密葬は一昔前から使われている言葉ですが、なかなか行われる事例がありません。聞いたことがないという人も一定数います。
一方で家族葬は、近年執り行う事例が増加している形態です。そして「家族葬」と「密葬」は同じものだと思われている人もいます。
「家族葬」と「密葬」について、この記事ではそれぞれの特徴を解説します。家族葬と密葬の違いを明らかにするとともに「本葬」といった関連するキーワードについても解説します。ぜひとも最後までご覧ください。
<この記事の要点>
・家族葬は故人の家族や親しい親族のみが参列する小規模な葬儀形式
・密葬と家族葬は形態が似ているが、密葬は後日に本葬やお別れ会を行う点が異なる
・本葬とは、一般的には「社葬」などの大勢の参列者がいる葬儀形式のこと
こんな人におすすめ
家族葬と密葬の違いを知りたい方
密葬の後に行われる「本葬」について知りたい方
密葬をお考えの方
「家族葬」と「密葬」は違います。家族葬も密葬も少人数で行う小規模な形態なので、意味は同じように感じられます。どちらも一般の参列者を呼ばない、近しい親類と故人と縁の深い人のみが参列するというのが特徴です。
しかしながら、家族葬と密葬には明確な違いがあり、それは「密葬は後日に本葬を行う」ということです。後日に別の形態の葬儀をおこなうことにより「密葬」と「家族葬」それぞれの運営の仕方も、参列者やその他関係者への案内の仕方にも違いがあります。
葬儀に対する考え方の変化により、家族葬を選ばれる方が増えています。そんな中でも「そもそも家族葬についてよくわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは家族葬について、その定義とメリット・デメリットも紹介します。今後は家族葬を執り行うことも、参列する立場になる可能性も増えてきます。ぜひとも内容を確認してください。
家族葬とは、故人の家族や親類の中でも二親等~三親等の方のみが参列する小規模の葬儀形態です。家族葬という名称ですが、親類でなくても特に故人と生前親しかった知人が参列することもあります。
家族葬に参列する人数に明確な定義はありません。しかしながら参列者が30名を超える葬儀は「家族葬」とは呼ばずに、一般葬に分類されることが多いです。
段取りは一般葬と変わりません。通夜・告別式が行われ、火葬へと続きます。参列者が少ないため、所要時間は自然と短くなります。
家族葬の特徴は、参列者数が少ないことです。そのことにより「参列者ひとりひとりが故人との時間を十分に取れる」という点が、家族葬が選ばれる理由となります。
そして遺族にとっても、参列者が少人数の親類のみの事例が多いことで、故人との最後の時間をゆっくりと過ごすことが可能です。
また一般的な葬儀は、定型的な儀礼やしきたりなどがあります。一方で家族葬は、参列者のほとんどが気心知れた親類のみです。それにより、葬儀の内容を比較的自由に決めることができます。
そして、小規模ということは、すなわちコストも抑えられるということです。それでも参加人数が少ないだけ香典も少ないので、実質的な負担額は一般葬より大きくなることがあることは意識してください。
家族葬のデメリットは「参列者の人数を限定することを理解されない」や「参列できなかった方に不満をもたれる」といった内容です。これらは家族葬という比較的新しい形態について、容易に受け入れることができないという価値観の問題を含んでいます。
こういったトラブルを未然に防ぐために重要なことは、葬儀に対する考えを事前に共有しておくことです。
家族葬が故人本人の意向であれば、なおさら周囲には伝えておく必要があります。「参列をお願いしない方には事後連絡する」という考え方も一般的ではありますが、先に事情を伝えておいたほうが理解は得られやすいと考えられます。
注意すべきことは以下のとおりです。
・疎遠になっている故人の肉親に訃報を伝える
・参列できなかった方の弔問に備える
・香典の要否を明確にしておく
家族葬を行う際は、近親者以外には訃報を伝えないようにするのが一般的です。しかしながら、家族や近しい親類にはしっかりと伝える必要があります。
人には様々な事情があり、たとえ近親者であっても疎遠になっている事例もあるでしょう。そのような事例では訃報が伝わっていない可能性もあります。生前に死期が迫っていることがわかっていれば、その時点で知らせることが望ましいです。
また人数を絞った結果、参列できなかった方が弔問に訪れることも想定されます。自宅に返礼品などを用意しておくことがおすすめです。
そして一般葬では、持参するのが通例となっている香典ですが、家族葬では辞退する事例も多くあります。参列者の方が迷わないよう、明確にしておくとよいでしょう。
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家族葬を行う際に香典や弔問は遠慮できる?上手な伝え方もあわせて解説
密葬という言葉自体を聞き慣れない方も多いと思います。家族葬との差がわからないという人も、そもそも家族葬と似ているということも分からない人もたくさんいるでしょう。
ここでは密葬について、その定義とメリット・デメリットの解説をします。密葬を執り行う状況の人も、密葬に参列することになった方にも役立つ情報です。
密葬とは、故人と近しい親類などが参列する少人数の葬儀です。広く参列を呼びかけることはしません。ここまで聞くと差がないように見えますが、後日本葬やお別れ会が開かれることが家族葬との大きな違いです。
後日に本葬がありますが、密葬の中には通夜と告別式に火葬も含まれています。近親者といっても親類のみならず、生前に故人と特に親しかった知人は参列するのが一般的です。このあたりも家族葬との共通点です。
改めて密葬の大きな特徴は、お別れ会や本葬を前提に行われるということです。
密葬のメリットは参列者が少ないため、遺族が対応に追われることなく故人との最後の時間をゆっくり過ごせる点です。
故人や遺族の社会的な立場や宗教的な考えから、家族葬を採用することができない事情がある事例が考えられます。そのような時に本葬の前に密葬を行うことにより、対外的な参列者を迎える葬儀と近親者のみで行う葬儀を分けることが可能です。
