コロナ禍によって、お葬式の在り方が変わってきています。参列する場合には「黒マスクで参列してもいいのか」「どうやって参列辞退を伝えるべきか」などの疑問を持つことがあるでしょう。また、喪主側としては「会食を省いて失礼に当たらないか」「小規模なお葬式のプランはないのか」などの悩みがあるかもしれません。
そこでこの記事では、コロナ禍でのお葬式のマスク着用といった参列のマナー、感染症予防方法を解説します。また、参列するべきか迷ったときの判断方法や、コロナ禍の状況に適したお葬式のプランについても紹介しているので、参考にしてみてください。
<この記事の要点>
・コロナ禍での葬儀では、マスクを着用するのがマナー
・マスクの色や柄に対するマナーは定まっていないが、白のマスクがおすすめ
・コロナ禍に配慮し、手指の消毒や一定の場所に長時間留まらないなど、感染症対策を行う
こんな人におすすめ
お葬式にマスクを着用していくかお悩みの方
お葬式におけるマスク以外の感染症予防を知りたい方
お葬式を欠席する場合の対応方法を知りたい方
コロナ禍に配慮したお葬式では、受付やお焼香などの際にマスクをしていてよいか、マスクは何色を選べばよいかなど、迷っている方もいるでしょう。ここでは従来のマナーと比較しながら、コロナ禍のお葬式でのマスク事情を紹介します。
コロナ禍においてお葬式でマスクを着用することは、参列者・喪主のマナーといえます。すでに各葬儀社ではスタッフのマスク着用を徹底し、参列者や喪主に対してもマスク着用を呼び掛けることが一般的です。マナー違反になることはないので、遠慮なくマスクを着用しましょう。
マスク着用は自分の身を守るだけでなく、相手に対する配慮の意味もあります。周囲に感染させてしまうリスクがある以上、感染症対策への協力を心がけましょう。
コロナ禍以前では、お葬式でマスクを着用することは非常識ではないものの、受付やお焼香の際にはマスクを取ることがマナーでした。その背景には、顔を覆っているのが失礼になるためや、遺族に自分の参列を知らせるためなどの理由があります。
特に喪主は参列者と話したり、大勢の前で挨拶したりする機会が多かったため、できるだけマスク無しがよいというのがコロナ禍以前のマスク事情です。
喪主側の受付役がマスクを着用するのも、マナー違反でした。これは、お悔みの言葉を、マスクを着けながら受けるのが、失礼に当たると考えられていたからです。
お葬式のマスクは黒色がふさわしいと考える方もいますが、最も無難なのは白色です。なかには、黒色のマスクに対してカジュアルなイメージを持つ方もいます。派手な色のマスクや目立つ柄のマスクもお葬式にはふさわしくありません。
ただし、マスクの色・柄に対する厳密なマナーは定まっておらず、黒色のマスクでも問題ないとする方もいます。また、冠婚葬祭用の落ち着いた色と柄のマスクも販売されており、マスクに関する考え方は家庭や地域によっても異なるでしょう。
お葬式に参列すると、涙でマスクが濡れることも考えられます。また、お焼香やお線香の際にマスクに汚れが付いてしまうかもしれません。念のため、予備のマスクを持参することをおすすめします。予備のマスクを携帯する際は、マスクケースやマスクポーチと呼ばれる入れ物に入れておくと、型崩れすることなく衛生的です。
また、喪主側や親族を代表して、予備のマスクを幾つか用意しておくのもよいでしょう。なかにはマスクを着けずに参列する方もいるので、手渡して着用をお願いできます。
お葬式での感染症予防対策はマスク着用だけでは不十分かもしれません。参列者の立場では、どのようなことに注意したらよいのでしょうか。自分の身を守るだけでなく、他の方への感染予防対策にもなるので、基礎知識を知っておきましょう。
マスク着用に加えて、手指の消毒をこまめに行いましょう。コロナ禍以降、出入り口などに消毒液を設置しているのが一般的です。会食場所やエレベーター、喫煙室、トイレなど不特定多数が利用する館内施設を利用した後などは、一層消毒を心がけましょう。
少し面倒に思うかもしれませんが、消毒はマスク着用と同じく周囲に感染を広げないための対策でもあります。例えば、お盆に香炉・抹香を乗せて参列者に回していく「回し焼香」などの儀式をすることもあるので、1人ひとりの注意が重要です。
一定の場所に長時間留まると、感染リスクが高まる傾向にあるため、待合室や喫煙所などのサービスを停止している葬儀社も少なくありません。これらの施設が利用できたとしても、必要最低限にすることをおすすめします。
自分が同じ場所に居続けることで密集状態を作ってしまうリスクを考えましょう。人が密集すると換気が十分でなくなり、感染リスク上昇につながります。
葬儀では遺族や親族への挨拶があり、会話をしないわけにはいきません。しかし、この際の会話は、なるべく最低限に留めましょう。受付やご遺族の前で言葉を交わす際も、マスクを着用したまま、簡潔な言葉でお悔みの言葉を述べます。
