- 四華花(しかばな)
- 葬具の一つ。白紙を竹串に巻きつけ、横に細かくハサミを入れたもの。かつてはこれを四本、木の台や大根の輪切りに突き立て近親者が持って葬列に加わりました。四華の由来は、釈尊が、涅槃に入られるとき、死を痛み悲しんで四本の沙羅双樹の花が白く変化したことから、それになぞらえ、死者が涅槃に入ったことを象徴しています。
- 樒(しきみ)
- 仏前に捧げられるもくれん科の常緑樹。しきびとも言われます。仏事ではこの樒をハナと称し、墓や位牌の前に水と一緒に供えます。特に埋葬や納骨のときには一本花といって一本の樒を供える風習があります。
- 死化粧(しげしょう)
- 故人の顔や髪を整え、化粧をすること。故人の生前使っていたメイク用品などを使い生前のおもかげをのこし、弔問者などにきれいなお姿を見ていただけるように化粧をします。エンジェルメイクとも言います。湯かんの後、病死でほほがそげていれば、脱脂綿を含ませたり、女性では薄く化粧をほどこしたり、男性の場合ではひげを剃ったりします。
- 時宗(じしゅう)
- 一遍によって開宗された鎌倉仏教の代表的宗派。どのような層の人でも念仏を唱えることで等しく救われるという教え。
- 四十九日(しじゅうくにち)
- 人の死後、49日間。今生(こんじょう)の死と来世の生との中間の期間。中陰。七七日忌とも言う。次世の生を受けてない七の七倍の期間。人の死後四十九日間は中有(ちゅうう)に迷っているため、死者のために追善供養をして冥福を祈り、死者が果報を得て成仏するように、初七日から七日ごとに供養する習慣があります。「十王経」には、中有の間、七日ごとに裁判があるといわれ、従って七日ごとに供養を行うのも、そうした事情と関係があると思われます。
- 自然死(しぜんし)
- 外傷や病気によるのではなく、加齢現象が進み、老衰によって死亡すること。全身の諸臓器が老化して死に至ること。外因死が除外され、かつ死因となるべき疾病が見出せなかった死体。死亡診断書(死体検案書)の死亡の種類の欄に「病死および自然死」という欄があります。
- 自然葬(しぜんそう)
- 散骨(海や川、山、宇宙など)により、自然に回帰しようとする葬儀・葬式です。
- 紙垂(しで)
- しめ縄、または玉串などにつけてたらす紙。古くは木綿を用いました。
- 死装束(しにしょうぞく)
- 死者に着せる白い衣裳。僧の姿になぞらえて、白木綿に経文を記した着物で、強化旅らとも、仏衣とも言います。まず経帷子を着せ、六文銭の入った、頭陀袋を首にかけ、合掌した両手に数珠を持たせます。そして足袋、わらじ、すげ笠、杖のいでたちをします。
- 死に水(しにみず)
- 脱脂綿を割り箸に巻き付けたものか、新しい筆に水を含ませ、故人の唇を濡らします。末期の水とも言います。死に水を取る順序は、肉親から近親者へと続きます。死者への惜別の行為であり、昔は死者だけではなく、枕元に集まった近親者も、水を分かち合ったといいます。
- しのび手(しのびて)
- 神道の拝礼は2礼2拍手1拝であり、拍手のときのような両手を音を出して叩くようなやり方ではなく、両手を打つ手前で止め、音を立てない拍手をすることをいいます。玉串奉奠の後、遺影を正視し、冥福を祈って二礼・二拍手・一礼するが、このときにしのび手にします。また故人の一年祭までしのび手にします。
- 偲ぶ会(しのぶかい)
- 密葬や家族葬の後、ご友人、知人、会社や業界などお仕事上で交流のあった方々などが多く集まり故人を偲ぶために集まること。
- 死亡診断書(しぼうしんだんしょ)
- 患者の死亡を証明する医師の診断書です。事故死、変死、他殺、自殺などの死の場合は、司法解剖を警察が行い、警察医より死体検案書が発行されます。記入事項は死者の氏名、年齢、性別、発病年月日、死病年月日、時刻、死亡場所、死亡原因などで、死亡届といっしょに市区町村役場に提出します。各役所では日曜・祝日を問わず二十四時間受け付けることになっています。
- 死亡届(しぼうとどけ)
- 人が死亡した場合、七日以内に役所に届ける、死亡診断書と一緒になった書類。同居の家族や別居の親族が記入します。届け先は死亡地、死亡者の本籍地、住所地または届出人の住所地のいずれかの市区町村役場の戸籍係。
- 市民葬(区民葬)(しみんそう(くみんそう))
- 市民葬[区民葬]とは、故人、または喪主などがその自治体に移住している場合に出来る葬儀・葬式です。自治体が葬儀社・葬儀屋と協定し、必要最低限の葬祭を低価格で行うことが出来ます。
