近年は、家族だけや親族だけ集まってお葬式を行う方が増えています。家族葬は一般的なお葬式よりも、決まりごとが少なかったり、香典が通常とは違ったりするので、ゆったりとした時間を過ごせることが人気である理由の一つのようです。
一般的なお葬式には参列したことあるけど、家族葬には参列したことがないという方もいるでしょう。今回は、家族葬に適した香典の代わりになるものについて解説します。
<この記事の要点>
・家族葬は参列者の対応等が少ないため、故人との別れの時間をゆっくりと過ごせる
・家族葬では香典の代わりに供物や花が選ばれやすい
・お供え物を手渡しで渡す際は、「ご霊前にお供えください」と言って渡すのがマナー
こんな人におすすめ
家族葬について知りたい方
家族葬に適した香典の代わりになるものを知りたい方
香典代わりのものをいただいた際の香典返しが必要かを知りたい方
一般的な葬儀には、故人の親族の他に、友人や知人、仕事関係の人など、故人と生前関係があった方々が多く集まります。その中には遺族も知らない人が参列し、初めて会う人の対応をお葬式の準備と並行して行わなければいけないため、当日の喪主や遺族は非常に忙しいといえるでしょう。
しかし、家族葬であれば参列者の対応等が比較的少ないため、喪主や遺族は故人との別れの時間をゆっくりと過ごせるでしょう。
その反面、故人の訃報をあとから知った人の対応が大変だったり、集まる人数が少ないため香典が集まりにくかったりするといったこともあり得るでしょう。香典が少ないと、遺族が負担する葬儀の費用が高くなる可能性が高くなります。
一般的なお葬式にするか家族葬にするかについては、あとから問題が起きないようにするためにも、親戚や故人の友人、知人のことも考えて決めることをおすすめします。
一般的なお葬式では、多くの参列者が金品を持ち寄ることが多く、持ち寄った金品を「香典」と呼び「故人を供養する」という意味合いがあります。
しかし、遺族の意思で香典を辞退するケースがあります。その場合は香典を持ち寄ると失礼にあたりますので、基本的にお断りの知らせがある場合は、香典を持参しないほうが正しいともいえるでしょう。
とはいえ、中には何らかの形で品物を用意して「どうしても故人の供養をしたい」と考える方も少なくありません。そういった方々に向けて、香典の代わりになるものについて解説します。
香典の代わりの品として選ばれやすいのが供物(くもつ)や花です。供物とは、祭壇に捧げるお供え物のことです。籠に入った果物や線香などがお葬式の際にお供えしてあるのを見たことがある方もいるのではないでしょうか。
お供え物には、五供(ごくう)と呼ばれる下記のような仏教の考え方があります。
香 | 線香や抹香 |
花 | 供花 |
灯明 | ろうそく |
水 | 清らかな水 |
飲食 | 普段から食べているもの |
上記の5つは、供物としてふさわしいと考えられています。実際に贈る際は、お供え物に熨斗(のし)をつけて贈るようにしましょう。
ここでは、選ばれることが多い線香や花、飲食物について解説しますが、贈り物としてふさわしいものは宗教や場所によって様々です。香典の代わりにお供え物を持参する際は、事前に確認しておくことをおすすめします。
また、お供え物の値段は選ぶものによってさまざまですが、あまり高くないものを選ぶことが多いでしょう。もし、高額のものを贈ってしまうと、香典返しなどで遺族の負担が増える場合があります。
線香は心身と空間を清める意味があり、家族葬でも定番のお供え物の一つです。葬儀が終わった後も使えるので、金銭的な意味で遺族の助けにもなるでしょう。
線香を香典の代わりに贈る場合は、進物用の線香を選ぶことが少なくありません。進物用は木製の箱に入ったものが多く、香りの種類や煙の量を選べるので、遺族のことを考えて選ぶようにしましょう。
キリスト教の場合はそもそも線香をあげる習慣がありません。また、神道では、線香をお供え物に選ぶのは不適切とされることが多いので注意しておきましょう。
お供え物の花を供花(きょうか)と呼び、仏教や神道では、白色の花がメインに選ばれることが多いです。花の種類としては、菊や百合、胡蝶蘭などです。他の色では、黄色の菊が白色の花に添えられることもあります。
キリスト教の場合も白色の生花が選ばれることが一般的です。仏教や神道では、菊の代わりにカーネーションやバラ、百合が多く選ばれています。
家族葬で花を香典の代わりに贈るときは、故人が好きだった花や派手すぎない配色で落ち着いた色の花をメインに選ぶとよいでしょう。
一般的な葬儀や家族葬で、仏教式のお葬式で飲食物を選ぶときは、四つ足生臭ものは不適切とされています。具体的なものとして、動物の肉や海産物は避けて選びましょう。
