香典は経費にできる!勘定科目はどうなる?
参列マナー

作成日:2020年11月04日  更新日:2020年11月12日

香典は経費にできる!勘定科目はどうなる?

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会社の経理担当や個人事業主にとって、支出がある時に必ず気になるのが「これは、経費として計上できるのだろうか」ということかと思います。毎月のように発生する支出に関してはすぐに分かるものの、冠婚葬祭に関する支出に関しては、頭を悩ませる場合があることでしょう。この記事では、香典に的を絞ってご説明します。

結論から申し上げますと、ビジネス上の香典であれば、経費に計上することが可能です。その際の勘定科目や、細かい分類などに関して覚えておきたい点がいくつかありますので、是非下記の目次の内容を参考にしてください。

【もくじ】
香典の勘定科目は渡す相手で変わる
領収書の代わりとして用意するもの
香典には消費税はかかる?
社葬を執り行う場合の経費
まとめ

香典の勘定科目は渡す相手で変わる

ビジネス上の葬儀の際に支出した香典の場合は、経費として計上できます。しかし、その際注意が必要なことは、お渡しする相手によって経理処理の勘定科目が変わるという点です。香典を渡す相手とは、社員または従業員とその家族、取引先の関係者、個人事業主の場合の3分野に大まかに分けることができるでしょう。

経理処理の際に、勘定科目の分類を間違えてしまうと、大きな会社場合は法人税の額が変化する可能性が出てきます。法人でなくても、税務調査などが入る場合がありますので、きちんと確認することが必要です。

社員または従業員とその家族は「福利厚生」

香典をお渡しする相手が、自分の会社の社員または従業員とその家族の場合であれば、経理処理の勘定科目は「福利厚生費」です。福利厚生とは、働く側が安心して働けるように定められているものですので、社員や従業員本人だけでなく、その家族も含まれます。会社役員の場合も同じで、勘定科目は「福利厚生費」です。

会社の慶弔規定の範囲内であれば、退職した従業員に渡す香典の場合も同じように「福利厚生費」として計上することができます。経理処理を行う際に、借方・貸方勘定科目を入力した後、適用や備考の欄に「香典代」と記載しておくと、後から税務調査などがあった場合の説明の際に助かるのでおすすめです。

取引先の関係者は「接待交際費」

香典をお渡しする相手が、ビジネス事業に関連した取引先の関係者の場合は「接待交際費」として計上します。どんなに長い付き合いがある取引相手でも、自社の社員や従業員ではなく、あくまでも社外の人間であるという認識です。

現在行っている事業の取引中の関係者に加え、近い将来ビジネス上の取引を行う予定である関係者も「接待交際費」の勘定科目で計上できる対象に含めることができます。ただし覚えておきたいのは、専属下請け先の従業員や特約店のセールスマンの場合は、自社の社員や従業員と処遇が同じであるとみなされ「接待交際費」として計上できないこともあります

個人事業主は「接待交際費」

個人事業主の場合は、香典をお渡しする相手先がビジネス事業を行う上で付き合いのある関係者であれば接待交際費」として計上することができます。通常は、サラリーマンや公務員は、香典を経費として計上することはできません。しかし、中にはサラリーマンであっても個人事業主として確定申告を提出している方がおられることでしょう。

その場合は同じく、支出した香典は「接待交際費」です。ただし、経費として計上できる香典はあくまでもビジネス事業に関連したものと定められています。ですから、自分の親族や仲の良い友達であっても事業に関係のない方の葬儀でお渡しした香典の場合は、経費として計上することができません。

香典の金額は常識範囲で

経費として計上することができる香典ですが、お渡しする金額は社会通念上の常識範囲内におさめる必要があります。なぜなら、香典をお渡しする相手との関係性などから、社会一般の常識範囲を超えている高額の香典をお渡しした場合、税務調査が入った際に説明を求められるからです。

また、場合によっては経費として認められず、渡された相手に所得税が課税される可能性も生じます。そのため、あらかじめ会社の慶弔規定として香典の金額を定めている会社も多くあるようです。