また久しぶりにあった方と、待合室や会食の会場などで、つい長話になってしまわないように気を付けましょう。こうした行動は感染リスクを高めてしまうことがあるので要注意です。
喪主には、滞りなくお葬式を終えるというプレッシャーがかかるものです。コロナ対策が加われば、さらに負担は増してしまうでしょう。喪主個人ができる感染症対策は限られているため、お葬式の規模を縮小することと、葬儀社に対策の一部をお願いすることが大切です。ここでは、喪主側ができる感染症予防について紹介します。
コロナ禍ではお葬式の後の会食を避ける傾向があります。例えば、通夜振る舞いをやめて参列者にお弁当を持ち帰ってもらうなど、簡略化が進みました。また、お弁当ではなくカタログギフトを渡し、参列者に好きな品を注文してもらう形式も増えています。
会食を実施する場合でも、あらかじめ小皿に取り分けた形で出すか、お弁当の形で提供するのがよいでしょう。大皿料理かビュッフェ形式による従来の会食は、感染症対策上、好ましくありません。
密閉・密集・密接の3密を避けるためには、以下のような対策が重要です。
密閉対策 | ・人数に対して大きめの会場を手配する ・換気を徹底してもらう など |
密集対策 | ・時間差焼香をお願いするか、焼香時間を通常より長く取る ・移動用のマイクロバスの台数を増やし、席に感覚を空ける など |
密接対策 | ・椅子と椅子の間をできるだけ離す ・焼香や受付の列にソーシャルディスタンスのルールを設ける ・受付所に飛沫防止のためのシールドを設ける など |
現実的には喪主がこれらを実施するのは難しいため、信頼できる葬儀社に依頼するのがおすすめです。葬儀業にも「新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」が設けられています。独自の対策ではなく、専門家の知見が反映されたガイドラインを満たしている葬儀社を選びましょう。
少人数での葬儀を希望する方が増えています。その理由としては、参列を断られるケースが増えていることや、感染症対策の観点から少人数のほうが適しているからです。
無理をして参列してもらうのも心苦しいため、相手の住所や年齢、体調などに配慮した上で、誰を呼ぶかを決めましょう。一般的には、以下のような条件で参列者の数を減らすケースが増えています。
・遠方者の参列をお断りする
・高齢者の参列をお断りする
・2親等までの範囲に絞る
喪主は参列者に対して、感染症対策についての説明とともに、協力に対するお礼を伝えましょう。伝えるタイミングは、お葬式の案内をする時と式の最後で挨拶する時です。
例えば、参列に対するお礼に続いて「この度は感染症対策としてマスク着用やソーシャルディスタンスにご協力いただき、誠にありがとうございました」などの内容を追加します。また、お葬式の規模を縮小した場合には、参列をお断りする方に対してお詫びを述べることも必要です。
参列者の数が多い場合は、案内所などで感染症対策への協力を呼び掛けるのが大変でしょう。この場合は、「マスクを着けてお焼香いただいてかまいません」などのポスターを、葬儀社に頼んで貼ってもらう方法もあります。
感染リスクを考えると、参列を辞退したいケースもあります。また、自分が感染拡大を引き起こすかもしれないと不安に思うこともあるでしょう。参列を迷った場合には、自分の安心や体調管理の面だけでなく、相手方の気持ちや地域の状況なども総合的に判断することが必要です。ここでは、参列を迷ったときの判断方法について紹介します。
参列を迷った際には、自分の希望だけでなく、遺族の希望を大切にしましょう。仮にお葬式の案内状に「昨今の状況下を鑑みて誠に勝手ながら遠方からのご列席は遠慮いたします」とあるのに参列すれば、迷惑をかけるかもしれません。
一方、通常通りの案内状が届けば、コロナ禍であっても故人を見送ってもらいたいことが伺えます。どうしても参列を辞退したい場合を別にして、なるべく遺族の希望に合った方法を検討しましょう。
自分の体調がすぐれない場合は、感染リスクを考えて参列辞退を検討しましょう。具体的には、体温が37度以上ある場合や風邪のような症状が出ている場合などです。また、このような方と14日以内に濃厚接触をした場合も参列を避けたほうがよいでしょう。
原因がわかっている体調不良であったとしても、周囲の気持ちを考えての参列辞退も検討します。咳やくしゃみなどをしている参列者がいることで、周囲も不安を感じるかもしれません。また、喪主や遺族に対しても、無用な心労を与えてしまう恐れがあります。
緊急事態宣言下でもお葬式への参列は制限されていませんが、現在の感染状況を考えたときに参列を迷う方もいます。感染拡大のリスクを高める往来となる場合は、参列辞退を検討しましょう。