- 標縄・注連縄・七五三縄(しめなわ)
- 境界を示し出入りを禁止することを示すために張りまわす縄。特に、神事において神聖な場所を画するために用いたり、また新年に門口に魔除けのために張ったりする。新しい藁で左ないにして作り、これに紙垂をはさんで垂らします。神葬では忌竹といって、葉つきの青竹を四方に立て、それに注連縄をつけて斎場の結界に用いたり、棺に注連縄をめぐらしたりします。
- 釈迦(しゃか)
- 仏教の開祖。姓はゴーダマ、名はシッダルタ。生死解脱の法を求めて二十九歳のときに出家し、三十五歳で菩提樹の下で悟りを開いた。以後、各地で法を説き、八十歳でクシナガラ郊外で入滅した。釈尊。釈迦は釈迦族の聖者の略。
- 釈号(しゃくごう)
- 浄土真宗で、死者の法名の上につける語。男性は釈○○、女性は釈尼○○といい、居士や大姉などの位階を表わす称号は用いません。
- 社葬(しゃそう)
- 会社が施主として行う葬儀・葬式。 故人が所属していた会社に、特に功績があった場合、業務上の事故で死んだ場会、会社が主催して執行されるお葬式です。この場合葬儀費用は会社が負担する。ただし、香典は遺族が受け、香典返しも遺族が行うことが多いようです。団体葬、組合葬も同じです。社葬の決定は、訃報を聞いた後ただちに緊急役員会議が開かれ、その形式が決められます。
- 舎利(しゃり)
- 遺骨のこと。とくに釈迦の遺骨をさして仏舎利といいます。釈迦の遺骨は中インドの八ヶ所に分骨して納められ、遺徳を偲ぶ舎利塔が立てられました。
- 終活(しゅうかつ)
- 人生の終わりに向けて、葬祭やお墓の準備を始めること。
- 十三仏(じゅうさんぶつ)
- 年忌追善に際し、初七日から三十三回忌までの13回に配当して供養する仏・菩薩(ぼさつ)。南北朝時代に成立した信仰。初七日は不動妙王、二七日は釈迦如来、三七日は文珠菩薩、四七日は普賢菩薩、五七日は地蔵菩薩、六七日は弥勒菩薩、七七日は薬師如来、百か日は観世音菩薩、一周忌には勢至菩薩、三回忌には阿弥陀如来、七回忌には阿如来、十三回忌には大日如来、三十三回忌には虚空蔵菩薩となります。この十三仏は経典にはなく、室町時代の俗説であるといわれています。
- 宗旨(しゅうし)
- 一つの宗派の教理や宗義の要旨。宗門、宗派。
- 自由葬(じゆうそう)
- 従来の葬祭の形式にこだわらず、故人の生き方にふさわしいように自由な演出を行うお葬式。例えば、故人の生前の趣味を表した祭壇を設けたり、ビデオを流したり、故人の希望や遺族の要望を汲んだ自由な葬儀・葬式を行うことができます。
- 数珠・珠数(じゅず)
- 仏前で礼拝するとき、手にかけて用いる仏具。念珠。唱念のときに珠を手繰り、数を数える役目を果たします。本来は数を記す珠の意味で、糸に通した珠の数は一〇八が基本です。一〇八は通説では一〇八の煩悩を表わします。数珠は左手にかけ、合掌するときは、両手の手のひらで、その数珠を挟むようにしてお参りします。一般には、どの宗派にも共通に使える略式のもの(一連)が、多く使われています。
- 出棺(しゅっかん)
- 告別式が終わり、棺に釘打つが行われたあと、霊柩車に棺を運び出すこと。棺を出すときには逆さごととして、玄関口を用いず、縁側から運び出すとされていますが、実際には住宅事情の関係で実施されていません。霊柩車に運んだあと、遺族代表は見送りの人々に挨拶をし、喪主は位牌を、遺族または近親者が遺影を持って車に乗ります。
- 須弥壇(しゅみだん)
- 須弥山をかたどった壇で、中程が細い台座で、仏像、宮殿を安置する土台になる壇。祭壇は主にこれをかたどっており、仏壇の内陣も須弥壇と呼びます。須弥山とは仏教の世界説で、世界の中心にそびえ立つ高山。
- 樹木葬(じゅもくそう)
- 遺骨を埋葬するときに骨つぼに収めず直接土に埋め、墓石の代わりに樹木や花を植えて墓標として埋葬する方法のこと。
- 焼香(しょうこう)
- 葬儀・葬式や法事・法要に際して、仏前や霊前に香を焚き、敬虔な心を捧げること。焼香の順序は 1 焼香台のある仏前に進み、本尊もしくは遺影に黙礼します 2 香をつまみ、香炉へ1回~3回焼香をします 3 合掌礼拝して退きます。
- 焼香順序(しょうこうじゅんじょ)
- 焼香順序は血縁の濃い順に行うといわれています。例えば一家の主がなくなった場合には、1喪主(未亡人または長男) 2姓の同じ子供 3姓の替わった子供 4故人の父母 5故人の配偶者の父母 6故人の孫 7故人の兄弟姉妹8故人の配偶者の兄弟姉妹 9故人のおじおば 10故人の配偶者のおじおば 11故人の甥姪の順になります。なお夫婦は同時に行いますが、喪主が長男の場合、1長男 2未亡人 3長男の妻…と続きます。また一緒に住んでいた孫は、故人の子供と同時に焼香するのが普通です。
