日本においての仏教は、「真言宗」「浄土宗」「曹洞宗」など数多くの宗派が存在します。その中でも「日蓮宗」の寺は多いため、日蓮宗で葬儀をする方も多いかもしれません。宗派で作法や教義などが異なるため、日蓮宗の葬儀の場合はお布施をどのように渡せばよいのか分からない、という方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、日蓮宗の葬儀のお布施はどのように渡せばよいのか、事例やマナーも含めて解説します。前もって把握をすれば、日蓮宗の葬儀が初めてであってもスムーズにお布施を渡せるでしょう。
<この記事の要点>
・家族葬の場合、お布施の目安は30万円程度
・日蓮宗のお布施の表書きは「御布施」「御経料」が一般的
・お布施は僧侶が食事のタイミングで渡すのが一般的
こんな人におすすめ
日蓮宗を信仰している人
日蓮宗の葬儀を行う予定の人
お布施のマナーに悩んでいる人
葬儀の際に渡すお布施は一般的に、読経をしてもらった謝礼として、金品を僧侶へ渡すことをいいます。お布施の額は決まっておらず「お布施はお気持ちで」といわれることが多いため、「ほかの人はどれくらい渡しているのか」と気になる方もいるでしょう。ここでは、日蓮宗の葬儀のお布施事例を、3ケースに分けて解説します。
家族葬は、家族、親族、友人、知人といった、故人と親しかった方のみで執り行う葬儀です。一般的な葬儀と比較して、参列者が少ないのが特徴であり、30名以内の小規模な葬儀となるでしょう。
家族葬で渡すお布施は、読経の回数が金額に影響を与えます。家族葬においては、「枕経」から「初七日法要」まですべて行うと、合計で6回の読経です。6回すべて読経を依頼した場合は、お布施の目安は30万円程度だといえるでしょう。ただし地方によって目安は異なるため、事前に親戚や葬儀社に相談をすることをおすすめします。
年忌法要は、「三回忌」や「七回忌」など、決められた年忌で法要を行うことを指します。以下に、どのくらいのお布施を渡したのか3つの事例を挙げるので、参考にしてみてください。
【3回忌法要】
住職より「7万円」「5万円」「3万円」といった、「割り切れない数字がよい」というアドバイスをもらったことで、5万円をお布施として渡した
【7回忌法要】
父の7回忌法要として、10万円をお布施として渡した
【両親の年忌法要】
父母そろって年忌法要を依頼し、6万円をお布施として渡した
水子供養は、生まれてこられなかった子どもを供養するものです。昔は、生まれてからすぐに亡くなった子どものことを水子と呼びましたが、現在では生まれてこられなかった子どものことを指すことが多くなりました。
水子供養は、比較的若い世代が行うことが多く、お布施の金額は低い傾向にあるといえるでしょう。1万円をお布施として渡したというケースも聞かれます。ほかの法要や供養と比較して、それほど高い額ではありません。不安であれば、事前に住職に確認しましょう。
お布施は、いくつかの料金を合計したものを指します。お布施の内訳は多くの場合、「読経料金」「法号(戒名)料金」です。「御車代」「御膳料」の2つはお布施ではないことも覚えておきましょう。それぞれで意図が異なるため、包む金額も異なります。特に金額が大きいのは、読経への謝礼と法号授与への謝礼であり、お布施の金額の多くを占めるでしょう。
一般的な葬儀であった場合、読経料として15万円を用意しておきましょう。これは、僧侶が読経してくれたことの謝礼として渡すお布施です。通夜や葬儀、火葬などの際に読経を依頼します。
読経の回数によってお布施の金額が変わるので、何回読経をしてもらうかを把握しておくとよいでしょう。読経の回数が多ければ、それだけ多くの金額を渡します。読経1回につき、5万円ほどとして考えておくのが一般的です。
法号料は、法号のランクが低い場合と高い場合で金額が異なります。日蓮宗の場合で、法号のランクごとの金額を以下にまとめましたのでご覧ください。
・信士・信女:2万円~5万円
・院信士・院信女:5万円~10万円
・院日信士・院日信女:15万円~20万円
・院居士・院大姉:20万円~25万円
法号とは、仏門に入った方が授かる呼び名です。菩提寺の墓に納骨をする場合には法号が必要となるため、生前に授かっていない場合は亡くなったとき必要になります。ランクが高ければよいということでもないので、故人に合った法号を選びましょう。
御車代は、5,000円程度を包むのが一般的です。御車代とは、葬儀場や火葬場などへ僧侶に来てもらう際の移動費用を指します。遠方から来てもらう際は、5,000円にプラスアルファをして渡しましょう。
