→誉号→戒名→位号 「誉」の文字が与えられる・白木位牌の1文字目に「キリークの梵字」
浄土真宗 院号→釈号→法名 戒名ではなく「法名」が与えられる・道号や位号がない・法名の前に「釋」もしくは「釈」の文字が置かれる
日蓮宗 院号→道号→法号→位号 戒名ではなく「法号(日号)」が授けられる・法号には「日」の文字が入る・道号は性別によって異なり男性は「法」女性は「妙」の冠字が使われる
天台宗 院号→道号→戒名→位号 白木位牌の1文字目に「ア号の梵字」もしくは「キリークの梵字」が置かれる
曹洞宗・臨済宗 院号→道号→戒名→位号 白木位牌の1文字目に「新帰元」という言葉が置かれる

真言宗

真言宗の戒名の特徴は、戒名の1文字目に「アの梵字」が置かれることです。「アの梵字」は大日如来を意味しており、戒名の先頭に置くことで、その戒名を授けられた人は大日如来の弟子であることを示すものです。

ただし、幼児の場合は「アの梵字」ではなく、地蔵菩薩を表す「力の梵字」が置かれます。戒名の構成は「梵字→院号→道号→戒名→位号」となります。

浄土宗

浄土宗の戒名の特徴は、「」の文字が与えられることです。院号の次に、道号が置かれずに誉号が置かれるケースもあるでしょう。

また、白木位牌の1文字目に阿弥陀如来を示す「キリークの梵字」が置かれることがあります。戒名の構成は「院号→道号→誉号→戒名→位号」となります。

浄土真宗

浄土真宗の戒名の特徴は、第1に戒名ではなく「法名」が与えられることです。第2に道号や位号がないこと、第3に法名の前に、「釋」もしくは「釈」の文字が置かれるのが特徴です。

「釋」もしくは「釈」は、仏の弟子であることを表しています。戒名の構成は「院号→釈号→法名」となります。

日蓮宗

日蓮宗の戒名の特徴は、戒名ではなく「法号(日号)」が授けられることです。法号の中には「日」という字が含まれます。また、道号は性別によって異なり、男性は「法」女性は「妙」の冠字が使われるのも特徴です。戒名の構成は「院号→道号→法号→位号」となります。

天台宗

天台宗の戒名の特徴は、白木位牌の1文字目に「ア号の梵字」もしくは「キリークの梵字」が置かれることです。

「ア号の梵字」は大日如来を、「キリークの梵字」は阿弥陀如来を意味しています。戒名の構成は「院号→道号→戒名→位号」となります。

曹洞宗・臨済宗

曹洞宗・臨済宗の戒名の特徴は、白木位牌の1文字目に「新帰元」という言葉が置かれることです。「新帰元」の意味は、「新しく元にいた世界に帰る」です。戒名の構成は「院号→道号→戒名→位号」となります。

<関連記事>
戒名の文字数は宗派で変わる!戒名の構成や戒名料の相場は?

戒名をつける際にかかるお布施の金額目安

戒名を授かるためにはお布施を納めなければなりません。お布施の金額によって戒名の位は異なります。お布施の金額目安と戒名の位については以下の表のとおりです。

お布施の金額目安 戒名の位
50万円以下 男性は「信士」・女性は「信女」
50万円〜80万円 男性は「居士」・女性は「大姉」
100万円以上 院号
お布施額不明 院殿号

戒名にランクがある理由

仏教の教えでは全ての人は平等であると考えられているため、本来、戒名はランク付けをする性質のものではありません。

ただし現在の戒名は、江戸時代の檀家制度によって作られてきたものであるため、当時の身分の違いを示す仕組みが引き継がれてきたという面があります。

高貴な生まれ、名家の血筋、寺院への貢献、生前の社会的功績などを表すものとしてランクが付けられてきました。

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まとめ

戒名の種類や位、宗派ごとの違いなどの基本知識を身につけておくと、いざというときに焦ることは少なくなるでしょう。また、戒名の必要性や歴史を踏まえておくことで、理解はいっそう深まります。

小さなお葬式では、お葬式に関するご相談を24時間365日承っています。何かお困りごとがありましたらお気軽にお問い合わせください。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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よくある質問

よくある質問
  • 戒名は絶対につけなければならないの?

  • 戒名はどうやってつけてもらうの?

  • 戒名は自分でつけてもいいの?

  • 夫婦で戒名を合わせることはできる?

  • 戒名紙をもらった場合はどうしたらいいの?

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