また、コスト面でもメリットがあります。密葬では香典を辞退することが多いですが、本葬の香典は遺族が受け取ることが一般的です。そして本葬は「社葬」のような形態で行われることが多いので、コストは会社負担となるため遺族の負担が大きく軽減されます。
密葬を行うデメリットは、遺族の負担が大きいということです。この負担とは精神的・肉体的なもの両方を指します。
まず、密葬はその後に行われる本葬とセットで考えられています。しかしながら、密葬と本葬は一連の流れで行われるものではありません。
実質的には葬儀を2回行うことになるので、遺族は葬儀の準備を2回する必要があります。この点で遺族の肉体的負担は一般的な形態と比べて大きいです。
例え密葬のみで本葬を行わなかったとしても、参列できなかった方が弔問に訪れます。そのような対応も遺族にとっては負担が大きいです。
密葬を行うような状況であれば、本葬を行っても行わなくても多くの方の対応をしなければなりません。そのような対応は遺族にとって精神的にも負担であるといえます。
小さなお葬式で葬儀場をさがす
密葬を行う際には、気をつけるべきことがあります。これは一般的な葬儀とは異なる注意点です。
ここでは「訃報」についての他「親類の理解」など、具体的な事象を解説しています。密葬を執り行う機会がある方は、ほとんどいないはずです。
しっかりと内容を確認して、遺族として密葬に関わる時だけでなく、身近に密葬を執り行う方に助言をする際なども役立ててください。
密葬を行う際は、事前に訃報を流さないようにすることは重要です。密葬の後に本葬を行うような状況であれば、故人は非常に仕事の関係者や交友関係が幅広い方であると推測されます。
そのような状況下で故人の訃報が伝われば「参列したい」「弔問に伺いたい」という方からの問い合わせが殺到することが懸念されるためです。
その場で本葬の案内ができれば問題ありませんが、今日に連絡を受けても日程や会場等が決まっていないことがほとんどでしょう。訃報を広く伝えるのは、本葬の日程が決まったか、密葬が終わった後にすることをおすすめします。
密葬では、訃報を流さないことが重要です。そのことが故人の逝去を秘密にしているような感覚になり、後ろめたさを感じることがあります。
特に親類にとってはストレスになり、不満となることもありえます。親類間ではよくコミュニケーションをとって、認識合わせをしておくことが重要です。
また遠い親戚であれば、密葬に呼んでいないこともあるでしょう。それでも訃報というものは、何かしらのタイミングで伝わってしまうものです。
そのような時に親戚の方が気を悪くされてしまうことも考えられます。このような事例も想定して、親類間で理解を得ておく必要があります。
密葬を行うような事例では、参列できなかった方の多くが弔問客となることが想定されます。本葬に参列いただくにしても、密葬から期間があくことがほとんどです。
そのため「本葬を待たずに故人を弔うために訪問したい」という方もいらっしゃるでしょう。
遺族は「密葬」と「本葬」それぞれの準備で大変忙しいですが、弔問客への対応も意識しなければなりません。ある程度の対応は必要ですが、できる限り本葬に参列していただくよう伝えることをおすすめします。
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密葬とは?知っておきたい葬儀の流れと注意点
密葬は本葬とセットで考えられることがほとんどです。ここでは本葬について「定義」から詳しく解説します。
本葬を解説する際に重要なのは、一般的な葬儀との比較です。本葬の違いをそれぞれ確認することで、本葬への理解が深まります。本葬を知ることでは密葬の理解の助けになりますので、ぜひともご覧ください。
本葬とは、一般的には「社葬」などの、大勢の参列者がいる形式を意味します。「社葬」とは「会社が中心となって運営する葬儀」のことです。自然と、大勢の参列者が訪れる大規模なものとなります。
本葬が行われるような故人となると、会社の創業者や会長経験者などの重要な功績を残した方が対象となることが多いです。また、職務中に亡くなった方などを弔うために行われることもあります。
社葬であれば、コストは会社が負担することが多いです。一方で香典は、一般的には遺族が受け取ります。コスト面では遺族のメリットとなる事例が多いです。
また、社葬を行っていただくということで、そのような功績を残した故人を誇らしく感じて、充足感を得られるという面もあります。
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社葬のメリットやマナーについて
本葬と一般的な葬儀の大きな違いは、二つあります。
一つは運営主体です。一般的な形式では、親類が主体となって通夜・告別式を執り行います。一方で本葬は会社などの団体が主体となることが特徴です。
そしてもう一つの違いは、本葬の場合は「すでに火葬が終わっている」ということです。一般的な形式の場合は、最後に出棺があります。その際に「肉体を持つ」故人の最後の姿を見送ることになります。
しかしながら、本葬の場合は、すでに火葬されているので「お骨」をお祀りすることになるのが特徴です。本葬は逝去から一ヶ月程度経った後に行われるのが一般的なので、事前の密葬の時に火葬が行われます。
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近年では家族葬を選択される方が増えており、家族葬について耳にしたことのある方も増えているかと思います。一方で密葬は執り行われる事例が限定されますので、知らない方も多いのではないでしょうか。
また、言葉としては知っていても、実際に遺族として関わる際は調べなければならないことがたくさんあります。
小さなお葬式では「家族葬」と「密葬」それぞれについて、豊富なノウハウがありますので、ご不明点がある方は、ぜひともお気軽にコールセンターまでお問い合わせください。
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