御車代は、お布施には入りません。住職に対して交通費を支払ったことを表すため、お布施とは別の封筒に入れて渡しましょう。なお、親族の車で僧侶の送迎を行う場合や、自分たちでタクシーを手配した場合はお車代を渡す必要はありません。
御膳料は、5,000円~1万円を包みましょう。葬儀や年忌法要などを執り行ったあとには、食事の席を設けることもあるでしょう。思い出話などをして故人を偲び、参列していただいた方への感謝の気持ちを込めて行います。
通常であれば僧侶も参席しますが、都合が悪い場合などは辞退されるケースも考えられるでしょう。僧侶が食事の席を辞退した際に、食事の代わりに渡すお心づけを御膳料といいます。御膳料はお車代と同様に、お布施の金額には含みません。お布施とは別の封筒に入れて渡しましょう。
宗派によって作法や教義が異なるように、一般的なお布施の額も異なります。ここでは、日蓮宗以外の主な宗派のお布施額をご紹介します。なお、浄土真宗は位の概念がないとされています。
浄土真宗のお布施額は、10万円~30万円です。浄土真宗においては、浄土では平等であるとの考えがあり、ランクもあまり変わりません。そのため、ほかの宗派と比較しても金額は低い傾向にあります。
・信士・信女:30万円~40万円
・居士・大姉:50万円~60万円
・院信士・院信女:70万円~
・信士・信女:30万円~50万円
・居士・大姉:50万円~70万円
・院信士・院信女:100万円~
・院居士・院大姉:100万円~
・信士・信女:30万円~50万円
・居士・大姉:50万円~80万円
・院居士・院大姉:100万円~
・信士・信女:30万円~50万円
・居士・大姉:50万円~70万円
・院信士・院信女:80万円~
・院居士・院大姉:100万円~
・信士・信女:30万円~50万円
・居士・大姉:50万円~70万円
・院信士・院信女:80万円~
・院居士・院大姉:100万円~
宗派ごとに作法や教義が異なるため、日蓮宗独自のお布施のマナーについても把握しておく必要があります。特に把握しておきたいお布施のマナーは、「表書きの書き方」「墨の濃さ」「封筒」「渡すタイミング」の4つです。
マナーを把握しておかないと、僧侶に対して失礼にあたってしまう恐れがあります。詳しく解説をするので、チェックしておきましょう。
日蓮宗のお布施の表書きは「御布施」「御経料」です。読経に対する対価という概念ではないため、「御布施」と書くほうがより好ましいとされています。日蓮宗に限らず、「お金」をイメージさせるような言葉は慎む、といった考え方があるので注意しましょう。
法号料などと別で渡す場合であれば、どちらで記入しても構いません。下の段には、喪主の氏名を記入します。迷いやすいポイントなので覚えておきましょう。
表書きを書く際は、濃い墨を使って書きます。薄墨ではないので注意が必要です。薄墨は送り主から、弔意を伝えたいときに使用します。香典やお布施を薄墨で書くケースもありますが、日蓮宗においては真っ黒な墨で書くのがマナーです。誤って薄墨で書いた場合は、マナー違反となってしまうので注意しましょう。
日蓮宗では、お布施は白い無地の封筒に包みます。香典袋ではないので、誤って利用しないように注意が必要です。封筒は二重になっていないものを選びます。二重になっていると「不幸が重なる」という意味となるため、一重の封筒を用意しましょう。
郵便番号の欄があるとマナー違反となります。無地であることをしっかりと確認をしてから購入しましょう。
お布施は、僧侶が食事に参席しているタイミングで渡すのが一般的です。その際に、お車代があれば一緒に渡します。
僧侶が食事を辞退される場合は、法事や法要が終わった直後のタイミングで渡しましょう。食事を辞退されているため、御膳料も忘れずに渡します。お車代がある場合は、同じタイミングで渡しましょう。僧侶が食事に参席するのかを、事前に把握しておくことが重要といえます。
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仏教にはさまざまな宗派があるため、日蓮宗で葬儀を行う場合は、日蓮宗のマナーに合わせたお布施の渡し方が重要です。今回解説をした日蓮宗の一般的なお布施の金額やマナーなどを参考にして、滞りなくお布施を渡しましょう。もし分からないことがあれば、葬儀社に相談してみることをおすすめします。
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