下記に、社会通念上の役職別による香典相場票を記載しますので、参考にしてください。

亡くなった方の役職 相場の香典額
創業者・会長または社長 30,000円~100,000円以内
副社長または役員 10,000円~100,000円以内
会長または社長のご家族やご親戚 0円~50,000円以内
社長経験者 0円~100,000円以内
取引先の担当者 5,000円~30,000円以内
取引先担当部門責任者または担当者上司 5,000円~30,000円以内

上の表を見てお分かりのように、亡くなった方の役職や関係性でも金額が変わってきますが、高くても10万円以内までというのがビジネス関連における香典の相場金額と言えます。

香典以外に経費計上できるもの

葬儀に出席する際には、香典以外にも何かと出費が発生することがあるでしょう。例えば、葬儀会場に向かう際の交通費や宿泊費などです。その場合も、支出した費用を経費として計上することができ、「旅費交通費」の勘定科目を使用できます。旅館・ホテル、公共交通機関などの領収書をきちんと保管しておくとよいでしょう。

領収書の代わりとして用意するもの

確定申告を行う際に、支出したものを経費として計上し、経理処理を行うためには領収書が必要なのが一般的です。しかし、香典に関してはほとんどの場合、領収書は発行されません。ましてや、遺族に領収書の発行を求めることもナンセンスといえます。

そのため、領収書の代わりとしてみなされるものが税に関する法で定められていますので、ご紹介します。これらは確定申告を行う際に必要な提出書類ではありませんが、不意に税務調査が行われた場合の経理処理の説明に役立ちますので、きちんと保管しておくことが必要です。

香典に領収書は発行されない

香典に関する支出が発生した場合は、領収書が発行されないことを念頭に置いて、メモを残しておくことができます。葬儀が実際に行われたことや、香典をお渡ししたことに関しての記録です。例えば、香典をお渡しした日時場所相手の会社氏名や関係性金額などを記しておきます。

手書きでも構いませんので、後から見返したときにすぐに思い出せるように、分かりやすく箇条書きにしておくとよいでしょう。加えて、メモだけでは支出が発生したことに関する証明力が弱いため、以下の書類を一緒に保管しておくことも一般的にすすめられています。

葬儀の案内状

きちんと保管しておきたい書類の一つは、葬儀に関する案内状です。葬儀に関する案内状とは、亡くなられた方に関する訃報と葬儀に関する詳細を家族や親族を含め、関係者すべてに送るお知らせのことを指します。これは、遺族側が発行した書類ですので、葬儀が執り行われたことと、香典の支出が確かにあった事実を証明するのに役立つでしょう。

案内状と共に、葬儀や渡した香典に関して記しておいた箇条書きのメモを保管しておくと税務調査の際には万全です。とりわけ、一年間に香典の支出が頻繁に生じた場合などには、確定申告の際に税務署からの指摘が入る場合がありますので、捨てずに保管しておくことをおすすめします。

葬儀でもらう会葬礼状

保管しておきたい別の書類は、会葬礼状です。会葬礼状とは、亡くなった方のご遺族が通夜や葬儀に出席してくれたことに対する感謝を伝えるためのお礼状を指します。一般的に、葬儀に出席した際に、会葬御礼品と共に受付の際に渡されるようです。

会葬礼状にも、葬儀に関する年月日や喪主名が記載されていますので、香典に関する支出を証明するのに役立ちます。案内状と会葬礼状のどちらか片方でも構いませんので、詳しく記したメモと共に保管しておくと、経理処理上の強い証明となるでしょう。

香典袋のコピー

時として、葬儀に関する案内状や会葬礼状をいただけない場合、もしくはメールなどで送られてくる場合があるかもしれません。その場合は、別の方法として香典を相手にお渡しする前に、名前など必要事項をすべて記入したお渡しする直前の香典袋をコピーしておくことができるでしょう。その際は、表と裏の両方をコピーします。

このコピーは、実際に香典を渡して支出が発生したことの裏付けです。もし、香典返しを頂いた場合は、その挨拶状も一緒に保管しておくとより一層証明度が高くなります。

香典には消費税はかかる?