仏教式で、香典の代わりにふさわしいのは、故人が好きだった果物やお菓子など常温で日持ちのするものです。果物を選ぶ際は、丸い果物を選ぶと故人と縁が切れないという意味にもなるので、適切といえます。
神道では、故人の好きだった果物やお菓子などの飲食物が選ばれることが多いです。また、仏教では不適切とされていた海産物を選んでもよいとされています。
キリスト教では、飲食物を供物として捧げる習慣はありません。キリスト教徒の場合は注意しましょう。
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家族葬や一般的なお葬式で、お供え物を香典の代わりに渡すときは「直接会場に出向いて手渡しする」、「当日会場に行くことができないので郵送する」ケースがあります。それぞれの渡し方を見ていきましょう。
香典の代わりに、お供え物を直接渡す際の注意点は、家族葬でも一般的なお葬式でも共通しています。どちらの場合もお供え物を持参した際は、まずお悔やみの言葉を述べます。その後に「ご霊前にお供えください」と言ってから渡すのがマナーです。
やむを得ない事情で、香典の代わりにお供え物を郵送する際は、一般的なお葬式でも家族葬でも必ず事前に確認しましょう。突然郵送で届くと、当日会場のレイアウトを変更しなければならないという事態にもなりかねません。
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香典をお断りするということは、遺族側に何かしらの事情があると考えられるでしょう。家族葬の場合も香典の代わりにお供え物を渡す際は、持参してよいか確認することをおすすめします。
お供え物は香典の代わりに渡すことが多いので、遺族側は香典返しをしなければなりません。遺族の事情を考慮して、香典返しの負担を増やさないためにも、渡す際に「香典返しを辞退する」と口頭か書面で伝えることも考えておきましょう。
また、場所や宗教によって渡していいものと渡してはいけないものがあります。あとから問題になるのを避けるため、事前に確認をするとよいでしょう。
家族葬では、香典も香典の代わりのお供え物も断っているケースがあります。その時は、香典とお供え物のどちらも持参しないのが基本的な礼儀作法です。
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香典返しとは、いただいた香典の金額の半分~3分の1程度の品物を、忌明けに参列者に渡すことです。家族葬でも香典返しをするのが基本となっています。
では、お供え物をいただいた場合は、香典返しが必要なのでしょうか。結論としては、お供え物は香典の代わりとなるので、参列者から辞退するとの旨を受けていない場合は、香典返しをする必要があります。
金額の目安も通常の香典返しと同じで、いただいたお供え物の半分~3分の1程度の品物を選ぶのが一般的です。ただし、場所によっては、お供え物に香典返しは必要ないとされていることもあるので、分からない場合は葬儀会社に相談するとよいでしょう。
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香典の代わりにお供え物をいただいたけれど、お葬式が終わったあとどうすればよいのか分からない方もいると思います。基本的に家族葬でも一般的なお葬式でもお供え物の処理は同じです。
お供え物は親族の間もしくは、親族と葬儀を手伝ってくれた方々で分けることがほとんどです。分けることが難しい場合は、葬儀会社が代わりに分けてくれることもあります。
お供え物を分けるタイミングは家の風習や場所によって異なり、一週間程度飾った後に分ける家庭もあれば、お葬式の後すぐに分ける家庭もあるようです。
分けてもらったお供え物は、故人の供養のためにも消費してかまいません。傷みやすいものが入っていることもあるので、そういった場合は早めに消費しましょう。
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今回は、近年選択する人も増えている、家族葬で選ばれる香典の代わりになるものについて解説しました。家族葬を選択する方の中には、香典も代わりの品も断っている方もいるので、そこは遺族の意思を尊重して参列しましょう。
香典の代わりにいただいたものは、参列者から故人を偲ぶ気持ちの表れとも言えます。故人の好きだったものを贈られることで、思い出が蘇ることがあるでしょう。
家族葬の場合にどんなものを贈ればよいか迷っている方は、ぜひ小さなお葬式にご相談ください。様々なケースに対応できる経験豊富なスタッフが、親身になってアドバイスいたします。
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