葬儀会場のある自治体から、県外からの移動を極力控えるように要請が出ているなどの場合は、参列を辞退したほうがよいかもしれません。また、感染リスクを考えて、遺族が参列を希望しない場合もあります。PCR検査を受けてから出発することを伝えるなど、相手方に配慮した対応が必要です。
参列辞退を喪主に伝える場合は、できるだけ早く、少なくとも前日までに電話やメールで連絡しましょう。親族以外が参列を辞退するケースでは、「一身上の都合により」「やむを得ない事情で」などのように婉曲に表現するのがマナーです。しかし、コロナ禍が理由であれば、以下のように明確に伝える方法もあります。
緊急事態宣言地域からの移動になりますので、万が一を考えて参列を辞退させていただくことにしました。
○○さんを直接お見送りしたかったのですが、昨今の状況下を鑑みて欠席させていただきます。
本来ならすぐに駆け付けるところですが、同居している高齢の両親への感染が心配なので、誠に申し訳ありませんが欠席させていただきます。
コロナ禍によって、小規模なお葬式を選ぶ方が増えています。参列者への負担や感染症対策の大変さなどを考えると、昨今の状況に適したお葬式といえるでしょう。ここでは、家族葬、一日葬、火葬式、お別れ会の4種類のお葬式の特徴を、それぞれ紹介します。
家族葬とは家族のみ、または故人と生前親しかった親族だけを集めて、少人数で執り行うお葬式です。会社関係や近所の方の弔問がないため、故人とのお別れの時間をゆっくり過ごせます。
コロナ禍でのメリットは、少人数のために3密を回避しやすいことです。また、生活を共にしている方や普段から交流のある方が多いことから、濃厚接触になったとしても感染リスクがそれほど高くなりません。加えて、昨今の状況を考えて家族葬に切り替える方も増えていることから、周囲の理解を得やすいでしょう。
一日葬とは、通夜式を行わず告別式と火葬を1日で行う方法です。一日葬のメリットは、重要な儀式を省くことなく、お葬式の時間を1日短縮できることでしょう。喪主側や参列者の体の負担を減らせることから、高齢の関係者が多い場合にも、一日葬が選ばれています。
参列者が集まる時間を減らして感染リスクを減らせるのも、コロナ禍におけるメリットです。また、会食を行わなくても自然な流れになることから、一日葬を選ぶ方もいます。
火葬式とは、通夜式・告別式を行わず、火葬と僧侶による供養のみを行う方法です。参列者を招かないため、小規模なお葬式の中でも、最も費用が少ないのが特徴でしょう。家族のみでゆっくりお別れをしたい場合は、仏具を借りて自宅安置もできます。
感染症対策という観点からみると、火葬式は通常のお葬式に比べて非常にリスクが少ない方法です。また、「小さなお葬式」では無宗教の方向けに、さらに仏具などを省略した「お別れ葬」というプランもあります。
お別れ会とは、葬儀と別に、故人とお別れをする機会を後日設けるものです。火葬前に葬儀をする地域が多いですが、遺体安置の関係上、葬儀を長期間延期するのは難しいでしょう。
コロナ禍への対処からみたお別れ会のメリットは、執り行う時期を自由に決められることです。宗教上の決まり事がないため、葬儀を家族のみで済ませ、状況が落ち着いてからお別れ会を実施するという方法もあります。また、感染症予防をしやすい演出・進行を選ぶのもよいでしょう。
お別れ会は宗教的な儀式が少なく、遺族や故人の希望に合わせて自由な形式が選べるのが特徴です。例えば、音楽を演奏したり平服で参加したりするお別れ会などが行われています。
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コロナ禍によって、マスク着用や会食、参列者の範囲など、お葬式の在り方に変化がみられます。緊急事態宣言下でもお葬式に対する制限はありませんが、喪主と参列者が安心して故人を偲ぶためのマナーや方法を知っておくことが大切です。また、喪主や遺族だけで感染症対策を行うのは難しいため、葬儀社や参列者の協力も重要でしょう。
小さなお葬式では、葬儀業「新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」に準拠した3密対策を実施しています。また家族葬、一日葬、火葬式、お別れ会など、昨今の状況に向いた小規模なお葬式プランが利用可能です。コロナ禍における葬儀で不安なことがあれば、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。
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御仏前は「仏となった故人の前に供えるもの」という意味です。ホゥ。