確定申告を行う際に勘定科目の他に気になるのが、消費税の問題でしょう。税金の問題は、ビジネスを行う上で避けて通ることはできません。結論から述べますと、香典の場合は、ビジネス事業に関連したお金ではないため消費税はかかりません。

香典に消費税はかからない

消費税法において、香典は不課税取引という扱いがなされています。ですから、お渡しした香典は課税対象にならず、消費税がかかりません。確定申告を行う際は、会計ソフトの消費税区分に注意して入力します。

ただし、先に述べました通り、香典の金額が社会の一般常識範囲内の金額であれば非課税対象である、と法で定められています。

お供物には消費税がかかる

覚えておきたいこととして、香典そのものには消費税がかかりませんが、供花や果物などのお供物には消費税がかかるということです。供花の場合は10%の消費税果物の場合は飲食物ということで軽減税率8%の消費税が適用されます。この場合も、会計ソフトを使用しているのであれば、消費税区分に注意する必要があるでしょう。

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社葬を執り行う場合の経費

ビジネスに関連した葬儀は、社葬として執り行われることが多くあるかと思います。社葬の際に覚えておきたい点として、経費として計上できないものがあるということです。あくまでも会社の事業そのものに関係のあった人物の社葬の場合のみと定められています。

したがって、社長の奥様の社葬の場合は、事業との関係性が認められなければ経費として計上できる可能性が低いと言えます。会社側が負担する費用か、遺族側が負担する費用かにより経費として認められるかどうかが変わってくる、ということに注意が必要です。

経費として計上できるものとできないもの

社葬の際に経費として計上できる主な支払項目とは、葬儀に直接関連していることに対する支出の場合です。以下がその一例です。

斎場使用料
読経料
祭壇費
お供物費用
警備員代
会葬礼状などの費用
備品使用料
参列者の送迎費や飲食費
粗品代

大抵の場合、何を経費として計上処理するかは、会社の取締役会で前もって定められているようです。会社の取締役会で経費として認められた場合の勘定科目は「福利厚生費」として処理します。

経費として計上が認められない項目とは、社会一般常識として、遺族側が負担するものとみなされている分野で、具体的には以下の内容が挙げられます。

墓地や仏壇などの購入費用
戒名料
香典返し費用
火葬料
死亡診断書料
納骨料
初七日や四十九日の法要費用

万が一、この項目の中のいずれかの費用を会社側で負担した場合は、「遺族への寄付金」として経理処理を行うというのが通常の方法です。

香典返しは経費計上できない

経理処理を行う際に注意しておきたいのは、いただいた香典返しは経費として計上できないという点です。それは、本来香典返しは会社側ではなく遺族側が行うものという理由により、国の法で定められているからでしょう。

たとえ、何らかの事情により会社側が香典返しを行った場合でも、例外はありませんので経費として計上することはできません。

受け取った香典の処理方法

香典を渡した場合ではなく、香典を受け取った場合の経理処理は、誰が受け取ったかで異なります。亡くなった方の遺族側が香典を全額受け取った場合は、会社側として経理処理を行う必要はありません。しかし、社葬で行われたことなどを理由に遺族側が香典の受け取りを辞退した場合は、会社側の収入とみなされますので「雑収入」として処理します。

この場合の受け取った香典も、渡した場合と同様消費税は適用されません。時として、その後の事情の変化により、香典を遺族側に渡す事態が生じることがあるようです。その場合は支出となり、勘定科目を「寄付金」として計上し、経理処理を行います。

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まとめ

この記事では、葬儀に関連する費用のうちの香典の経理処理についてまとめました。香典を渡した場合は、経費として計上できるものの、渡す相手により勘定科目が変わります。また、渡す香典の金額に関しては社会通念上の常識の範囲内でおさめておくことや、税務調査が行われた時のために保管しておくべき書類があることは覚えておきたい点です。

現役の社長などが不意の事故や病気などで急に亡くなられてしまった場合は、葬儀に関しても相続税の分野がかかわってきます。細かい点やご不明な点につきましては「小さなお葬式」へご相談ください。

葬儀に関するお問い合わせは「小さなお葬式」へ

葬儀に関するご準備は事前に行うことが大切です。いざという時困らないように、葬儀全般に関する疑問は、「小さなお葬式」へお問い合わせください。24時間365日専門スタッフがお客様のサポートをさせていただきます。


最後に

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