- 荘厳(しょうごん)
- 仏壇を御飾りすること。天蓋、憧幡で仏像・仏堂を飾ること。浄土を現わす極彩色の飾り物によって、聖なる空間を作り出します。
- 精進落とし(しょうじんおとし)
- 火葬の終わった当日、葬儀・葬式にあたってお世話になった僧侶、世話役、知人などの慰労と感謝を込めておもてなしをすること。昔は通夜から葬儀が終わるまでは生物をたち、このときに初めて肉や魚を食べ、精進の区切りをつけました。
- 精進料理(しょうじんりょうり)
- 肉・魚などを用いず、野菜・豆腐など植物性の材料で作る料理。「精進」とは一心に仏道修行に励むという意味あり、仏教では粗食をむねとし、肉食をしないのを原則にしていることから名づけられています。
- 祥月命日(しょうつきめいにち)
- 祥月とは、故人が亡くなった月をいい、中国では、喪は凶に通じ、喪が開けることはめでたい、幸せなこと(祥)とされてきました。そこで忌明けのめでたい月を祥月といったのです。命日は、亡くなった日で、死亡した同じ月日を祥月命日といいます。
- 浄土(じょうど)
- 悟りを開いた仏、または将来悟りを開くべき菩薩のすむところで、煩悩で汚れた凡夫の住む穢土(えど)に対比しています。例えば、阿弥陀仏の住む西方浄土。
- 浄土宗(じょうどしゅう)
- 平安末期、法然が浄土三部教や浄土論に基づいて創始した浄土教の一派。阿弥陀仏の本願に頼り、もっぱら念仏を唱えて極楽に往生することを教義とする。浄土専念宗。
- 浄土真宗(じょうどしんしゅう)
- 浄土宗の開祖である法然(ほうねん)の弟子の親鸞(しんらん)を開祖とする浄土教の一派。浄土三部経を所依の経典とするが、特に無量寿経により阿弥陀仏の本願の信心を重視し、称名念仏は仏恩報謝の行であるとするのを宗旨とする。真宗。門徒宗。一向宗。本尊は阿弥陀仏であり「南無弥陀仏」という六字名号も用いられています。浄土真宗には、本願寺派(西本願寺)と大谷派(東本願寺)があります。
- 成仏(じょうぶつ)
- 死んで、この世に未練を残さず仏となること。また、死ぬこと。仏になること。
- 精霊棚(しょうりょうだな)
- 盂蘭盆(うらぼん)に、先祖の精霊を迎えるために用意する棚。位牌(いはい)を安置し、季節の野菜・果物などを供える。たまだな。
- 初七日(しょなのか)
- 人の死んだ日を含めて、数えて7日目の日。また、その日に営む法要。しょしちにち。しょなぬか。
- 白木祭壇(しらきさいだん)
- 白木祭壇は、戦後日本が貧しい時代に、使い回しができるという理由で流行しました。仏式の葬祭で使用され、白木で作られた一般的な祭壇です。
- 白木の位牌(しらきのいはい)
- 葬儀・葬式の際に用いる木地のままの位牌。戒名(法名)、俗名、没年月日などを記入して、遺影とともに祭壇に安置します。葬列には、喪主が胸元に揚げて持参します。葬儀・葬式のあとは忌明けまで、中陰壇におまつりし、忌明け後はお寺などに納め、代わりに黒塗りの位牌を仏壇の中に安置します。
- 白張り提灯(しらはりちょうちん)
- 白紙を張っただけで、油をひいたり字や絵をかいたりしてない提灯。葬礼に用いる。しろぢょうちん。
- 真言宗(しんごんしゅう)
- 日本仏教の宗派の一。大日如来を教主とし、身口意(しんくい)三密の加持力で即身成仏(じょうぶつ)させるのを本旨とする。9世紀初め、入唐した空海が密教を恵果に学び、帰国して一宗を開いた。真言陀羅尼(だらに)宗。東密。真言宗には約一万二千の寺院があり、今日では高野山真言宗(金剛峯寺)、真言宗智山派(智積院)、同豊山派(長谷寺)などに分位しています。
- 信士(しんじ)
- 信義に厚い人。信仰の厚い人。仏法に帰依して受戒した在家の男子。優婆塞(うばそく)。清信士。男子の戒名の下に付ける称号の一。
- 親族(しんぞく)
- 親子関係による血族関係と、婚姻関係による婚族の総称。民法では六親等内の血族、三親等以内の婚族、および配偶者を一括して親族といいます。
- 寝台車(しんだいしゃ)
- 葬儀・葬式関連の寝台車とは、ご遺体を自宅等の安置場所に移送することを目的とした自動車のこと。
一般的には、寝台設備を有する鉄道車両のことを指す。
- 信女(しんにょ)
- 仏教で、五戒を受けた在家の女性の信者。優婆夷(うばい)。女子の戒名の下に付ける称号の一。